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海沿いの街に高校の時まで住んでいて、大学進学を機に上京したまりあ。しかし、高校までずっと住んでいた街が恋しくなるまりあ。夏休みに、高校時まで母親と離れを借りて生活していた旅館に遊びに来ないかと誘われ、>>続きを読む
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清朝が「近代という魔物」に蝕まれ、革命を経て中華民国へと変わっていく激動の時代に生き、政治にも大きな影響を及ぼしたと言われる、宋靄齢、宋慶齢、宋美齢の三人姉妹。靄齢は孔子の末裔の実業家と結婚し、慶齢は>>続きを読む
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ロシア北部の小さな町に暮らしてきた、自動車修理工の男性。妻と子どもと持ち家に住んでいたが、市長がこの土地を法外に安い値段で買い上げるべく訴訟を起こし、男性はモスクワにいる知り合いの弁護士に頼み弁護をし>>続きを読む
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アマゾンの奥地に住む先住民が住む村が、天然資源開発のために先住民ごと破壊される危機に瀕していることを知った大学生が、ブルドーザーが森を破壊しようとする現場へ行き、Twitterに現場の映像を流して何と>>続きを読む
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物語はあるようでない、「なぜこういうシーンなのだろうか?」と思うようなカットが次々と展開される作品。セリフが少ないというわけではないものの、意味が見えにくいセリフが多く、時間が進めば進むほど謎が深まる>>続きを読む
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黒澤明監督作品のスクリプターを務めていた野上照代さんと李康生を映した短編。作品の半分以上は真っ暗な画面で、野上さんと知人の会話の音声のみが流れる。シーンは3カットのみで、野上さんが映画を観ているところ>>続きを読む
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人々が行き交う渋谷の風景と、夜でほとんど人が通らない渋谷の歩道橋の画が対照的に収められている。そして、人気のない銭湯で出会う安藤政信と李康生。
渋谷にはあれだけたくさんの人がいるにも関わらず、そこに>>続きを読む
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喧騒の街中で、そこだけ時が止まっているかのようにゆっくりと歩く李康生をひたすらカメラに収めた作品。
前半は街中で撮影されているが、後半は背景真っ白な1人だけの空間でひたすら歩く李康生。短編なので余分>>続きを読む
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蔡明亮と、長編デビュー作『青春神話』から彼の作品に主演し続けている李康生の対談を撮影した作品。
2人の対談を固定のカメラ1つで140分弱撮り続け、編集もなく映画化しているという作品で、蔡明亮に興味の>>続きを読む
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映画のタイトル「酔生夢死」は、何も成し遂げることなくいたずらに一生を終えることを指す四字熟語。
主人公ラットは、市場で野菜を売り生きている。彼は成績優秀で海外の大学へ行った兄に対するコンプレックスを>>続きを読む
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彼の作品を観るのは初めてだったが、大統領選で改革派の候補を支援して逮捕されたことがあったり、その影響もあって現在でもイランから国外に出ることを禁止されており、国内での映画製作も禁止、これまで製作した作>>続きを読む
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澎湖島にある町、風櫃。対立する不良少年グループとの諍いがあり、家に帰れなくなった不良少年3人。高雄へ行き、自分たちで生計を立てるべく、身寄りのところへ行き住むところと工場での仕事を確保する。楽ではない>>続きを読む
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楽日を迎える映画館を描くという、何か特筆する事件が起こるわけでもなく、台詞もほとんどなく淡々と進む物語ながら、映画や映画館に対する監督のこだわりを強く感じさせる作品。
『青春神話』、『河』、『ふたつ>>続きを読む
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父親が亡くなり、喪に服している最中の時計商。ある日、翌日からパリに旅行に行くという女から、売っている時計ではなく腕に付けている時計を売って欲しいと懇願され、断ろうとするも最後は押しの強さに結局売ってし>>続きを読む
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台北のとある一家。父親はサウナで他の男の身体を弄り、母親は浮気に走り、息子は無職で親から距離を置く。同じ家にいるのに、3人は別々の部屋に籠り、家族の繋がりはほとんどない。ところが、息子がバイクでの転倒>>続きを読む
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台北のとある高級マンション。偶然扉にささったままになっていた鍵を抜き取った男と、そのマンションの仲介をしている女、そしてその女とゆきずりに出会い合鍵を手に入れた男。高級マンションの中に唯一の安らげる場>>続きを読む
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台北で予備校に通う浪人生。受験前だが、もう予備校をやめて授業料を返還してもらおうと考えている。一方、夜の街で盗みを働いて遊ぶ金を作っている非行少年2人。非行少年の1人が、浪人生が父と乗っていた車のミラ>>続きを読む
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善と悪はこの世界で覇権を競っている。そして、一人の人間の中ですら、善と悪は明確に切り離せるものではない。人はある時は他人の命を救いながら、また別の時には他人に暴力を振るう。
