yumikoさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.0


アウシュビッツの生存者である老人のナチス残党への壮大な復讐計画…戦後70年を経てもなお揺らがない、もはや怨念とも言える執念になんとも苦い気持ちに。キャッチコピーのせいで、冒頭から真実が透けて見え、老
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ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

2.8


現在では珍しい、モデルの長時間拘束が必要な撮影法に取り憑かれた父と犠牲になる母娘。ホラーパートではさすが日本人監督。小さな気配や音で背筋がぞぞっ…古い洋館でのジャパニーズホラー的演出が刹那な哀しい恋
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シーモアさんと、大人のための人生入門(2014年製作の映画)

3.0


イーサン・ホーク監督によるドキュメンタリー。シーモアさんのピアノレッスンはそのまま人の生き方や在り方に通じるものがあり、ピアニストとしてだけでなく、様々な人が師と仰ぐのがよくわかる。短尺に凝縮された
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キューティ・ブロンド(2001年製作の映画)

3.0


邦題のせいでなんとなくご縁がなかった作品。振られた恋人を追いかけてロースクールに入ったエル。ゴージャスな見た目のせいで周囲から疎まれるも持って生まれた聡明さと斬新な視点で運命を切り開く。あまりにも都
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トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

4.0


生後すぐに近所の子供と取り替えられたと信じる老人の復讐…現在、過去、妄想。度々シーンが切り替わるもおもちゃの兵隊や通過列車の間から垣間見る愛する人など、全体に漂う閉塞感とは裏腹な珠玉のシーンが満載。
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ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月(2004年製作の映画)

3.0


めでたくカップルになったブリジットとマーク。お揃いのダサいセーターに幸せ太り。そんなふたりにもやっぱり訪れるすれ違い…元彼に言い寄られたり異国で逮捕されたり、今回もやらかしっぱなしのブリジットだけど
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ブリジット・ジョーンズの日記(2001年製作の映画)

2.9


32歳独身のブリジット。誕生日を機に生まれ変わるため日記をつけ始め…今で言うとアラフォー女子がブログを始めて…ってとこ?ドジで不器用、おまけに太めなブリジットの暴走っぷりが笑えて泣ける。真逆な二人の
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パンとスープとネコ日和(2013年製作の映画)

4.5


WOWOW ドラマを一気見!群ようこ原作、小林聡美主演、そして料理監修が飯島奈美とくれば即見なくっちゃ!心地いい空気感と丁寧に暮らす大切さ、人の繋がりの大切さが、さりげない日常に。美味しそうで居心地
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めぐり逢えたら(1993年製作の映画)

3.5


秋になると観たくなる。(ほんとは冬の映画…)何度見てもエレベーターでのすれ違いにドキドキ。ラブストーリーを観るには少々大人になりすぎてしまった自分だけどこの映画はオードリーやヴィヴィアンと同様、殿堂
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ハッピーエンドが書けるまで(2012年製作の映画)

3.0


愛を無くした父、愛を信じられない娘、愛に臆病な息子、そして原因を作った母…家族それぞれの再生物語。両親の顛末はやや安易ながら、冒頭と結末のテーブルのカットに確かな一年の成長を見る。父のセフレがナイス
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世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)

3.5


タイトルとは裏腹な珠玉のラブストーリー。原作邦題「きみと選んだ明日」の方がしっくりくるかも。尊厳死という重いテーマが主人公の輝く笑顔とキッチュでモダンなファッションに彩りを添えられビタースイートな作
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毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)

3.0


豪雨と雷。開かれる劇場の扉。これから始まる舞台の観客になった気分に。下品な女優がメイクを施すのではなく落とす事であっと言う間に舞台の主役に変身する様が見事。生身を晒され内面を抉られ、翻弄され解放され
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.5


実話ベースの作品にしてはコンパクトに淡々と纏められているので少し拍子抜けするも、徐々に明らかになる墜落の全貌に手のひらに爪跡が…ドラマティックな演出になりがちなテーマが敢えて登場人物の内面や背景を一
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トゥモローランド(2015年製作の映画)

2.5


さすがディズニーの未来感。映像の美しさとテンポ良さでグイグイ引っ張っていかれるも、肝心のストーリーはややわかりにくくつじつまが?なところも。子供には難しい展開と、大人にはファンタジー色が強すぎで対象
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ラストベガス(2013年製作の映画)

3.5


冒頭から心鷲掴み。おじいちゃん版スタンドバイミー?いやいやそこは酸いも甘いも噛み分けた粋なじい様達!一筋縄では行きませぬ!あまりにテンポよく予想通りに進む展開にこれは誰かの死亡オチかと気を揉むも杞憂
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白い帽子の女(2015年製作の映画)

2.0


ブラピとアンジーの私生活を見せつけられているようでいたたまれない気持ちに。倦怠期夫婦がリゾート地で見つけた密かな愉しみもただ趣味が悪いばかりで、これという盛り上がりもなく、冗長さが気になるだけ。特に
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エル・クラン(2015年製作の映画)

3.0


予告映像から、実話をコメディ仕立てにしたものだと思い込んでいたので衝撃の内容に息を飲む。思わず目を背ける場面も。良き父親の狂気を孕んだ目の光。きっと気づいていただろう母親の図太さ。そして家族の罪から
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A Film About Coffee ア・フィルム・アバウト・コーヒー(2014年製作の映画)

