けんいちさんの映画レビュー・感想・評価 - 38ページ目

けんいち

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天外者(2020年製作の映画)

3.0

近代日本経済の基礎を構築した、五代友厚の人生を描いた歴史群像劇。

【優れた脚本から駄作が生まれることはあっても、稚拙な脚本から傑作が生まれることはない】

本作を観て、この言葉を思い出した。

色々
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野球少女(2019年製作の映画)

4.0

プロ野球選手を目指す女子高生の奮闘を描いた話。

素直になれない多感な少女と、「短所はカバーせず、長所を伸ばせ」と支えるコーチ。

不平不満を口にするばかりではダメ。
行動する人にこそ、誰かが手を差し
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ステージ・マザー(2020年製作の映画)

4.0

亡き息子が遺したゲイバーを再建することになった主婦の話。

キチンと対話をし、手を取り合って生きていこうという明快なメッセージ。

劇中のパフォーマンスが印象的。

特に、母と亡き息子がステージで“共
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想像(2021年製作の映画)

3.5

演劇カンパニー「チェルフィッチュ」の作品創作を追ったドキュメンタリー。

ひたすら繰り返されるセリフと演出。
ある意味、演劇的映画。
(演劇の世界を知らない人が観たら、どんな感想を抱くだろうか?)
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5月の花嫁学校(2020年製作の映画)

3.5

破産寸前の花嫁学校の女校長が、パリ5月革命を目の当たりにして、ある行動に出る話。

他人が望む自分ではなく、自分が望む自分であること。

魂の解放を舞台ミュージカル風に演出するラストが圧巻。

まさに
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明日の食卓(2021年製作の映画)

5.0

“石橋ユウ”という同じ名前の息子を育てる3人の母親の物語。

3人を対比的に見せること、また、母親の視点から見た日常を、少しずつ子供の視点に変えていくことで生まれるスリル。

心情を豊かに表現する、子
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あなたが寝てる間に…(1995年製作の映画)

4.5

ふとした行き違いで、助けた男性の婚約者ということにされてしまった女性の話。

嘘に嘘を重ねることで、本音が見えてくる。




90年代ハリウッドのラブコメには、気の利いたセリフが溢れていたな、と。
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裏ゾッキ(2021年製作の映画)

4.5

映画「ゾッキ」の制作から公開までを追ったドキュメンタリー。

前半は「ゾッキ」のメイキング、後半はコロナ禍での上映(宣伝)展開。

映画制作の過程に留まらず、コロナ禍という社会全体の不測の事態における
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

5.0

妻の意外な告白により、性の妄想に取り憑かれてしまう男の話。

秘密のパーティや不可解な女性の死など、サスペンス調の演出で盛り上げる。

「生」と「性」は切っても切り離せないものだ、と。

個人的に、キ
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

5.0

人気ロックバンド「クイーン」のボーカル:フレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマ。

名曲誕生のエピソードや、出自やプライベートを上手く纏めた脚本が秀逸。

ライブエイドなどパフォーマンスシーンは圧巻
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地獄のデビル・トラック(1986年製作の映画)

4.0

ノースカロライナ州の町に次々に起こった怪奇現象を描いた話。

彗星が来たとか何とかいう理由(テロップのみでの状況説明)で、意思を持った車が人々を襲い始めるという展開。

カーアクションとして見れば、そ
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シャイン(1996年製作の映画)

5.0

実在の天才ピアニスト、デイビッド・ヘルフゴットの半生を描いた話。

息子の教育に熱心だが、常に自分の管理下に置かないと気が済まないという父親。

どんなに才能に恵まれても、環境次第では不幸になり得る。
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電車を止めるな! 呪いの6.4km(2019年製作の映画)

3.5

廃線寸前の鉄道会社が起死回生の策として「心霊電車」を企画する話。

銚子電鉄による自虐感満載の映画。

ホラー、コメディ、アイドル、商品CM、MVと、面白ければ何でもアリというスタンスが良い。

乗っ
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喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

4.5

売れない脚本家とその鬼嫁の旅行を描いた話。

夢を追う男と現実に生きる女。
でも、お互いありのままでいるから、なんだかんだで上手くいく。

感傷的な展開で終わりがちなコメディにあって、本作は最後まで笑
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スタイルウォーズ(1983年製作の映画)

4.0

ヒップホップ黎明期を記録したドキュメンタリー。

主にグラフィティ(壁や地下鉄に絵を描く行為)について、芸術or犯罪の議論。

いつの時代も、大人は子供のやることにケチをつけるもの。



ちなみに、
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

3.0

建築技師と学生が、出会した異星人達と共に、遠く離れた惑星に行く話。

通算で5回目くらいの劇場鑑賞。

毎回途中で寝てしまう作品で、今回も(笑)

それでも、観終わると何故か良い読後感が残る。

で、
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心の傷を癒すということ《劇場版》(2021年製作の映画)

4.5

阪神・淡路大震災時、被災者の心のケアに奔走した実在の精神科医を描いた話。

“立派なお医者様”として描くのではなく、何処にでもいる1人の人間として捉えている点に好感が持てる。

他人を理解することでは
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ペテロの帰り道(2021年製作の映画)

3.5

父親を亡くし将来に悩む女子高生が、“神様”を名乗る不思議な中年男性と出会う話。

ハキハキ話す主人公とボンヤリと話す神様のコントラスト、そして教会や神社、建物の屋上など、天界を想起させるロケーションが
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ゾッキ(2021年製作の映画)

