松原慶太さんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

探偵物語(1983年製作の映画)

3.5

いま見て大傑作というわけでもないんだけど、あの時代の雰囲気を思い起こさせてくれる一本。

薬師丸ひろ子は田園調布に住んでいる設定(撮影は横浜)。松田優作の汚いアパートは下落合かどこか。ひとつひとつの東
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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

3.6

ロンドン警視庁のエリート刑事(サイモン・ペッグ)が優秀すぎて妬まれ、田舎町に飛ばされる。あまりにもダメダメすぎる同僚たちに手を焼きながらも、連続殺人事件の謎を追う、という話。

前半は、邦題どおりのゆ
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.6

引き込まれて最後まで目を離せず観終わったが、そんなに好みのストーリーかというとそうでもない(主人公たちにそれほど感情移入できなかった)。函館というロケーションはすごくいい。

いまっぽい雰囲気のなかで
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夜の珍客(2015年製作の映画)

2.7

これ原作(「夜の来訪者」An Inspector Calls)はイギリスの有名な一幕ものの戯曲で、何度も舞台化されたり映画化されているらしい。

大金持ちの娘の結婚式前夜に、警部が訪ねてくる。ある若い
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ピンポン(2002年製作の映画)

3.7

漫画原作が100点、アニメ版が80点だとすると、どうしてもこの実写版は65点とかそれくらいの点数になってしまうかもしれない。

ただ非常に早い段階で、あの漫画でしかありえないような漫画表現から、映像作
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B-Side: エルサ・ドーフマンのポートレート(2016年製作の映画)

3.9

ポラロイドの大判カメラで肖像写真を撮り続けたエルサ・ドーフマンのドキュメンタリー。エルサは彼女自身が語るように、その生涯ほとんど、無名の写真館のカメラマンとして過ごした。

この婆ちゃん誰やねん、よく
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復活(2016年製作の映画)

3.0

映画としては駄作スレスレの凡作だと思うけど、歴史好きなのでけっこう楽しめた。新約聖書に書かれている、イエス・キリストの死と「復活」について、ローマ人の目から描いた話。

主人公は百人隊長クラヴィウス(
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孤狼の血(2018年製作の映画)

3.4

広島市警の札付きの悪徳刑事ガミさん(役所広司)の薫陶を受け、大学出の青二才・日岡(松坂桃李)が、刑事として覚醒していく話。

物語の骨組みはめちゃめちゃ面白いので、これ原作はそうとうな傑作じゃないの、
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.0

1980年の光州事件を描いた映画。前半のコメディ調と、後半のシリアスな物語とのギャップがいい。

いきなり史実ベースの重たい話に持っていくのではなく、金にガメつくお調子者のタクシー運転手を主人公として
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鉄拳とジャンプキック -カンフー映画の舞台裏-(2019年製作の映画)

3.7

カンフー映画の短い歴史(往年のショウブラザーズの盛衰からゴールデンハーベストの台頭まで)と、カンフー映画が世界のカルチャーに与えた影響を、100分程度でテンポよくみせるドキュメンタリー。オーストラリア>>続きを読む

美しい湖の底(2017年製作の映画)

2.5

金曜日から始まり、木曜、水曜、火曜と、1日づつストーリーを逆行させていくタイプのサスペンス。

低予算だし、田舎の地味な話だし、とくに目立つ俳優が出ているわけでもなく、ありがちなストーリーなので、時間
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ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

3.9

ひさびさにクリエイティブのかたまりみたいな映画を見た。スパイク・リーは、黒人版「地獄の黙示録」「プライベートライアン」を作ろうとしていたのではないか。そこに昨今のブラック・ライブズ・マターも絡めようと>>続きを読む

コロニア(2015年製作の映画)

3.0

軍事政権下のチリで、秘密警察に囚われた恋人を救出するため、カルト宗教にエマ・ワトソンが潜入する話。

正直、映画としてはさほど面白いものでもないんだけど、実話ベースだということで、このような映画が作ら
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パッセンジャーズ(2008年製作の映画)

3.7

飛行機事故の生存者にカウンセリングをはじめた、セラピストのクレア・サマーズ(アン・ハサウェイ)だが、乗客たちの証言はそれぞれ食い違っており、やがて生存者がひとりづつ姿を消しはじめる。

彼女は、その背
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2ガンズ(2013年製作の映画)

2.4

うーむ。せっかくデンゼル・ワシントンとマーク・ウォルバーグ使いながら、わちゃわちゃし過ぎ。ポーラ・パットンってのもこの子好きなんだけどなぁ。もったいない。

アンダーカバーとバディストーリーをごちゃご
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アンダーカバー・じーさん(2017年製作の映画)

2.8

家族からボケたと思われていた爺ちゃんが、じつは元、軍の諜報組織に属していた少佐で、孫のガールフレンドが誘拐されたと知るやいなや、むかしの仲間たちを集めて、テロリストのアジトに乗り込む...という話。>>続きを読む

意表をつくアホらしい作戦(2018年製作の映画)

3.7

まず言いたいのはこの映画、タイトルで損してる。あるコメディ作家の生涯を描いた、真面目で可笑しく物哀しい、よくできた伝記映画です。

主人公は、ハーバード大学時代にパロディ誌「ナショナル・ランプーン」を
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ニンジャ・アサシン(2009年製作の映画)

