kamakurahさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

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A2(2001年製作の映画)

3.5

「A」とあわせて鑑賞。きわめて客観的な視座。市民の恐ろしさも痛感させられます。長女や村岡代表の理解しがたさが淡々と写し出され、観る側に冷静な判断を求めるドキュメンタリーの秀作。

「A」(1998年製作の映画)

3.5

ドキュメントとして秀逸。森達也のスタンス明確。タイトルは、オウムと広報部長荒木氏とを表すものと受け取りました。公安のデッチ上げには驚愕です。

溺れるナイフ(2016年製作の映画)

2.0

ヒリヒリ感も熱量も希薄。登場人物の内面も描き切れず残念。赤の鮮やかさのみ印象的。新鋭監督に、もっと好きにさせてもよかったのでは。映画館は若い女の子ばかりでした。

グランドフィナーレ(2015年製作の映画)

4.0

ソレンティーノ監督の話題作をTIFFからの帰路、六本木ツタヤの100円DAYでレンタルしてブルーレイでの鑑賞。メイキングも含めたっぷり楽しめる大絵巻。映像、音楽、出演者いずれも一級品揃いで、美術、装置>>続きを読む

ブルーム・オブ・イエスタディ(2016年製作の映画)

3.5

第29回東京国際映画祭コンペティション作品
東京グランプリ、wowow賞

ナチ、ホロコーストの重い主題を現在の問題としてラブロマンスで描いた一級品。『4分間のピアニスト』(06)のC・クラウス監督の
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アメリカから来たモーリス(2016年製作の映画)

3.0

第29回東京国際映画祭ユース部門出品作品

サッカーコーチの父とドイツ、ハイデルベルクに暮らすアフリカ系アメリカ人の13歳少年の思春期ストーリー。定番の展開に安心して鑑賞できます。

天才バレエダンサーの皮肉な運命(2016年製作の映画)

3.5

第29回東京国際映画祭コンペティション作品。
カメラワーク、スピード感に圧倒される新感覚のロシア映画。天才と称され名声と罵倒とに翻弄されたバレエダンサーのキャラクターデザインが秀逸。ワレリー・ゲルギエ
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七人の侍(1954年製作の映画)

5.0

4Kデジタルリマスター版特別上映。
文句なしの傑作。休憩はさんでの207分という長尺も全く弛みなし。しかもオリジナル脚本。娯楽映画は、こうでなくっちゃ。4Kデジタルリマスター処理で映像、台詞とも驚くほ
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私に構わないで(2016年製作の映画)

3.5

第29回東京国際映画祭コンペティション作品。クロアチア映画。
観る側の内面に深く訴えかけてくる作品。辛い内容ながらラストで安堵。主演がスカウトの素人で建築家と記者会見で聞いてビックリ。その演技を引き出
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サーミの血(2016年製作の映画)

3.5

第29回東京国際映画祭コンペティション作品。ラップ人、サーミ族について不明にして無知でした。日本人にとっても重いテーマの一本。血統という視点でも普遍性を有していて、112分の上映時間中、様々なことを考>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.5

泣かされます。杉咲花が、宮沢りえと真っ直ぐに渡り合って感嘆の熱演。母子像が輪郭鮮やかに描かれました。中野量太監督のオリジナル脚本を高く評価したい。オダギリジョー、駿河太郎もいい味。結末については、個人>>続きを読む

ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期(2016年製作の映画)

3.5

気楽に楽しめるラブコメディのお手本。お馴染みの登場人物勢揃いで、非登場のヒュー・グラントの扱いが洒脱。レネー・ゼルウィガー、コリン・ファースともにオスカー俳優となって作品としても安定感たっぷり。パトリ>>続きを読む

ダイ・ビューティフル(2016年製作の映画)

3.5

第29回東京国際映画祭コンペティション作品『Die Beautiful』
丁寧に仕上げられたフィリピン映画。カット割り、進行ともに奇をてらったところなくトランスジェンダーたる主人公をまっすぐに凝視めさ
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雪女(2016年製作の映画)

3.0

第29回東京国際映画祭コンペティション作品『雪女』
杉野希妃監督、主演の注目作。小泉八雲を原作としたなら、もう一段階、文学的情趣を加味してもよかった。イメージとして黒澤明が最晩年の『夢』で創り上げたも
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聖の青春(2016年製作の映画)

3.0

第29回東京国際映画祭特別招待作品『聖の青春』
伝説的に語られる「痛恨の落手」を村山聖が、なぜ選んでしまったか、その最大の関心事が十分に描き切れておらず、なんとも残念。もっとヒリヒリと切迫感を強調して
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.5

第29回東京国際映画祭特別招待作品『この世界の片隅に』
あまちゃん、以降の最も良い仕事になったと思います。改名した能年玲奈の声とキャラクターとが等身大の佇まいで、戦火と原爆とが日常にもたらす不条理を静
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アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

3.0

第29回東京国際映画祭コンペティション作品『アズミ・ハルコは行方不明』
自在な時制で描かれた女子気分。JKギャング団の痛快感が作品を下支えして絶妙な彩り。説得力のある一本でした。

ミュージアム(2016年製作の映画)

3.0

2016東京国際映画祭、1本目は特別招待作品、大友啓史監督『ミュージアム』。緊迫感の途切れないサスペンスで上々の仕上がりながら、趣は『羊たちの沈黙』で、そこここでの既視感が惜しまれます。

