masayaanさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

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バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.4

これは文句無しに面白い!鑑賞4作目にして今のところヒッチコックのベストワンです。これから見ようという人のヒッチコック入門にオススメ。

三十九夜(1935年製作の映画)

4.0

国家機密を守ろうとする闇組織の女諜報員を助けたことから、警察からも謎のスパイ組織からも追われることになった哀れなちょび髭男の逃亡劇。伏線の転がし方など、全くもって気が利いている!

甘い生活(1959年製作の映画)

4.8

映画ファンとして素朴に愛するには、あまりに完全過ぎる映画だ。女たらし映画としては、『存在の耐えられない軽さ』あたりの重要な参照元だろうが、最後のシーンに託された聖と俗の完全なコントラストは、その共存を>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

4.2

まさしくアメリカ的な正義が執行される(敵と決めた相手に引き金が引かれる)瞬間の究極の二択を前にした兵士の葛藤という主題があり、美しい妻と二人の子どもに恵まれながらも戦場で人を撃ち続けないと幸せになれな>>続きを読む

バッド・チューニング(1993年製作の映画)

3.0

高校生のダラダラ青春モノで、決して悪くはない。ちょっとだけ大学に入りたての頃を思い出した。悪名高い字幕は慣れるまで大変(笑)

都会のアリス(1973年製作の映画)

4.0

母親に見捨てられた実際的な迷子の女の子と、31にして自分を見失った観念的な迷子の男によるロードムービー。ほんの少しずつウォームアップしていく2人の関係性が微笑ましい。

雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.2

ミュージカル映画の古典にして、バックステージ映画の古典でもあり、ハッピーエンド映画の古典でもあるハリウッドのスーパー・クラシック。名作。

自転車泥棒(1948年製作の映画)

4.0

自転車を盗まれ、犯人を捜すというだけの話がここまでの映画になるとは。失業者の溢れる時勢にあっても大文字の社会派に寄らず、ミニマムな不条理を描き切る、タフなリアリズム。あの子どもはどう育つのだろう?

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)

4.0

『夜の人々』の父親にして、『俺たちに明日はない』の祖父にあたるクラシック。が、正しく邦題を付けるのなら直訳の『人生は一度きり』で良い気がしました。

カビリアの夜(1957年製作の映画)

5.0

世間のはみ出し者ががむしゃらに生きる姿を通して、人生の何かしらの真実に触れようとするフェリーニは、人生の悲哀だけではなく喜劇性からも逃げない(かつ、安易な笑劇にもしない)という点において、本物の映画人>>続きを読む

青春群像(1953年製作の映画)

4.0

さしたる理想や夢もなく、かといって明日の仕事のあてがあるわけでもない、せいぜい街をぶらついて女の尻を追いかけることしかできない30前後の男たちを切り取った群像劇。泣けた。

バンド・ワゴン(1953年製作の映画)

5.0

最高!の一言以外にどんな感想がいるのか。どこの誰がどんな文脈で選ぼうとも、史上最高の映画50作に必ず選ばれるべき、まさに映画の中の映画です。最高。

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

4.0

なるほど。このノンシャラン活劇を人間でやろうとしているのが、今のアンダーソンということなのかな。いい映画でした。

黄金(1948年製作の映画)

4.0

なんというか、とても「善良な」映画だなと。スジとしては、違法の金の鉱山探しで狂っていくならず者たちの一年を描いた悲喜劇なのだが、まったく破綻がないというか、ジブリが映画化できそうな安心感があるというか>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.6

暇つぶしに見始めたらハマってしまった。『あの頃ペニー・レインと』を超える腐れインディー男子映画があるとは....。最高でした。であるがゆえに、00年代のアンダーソンがなぜひたすらにノンシャランなコメデ>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

4.6

14年HDリマスターにて。娼婦と遊ぶ中年の夫と、クラブで若者にお持ち帰りされることでそれに抵抗する妻の倦怠期を描く。酩酊と手ブレと乱痴気騒ぎの前半100分を経て、運命のラスト30分へ。「映画が終わって>>続きを読む

野いちご(1957年製作の映画)

4.0

完璧主義者の作った完璧主義的な映画ということはよく分かった。あるいは、この作品がなければ映画を撮れていない監督が何人か思い浮かんだのも確か。もし僕が映画を作ろうとする人間なら、あと10回は見返すと思う>>続きを読む

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

4.2

オリーブ少女の超必修科目。配色や音楽が素晴らしかった。しかし、こういうのを中学生とかで見てるんだから、ロマンスに対する精神年齢とか現実感って、女子の方がはるかに上だよなーと。名作。

山の音(1954年製作の映画)

4.0

夫婦の問題は饒舌に語られるし、それを映画的に語ることにも成功している。けれども、おそらく、最後のショットに静かに収まっているとおり、まったく言及されることのない(されてはいけない)あの2人の仄かな恋心>>続きを読む