4.0

ある特別な秘密を抱える人々が織りなす日常を描いた話。

群像劇ではあるけれど、人物同士の絡みが絶妙。

ツッコミ所が絶妙で、しかもツッコマないスタイル。

例えるならば、深夜にテレ東で放送しているのを
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いのちの停車場(2021年製作の映画)

3.5

大学病院の救急医が、在宅医療を行う診療所に勤めることになる話。

人物設定等は面白いが、エピソードを詰め込み過ぎていて、全体的に未消化。

在宅医療や尊厳死への言及も乏しく。

金沢を魅力的に捉えた撮
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お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方(2021年製作の映画)

4.5

熟年夫婦の騒動をコミカルに描いたドラマ。

終活含め、人の死に纏わるあれこれを、コメディタッチの物語に上手く絡めて説明。

記憶こそが1番の財産。

『思い出は歳をとらない』
シンプルだけど、いいセリ
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.5

出所した男が、両親に「婚約者を連れて行く」と言って、見ず知らずの少女を拉致する話。

約20年振りの劇場鑑賞。

当時は“神経質な男の話”くらいにしか思っていなかったが、今回の鑑賞を通して、実験的な試
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ベイビーティース(2019年製作の映画)

4.0

病を抱える少女と孤独な不良青年の恋を描いた話。

いわゆる“難病モノ”の様な甘ったるさは無く、複雑な人間関係と心理変化を丁寧に追っている。

不幸に向かう話とは対照的に画が明るくなっていくこと、また逐
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ミス・ポター(2006年製作の映画)

4.5

“ピーターラビット”の生みの親、ビアトリクス・ポターの半生を描いたもの。

絵本のような優しい世界観。
全体的にユーモアに満ちていて、悲劇は強調しない展開が心地良い。

ポターの妄想により、絵本のウサ
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.5

過酷な訓練を強いられた新兵達が、戦地ベトナムに赴く話。

ごく普通の若者達が、鬼教官による過酷な訓練を受け、殺人マシンと化していく前半。

戦場を、感情移入抜きで客観的に描く後半。

戦争の“仕組み”
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コントラ KONTORA(2019年製作の映画)

3.5

祖父が遺した戦中日記を見つけた女子高生の話。

後ろ向きに走る男の不可解さ。
やや青みがかったモノクロの映像が、更に謎を煽る。

戦時中は戦時中の、現代は現代の戦いがある。
コレは、英霊へのレクイエム
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ブックセラーズ(2019年製作の映画)

4.0

ニューヨークブックフェアの裏側からブックセラー達を捉えたドキュメンタリー。

ブックディーラー、書店主、コレクターなどのコメントを通して、本の世界へ多面的にアプローチ。

かなりのハイテンポで話題が変
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クー!キン・ザ・ザ(2013年製作の映画)

3.5

SFコメディ「不思議惑星キン・ザ・ザ」のアニメ映画化。

実写版の持つシュールさはそのままに、今風のアニメーションにしたことで、とっつき易くなっている。

但し、難解な内容もそのまま。

確実に、観る
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過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道(2020年製作の映画)

5.0

写真家:森山大道を追ったドキュメンタリー。

テンポの良いカットに簡潔なテロップ。
まるで、一冊の写真集を見ているような感覚。

「過去に固執せず、今に注力する」
フィルムからデジタルへの移行に際して
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

4.0

成人女性が12歳という設定のもと始めたSNSを追ったドキュメンタリー。

予想通りの展開とはいえ、スリルと緊張があって、最後まで目が離せない。

ただ、この終わり方だと『世の中、変態だらけ』という結論
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生きちゃった(2020年製作の映画)

4.5

ある日妻の浮気を知ってしまった男の話。

筋が通っているような通っていないような、妻の発言が圧巻。

そして、何一つ悪いことをしていないのに、周囲に次々起こる不幸に責任を感じてしまう男の侘しさ。
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

3.5

“なまはげ👹”でやらかしてしまい、周囲の人達に愛想を尽かされた男の話。

序盤に登場する“なまはげ”の迫力と、その後に語られる男の不甲斐無さが対照的。

途中に出てくる『運動会』がツボ(笑)。

そし
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チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

3.5

タッグを組んできた映画監督が急死したため、失業してしまった映画プロデューサーの話。

作中、小津安二郎作品の引用がある通り、1人の女性を優しい眼差しで描いている。

個人的には『パラサイト』のようなド
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天国にちがいない(2019年製作の映画)

4.0

新作映画の企画を売り込むため、世界中を旅する映画監督の話。

ハッキリとしたストーリーはなく、セリフも殆ど無く、身近に起こる不思議な(不可解な)ことを淡々と見せていくだけの内容。
オチは有ったり無かっ
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トキワ荘の青春 デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

4.0

日本を代表する漫画家たちの若き日々を描いた青春ドラマ。

酸いも甘いも抑揚無く語ることで、全編に幸福感が漂っている。

その道で大成するに越したことはないけれど、例え願い叶わずとも、その途中の過程(記
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ハッピー・バースデー 家族のいる時間(2019年製作の映画)

3.5

母親の70歳の誕生日パーティーに、3年前に姿を消した長女が現れる話。

たった1人でも“問題児”がいると、家族が崩壊してしまう様子がリアルに描かれている。

それでも、家族は家族。



挿入歌を使っ
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