松原慶太さんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)

2.3

なんだこりゃ。駄目な邦画の典型。

導入こそ、映画らしいカメラワークと画作りでひきこまれたんだけど、そのあとはえんえんと警察広報の人事めぐるどうでもいいゴタゴタ。

早く未解決事件のほうに話を持ってい
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どろろ(2007年製作の映画)

2.6

けっこうまじめに頑張ってはいるんですよね。手塚治虫の原作は子どものころ何度も読み返しました。やっぱり圧倒的なアイデア。塩田監督は好きな監督ですし、妻夫木くんも、柴咲コウも、原作のイメージに近付けた感じ>>続きを読む

俺たちホームズ&ワトソン(2018年製作の映画)

3.0

いつもながらのウィル・フェレルのスベリ芸、下ネタ芸オンパレード。原作愛も感じる(モリアーティもマイクロフトも登場。ある程度原作知識が必要)。

途中あまりにも脱線しまくり、スベリまくりで飽きそうになる
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BU・SU(1987年製作の映画)

4.0

市川準の処女作にして、富田靖子の代表作。ぼくが邦画で5本、青春映画を選ぶとしたら、これ確実に入る。

大人になって見返してみると、大楠道代の存在感で締まるなぁ。

ぶつぶつ意味不明のことを口走る、変な
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ザ・フォーリナー/復讐者(2017年製作の映画)

3.1

爆破テロにまきこまれて娘を失った初老の中国人(ジャッキー・チェン)が、覚醒してテロリストをメタメタにやっつける話、のはずなんだけど。

ただ、予告編で想像していたような爽快感はあまりない。なんでだろう
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move / 2020(2020年製作の映画)

2.0

4分足らずの短編だけど、2回くらい寝そうになった。

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

4.5

二度目の鑑賞。傑作だという感想に違いはないが、前半はやや退屈に感じた。

理由はやはり、前作「凱里ブルース」と主題も手法も物語の構造も、あまりにも似通っているせいだと思う。

本作が優っているのは、後
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

4.0

けっして万人受けする作品ではないが、映画の限界を拡張するような新しさを感じる。2回くらいみると意味が分かってくる。

主人公は、大倉孝二をとてつもなく地味にしたような男で、ぱっと見、感情移入できるよう
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クロユリ団地(2013年製作の映画)

3.3

【発見】前田敦子のコワい顔はほんとにコワい。

前田敦子は、台詞回しがイマイチな気がするのですが、表情は抜群ですね。とくに恐怖におののく顔はそれ自体がCG並みにコワいw

Filmarks諸氏の評価は
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ザ・シークレット・サービス(1993年製作の映画)

3.4

ケネディ狙撃を阻止できなかったことを悔やみ続けてきた初老のシークレット・エージェント(クリント・イーストウッド)が、再び大統領暗殺犯に挑む、という話。

ウェルメイドなジャンル映画だが、非常によく考え
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

4.0

ディアオ・イーナン監督の前作「薄氷の殺人」は10年代のベスト3に入る傑作だと考えているのですが、それだけに本作は(これといった好評も聞かなかったこともあり)あまりテンションも高くないまま観ました。>>続きを読む

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

4.0

若松孝二監督のプロダクションに実在した助監督・吉積めぐみさん(門脇麦)を中心とした、懐かしくて、熱くて、痛い、青春群像劇。

白石監督はじめ、役者陣もかつて若松組の薫陶を受けたメンバーが集結しているも
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殿、利息でござる!(2016年製作の映画)

3.8

このタイトルとパケ写。時代ものの体裁を借りたハチャメチャコメディかと思っていたら、予想外にまじめでていねいな作りの時代劇で驚いた。

瑛太と阿部サダヲが中心となり、宿場町が金を出し合って、仙台藩に金を
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ステキな金縛り(2010年製作の映画)

3.0

三谷幸喜「監督作」としてはわりと面白いほう。

ただ僕は昔から、三谷幸喜は脚本家としては天才だけど、監督には向いてない、と思っている。

この作品も、台詞そのものとか、シチュエーションを冷静に考えると
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.6

Jホラーらしい、ていねいに作られた、静かな語り口の恐怖譚。派手な特殊効果は出てこないのに、ひたひたと怖くなる。

実録ベースだからなのか、いくつかのエピソードがたんたんと語られるものの、とくにこれとい
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エノーラ・ホームズの事件簿(2020年製作の映画)

3.4

「もしもシャーロック・ホームズに妹がいたら」という設定でつくられた物語(昔からシャーロキアンのあいだでは流布していた説らしい)。本格ミステリーというよりは、ティーンエージャー女子の青春冒険譚。原作はア>>続きを読む

今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)

3.2

甘ったるいラブロマンスかと思っていたら、予想外の佳作。

「映画についての映画」なので、系統的には「ニューシネマパラダイス」に近い。もっと直接的なアイデアソースとしてはウディ・アレンの「カイロの紫のバ
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藁の楯(2013年製作の映画)

3.3

濫作で知られる三池監督だが、予想外に面白そうな導入で驚いた。

幼女連続殺人犯(藤原竜也)を、SP(大沢たかお、松嶋菜々子)たちが警視庁まで護送する話。

被害者の祖父の大金持ち(山崎努)が犯人の首に
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ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(2006年製作の映画)

