kamakurahさんの映画レビュー・感想・評価

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エンディングノート(2011年製作の映画)

4.0

是枝裕和監督プロデュースの佳品。愛弟子砂田麻美が監督脚本を担当した私小説的ドキュメンタリー。淡々とした語り口が胸に沁み入り、終盤は涙なくして観ることはできない。10年前の初見より、今の年齢だと切実さが>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.5

よくまとまった一本。吉岡里帆、ひとり舞台の感あり。犯人像をもう少し掘り下げて欲しかった。羊たちの沈黙を思わせるラストでの姉弟愛は、やや安直で惜しまれる。

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.5

原作は『源氏物語』の帖名を組み合わせた筆名であることが知られている現役医師作家箒木蓬生の同名小説。出版当時、山本周五郎賞を受賞し、選考委員だった故井上ひさしの激賞に興味を持って一気読みしたことで、あの>>続きを読む

キネマの神様(2021年製作の映画)

3.5

原田マハの原作を大きく脚色変容させた、今年卒寿を迎える山田洋次監督の未曾有の現況への強くて深いメッセージとして受け止めました。
台詞の言い回しはいささか前時代的ながら、全篇これぞ山田調本寸法と評すべき
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偽りの隣人 ある諜報員の告白(2020年製作の映画)

3.5

民主主義の獲得、という重いテーマをコミカルシーンも折り込みながら飽きさず観せる仕立てに感服。サスペンスのカテゴリーにとどまらない充実の内容に、日韓映画力の差異を、またまた体感させられたことでした。

少年の君(2019年製作の映画)

4.0

主演が中国で12億人の妹と呼ばれ愛されるアイドルであることも、その共演が年少の頃からのスーパーアイドルTFBOYの1人だということも全く知らずに試写鑑賞。単純素朴にふたりの熱演に感激させられるばかり>>続きを読む

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

4.0

お恥ずかしながら「ソウルの女王」アレサ・フランクリンについてきちんと語れるほどグラミー20回という楽曲の多くを聴き込んでいないし、ソウル音楽についての十分な知識も有していない。シドニー・ポラックが監督>>続きを読む

浜の記憶(2018年製作の映画)

3.5

加藤茂雄さん一周忌限定配信を鑑賞。93歳にしての初主演。大嶋さんはじめ周囲の皆さんの敬意で生まれた顕彰作にして、記憶に刻まれるべき小品。鎌倉の映画を愛する人々の総意の結実です。

レベッカ(1940年製作の映画)

4.0

Netflix版『レベッカ』の残念感を恢復させるべくヒッチコックのハリウッド第一作となったオリジナルをマイBSコレクション(自動録画で未見多数)で50年以上ぶりに再確認鑑賞。
往年のヒッチコックテイス
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レベッカ(2020年製作の映画)

3.0

リリー・ジェームズ見たさの配信鑑賞。ヒッチコックの古典的名作と比較されること覚悟の映画化についての意欲は買うが、残念ながら80年前の傑作を前に討ち死の印象。主人公自らがロンドンへ危険を冒して真相究明に>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.5

原作通読に続けての配信鑑賞。主演のチョン・ユミとコン・ユが好演。監督デビュー作とのこと。救いと希望を印象付ける脚色に感心。ベストセラー小説映画化のひとつの方向を明示した仕上がりである。
#82년생 김
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HOKUSAI(2020年製作の映画)

3.5

去年のTIFFで見逃して、公開を待っての観賞。キャストと創りの構えからすると、やや期待はずれの感が残念。企画・脚本の河原れんのコンセプトなのか、監督橋本一のスタイルなのか、正攻法の楷書タッチで創り上げ>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

3.5

『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』を観終えてすぐに、録画コレクションからあらためて本家ヒッチコックの代表作の一本を。何年ぶりになるだろう、初見は中学生の頃だったはずだから50年は経っているかも。細かい>>続きを読む

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ(2021年製作の映画)

3.0

アメリカの映画監督は、どうしたってヒッチコックを意識しないではいられないんだな、ということをあらためて実感させられる一本。このシチェーションで『裏窓』を想起しない映画ファンはいない。84年のブライアン>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.0

公開時から話題のドキュメンタリーを、ようやく鑑賞。三島由紀夫の存在感と1000人の東大全共闘の熱意とが鮮やかに対比された見応えある一本。50年後の今を生きる当事者たちと、伝説としてその日を受け止め咀嚼>>続きを読む

白鳥の歌なんか聞こえない(1972年製作の映画)

3.5

庄司薫4部作のひとつ『白鳥の歌なんか聞こえない』の映画化。由美役が前作の森和代から本田みちこに代わるも薫くんは岡田裕介が引き続き好演。加賀まりこも細川俊之も実に若々しい。原作の抒情が必ずしも十分には描>>続きを読む

AWAKE(2019年製作の映画)

3.5

2015年の阿久津八段とAI将棋ソフトAWAKEとの一戦をもとにMV界の山田篤宏監督が、脚本、編集も手がけての商業デビュー第1作目という一本。第1回木下グループ新人監督賞グランプリ受賞作なる冠がついて>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.5

大九監督、ちょっと長いです。綿矢りさ原作を、前作に引き続いての映画化、意図するところは受け止めました。のんと橋本愛のシーンでは、別の文脈も重なり涙ぐんでしまった。第33回東京国際映画祭観客賞。それにし>>続きを読む

フェイフェイと月の冒険(2020年製作の映画)

