kamakurahさんの映画レビュー・感想・評価

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

エマ・ストーンが2度目のオスカーを獲得した『哀れなるものたち』をDisney +で配信鑑賞。『聖なる鹿殺し』、『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督らしい、と評してしまえばそれまでだが、>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.5

オスカー7部門受賞の話題作を劇場鑑賞。3時間の長尺を飽きさせず、緊張感を維持して観せるあたりは、さすが。難解の評判先行ながら、クリストファー・ノーラン監督らしい仕上がり。映画らしい映画で、見応え十分だ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

 昨秋の東京国際映画祭(tiff)オープニングを見逃して、そのまま機を逸していたのだが、昨夜の日本アカデミー賞主演男優賞を祝し、米アカデミー賞発表直前の、このタイミングで12月公開ながら今なお劇場公開>>続きを読む

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 Netflix配信『パレード』からの流れで配信鑑賞。同作のヤクザ役とはうってかわっての誠実・真摯な役柄を体現した横浜流星に感心させられるばかりの和文化作品。『ちはやぶる』で堅実な監督力を見せた小泉徳>>続きを読む

パレード(2024年製作の映画)

3.5

藤井道人が初めて長澤まさみを起用したことで話題のNetflix製作作品を配信鑑賞。決して目新しい設定ではないが、共演陣粒揃いで穏やかに楽しめる。
登場人物ひとりひとりの物語に苛烈な深刻さなく、映画の力
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

ホアキン・フェニックス主演で話題だったリドリー・スコットの大作をApple TVで配信鑑賞。見応え十分。中盤の戴冠式は、ルーヴルの名高い歴史画そのもの。衣装、装置、装飾が見事で息をのむばかり。冒頭のマ>>続きを読む

せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.5

 ヨコハマ映画祭に寄せて。
 岸井ゆきのとともに黒木華が主演女優賞の栄誉を得た阪本順治監督の意欲作『せかいのおきく』について一言。個人的には作品賞となった『ケイコ目を澄ませて』よりも本作を上位に位置付
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.5

バーンスタインの伝記映画と聞いて、すぐにも映画館へと調べていたら3週間もしないうちに勧進元のNetflixが配信すると知ってそのままにしているうちにオスカーノミネート、となりこのタイミングでの配信鑑賞>>続きを読む

マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

4.0

前情報なく配信鑑賞して、内容原題からジョアンナ・ラコフの『マイ・サリンジャー・イヤー』(邦訳 サリンジャーと過ごした日々 井上里訳)と気づき、あわてて原作邦訳を再読して、再鑑賞。
マーガレット・クアリ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

なお上映中なので遅まきながら久々のレイトショー映画館に飛び込み鑑賞。知人、関係者の評価毀誉褒貶著しく自分の眼で確かめなければと無理して観たのだが、個人的にはガッカリ。『シン・ゴジラ』で充分、国家規模で>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.5

2021年の本屋大賞受賞作の同名原作を、『八日目の蝉』、『連合艦隊司令長官 山本五十六』の成島出監督で映画化。主演の杉咲花が今をときめく志尊淳、宮沢氷魚を相手役に難しい役どころを、2016年に様々な映>>続きを読む

マイ・ハート・パピー(2023年製作の映画)

3.5

愛犬の里親探しを縦軸としたハートフルロードムービー。特別な仕掛けも大掛かりな特撮もない、平板のどかな一本。結末は家族の一員は愛情をもって飼い続けようという実に当たり前の結末へと進むが、韓日ともにペット>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.0

原田眞人監督が黒川博行の『勁草』を、安藤サクラを主役にして自ら脚本も整え見事に換骨奪胎、見応えあるピカレスクサスペンスに仕上げた逸品である。Netflixで配信中。劇場公開を見逃している映画ファンは必>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.0

 これほど情愛満ち溢れた映画は実に久しぶりである。スタッフ、キャストの作品にこめた気合い迸り、物語終盤にやってくる胸締めつけられるシーンで自然と流れる鑑賞者としての涙が温かく、嬉しい。声のみの出演でク>>続きを読む

マチネの終わりに(2019年製作の映画)

3.0

 平野啓一郎のデビューは鮮烈だった。漢文体の神学をめぐる作品は『新潮』掲載時から火がついて、あっという間に芥川賞。当時の最年少受賞だった。京大から恐るべき才能、忽然と登場と作品以上に作家本人がクローズ>>続きを読む

星屑の町(2020年製作の映画)

3.5

再放送『あまちゃん』ロスのなかDMM TVで配信開始された本作を、のんさん推し鑑賞。公開時スルーを後悔しながらも『あまちゃん』スピンオフかと思わされる設えに小躍り。ラサール石井と小宮孝泰両氏による舞台>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

 関東大震災100年となる9月1日に、ドキュメンタリーの雄としてつとに知られる「作家・映画監督」森達也初の劇映画「福田村事件」が全国公開される。季刊誌『映画芸術』を編集、発行し脚本家としても名高い荒井>>続きを読む

春に散る(2023年製作の映画)

3.5

沢木耕太郎が2015年から翌年にかけて朝日新聞で連載した小説の映画化。2時間にまとめるにあたり登場人物やエピソードを整理して、佐藤浩市と今をときめく横浜流星を起用して瀬々敬久監督が本腰を入れてボクシン>>続きを読む