3.0

勘違い日本描写が出てくるハリウッド映画が見たくて鑑賞。まず前提としてワイルド・スピードシリーズ全然見てませんw シリーズ最駄作と評判の本作ですが、いや〜僕はけっこう楽しめましたw

アメリカで暴走
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ハード・コア(2018年製作の映画)

2.6

山下敦弘監督作品でめずらしく滑っている。壮大な失敗作のような、なにか。

この面子でこうなることもあるんかなぁ。まぁストーリーの扱いむずかしいもんな。

テーマとしては現代社会批判的なものを扱いつつ、
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目撃者(2017年製作の映画)

3.0

偶然、殺人現場を目撃してしまった平凡なサラリーマンが、逆に追い詰められていくというサスペンス。

目撃する側が、目撃される、という逆転の構図。現場を目撃した主人公が、犯人と目が合うシーンの演出はかなり
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トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

3.5

コーエン兄弟の新解釈西部劇。「バスターのバラード」を先に見ていたので、彼らの西部劇愛は分かっていた。今回もジャンル映画をどれくらい換骨奪胎して、無茶するのか楽しみに見た。

まずメインのプロットが面白
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アグネスと幸せのパズル(2018年製作の映画)

3.0

ニュージャージーあたりの外れのほうに住む地味な主婦が、クロスワードパズルに出会い、人生が変わっていく話。なんか外国映画のリメイクらしい。

ケリー・マクドナルドの演技がすごい。中流家庭の主婦が、閉塞感
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.1

村上春樹の短編「納屋を焼く」をもとにして、ストーリーを大きく膨らませ長編映画としたもの。

話の筋も、舞台となる土地も、原作とは大きく異なるのだが、村上春樹的なモチーフが頻出(井戸のメタファー。ギャツ
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独裁者(1940年製作の映画)

4.2

80年も前に作られた映画に、こんなにも笑い、心揺さぶられるとは…。

可笑しくて可笑しくてたまらない喜劇でありながら、独裁国家の本質を鋭く描いている。

もちろん、戦時中に敵対陣営を揶揄しているのだか
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イップ・マン外伝 マスターZ(2018年製作の映画)

3.8

「イップマン 継承」(3作目)で、詠春拳の正統を争い、イップマンに破れて武術界を去ったチョン・ティンチが主人公のスピンオフ。

ドニー・イェンの出ないイップマンに見る価値あるのかなと、敬遠しておりまし
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嘘を愛する女(2018年製作の映画)

2.8

脚本はよくできていて序盤は適度にサスペンスフルで引き込まれる。

仕事一筋のキャリアウーマン(長澤まさみ)がいっしょに暮らしていた男(高橋一生)が、ある日、くも膜下出血で意識不明になる。

そこで分か
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チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)

3.2

チャッキーシリーズ初見のせいか、かなり楽しめた。とりあえずノンストップで最後まで見てしまった。

子どもなら誰しも持つ孤独感・疎外感みたいなものが、人形のかたちを借りて肥大し暴走する、というテーマはよ
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.9

人里離れた洋館で暮らす、大金持ちのミステリー作家が変死する。遺産相続で集まった家族たちは、誰もがひとクセありそうなうさんくさい連中ばかり。名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)の登場である。

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嘘八百(2017年製作の映画)

2.7

うさんくさい古美術商と落ちぶれた陶芸家が手を組んで、利休の贋物をデッチ上げるという話。

中井貴一(古美術商)は歳食って喜劇がうまくなったなぁ。この年代で二枚目キープしつつこれだけ喜劇できる役者ほかに
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.0

正直、とちゅう退屈しなかったといえば嘘になる。クドくて長いギャグもあるし、あっちいったりこっちいったりのストーリーで展開を追うのが面倒な箇所もあった。

どちらかといえば僕は、バスター・キートンやマル
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.9

史実の映画化としては、ゲイリー・オールドマンの熱演もあいまって、かなり面白い。

チャーチルの人となりをまったく知らなかったので、偏屈で、与党一の嫌われ者だったがゆえに、戦時下の宰相という「汚れ役」を
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イップ・マン 最終章(2013年製作の映画)

3.1

ドニー・イェンの「イップマン」全4作が決定版であることに異論はないのだが、ややスーパーマン化してしまったドニーさんシリーズに比べ、比較的史実に沿ってイップマンの晩年を描こうとした意図は評価できる。>>続きを読む

探偵物語(1983年製作の映画)

3.5

いま見て大傑作というわけでもないんだけど、あの時代の雰囲気を思い起こさせてくれる一本。

薬師丸ひろ子は田園調布に住んでいる設定(撮影は横浜)。松田優作の汚いアパートは下落合かどこか。ひとつひとつの東
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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

3.6

ロンドン警視庁のエリート刑事(サイモン・ペッグ)が優秀すぎて妬まれ、田舎町に飛ばされる。あまりにもダメダメすぎる同僚たちに手を焼きながらも、連続殺人事件の謎を追う、という話。

前半は、邦題どおりのゆ
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.6

引き込まれて最後まで目を離せず観終わったが、そんなに好みのストーリーかというとそうでもない(主人公たちにそれほど感情移入できなかった)。函館というロケーションはすごくいい。

いまっぽい雰囲気のなかで
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