この世界には、至る所に死>>続きを読む
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台湾本島から18海里離れた緑島で生まれた兄妹。しかし、幼い頃に両親の不仲で母は娘を連れて家を出て行き、それ以来兄妹は互いを知らずに育つ。やがて父も母も亡くなるが、両親に対するやり場のないわだかまりを抱>>続きを読む
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早くに両親を亡くし、小学校を卒業してから羊飼いとしてチベットの山奥で伝統的な生活を守って来た男。新しい身分証明書を発行するために街へ写真撮影に行き、そこでの出会いが伝統的な生活を守ってきた彼を変えるこ>>続きを読む
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1985年8月27日のフィリピン。とある夫妻の幼い子どもが誘拐され、警察が誘拐犯から子どもを取り返すための作戦を実行しようとしていた。物語は、誘拐が起こる前後の時間を行き来しながら、ワンカット長回しで>>続きを読む
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中国では、子供の人身売買が横行し、誘拐される子供は年間20万人とも言われる。さらに捨て子の問題はさらに深刻で、中国全土でその数は千万人単位にのぼる。本作品は、そんな中国の社会問題を描いている。
これ>>続きを読む
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母親と過ごした幼い日々の記憶を手繰り寄せる少年。しかし、彼の眼前にある現実は、彼は血腫が日に日に大きくなり、手術しなければ残り2,3か月しか生きることができないという現実だった。その血腫は、幼い時に母>>続きを読む
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男は何歳になっても恋をしたい生き物なのかもしれない。この物語の主人公も、25歳で愛する女性と結婚し、相手の家業を継いで申し分ない結婚生活を送る。
しかし、安定に浸りきってしまった生活の中で、何か刺激>>続きを読む
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ネパール内戦下、小さな村に住む上位カーストの家庭の子どもと、不可触民の家庭の子ども。親からの注意を受けつつも、カーストの違いを超えて仲良く遊ぶ2人だったが、内戦の影響が徐々に村に及ぶにつれ、子どもたち>>続きを読む
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豊富な天然資源を有する中国の内モンゴル自治区。天然資源の乱掘により破壊される自然と、そこで働く出稼ぎ労働者たちの姿を描くドキュメンタリー。
神が天地創造の5日目に創り出した陸の怪物ベヒモス。中世ヨー>>続きを読む
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どんなに技術が発展したとしても、人の命に限りがありいつか終わるということは変わりないだろう。普段生きていても意識する機会は多くないが、自分の生もいつかは終わり、そして人類もいつかは終わりが来るのだと思>>続きを読む
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1939年11月8日にヒトラーを爆殺することを試みた市井の人ゲオルグ・エルザーを描く物語。
ナチスが政権を握り、ヒトラー崇拝が浸透する当時のドイツにおいて、どの政党に所属するでもなく、一個人としてナ>>続きを読む
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旧約聖書に登場する、怪力持ちのイスラエル民族の英雄サムソンをモチーフに、第二次世界大戦下のポーランドにおいてあるユダヤ人が辿る運命を描く。
元々敬虔なカトリックの国であるポーランドでは、非カトリック>>続きを読む
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加害者、被害者、証人。その三者がいれば、犯罪を立証することができる。しかし、国家的な犯罪となると、話は複雑だ。加害者が殺人を犯した過去を隠して生きることを国が黙認し、被害者の声を聴こうとする人がいない>>続きを読む
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人は共感と繋がりの生き物である、と思う。自分のことを気にかけ、共感の姿勢を見せる相手に対しては心を開くが、自分に無関心な相手や自分を目の敵にする相手に対しては、殻の中に閉じこもりコミュニケーションを拒>>続きを読む
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人と人とが理解し合うには、善悪や美醜といった根源的な概念について、ある程度の共通認識を持つ必要があると思う。互いを好きな者同士が恋し合う姿は美しい、暴力で他人を抑えつけることは悪い、見ず知らずの他人の>>続きを読む
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世の中には、持てる者と持たざる者がいる。それをなくすことはほぼ不可能だろうし、そのこと自体は悪いことではないと思う。問題があるとすれば、得てして持てる者は自分の地位を守るために持たざる者から搾取をして>>続きを読む
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第二次世界大戦中、ワルシャワ蜂起でドイツ軍の攻撃に対して抗戦するポーランド軍の一部隊。ドイツ軍の弱まることのない攻撃で兵はどんどん斃れ、残った二十数人でドイツ軍の攻撃が及ばないと思われる地下水道を通っ>>続きを読む
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1960年代初頭のポーランド。第二次世界大戦で受けた傷痕も癒えてきて、人々は悲惨な記憶と訣別しようとしていたのだろうと思う。
戦争で加害者となった過去から目をそらして生きること。戦争で肉親を殺された>>続きを読む