風ノ助さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

風ノ助

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アメリカの影(1959年製作の映画)

4.0

マンハッタンに暮らす黒人の血を引く3兄妹の日常を描く
外見は長男が黒人寄り、次男と長女が白人寄りなので抱える葛藤もそれぞれ違う

脚本がなく役者たちに即興で演出をつけたというのを事前に知った上で観たの
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ある事件をきっかけに穏やかな家庭人であるトムの過去と秘めていた暴力性が発露してしまう
家族はそれを受け入れることができるのか

平凡な家族のさえないお父さんが実は…という設定の映画はたくさんあるけどこ
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バッド・エデュケーション(2004年製作の映画)

3.5

映画監督のエンリケの元へ初恋の相手だったイグナシオが16年ぶりに会いにくる
二人の寄宿学校の思い出を基にして書いた脚本を渡し俳優として使って欲しいというが何か違和感を覚える

現実の話と映画の脚本が同
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サクリファイス(1986年製作の映画)

4.5

自身の誕生日に幼い息子に命の樹の伝説を話しながら枯れた木を植えるアレクサンデル
同日に突然の核戦争勃発のニュース
親しい者たちが恐怖に怯える中、無神論者だったアレクサンデルは神にその身を捧げ救いを求め
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.0

マッチ工場で働く少女?というにはちょっとお姉さんすぎるイリス
今まで誰にも大事にされてこなかったイリスがやっと優しくしてくれる男性と出会う
でも男性からは一晩だけの遊びの関係と言われてしまう
もうね、
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エレナの惑い(2011年製作の映画)

4.0

資産家と再婚した元看護師のエレナ
元夫との間の無職の息子に経済支援をするためにエレナがとった行動とは

映像は静謐なのに内容はかなりダークで衝撃的でした
エレナは決断早くて惑ってたようには見えなかった
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裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)

4.0

ロシアの海辺の閉鎖的で小さな町の市長は市民の私有地を不当に安価で買収しようとしていた

土地を取られる男は感じは良くないけどウォッカを飲んで騒ぐのが楽しみという善人でも悪人でもない普通の人

ロシアの
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.0

『こわれゆく女』と同じく圧倒的なジーナ・ローランズ劇場でした

酔っ払ったジーナが初日舞台に上がるまでは演技ってわかっててもハラハラした
あの独特のカメラワークも相まってすごい緊張感
劇中劇の演技もホ
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

4.0

映画監督になることを夢見ながらもグズグスしているアルドルフォに映画制作の出資を申し出るジョー
胡散臭いけど不思議な魅力のジョーに振り回されて全然映画作りができないアルドルフォの情けなさが見ていてとても
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ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

敬虔な修道女ビリディアナは、亡き妻のハイヒールやコルセットを身につけてウットリするような変態叔父さんに求婚され強姦未遂までされる
その後叔父さんは自殺してしまい罪悪感から叔父の屋敷を貧しい13人の人へ
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

仲良しの呑み友だちコルムから突然絶縁されて戸惑ってしまうパードリック
心当たりもなく理由を聞くと「お前は退屈だから」と
パードリックは納得できないしこの時点では観てるこちらもよくわからない、他に何か理
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.0

ジーン・セバーグに会いたくて気付いたら観てました

鏡の前でポーズをとる
ミシェルの帽子をかぶる
大きなサングラスのジーンセバーグがホントにかわいい
ウエストをキュッと絞ったワンピース姿が一番似合って
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悲しみよこんにちは(1957年製作の映画)

3.5

ジーン・セバーグがすごくかわいいです
ショートヘアが似合ってて氷まくら乗せてても絵になる

セシルの浅はかで不安定な感情が17歳らしく瑞々しく描かれてました
対して大人二人はバカっぽかったのですが18
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毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)

4.0

支配と服従の逆転という点が『赤い航路』と共通してそうなので続けて鑑賞しました

登場するのはマゾの語源となったマゾッホの小説を戯曲化する演出家のトマとオーディションに遅れてやってきた無知で品のなさそう
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赤い航路(1992年製作の映画)

4.0

豪華客船で知り合った車椅子の作家オスカーに延々と自分たち夫婦の赤裸々な性生活を語られる男ナイジェル

オスカーは健常だった頃に出会った若い女ミミと変態的な性生活を楽しんでいたが唐突に冷めてしまいミミを
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オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

4.0

息子を懸命に育ててきたシングルマザーのマヌエラがその最愛の息子を事故で失ってしまいます

その後彼女は望まない妊娠をした女性、病気を持って生まれたその子ども、ヤク中の女優、同性愛者、トランスジェンダー
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.0

ひたすら気まずくていたたまれない気持ちにさせられるエピソードが連なる150分間
特に盛り上がるドラマもないのでこの長さは苦痛

目の付け所が面白くて不快なのに引き込まれました

どこかから「助けてー」
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シンプル・シモン(2010年製作の映画)

3.5

こだわりの強いシモンが自分のせいで恋人と別れてしまった兄に新しい恋人を見つけようと奮闘するお話
お兄ちゃんがほんっとに優しい人でホロッとします

カラフルな色彩に溢れたポップな映像でロケットに見立てた
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ベティ・ブルー/インテグラル 完全版(1992年製作の映画)

