けんいちさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

けんいち

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ラスト サムライ(2003年製作の映画)

5.0

明治維新直後の日本を舞台に“最後のサムライ”となった男たちの姿を描く。

約20年ぶりの劇場鑑賞。

この間、日本人と外国人が共演する作品を沢山観たからか、当時ほどは違和感無し。

出番は少ないながら
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あんのこと(2023年製作の映画)

5.0

売春や麻薬の常習犯である女性を描いた、実話ベースの映画。

人間も世の中も、グレーゾーンで成り立っていること。
正論が最善とは限らないのが社会の難しいところ。

それらが丁寧に描かれている点が好印象。
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めくらやなぎと眠る女(2022年製作の映画)

4.5

村上春樹の6つの短編小説を翻案して描いたアニメーション映画。

原作は未読。

実写でも可能だったであろうが、SF色強めの演出はアニメに打って付け。

解決したようなしてないような、謎だらけのまま進み
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.0

チキンを巡って母娘が巻き起こす騒動と亡き父の記憶。

塗り潰しと最低限の線で表現した作画は、意外なことに違和感無し。

というか、BGMやSEが観客の想像を補っているのだろう。

作品自体は佳作という
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ゴンドラ(2023年製作の映画)

4.5

山の谷間を行き来する2台のゴンドラで働く2人の女性の話。

コレまた殆どセリフ無しだが、面白い。

変化の無い日常も、ほんの少しの想像力と行動で楽しいものになる、と。

家畜や御遺体など、時折意外なも
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.5

犬とロボットが織りなす友情を描いたアニメ。

簡素な作画なのに、既視感ナシ。
シンプルなストーリーなのに、情感豊か。
セリフは殆ど無いのに、全く退屈しない。

アナログ時代の人々の確かな繋がりを暗に仄
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レッド・ワン(2024年製作の映画)

4.5

誘拐されたサンタクロースを救う話。

有りそうで無かった話を、有りそうで無かった世界観と映像表現で。

分かりやすい展開と派手なアクション。

万人に向けられた真摯なメッセージ。

伏線を上手く回収し
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イマジナリー(2024年製作の映画)

4.5

幼い少女と友情を育む可愛らしいテディベアが巻き起こす恐怖。

突如、黒魔術や異世界的なノリに転調し、良い意味で予想を裏切られる展開。

妙に丁寧な人物描写も、後半になって活きてくる。

アナログな恐怖
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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

4.5

11人の罪人たちが藩の命令により決死の任に就く話。

各キャラクターを戦を通してサクッと説明。

砦を死守する者達と、城を死守する者達とを並行して描くことで、板挟みになるそれぞれの立場の変化で盛り上げ
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ヴェノム:ザ・ラストダンス(2024年製作の映画)

4.5

シリーズ第3弾は、地球外生命体との戦い。

エイリアンの造型に既視感があることと、終盤がやや雑に感じた以外は、言うほど悪くない。

特に、ロードムービーのようなくだりは、自身を見つめ直すような演出もあ
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トッツィー(1982年製作の映画)

4.5

仕事の無い舞台俳優が、女装して昼メロデビューする話。

ウーマン・リブを背景にしているものの、名優ダスティン・ホフマンのコミカルな演技など最後までコメディを貫いた演出で、決して鼻につくことはない。
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クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

5.0

妻に家出され、仕事と息子の養育の両立に奔走する男の話。

今回の鑑賞で、再就職先が決まる前後で、パーティーにおける自身の身の置き場に異なる印象を持たせていることに気付く。

要所要所で挿入されるアコー
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サウンド・オブ・フリーダム(2023年製作の映画)

4.5

性犯罪組織に誘拐された少年少女を追跡する捜査官の話。

実話ベースだからか、地味な展開ながら全編通して緊張感があり、片時も目が離せない。

ある意味本編以上に、エンドロールに流れる実際の映像と、主演の
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トラップ(2024年製作の映画)

4.0

ライブ会場にいると言われている凶悪な殺人鬼。

“視点”を変えただけで、ありきたりな話もスリリングになるという好例。

ただ、退屈はしなかったが、振り返ってみると御都合主義な展開が目立ち、もう一度観よ
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ボルテスV レガシー(2024年製作の映画)

4.0

日本の名作ロボットアニメをフィリピンで実写化。

ハリウッドの真似ではなく、日本の戦隊シリーズに寄せている印象。

中盤以降やや失速した感はあるが、勧善懲悪のシンプルな話を見せ場の連続で盛り上げる演出
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まる(2024年製作の映画)

5.0

自らが描いた“丸”が、何故か現代アート扱いされてしまう男の話。

“何者かになる”ことの難しさ、なった後の困難。

才能の有無と評価されることとは、別個に考えるべき、と。

少し草臥れた感じ、それでい
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2度目のはなればなれ(2023年製作の映画)

5.0

退役軍人がDデイ70年記念式典に参加するため老人ホームを抜け出す話。

テンポ良く話を進める一方で、老人の所作を丁寧に描く点に好感。

回想シーンを通した後悔の念と、現在シーンを通した年相応の生き方の
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.0

映画『シカゴ』を彷彿とさせる、妄想をミュージカルで表現する演出は面白い。

だが、それが十分な心情表現には至らず。

また、前作を準えただけのストーリーは希薄と言わざるを得ない。

主演2人の存在感は
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憐れみの3章(2024年製作の映画)