3.5

作画力、技術力に驚愕するばかりでなく、美しいメロディーラインにも心打たれるオスカー候補に相応しい第一級アニメ。吹替版も健闘してます。

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

3.5

必見のドキュメンタリー。緻密な観察眼が、自己刷新をもたらすという物語性も兼ね備え、美しい海洋風景とも相まって惹き込まれる。オスカー納得の佳品。

ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

4.0

ずっと辛い展開が続き、やはり貧困が映画の世界的共通項なのかな、と観続けていると、祖母役で圧倒的存在感のグレン・クローズが気力を振り絞って愛孫の教育に覚醒するクライマックスから高揚感が湧き起こり、終盤は>>続きを読む

ザ・ホワイトタイガー(2021年製作の映画)

3.5

これからは中国とインドの時代、という劇中の一節がリアルに身に沁みつつ、貧困がここしばらくは世界中の映画の共通項になるのだなと実感させられる一本。所謂インド映画の根底での能天気な雰囲気が微塵もない重い主>>続きを読む

これからの人生(2020年製作の映画)

3.5

ソフィア・ローレン86歳にして堂々たる主演ぶりに脱帽。新人イブラヒマ・グエイェが見事に大女優と渡り合って、胸打つ抒情が醸し出されている。内容は古いフランス映画のリメイクで、ホロコーストの扱いが希薄にな>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.5

作品外の論議が喧しく、それを理由に敬遠していた話題作を、妻の誘いで小映画館で鑑賞。主演男優賞納得の仕上がりながら、本作成功の最大の殊勲賞は、新人服部樹咲の存在と受けとめた。日本版Billy Ellio>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

遅まきながら、オスカー受賞式直前の滑り込み鑑賞。黄昏期に入った者にとっては、切なく、胸締めつけられる仕上がり。原作に魅せられ映画化権を自ら買い取ってプロデュースしたという主演のフランシス・マクドーマン>>続きを読む

白痴(1951年製作の映画)

3.0

数十年ぶりの『白痴』通読にあわせて、黒澤明の、公開にあたり松竹と揉めに揉めたと伝説の同名作品を、ハードディスクに保存しておいたBS放映版で、こちらも40年ぶりかの再鑑賞。初見の時のガッカリ感が今なお鮮>>続きを読む

感染家族(2018年製作の映画)

3.5

気楽に笑えるゾンビコメディ。本邦の「カメ止め」テイスト、趣は「カタクリ家の人々」の印象かな、ということは、すなわち韓国『クワイエット・ファミリー』の系譜作品。オチも上手いです。

マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

3.5

『フェンス』に続けての配信鑑賞。こちらも戯曲の映画化ながらブルース草創期の実存明白な場の鮮やかな描出で興味関心掻き立てられて、あっと言う間の90分。ヴィオラ・デービスの圧倒感はさすがだが、同等の存在感>>続きを読む

フェンス(2016年製作の映画)

3.5

今期アカデミー賞主演女優賞候補ヴィオラ・デービスの助演女優賞獲得作品を振り返るべく日本未公開作を配信鑑賞。沈鬱な人間ドラマで戯曲の映画化色濃厚な仕上がりは台詞のひとつひとつが重く、2時間が辛い。デンゼ>>続きを読む

私というパズル(2020年製作の映画)

3.5

アメリカでの自宅出産についての問題意識、社会環境を理解していないが興味深く鑑賞し、あっという間の2時間だった。主演のバネッサ・カービー、オスカーノミネート納得の演技で、切実で悲痛な体験を乗り越えて行く>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

文句なしの映画体験、90分。緻密な脚本が、厳選された名優により体現され、それにより産み出された芸術的時空経験は、あたかも楷書で書かれた見事な一幅を堪能したような印象で、特に年配者には必見と奨めたい。映>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ(2019年製作の映画)

3.5

遅まきながらアカデミー賞作品賞ほか6部門ノミネートで知って配信鑑賞。メタルバンドのドラマーが聴力を失い、難聴ではなく静謐感を生きるという価値観に立つ世界を知り、それでも選択すべきはいずれかなのかで葛藤>>続きを読む

完璧な他人(2018年製作の映画)

3.5

イタリア映画『おとなの事情』のリメイク。オリジナルの軽みを韓国版はより丁寧に、かつ人生訓度も深めて、こうなると好き嫌いの差異で、どちらを選ぶかは判定が難しい。本作の方がより重く、脚本の密度は濃厚で、コ>>続きを読む

おとなの事情(2016年製作の映画)

3.5

日本初公開時のトークショー付き上映会以来4年ぶりの配信再鑑賞。本作が、この後、各国でなぜ頻繁にリメイクされるのか、いまだに十分理解できない。今あらためて観直しても、とびぬけての良作という印象はなかった>>続きを読む

なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

3.5

評判のドキュメンタリーをCS録画で鑑賞。高評価に違わぬ見応えで、終盤、涙ぐむ自分に驚かされた。政治的スタンスに囚われず凝視し続けると、いつの間にか監督大島新のニュートラルなタッチにつられて政治に志を持>>続きを読む

赤頭巾ちゃん気をつけて(1970年製作の映画)

3.5

昨年11月に実父と同じ急性大動脈解離で亡くなった岡田裕介氏追悼番組としての放映を録画して、50年ぶりに鑑賞。原作を溺愛していた中学生の自分が、特にラストに憤ったことを懐かしく思い起こしながら、同時に当>>続きを読む

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