5.0

ゾルグの心情に沿って編集し直されたインテグラル完全版
ゾルグの一途な思いには心が締め付けられました

一瞬たりとも見逃したくない美しい映像にひたすら圧倒される

バンガローにペンキを塗る二人、グラスを
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.5

『ザ・フライ』しか観たことがなかったクローネンバーグに挑戦
どんな映画なのかは大体知ってたけど痛いのと汚いのが苦手なので恐る恐る‥
‥意外にも楽しめました

当時の最新メディアであるビデオに撮られた世
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リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

4.5

内気で孤独なリザは昭和歌謡の日本人歌手トミー谷の幽霊が唯一の友だちで日本の恋愛小説みたいなロマンスに憧れている
嫉妬深いトミー谷はリザに近づく男たちを次々と殺していく

70年代のハンガリーが舞台なの
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東京暮色(1957年製作の映画)

4.0

複雑な環境で暮らしてきた家族が最後まで分かり合えずに離れていってしまう重い話でした

孝子の夫といい憲二といいなんだこの無責任な男たちは
この時代の男と女は考え方も立場もまるっきり違っていて分かり合え
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トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

昏睡状態の二人の女性をそれぞれ愛する男性二人
看護師となって4年間ずっと献身的に世話をするベニグノに対して触れることも話しかけることもできないマルコ
病院内で見かけて次第に打ち解けていく

罪を犯した
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コレクションする女(1967年製作の映画)

4.0

アドリアンは友人と二人別荘でバカンスを過ごすはずだったがそこには女の子もいた
男に奔放なアイデのことを彼はコレクションする女と名付ける

アイデは肌色多めでも健康的でエロくないクールな感じの女の子、お
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.0

貧しいけど仲の良い家族
幸せなそうクリスマスの朝
でもビリーとニコの姉弟はつらい現実を抱えていた

両親はアル中の親父と家出して暴力男に依存する母親というダメダメの大人
パパとママの名前はアダムとイヴ
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暗殺の森(1970年製作の映画)

5.0

映像が良すぎて見入ってしまい台詞がなかなか追えませんでした
でもこれは言葉よりも映像そのもので表現している映画だと思うので画に集中して観てみました

光と影のコントラストが印象的で視覚的に美しいだけで
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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

4.5

「ブエナビスタソシアルクラブ」はキューバ革命以前に音楽好きたちが集まっていたクラブの名前で、そこで演奏していた老ミュージシャンたちのバンド名でもあります

音楽から離れていた彼らを見つけ出し世に送り出
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運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

4.5

修理に出していた妹の靴を失くしてしまい一足しかない靴を妹とシェアして交代で学校に通うアリ
男女で授業を受ける時間が分かれているという時代に取り残されたような社会だからこそできることです

当然色々と問
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アリスの恋(1974年製作の映画)

4.5

夫を亡くしたシングルマザーのアリスが歌手になりたいというかつての夢を叶えるため12歳の息子トムとともに故郷モンテレーを目指すロードムービー

タイトルからラブストーリーを想像しそうだけどアリスとトムの
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.0

ドラマ性がなく誰にも共感や肩入れする事のない戦争を描いている

暴言を吐き続ける鬼教官のもとで従順に訓練をこなしていく兵士たち
側から見るとコメディにも見える馬鹿馬鹿しさ
疑問を持てば精神をやられてし
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袋小路(1965年製作の映画)

3.5

満ち潮で孤島状態になる古城に暮らす中年男と若い妻
そこへ怪我を負ったギャングが逃げ込んでくる

古城に住むフランソワーズ・ドルレアックなんてお洒落感満載そうだけど観終わってみるとなんか変な映画だったな
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水の中のナイフ(1962年製作の映画)

4.0

倦怠期の夫婦の前に現れたヒッチハイカーの青年
夫は気まぐれに青年をクルージングに誘う

裕福だが妻からの愛情を感じられず自信もなくなっていた夫は若くお金がなさそうな青年を見下すことでプライドを保とうと
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.0

8歳のエストレリャは両親とスペインの北部に暮らしている
父親の心は此処にはなく手放した故郷エル・スール(南部)へと向いている
エストレリャは尊敬する大好きな父を理解したくてエル・スールに想いを馳せる
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マチネー/土曜の午後はキッスで始まる(1993年製作の映画)

4.0

B級ホラー映画の監督が先行上映会で客を怖がらせるため劇場に様々な仕掛けを施す
ヒートアップしていくにつれどこまでが仕掛けでどこからが現実か分からなくなってしまう
キューバ危機で人々の高まる不安と青春物
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

5.0

有名な映画で結末も知ってるけどそこはそんなに重要じゃなくて、改めて観ても本当に素晴らしい作品でした、シンプルで面白いです

陪審員裁判は陪審員12人全員の一致が必要で最初は有罪票11人無罪票1人から始
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緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

3.5

『飾窓の女』と対になっている作品だというレビューを読ませていただいき興味を持ち鑑賞しました

飾窓〜は面白かったんだけど終わり方が好きじゃなかったので全体の印象も悪くなってしまいました

主要人物が同
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