4.5

愛と支配をめぐる3つの物語。

ほぼ同一のキャストがそれぞれの話で別の役を演じている点、所々で神経を逆撫でするような不協和音を流す点が印象的。

内容自体に対する感想を述べるのは至極困難だが、ほぼ説明
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.5

内戦の勃発により戦場と化した近未来のアメリカの話。

戦場カメラマンの視点から描くことは、必ずしもリアリティの表現には繋がっていないが、前線に近づくに連れドラマ性を排している点が興味深い。

スタンリ
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悪魔と夜ふかし(2023年製作の映画)

5.0

モキュメンタリー的な演出で、観る者を“リアル”に引き込む導入が見事。

その後も、深夜番組の放送フィルムの体で緊張感を維持。

主人公の出自や反オカルト主義者の言動が上手いこと伏線となり、ラストのクラ
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

5.0

26年ぶりの劇場鑑賞。

今回の鑑賞では、言動に一貫性が無いミラー大尉を通して、戦禍は人の心を狂わすものだと表現していると解釈。

冒頭のノルマンディー上陸作戦をはじめ、戦場の描写は白眉。

未だに戦
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

4.5

タイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する話。

如何にも“自主制作”な演出と、メジャー作品顔負けの殺陣のギャップが面白い。

意外な人物の登場と、意外な形で時代劇とこの国を愛する心を
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ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

5.0

前作から35年後を描いた続編。

ブラックでドタバタな雰囲気を残しつつ、キチンとストーリーを語る演出は好印象。

いい塩梅に歳を重ねたキャストの妙演と、手作り感溢れる視覚効果を楽しんだ。

人生讃歌を
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トランスフォーマー/ONE(2024年製作の映画)

4.5

シリーズのエピソード0を3DCGアニメで。

どこかTVアニメシリーズを思い起こさせるテイストが良き。

人間が登場しないので、ドラマパートもロボットが担い、アクションを中心にストーリーをテンポ良く牽
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エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)

4.5

映画『エイリアン』のその後を描く。

導入がやや長い印象もあったが、いざ“始まる”と緩急のある展開で無我夢中に。

意外なキャラクターの登場で『1』から上手く繋げ、結果として『1』をリブートしたような
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温泉シャーク(2024年製作の映画)

4.0

温泉地に出現したサメと、人々との戦いを描く。

ノリはB級だが、CG、ミニチュア、人形など多彩な表現方法を駆使した面白さがあり、ある種の“実験映画”のようにも思えた。

近くに座っていた男の子が、食い
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キングダム 大将軍の帰還(2024年製作の映画)

4.0

シリーズ第4弾ともなると、過去3作を全く覚えてなくとも、なんとなく観ることができるのが良い(笑)。

アクションを魅せることに特化している点が潔く、約2時間半がアッという間だった。

CG/VFXに注
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きみの色(2024年製作の映画)

5.0

人が「色」として見える少女の話。

大筋はよくある話ながら、独特なキャラクター造形と絵画のような世界観で魅せる。

嫌な登場人物は1人もおらず、終始ホンワカとした雰囲気で安心して観ていられる。

説明
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竹取物語(1987年製作の映画)

4.0

〈かぐや姫〉の誕生から、月の世界に戻るまでを描く。

錚々たる俳優陣と、衣裳一つとってもお金がかかっていることが分かり、とにかく豪華。

そして、今観ても沢口靖子さんの美しさは異常(笑)。

ラストは
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ビルマの竪琴(1985年製作の映画)

4.0

日本兵の霊を慰めるため、僧侶となって一人ビルマの地に残る兵士の話。

とても良い話。

なんだけど、兵士の心変わりがイマイチ伝わってこなかったり、どう見ても日本人にしか見えなかったり。

良くも悪くも
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松坂さん(2024年製作の映画)

4.0

“トンボ”をキーワードに、男女の微妙な距離感を繊細に表現。

「あっ、こういう人いるよね」と思わせる俳優陣の自然な演技も印象に残る。

とりわけ、モノローグによるカットバックの使い方が秀逸で、ラストは
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秋の風吹く(2024年製作の映画)

4.0

色んな意味で“自由”な作品。

実写、アニメ、人形劇など、あらゆる手法を駆使して短編ドラマを紡ぐ。

セリフや説明も少なに、特にメッセージ性も無く、それでいて意外性のある展開。

明らかに昨今の映画と
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ねこのガーフィールド(2024年製作の映画)

4.0

生き別れた父猫と再会したことをキッカケに、冒険を繰り広げる家猫の話。

小気味よいストーリーを、アクションを中心にテンポ良く展開。

謎のトム・クルーズリスペクトに笑った。

個人的には、CG/VFX
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プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち(2024年製作の映画)

4.0

続編は、プー達がさらなる餌食を求めて町へやって来る話。

怪物の誕生秘話や、主人公の深層心理を介した回想など、ストーリーに深みが増した分、前作よりも遥かに楽しめた。

終盤の殺戮シーンはやり過ぎの感も
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至福のレストラン/三つ星トロワグロ(2023年製作の映画)

4.0

ミシュラン三つ星を55年間持ちつづけるフレンチレストランを追った240分のドキュメンタリー。

さぞかし美味しそうな料理が沢山登場するのかと思いきや、映されるのは人々の会話が中心。

でも、これこそワ
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