忘れられた人々(1950年製作の映画)

4.4

これはむしろリアリズム映画の金字塔だろう。社会派の文脈へと寄せることをしないし、厚生プログラムにするには希望がなさ過ぎる。与えられた環境でただ押し流されるように、持て余した若さに苛立ちながら生きる少年>>続きを読む

飾窓の女(1944年製作の映画)

3.5

悪いこととは無縁の安全な人生を歩んできた大学教授が、奥さんが旅行に出た晩の、ほんの出来心から女に幻惑され、成り行きで人を殺してしまうというお話。別の邦題を考えるのなら『ゆすり』か。面白かったけど、さす>>続きを読む

(1955年製作の映画)

4.0

最高の映画ではないかも知れないが、不当に無視されるような映画でもないだろう、と。特に、ニューイヤーパーティーの後、明け方のゴミだらけの街を歩く48歳の詐欺師のあの姿はなかなか撮れるものではない気がする>>続きを読む

デッドマン(1995年製作の映画)

3.5

ジャームッシュによる西部劇神話解体、そしてジャームッシュ神話による上書き、といった感じ。つまり、いつも通りです。この人を天才と呼ぶ勇気がないと、心酔するのは難しいかも。後半がダレ気味かなー。

ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)

3.5

不貞の妻を完全犯罪で殺害しようとする夫、という犯人目線からのサスペンス。よく練られたお話だけれども、その緻密さゆえに、かえって映画としての映画らしい魅力には少しばかり欠ける気がする。

ブロークン・フラワーズ(2005年製作の映画)

3.5

「物語不成立」という物語。匿名で投函された自身の子の存在を知らせる手紙を頼りに、いざ「元カノ巡礼の旅」へ。ヒントは「ピンク」。ジャームッシュがカラーで撮るからには当然、画面を様々なピンク(とたくさんの>>続きを読む

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.0

2014年HDリマスターにて。同じくバックステージものであるトリュフォーの『終電車』が戦時下のメロドラマだったとすれば、こちらは一人の舞台女優の実存が主題。劇中劇もあり構成はメタ的だが、俳優たちの迫っ>>続きを読む

アメリカの影(1959年製作の映画)

4.0

2014年HDリマスターにて。題材はあるが主題のない即興映画。この作品がなければジャームッシュは映画を撮っていないだろう、というのは語り草か。ビートニクをせせら笑う真のビートニク映画とも言える。

ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.0

学生の時ぶりに再見。古き良き西部劇的な題材の中での、「悪党を追う」ではなく「悪党に追われる」といった反転が映画史的には重要なのだろう。「父なるもの(=歴史)が私たちを導いてくれない」というポスト近代的>>続きを読む

許されざる者(1992年製作の映画)

4.6

どこぞの町の卑劣漢が、どこぞの娼婦の顔を切りつけ、侮辱したという報せを聞いた老いぼれの元賞金稼ぎが、迷いながらも「狩り」の旅に出る映画。正義感とは無縁の人生を歩んできた筈の彼は、いったい何を許せないの>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

5.0

なるほどこれは.....とんでもない映画だ。2人のカウボーイが、インディアンにさらわれた女の子を探しに行くという娯楽作品を装いつつ、主題はかなり複雑(とてもアメリカ的!)。家族で見るにも、デートにも良>>続きを読む

無防備都市(1945年製作の映画)

3.5

ゲシュタポ的な残虐さと、ヒロイックな精神的抵抗も無論、リアルだったが、それよりもむしろ、暗い映画のトーンから完全に浮いた場違いな美貌を持ち、かつ、キャラクター的にも物語に参加していないMaria Mi>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

4.4

脚を骨折した暇人が、裏窓から近隣の住宅を覗いていると、夜中の3時にスーツケースを持って部屋を出入りし、ノコギリと包丁を隠している男が....。はて、彼の妻はどこに? 最後の10分は、『ノーカントリー』>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.4

「男女のディスコミュニケーション」という主題らしきものが辛うじてあるし、「男と女の車を使った逃亡劇」という極めて映画的な構図を採用してもいる。しかし、この映画の本質は(アナーキズムとかではなく)モダン>>続きを読む

昭和残侠伝 死んで貰います(1970年製作の映画)

3.0

「決め台詞」のシンプルなこと!任侠映画の中では最上級の扱いだが、映画としてはけっこう普通かも。マキノ先生とはあんまり相性良くないのかな?

ブラディ・サンデー(2002年製作の映画)

4.4

映画というよりは単なるジャーナリズムだが、しかし、世の中で映画と呼ばれているものの大半はこれに遠く及ぼないだろう。U2にもリスペクトを。

マグダレンの祈り(2002年製作の映画)

4.0

96年まで存在したというアイルランドの女子更生施設を批判的に描いたブラックユーモラスなリアリズム。反抗する女子の「目」をうまい距離感で撮っている。