Huskyさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

アンソニーの視点を自分として捉えるとゾッとする。最初観ながら訳わからんなーと思ってたけど当人もそんな気持ちなんやろね。
誰も悪くないのに関わるみんなにとってツラいことが多すぎる。

トゥルーノース(2020年製作の映画)

4.5

北朝鮮の強制収容所のことはなんとなく知ってるレベルだったが、映像として見るとその想像を遥かに超えた惨さに衝撃を受けた。
終わりの見えない地獄こそ最大の苦痛に思う。暴力や拷問、強姦など労働者へのゴミのよ
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.2

ボクシング映画にしては珍しく弱いボクサーの主人公を中心にボクシングの影の部分にスポットを当て、試合うんぬんよりもボクシングへの愛情や苦悩などの感情を前面に描いている。
マジメで指導力も抜群なのに試合に
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.7

自分の生き方を後悔しながらも流れに逆らわず歳を重ねてしまった中年男が、その人生を過去に遡って反芻していくストーリー。
歳が近いせいかその時代時代のカルチャーがとてもノスタルジックで切なく、また「普通」
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君が描く光/ケチュンばあちゃん(2016年製作の映画)

4.2

主演の女の子やヤンイクチュンの素晴らしい個性を抑えてのユンヨジョンの圧倒的な存在感。まさにバーサンofバーサン。凄すぎ。
全然想像と違う展開に驚かされたし何より涙腺ブッ壊された。

夏時間(2019年製作の映画)

3.9

ドキュメンタリーと思えるほどの家族の自然な雰囲気。それも相まって、自分自身が夏休みに田舎へ帰った時と重ね合わせてとても甘酸っぱいような少し切ない感情になった。
人生は食べることということを象徴するかの
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未成年(2018年製作の映画)

4.0

主演の女子高生2人の切なくも強いその空気感に圧倒された。

フェアウェル(2019年製作の映画)

3.8

家族のキャラが良くシリアスな中にクスりとするシーンもあり、秋に見るに相応しい優しく切ない話。ラストもいい。

天国にちがいない(2019年製作の映画)

3.3

監督が見てる日常の風景を一緒に体験するだけっていう変わった映画。
日常といってもシニカルなありえない風景の連続だったが。特にNYの人間がみんな銃を持って生活してる演出が面白かった。
恐らく掘っていった
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.8

開拓民の苦労や日常の不幸の連鎖、夫婦の不和などなかなか大変なストーリー。そんな中でも息子とばーちゃんが味があってほっこりする。だからこその後半のばーちゃんの表情を見るのがツラかった。

世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)

3.6

フィンランドの田舎の食堂に突如現れた中国人が、店を手伝い中国料理を広めていきつつ住民たちと交流を深めていくって話。
身体への効能など中国の医食同源の考え方がよくわかるし、なによりうまそう。
むしろ食事
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

4.0

金に執着した獣たちの群像劇。
人は金によってここまで狂うのかっていうのをMAXに表現してる。
ストーリーもギミックも秀逸で、うわーそう繋がるかーってすごい楽しめるんやけど、ちょっと色々やり過ぎ感が否め
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

3.7

治安悪そうなマンションや、湖での娼婦の仕事場や屋台街でのダンスなど、見たことない独特の文化が中国の地方って感じで刺激臭が強くてたまらない。

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

3.7

人生とは常に同じ状態ではないということ、また何事も時間が経てば慣れてしまえるということ。
これを理解し飲み込むことで人生も少しは楽になるのかなと思う。

主人公の聾の状態を疑似体験するような内容に観て
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.8

金大中暗殺事件を史実に基づき仕上げた作品らしい。
これが実話ベース?って疑う真っ黒さ。これが一国のトップってのが信じ難い。
どこまでリアルかはわからないが、韓国映画は歴史を題材にする作品が多く、どれも
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幸福路のチー(2017年製作の映画)

3.9

割合で見たら苦難の方が多いんじゃないかっていうような一般的な現実の人生を投影してるようなリアルな内容で、そんな変えられないものの中でどう生きるかということを考えさせられるとても良い作品だった。

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)

4.2

ISなどのイスラム過激派に関する作品は色々観てるけど、その暴力性や残虐性は毎度理解できない。
実話に基づいているらしいけど、あんな状態で13ヶ月過ごしたってのが想像を絶するし、莫大な身代金を家族の奔走
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

ノマドといういい響きに憧れるのは簡単だが、自由が全てにおいて幸せなのかのいうことに対しては、作中の人々の表情に表れてるように一元的には言えないと思う。
国立公園や荒野の美しさとは対照的な主人公の所作が
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アリ&クイーンズ(2021年製作の映画)

