宵さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

対峙(2021年製作の映画)

4.0

凄まじい。演技とは思えなかった。学校での銃乱射事件の加害者両親と被害者両親の修復的司法の話。部屋に入ってきた時にもうどちらの親がどの立場なのかわかる。銃規制の話や事件名や政治の話は持ち出さず(少し出た>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.5

ベネデッタが強すぎる。監督80すぎてこれを撮るなんてすごいな。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.8

ジャズを全身で浴びれて最高の映画体験だった。演奏シーンの美術が工夫ばかりで、見ていてちっとも飽きない。音のうねり、弾けるその一瞬まで視覚と聴覚で楽しめた。

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.2

途方もない孤独。おそらく救われたのはリーの方で、あの後のマレンを思うと切なさが増す。社会に溶け込めない、どこにも居場所を感じられない人たちに向けた作品だったと思う。

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.6

ハムレットの元ネタにもなった北欧の話。思ってたよりもグロ多めだったけれど、伝承世界の話らしくまとまっていて良かったと思う。

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

3.5

このゴシックっぽく陰鬱な感じが見事だった。思えば最初のシーンでちゃんと描かれていたな。

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.8

ダメダメなガヴェインが現代っぽくて好感が持てた。ロウリーの絵作りがすごく好き。

キル・ユア・ダーリン(2013年製作の映画)

4.0

二回目。寒くなると見たくなる。デイン・デハーンの色気にくらくらするし、作中に出てくる詩や散文も素敵。「何かを愛した時それは永遠に君のものになるのかもしれない。それは突き放しても弧を描いて君の元へ戻って>>続きを読む

ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

コッホ大佐にとってはただの単語の一つでも、そこには一人の命が背景として存在したことを最後のシーンで痛烈に感じさせられた。主人公を生かした人たちの名前はあまりにも重い。「殺していない」という大佐に対して>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『君の名は。』で災害を食い止めようとした話、『天気の子』で災害を呼び込む話、三部作のように作られた『すずめの戸締まり』は災害による傷を癒す鎮魂の話でした。震災サバイバーの主人公岩戸鈴芽が「ただいま」を>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.9

久しぶりに邦画で笑った。面白かった。テンポも良く、演技力もあり、笑えてじんわりくる。若いねえと社員に言ってた部長が最後には一番若々しくなっていて堪らなかったな。

アムステルダム(2022年製作の映画)

3.5

キャストがものすごく豪華な分、一人一人に見せ所を作らなくてはいけなくて冗長になった感じはする。

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.1

リメイク。たまに挟まれる風景がすごく美しいので、余計に人間の戦いの意味のなさを考えさせられる。ただただ虚しい。私はリメイク前の、蝶に手を伸ばしたところで銃弾に倒れるラストがやっぱり一番好き。

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

2.6

原作改版しすぎていて驚いた。妹…???
演技は申し分ないし、水墨画も見て楽しむ分には良かったのだが、原作が好きだっただけに残念。

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.3

染み渡る映画だった。うまく言えないが、考えるよりも感じることが先にあって、心地よい。坂本龍一の音楽はもちろん、眼差しや仕草、声、中国茶の茶葉の広がりなど邪魔なものがない。お気に入りは四人家族のダンスバ>>続きを読む

パディントン(2014年製作の映画)

3.7

弟の英語学習に付き合いながら。
パディントンは震災移民で、新しいコミュニティに属することの難しさや、受け入れる側の変化も描いていて、おそらく子供向けなのだろうけれど時代に即しているなと思う。イギリスは
>>続きを読む

シークレット・ガーデン(2020年製作の映画)

3.7

バーネットの『秘密の花園』が原作。イギリス上流階級のお嬢様なメアリの服装が可愛くって、形や色の組み合わせが素敵だった。メアリ、病弱なコリン、使用人の弟であるディコンの友情が微笑ましく、また死別を乗り越>>続きを読む

スヘルデの戦い(2020年製作の映画)

3.2

トム・フェルトンじゃん!となった。こういう、複数の視点が最後に集結する構図が好きだし、善悪というよりもやるせなさを感じさせるところが好感。オランダの湿地が美しい。

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.7

おばあちゃんにさよならを言えなかった、と言っていたネリーが最後、さよならを告げる場面に涙が出た。とても静かな感動の波。児童文学のようでもあり、優しくて強く、秋に何度も見たくなるだろう作品だと思う。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

チンパンジーのゴーディにジュープが襲われなかったのは、テーブルクロスのレースで視線が遮られていてゴーディを刺激しなかったから、という見る/見られる論を軸にした考察も当然だと思ったけれど、あの番組家族の>>続きを読む