エリザベート 1878(2022年製作の映画)

3.5

ビッキー・クリープスの独り舞台とも言いたくなる19世紀オーストリアの皇妃エリザベートの40歳の1年間を主題にしたアート系映画。2022年第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀演技賞とのこと。>>続きを読む

どですかでん(1970年製作の映画)

4.0

中学2年だった。『トラ・トラ・トラ』騒動以後久方ぶりの、かつ初のカラー作品公開初日ということで、日比谷の今はない千代田劇場に多くが駆けつけていた。フィルム一コマ付き前売り券を購入して、その日を待ち続け>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.5


レンタル鑑賞。昨年度映画賞多数受賞作品。石川慶監督作品で興味関心大ながら試写も劇場鑑賞も逃して、レンタル開始にあわせて遅まきながらじっくりと観た。平野啓一郎の原作を手際よくまとめた向井康介の脚本が見
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天間荘の三姉妹(2022年製作の映画)

4.0

本篇劇場公開、東映系としてはロングランだったにもかかわらず諸事情あって見逃し,このたびの配信開始で遅まきながら鑑賞。物語の骨格は、古来から語り継がれる所謂「根の国」伝説だが、不明を恥じるばかりながら人>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.5

観終わって複雑。163分の長尺、息も付かせず一気に駆け抜けても完結してくれない、とは。Part Oneと続編承知の劇場鑑賞ながら、主題とされたAIや2本のカギという設定にダイナミックな印象希薄、故に展>>続きを読む

世界のはしっこ、ちいさな教室(2021年製作の映画)

3.5



「希望」の具現化ー『世界のはっしこ、ちいさな教室』レビュー

2014年にミニシアター系で上映され、フランスでの大ヒットを前評判に日本でも多くが駆けつけた『世界の果ての通学路』の製作チームによる3
>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

それはお前の勝手な思い込みだろう。そう言われてしまえば返す言葉もない。しかしタイトルを聞けば、読書愛好家は誰だって吉野源三郎の名著の映画化だと思う。期待する。ところが同作は、同名の別物。なるほどエンド>>続きを読む

コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

3.5

長く続いたコロナ禍行動制限下、日本でのNetflix契約者数増大の立役者となった『愛の不時着』のヒョンビン主演『コンフィデンシャル:国際共助捜査』は、韓国映画の活況をあらためて体感させてくれる痛快娯楽>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.5

今年の待望・大期待作、ということで公開2日目早朝回を劇場鑑賞。同志多数らしく、結構な入り。世界中どこもこうだといいな。
内容,展開に、ツッコミどころ多々あるも、ハリソン・フォードと一緒に歳を重ねてきた
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

4.0

本編内容外のことで毀誉褒貶喧しい実写版『リトルマーメイド』をIMAXで鑑賞。劇団四季ファンとしては、制作発表からずっと気になり、公開直後からさまざまに芳しくない評価が散見され、やや心配したが、仕上がり>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.0

映画通の知人から、公開後すぐ大画面、できればIMAXではなく4DXこそmustと言われながら、タイミングを逸して、このたび開始されたDisney +配信にて、ようやく2022年世界興行成績1位の同作を>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

前評判に違わぬ期待通りの出来栄え。坂本裕二の脚本登用、功を奏し、ここしばらくマンネリ化しつつあった是枝作品世界が一気に拡大した。是枝裕和監督の代表作の一本と位置付けられるはずである。
おそらく、これま
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.5

遅まきながら昨年から息長く話題になっている一本を、配信鑑賞。高評価相次ぐなか、周回遅れで、しかも配信での享受で何をか言わんやの感は否めないが、個人的には好感できる仕上がりではなかった。
岸井ゆきのの演
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STILL:マイケル・J・フォックス ストーリー(2023年製作の映画)

3.5



『Back to the Future』シリーズで映画ファンなら知らない者のないマイケル・J・フォックスの現況を真っ直ぐ凝視したドキュメンタリー。そのパーキンソン病との格闘は、すでに世界的ベストセ
>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

緊張感途切れることのない2時間半、ただただケイト・ブランシェットに圧倒される一本である。仕上がりも芸術度高く、脚本、監督、製作をひとりで担ったトッド・フィールドの意気込みと気合いを体感できる。詳しい説>>続きを読む

妖怪の孫(2023年製作の映画)

3.5

個人的感情としては積極的な鑑賞に気乗りしないドキュメンタリーだったが、内山雄人監督の前作『パンケーキを毒味する』に関心を寄せた立場で本作をスルーは出来ない。(参考: https://filmarks.>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.5

『BLUE GIANT』の評判がいい。知人、関係者、異口同音、揃って感激、感動を投稿し、語って、観てよと促し、確かに興行成績も好調である。青山のblue noteは、旧店舗時代から何度も通い、それなり>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.5

さかなクンという不世出の天才の自叙伝を、個性屹立ののん(能年玲奈)を起用して映画化した注目作を、遅まきながら配信でようやく鑑賞。現況で考え得る最良、最適の配役で、誰か男優を起用しての映画化では、かくも>>続きを読む

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