お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)

3.5

上野樹里、お見事!曲者ふたりを向こうに回して肩の力を抜いた自然体の役作り。全く見劣りするところなく3人のバランスが絶妙。タナダユキ監督との相性がよかったんでしょう。穏やかな気分が嬉しい佳品です。

ボクの妻と結婚してください。(2016年製作の映画)

3.0

荒唐無稽。それでも善人しか登場しないドラマがあっていいかな、という印象。織田裕二は、それなり。吉田羊が、なんらの屈折もない真っ直ぐな妻、母を好演。退屈せず見通せました。

超高速!参勤交代 リターンズ(2016年製作の映画)

2.0

無理くりの続編。スピード感なし。話の筋目に説得力が無さすぎます。単なる娯楽時代劇。福島復興支援にしても、もうひと捻りしてくれなくては。

古都(2016年製作の映画)

3.5

楷書の日本映画。川端康成の原作を巧みに翻案して、古典的名作の枠組みを逸脱することなく京都情趣に満ちた佳品の仕上がり。役者揃えもよく、エンドロールの中島みゆき(歌唱は新山詩織)にも納得。パリに話を繋げて>>続きを読む

グッドモーニングショー(2016年製作の映画)

2.5

コメディーの構えのはずなのに全くもって消化不良。もっと笑わせてくれなくちゃ。バラエティと報道との対立というテレビ局内対立も誇張が足りない。役者を揃えても使い切ってくれなきゃ作品の爆発力は生まれません。>>続きを読む

SCOOP!(2016年製作の映画)

3.5

原田眞人監督作品のリメイクと聞いて公開を待ち望んでました。時代の大きな相違もあり、熱量の差についてはノーコメント。ただ今なぜ、これなのか、については説明の聞きたいところです。二階堂ふみさん、いいキャラ>>続きを読む

シーモアさんと、大人のための人生入門(2014年製作の映画)

3.5

邦題に納得。優れた指導者の言葉と、その姿勢は、そのまま人生の指針。つぎつぎ奏でられるベートーベン、シューベルト、シューマン、ショパン等々のなんと美しく、たおやかなこと、陶然とする81分。シーモア先生と>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

3.5

原作小説を読んだ時には思い至らなかったことですが、映画を観ながら、これは西川美和監督から恩師是枝裕和監督へのオマージュなんだなと勝手に受けとめました。『蛇イチゴ』からの西川イズムで家族を描くとこうなる>>続きを読む

後妻業の女(2016年製作の映画)

3.0

大人な関西コメディー。大竹しのぶ、豊川悦司の二枚看板に、尾野真千子や水川あさみ、浅野忠信らがしっかり絡んで飽きさせない。無難なオチをつけてしまったのは残念。

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years(2016年製作の映画)

4.0

140分間、一瞬たりとも弛みのない素晴らしいドキュメンタリー。インタビューや当時の映像をただ繋ぎ合わせるのではなく、The Beatlesというひとつの奇跡が時代や社会とどう向き合い、いかなる経緯であ>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.0

クリント・イーストウッドが監督として、いかに人間を重んじているかが改めて再確認させられる良心作。アメリカ賛歌などと斜めに受け止めず、人としての経験、判断、決断がどれほど気高いものであるかを普遍性と説得>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

3.5

TIFFの岩井俊二監督特集取材準備のため、初見時以来の再見。後日談DVDも合わせて再鑑賞。
岩井俊二の抒情と、それを具現化するカメラワーク、色あいに、あらためて嘆息。自分自身の内側に近いところにいてく
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はじまりはヒップホップ(2014年製作の映画)

3.0

いくつになっても日常に泥むことなく「特別感」を追い求めることの大切さを実感させてくれるニュージーランド発ドキュメンタリー。高齢のラッパークルーに元気と指針を貰えます。

言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.0

秒速5センチメートルともにDVD鑑賞。新海誠ワールドの一側面がよく分かりました。SF側面も理解しなくてはとの思い強し。
抒情と余情、日常を舞台にした二作品では、その上質さが印象的。花澤香菜さんの声の色
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怒り(2016年製作の映画)

3.5

李相日監督自身による脚本が吉田修一の原作をよくまとめています。宮﨑あおいの演技が秀逸。広瀬すずの健闘も高く評価したい。単なるアイドルにはとどまらない意欲と伸びしろとを鮮明に証し立てたました。しかし何と>>続きを読む

ぼくのおじさん(2016年製作の映画)

3.0

「ぼくのおじさん」試写。コミック原作全盛のなか、北杜夫の名作映画化と松田龍平の「あまちゃん」ミズタクキャラを大事に膨らませた企画とに拍手。「したまちコメディ映画祭in台東」のオープニングを飾るにふさわ>>続きを読む

蛇イチゴ(2003年製作の映画)

3.0

10何年間ぶりにDVDで3度目の鑑賞。お金と嘘から始まった西川ワールド。人間をジッと見つめつづけてますね。bonustrackで是枝裕和監督との対談を見ることができて作品への理解度が深まりました。

麦秋(1951年製作の映画)

3.0

特別上映会でフィルム鑑賞。笠智衆の役どころを誠に興味深く観ました。原節子にブレがないな、とあらためて感じ入ることしきり。ラスト近くの鎌倉の海岸を原節子と三宅邦子とが歩くシーンは、あれ『海街diary』>>続きを読む