ヌテッラさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ヌテッラ

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ピンク・クラウド(2021年製作の映画)

2.9

スペキュレイティブフィクションがちっともスペキュレイティブじゃなくっちゃった世界で、それも一応最悪は脱して、映画の中の状況がとりあえず過去のことになった今観てもそりゃそんな面白くないよね、という時の利>>続きを読む

マッドタウン(2016年製作の映画)

4.0

問答無用で圧倒的な大作のA Girl Walks Home Alone at Nightに比べても、ひたすらvibeyな上に見てて楽しい濃いキャラクターたちで勝利したMona Lisa and the>>続きを読む

Watcher(原題)(2022年製作の映画)

3.9

裏窓的な窃視スリラーの最新フェミニスト版て感じ。そしてセリーヌ・シアマが「male gazeには文字通り女を殺す力がある」って言ってた、ジェンダー化された視線の力学の非対称性を描いたまたしても良き例。>>続きを読む

ブラック・ビューティー(2016年製作の映画)

3.4

本国で妙に評価が高い(Rotten Tomatoesで90%とか)理由がわかった。ギミッキーなシネマトグラフィーも効果的だし、キャストもハマってるし、家父長制によって競わされる女たちっていうテーマもす>>続きを読む

Plan B(原題)(2021年製作の映画)

4.6

確実にブックスマートがあって初めて出てきた作品なのでブックスマートには草分けとしての意義があるけど、ブックスマートでちょっとやだなあと思ってたところ(結局主人公は白人二人組だし)が見事に解消されて、は>>続きを読む

クローズド・ガーデン(2017年製作の映画)

4.7

女性を’objectify’する、つまり彼女らの身体を「客体化」し同時に「モノ化」するmale gazeに対して、female gazeには、女性(だけじゃなく人間一般やときに動植物さえも)を’hum>>続きを読む

アート・オブ・ラビング(2017年製作の映画)

4.5

やはりフェミニストperiod dramaは最高だな....男性・男根中心的じゃないセックスのあり方の追求と、それに基づく正しい性教育(有効な避妊法etc.)はそのまま直接女性のリプロダクティブヘルス>>続きを読む

MS Slavic 7(原題)(2019年製作の映画)

2.0

ひたすら何も起こらない。貴重書のリーディングルームには基本パソコンか鉛筆しか持ち込めないのに(超絶当たり前)ペンを持ち込もうとして司書の人に止められて「え〜でも私はペンの方が良いのに〜」とか言ってる時>>続きを読む

エル プラネタ(2021年製作の映画)

4.9

うわーーーーこれはエグい。観ながらこんなに心がザワザワしたのは久しぶり。とても個人的なレベルで自分に重なるところがあまりにも多くて本当に(良い意味で)辛かった。監督と脚本と主演を務めたアマリア・ウルマ>>続きを読む

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

4.0

A Girl Walks Home Alone at Nightに引き続き夜道を一人でさまよう最強の女の子が主人公で、音楽の使い方がめちゃ上手くてそれだけで作品のクオリティが一気に引き上げられてるとこ>>続きを読む

ザ・ブレイカー・アッパラーズ 別れさせ屋の私たち(2018年製作の映画)

3.8

めちゃ面白い。特にマオリの五人組が面白すぎて腹筋が死んだ。女のlove of my lifeは女友達なんだ!って言って恋愛至上主義にNOを突きつけてくる映画ほんと好き。

彼女たちの革命前夜(2019年製作の映画)

4.4

本作がイギリス本国で公開された2020年の3月の国際女性デーにたまたまロンドンにいたので、サウスバンクで毎年やるWOW Festival (Women of the Worlds Festival) >>続きを読む

ニューヨーク、恋人たちの2日間(2012年製作の映画)

3.1

前作に引き続きタイプAの悪夢を忠実に映像化した地獄巡りのような映画。絵に描いたような「こんなのはいやだ」がてんこ盛り。ただ前作のジャックに比べてミンガスは妥協できるタイプなのでこの2人は多分なんとか上>>続きを読む

プライベート・ライフ(2018年製作の映画)

4.8

映画っていうメディアと恋に落ちたのはそうそうこういう映画がきっかけだった、って思い出させてくれるタイプの作品。ニューヨークの秋冬の空気感の撮り方が抜群に良い。そして本だらけのアパートが百点満点

ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女(2014年製作の映画)