3.5

自分勝手すぎる母親とそれすら許してしまう息子に苛立ちを感じつつも、住み着いた周りの仲間たちとのやり取りやNYの街並みで気持ちが相殺された。

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

3.2

演技派を揃えたばかりにキャラのリアルさが増して、特に太賀演じる主役の情けなさにずっとイライラして、また元奥さんとの車内でのやり取りは自分がその場にいるかのように辛かった。

ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

3.5

物を捨てるということで芽生える心の変化や人との関係の在り方などの様々な気付きを軸に2時間持たせてしまうっていう結構斬新な話。
主役のコの雰囲気や度々出てくるビンテージなモノなどミニマリストをテーマにし
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楽園の夜(2019年製作の映画)

3.9

済州島の自然とバイオレンスのコントラストが美しさを助長する。
この手の話にしては主役のキャラ(強さや慎重さなどの総合力)や稀代のクズ社長への対応が少し弱いとモヤっとしたが全て吹き飛ばす素晴らしいラスト
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.3

どストレートなヤクザもんでありながらも社会の潮流に呑み込まれていく様を丁寧に描くことやキャストなどで昔と今をMIXした新しい映画に仕上がってる。
特に磯村素晴らしい。
どんなに哀れでも義理人情の精神を
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はちどり(2018年製作の映画)

3.9

思春期特有の周りとの感情の噛み合わなさやモヤモヤなどを静かにそして美しく表現した作品。
主人公の女の子にもっと笑顔になって欲しい、幸せになって欲しいと思わせる魅力があり、その透明感と存在感で2時間持つ
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

4.2

前情報を入れずに観たので内容とイメージが違いすぎてビックリした。
当時の中国の貧困層における白血病患者の現実がなかなかに重々しい。
ただそんな中でも、イメージしてたようなふざけた演出もあったり、とにか
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凪待ち(2019年製作の映画)

4.2

どうしようもないクズっぷりで、ここまでもう見てられないほど堕ちていく映画はなかなかない。
ただ転落の背景が見えると、そこには運など本人の努力でも変えられないものがあったりで、人生なんて表裏一体だなぁと
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.4

非常に重い題材にドキュメンタリータッチなシーンを挟むことで、よりリアリティが増し、産みの親、育ての親それぞれのドラマをしっかり描き切ることにより序盤のイメージとはまるで印象が変わった。
そしてなんと言
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.8

mid90s、まさに自分が色気づきだした年代で、特にファッションなんかは当時数少ない媒体から必死で覚えたブランドがバンバン出てきてエモすぎた。
大人へと背伸びするティーンの純粋さや危うさが気持ち良くも
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マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)

4.4

鬼畜極悪日本人。どこまでが史実かはわからんけどこんなん観たら反日になってもしゃーないな。
命を懸けて祖国の未来を守るため行動する姿が眩しかった。
歴史映画に友情っていう王道パターンやけどそこにこそ韓国
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生きちゃった(2020年製作の映画)

3.5

主演3人のバックグラウンドが浅く、いまいちそれぞれの性格が見えにくい。
感情をだせない厚久の性格から色々事件が起きるのは事実だが、なんでもかんでもそのせいにするのはあまりに酷に思う。
ただこういう思っ
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.0

この成熟した現代社会においてまだこんな感じなん?ってのが率直な感想。
その生活の窮屈さや姑のクソさ、カフェの頬骨男にストレス溜まった。

グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)

4.0

小学生だからこその行動のバカらしさや言葉のチョイスがツボ。メッチャ笑った。

青の稲妻(2002年製作の映画)

3.0

主人公たちが味わっているつまらない日常がそのままこちらにも伝わって睡魔と闘うはめになった。
2000年代とは思えない色のない街の雰囲気や内容のディテールなど味のある作品だがなにしろ淡白すぎた。

EXIT(2019年製作の映画)

3.9

これぞエンタメって感じのスケールのデカい話。
テロによる有毒ガスから逃れるためにひたすら上を目指すっていう珍しい展開で、高所でのアクションのハラハラがすごい。ただコメディ要素もありサスペンスに振り切っ
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1978年、冬。(2007年製作の映画)

3.8

文化大革命後の中国北部の話。
薄靄がかったような彩度の低い映像から伝わる退廃した村の雰囲気や閉塞感。物質的にも精神的にも不自由で息が詰まる。
セリフが少ない分、画と内容の素朴さがとても沁みた。
そして
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