3.3

ハリウッドがニンジャ映画作ったらこうあってほしいよね、という典型例。

とんでもニンジャ組織とか、勘違い日本描写も味のうち。とにかくアクションは現代的でスピーディで手に汗握りました。ショー・コスギが大
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男はつらいよ 寅次郎と殿様(1977年製作の映画)

3.3

今回の見どころは嵐寛寿郎。アヴァンタイトルの鞍馬天狗はもちろん彼に寄せている。

序盤のとらやの茶の間。例によって三崎千恵子と下條正巳がグズグズいいはじめ、面白くもない茶番劇+メロドラマ。このくだりだ
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ザ・ブック・オブ・ヘンリー(2017年製作の映画)

4.0

これは意外な傑作ですわ。ストーリーの先が読めない。

ナオミ・ワッツがシングルマザーで、男の子2人を育てている。長男ヘンリーは大人顔負けの知性を持ち、頼りないママや、まだ幼い弟から慕われている。

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僕のミッシー(2020年製作の映画)

2.7

ミッシーという名の2人の女性が登場。ひとりは運命的な出会いをした理想の子。もうひとりはブラインドデートで出会ったサイコパス寸前の変な女(ローレン・ラプカス)。

間違ってハワイの社員旅行に変なほうの女
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

4.2

アメリカの田舎町の高校が舞台。主人公の中国系めがねっ子(Leah Lewis)はレポートの代筆で小遣い稼ぎをしているが、あるときラブレターの代筆を頼まれ...という青春ムービー。

話の枠組みは、ジョ
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アナザヘヴン(2000年製作の映画)

2.5

だめな映画だなぁ。はいはい、邦画ミステリーってこうなるよねというか。いい役者揃えといてもったいない。途中で耐えがたくなって、松雪泰子(奇跡的な色っぽさ)の出てるとこだけ早送りで見た。

探偵ミタライの事件簿 星籠の海(2016年製作の映画)

2.7

思い切りハードルを下げて鑑賞したせいか、そんなにひどくはない。2時間ドラマふうのまとまり感はある。

たしかに、和泉聖治監督は「相棒」などを多く手がけているせいか、全体的にTVドラマふうではある。しか
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

3.3

死神が人間界に社会科見学に来る話。大枠のプロットは往年の「天国から来たチャンピオン」(78年)にかなり似ている。

主人公を死神にした点にオリジナリティがある。まぁつまりは、あの世からの使者が人間界で
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天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.1

濱口竜介はじめて観た。ぞわぞわする傑作だった。38分の短編だけど息の詰まるような濃密さ。見たことのないものを見た、とひさびさに感じた。

運び屋(2018年製作の映画)

3.3

90歳を過ぎて麻薬の運び屋をしていた男の実話に基づく話。近年のイーストウッドの怒涛の傑作群からすると、やや地味な作品。脇役陣がリアルでいい。メキシコギャングのボス(アンディ・ガルシア)がいい味を出して>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.7

これ実話ベースの話だったのか...。通称「アイリュッシュマン」と呼ばれた労働組合幹部フランク・シーラン(裏でマフィアがらみの汚れ仕事を請け負っていたとされる)の生涯を描いた大作。

スコセッシが持てる
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

2.7

ウェルメイドなお伽話。こんなんありえねーと時々思うものの、デ・ニーロの演技力のおかげか、見ていていやな感じは全然しなかった。

アン・ハサウェイは、ネット通販会社を1年半くらいで急成長させたIT社長。
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ホース・ガール(2020年製作の映画)

2.3

ウーム。予告篇では面白そうだったのだが。アメリカの田舎の中年女性が精神のバランスを崩していくなかなかのカルト映画。とにかく変な話。途中まで(デビット・リンチ的な味わいで)変は変なりに面白いが、終盤がパ>>続きを読む

ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

2.1

デビット・リンチがカルティエ財団から金を貰って撮った、17分足らずの短編。

出演者は、猿と、デビット・リンチ本人と、ちょい役のウェイトレスのみ。内容はフィルムノワールのパロディ(にもなっていないよう
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シャザム!(2019年製作の映画)

2.5

パロディよりのスーパーヒーローもの。まぁまぁ面白い。サブストーリーの里子家族がいい。あんだけ感じのいいナイスなキャラクターよく揃えたよね。

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982年製作の映画)

3.7

かなりシリアスでヘビーな恋の一編。子どものころ観たことはあったけど、こんなにも感じかたが違うのかと驚いた。

シリーズ中、寅次郎がフられるのではなく、寅次郎が女性をフるパターンは何本かあるが、これはそ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.2

面白さから言ったらポン・ジュノの過去作で勝るものがあるかもしれない。ただ、たしかに社会派テーマと娯楽性の高度な両立に成功しているし、とにかく考えに考えぬかれ、よく出来ている。見終わったあとジワジワ身体>>続きを読む

スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)

3.7

この映画は再見だが、当時見たときよりも、素敵な映画だと感じた。公開当時は、巷にジョブズ信者の言説が溢れており、斜に構えて見てしまったせいだろうか?

自分はマッキントッシュを25年くらい使っており、一
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.2

52歳までシェイクミキサーのセールスマンだった主人公レイ・クロック(マイケル・キートン)が、片田舎のロードサイドで繁盛するハンバーガー店のマクドナルド兄弟と出会う。

ひと目で同店の可能性に気が付いた
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