4.9

タイトル(もちろん原題)見ただけで絶対傑作ってわかる作品ってたまにあるけどこれがまさにそれだった。映画にここまで異世界にぶっ飛ばされたのは久々かもしれない。非の打ち所がない。

アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

3.3

わたしはHer (2013)がだいっっっきらいなので(ヒント:ミソジニー)、男性とフェムボットの関係についてのこれまでのディスコースを踏まえた上で、女性と男性のボットだったらどうなるかな、という視点が>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラストショットが100点満点中120点。余計な装飾や無駄に感情に訴えかけようとする演出なしにとにかく淡々としたトーンだったのが大変良い。当事者の女性たちが自分の体験を語るシーンは、10-15分かけて彼>>続きを読む

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

4.7

この手のフェミニストperiod pieceが大好きなので期待値も高めだったけど楽々越えてきた。はっきりと描くものと描かないものを意図を持って操作しているのがわかって、トラウマの不必要な二次生産になら>>続きを読む

2ガールズ(1995年製作の映画)

2.5

全員演技に気合が入ってなさ過ぎて終始これはミームか??(笑)って感じだけどまあこれはこれでcampでいいんじゃねという結論。最後に出てきた「最初のガールフレンドに」って献辞が◎

Landline(原題)(2017年製作の映画)

4.0

Obvious Childに引き続きジェニースレイトとジリアンロベスピエールの相性が百点満点。comfort movie

ウォーターメロン・ウーマン(1995年製作の映画)

4.9

最近ほんと良い映画ばっかり観過ぎて贅沢すぎる食傷気味なんだけどこれは映画史に名を刻まれるべき(というか既に刻まれてるけど)傑作…ゲイの黒人女性のフィルムメイカーが、1930年代のゲイの黒人女性の映画俳>>続きを読む

裸足の季節(2015年製作の映画)

4.3

聞いてた通りトルコ版Virgin Suicides。姉妹たちが置かれた状況はVSよりキツいけど、映画が目指すところにVSほどどん詰まりの絶望感はない、というか完全にVSを踏まえた上でその先に行こうとし>>続きを読む

キンダーガーテン・ティーチャー(2018年製作の映画)

4.6

静かな不穏さ。設定は夏なのに空気感がとにかく寒い。いろいろ複雑なテーマが丁寧に織り込まれた作品だったけど個人的に一番印象に残ったのが「教師」という仕事についてくる不均衡に大きな力の危うさ。主人公のリサ>>続きを読む

ブロークン・イングリッシュ(2007年製作の映画)

4.7

ゆるく三部構成でそれぞれのパートが全く違う映画のような感じ。主人公の感情の進化と人間としての成長が絶妙なトーンの違いから間接的に伝わってくる仕組み。ビフォアサンライズっぽくもありビフォアサンセットっぽ>>続きを読む

バンド・エイド(2017年製作の映画)

3.7

なんとこれ監督プロデューサー作曲家からアシスタント照明担当ドライバーまで一人残らず全員女性のクルーで撮影(もちろん偶然ではなくて意図的に全員女性)という前代未聞の企画で、その情報をきっかけに視聴に至っ>>続きを読む

Bright Young Things(原題)(2003年製作の映画)

3.0

オックスブリッジのblack-tieパーティー文化は今でもこのまんまだけどあれはbright young thingsの名残でもありその失われた面影の追求でもあり...タイムトラベルできたらどの時代に>>続きを読む

エリザベート 1878(2022年製作の映画)

3.6

コッポラの『マリーアントワネット』の質実剛健な従姉妹って感じ。コルセットと乱れた髪と手のついていない料理が三点セットのマテリアルなメタファー

香港はもう明日(2015年製作の映画)

4.8

ああああああああああああああああああああああああああああああ(死亡)

パーティーガール(1995年製作の映画)

5.0

完璧!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!天才!!!!!!!!!!!!!!!!
映画の世界に今すぐそのまんまトランスポートされたいとここまで思ったのいつぶりだろ。メアリーはわた
>>続きを読む

Pleasure(原題)(2020年製作の映画)

4.8

傑作。ポルノ業界の正しい描き方があるとしたら多分これ。後半のBellaから出たあの行動は、前半で彼女が出会した最悪の経験の反復であると同時に、相手の女の子に対する純粋な憎悪から出た行動で、そこで観客が>>続きを読む