3.5

奈良rokumei coffeeさん開催のイベントにて観賞。コーヒー豆の生産農家から様々な過程を経て我々のカップに至るまでを描いたドキュメンタリー。「日本の匠」も出演。「ベッドから出たくない朝もコーヒ>>続きを読む

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

3.5

何年ぶりかで観賞。毎回冒頭からうっとり。クロワッサンとカフェオレ!あの頃のオードリーの美しさはまさに神がかりで、一歩間違えれば下品になりがちな役どころを可憐に表現。居場所探しを続けてきた女性が、場所で>>続きを読む

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years(2016年製作の映画)

4.0

ビートルズのリヴァプール時代からツアーの様子、ラストライヴまで貴重な映像で綴られたドキュメンタリー。ラストの30分に渡るスタジアムライヴの熱量は半端なく、和田唱さんが言うように彼らを更新するバンドはま>>続きを読む

ある天文学者の恋文(2016年製作の映画)

3.5

亡くなった恋人から届き続けるメールや手紙。まさに彼女の事を知りつくし、心底愛していたのだろうけど、この「企み」は彼の生きる糧にもなっていたのだと思う。愛情は注ぐもの。そして注がれた者は幸せになる義務が>>続きを読む

レッド・ファミリー(2013年製作の映画)

2.5

疑似家族として韓国の一般家庭の隣人に
なった北の諜報グループ。その諜報員にも別の監視がおり…北と南の圧倒的な「差」。家族の命をかけ活動を続ける北に対し、どこまでも身勝手で奔放な南の家族。大胆すぎる対比
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ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ(2009年製作の映画)

3.0

二人の母親の間で揺れ動く、若き日の中二病ジョン・レノン…奔放な実母ジュリアに終始イライラするも、悲しい最期にはやっぱり同情。ジョンを音楽に目覚めさせ、伝説のグループの原点になったのはあの実母だったのだ>>続きを読む

マザー(2014年製作の映画)

2.0

楳図かずおの、本人を主人公にしたホラー映画。設定もストーリーも「んなわけないだろう!」のオンパレードながらメチャクチャ怖いです。楳図ワールドを実写にしたらきっとこんな感じと思われる、でも無理やりな描写>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

3.5

奈良国際映画祭 クロージングセレモニーにて観賞。一見平凡な家族と同居することになった夫の古い友人。夫の罪と妻の秘密がやがて巻き起こす悲しい出来事。向き合う事を避けていた夫婦が皮肉なきっかけにせよ向き合>>続きを読む

世界の果ての通学路(2012年製作の映画)

4.0

圧倒的な大自然の中、少年少女はひたすら「学校」を目指す。ある者は野生に対峙しながら命がけで、またある者は病気の兄弟の座る車イスと共に。国は違えど子供たちの屈託ない笑顔と歌声にこちらの方が癒された。どう>>続きを読む

アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(2015年製作の映画)

2.5

インドを舞台に互いにパートナーがいる男女が惹かれあい…ハグで人を癒す聖者アンマとインドの雑然かつカオスな風景の描きかたが素晴らしい分、非日常から恋に落ちる男女の説得力が今ひとつに思えた。劇中劇がいかに>>続きを読む

イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)

3.5

ある一日の11分間の日常がパズルのように描かれる。誰視点かわからない奇妙な映像や最初のシーンの画面のサイズ、謎の黒い「点」の存在…最後のピースが埋まった瞬間思わず立ち上がりそうになった。世界の全てはこ>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

5.0

重なるはずのない世界が重なり、出会うはずのない少年と少女の縁が「結」ばれたとき、想像を遥かに超えた壮大な世界が現れる。思いは人を「結び」人は運命を「結ぶ」そして運命は思いによって動かされやがて奇跡をお>>続きを読む

ハイ・ライズ(2015年製作の映画)

3.0

高層タワーに棲む住民のヒエラルキーが意外な方向へ。精神的エログロがじわじわ。異常なのは人ではなくタワー?人間の業を食いつくすように瀟洒なタワーが次第に不気味に見えてくる。この世とあの世の狭間のような空>>続きを読む

ハートビート(2016年製作の映画)

5.0

バレエとヒップホップの融合は想像をはるかに超える素晴らしさ。対決シーンがダンスだったりバイオリンだったり、舞台劇を彷彿させる演出も、青春ラブコメ的な展開も一歩間違えればイタくなるところを圧倒的な本物感>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.0

念願の新海作品初鑑賞。雨の描写の美しさにうっとり。音の波の優しさにまったり。と思ったら意外な展開にびっくり…少年は少し大人になり、女性はひとつ成長する。原作にはその後のエピソードもあるらしいが、様々な>>続きを読む

ジュリー&ジュリア(2009年製作の映画)

3.0

往年の料理家ジュリアのレシピ本を一年間で再現するブログを立ち上げる現代女性ジュリー。悩み、壁にぶつかりながらも料理を続けるジュリーと異国で料理を学びやがて仏料理のレシピを英語で出版するジュリアが交互に>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.0

中の人(?)が萬斎さんと聞いて、断然観たくなった一本。あの悠然かつ勇猛な動きはCGでは絶対無理。半分なめてかかってたけどマジ怖かった…国政、都政、自衛隊、そして外国との関係。現実の有事時もこんなだろう>>続きを読む

チャイルド44 森に消えた子供たち(2015年製作の映画)

2.0

原作は「このミス」一位を取るほどのミステリーらしいけど、映画はなんだかミステリーとしても社会派映画としても中途半端感満載な上、無駄に長くて疲労感…実話が元になっているらしいが「楽園に犯罪はあり得ない」>>続きを読む