世界最高峰ボリショイバレエ団のお家騒動を当事者目線感覚で追ったドキュメンタリー。バレエそのものが有する独特な内面世界への言及はなく外側の政治色があぶり出された異色作。門外漢には、制作の必然性がもう一つ>>続きを読む
個人的事情あってNetflixで再鑑賞。あらためてピーター・ブルックの一言ひとことの深さと重みに敬服。最近では「沈黙」の演技が印象的だった笈田勝弘(ヨシ)さんが80を過ぎてなお追求しつづけておられる姿>>続きを読む
サザン・オールスターズの名付け親とされるプロモーター宮治淳一氏が桑田佳祐誕生秘話をかたり、人類学の中沢新一氏がブラタモリよろしく茅ヶ崎の地質学的、民俗学的来歴を語る地元愛溢れるドキュメンタリー。神木隆>>続きを読む
九段イタリア文化会館で試写会。映画「マリー・アントワネット」のメガフォンが気に入られてローマ歌劇場から演出をオファーされたソフィア・コッポラのオペラライブ映像。個人的にはカラスの椿姫を超えるものなし観>>続きを読む
重厚、硬質な一本。いくつものエピソードの積み上げによってジャック・ドワイヨン監督のロダン像が描き出されている。ありがちな内面描写は抑えられ、ドキュメンタリータッチの120分。個人的には深く共鳴できなか>>続きを読む
自我を具現化して他国に出現させるという新手のSF、コメディなのかな、というべき一本。アン・ハサウェイを観るための映画。アルコールとかトラウマとかの説明なしで押し切ってくれれば、もっと面白くなったのに、>>続きを読む
土屋太鳳は、しばらくこの路線にこだわってみたらどうだろう。弾け感が群を抜いている印象だし、なにより楽しい。若いうちはコメディエンヌで磨いて、あれもこれもの出演は、そろそろ打止めにしてもいいのでは。なん>>続きを読む
差別や困難を越えていくドラマは、常に等しく痛快。まして舞台はNASA。しかも実話。面白くないはずがない。あっと言う間の120分。ヒューマンエンターテイメントとして見応え十分。邦題、分からなくはないけど>>続きを読む
リドリー・スコットは、何に取り憑かれてしまったのだろう。アンドロイドが自身を神と錯誤して、ドラマはどんどんそれる。序盤、停滞。エイリアン登場場面は怖かった、それだけ。ブレードランナーは、大丈夫かなぁ、>>続きを読む
「ダンケルク」好印象の余勢で、ノーラン兄弟のSF佳品を、あらためて熟読。何度観ても感服する出来栄え。IMAXで再上映してくれないかな。キューブリックの2001年より、ヒューマンドラマ部分の比重が重く、>>続きを読む
1に続けて、2も一気観。大会規模が大きくなって楽曲の幅も拡がり、ますます楽しい。オバマ大統領?も出演で能天気度満点
気楽に観られるミュージカルコメディ。gleeの大学版。全編アカペラが基本。聞き応え、十分。
NHKで放映中の植木等、小松政夫のドラマに呼応させる形でラインナップに載ったかと思われる市川準の佳作をWOWOWで、29年ぶりに再視聴。話の中身より往時の風景、風俗、チョイ役出演の現在の有名どころが胸>>続きを読む
設定は興味深いものの、作劇としての面白味が欠けているのが残念。エマ・ワトソンの健闘を観るだけの映画になってしまった。原作未読だが、きっとそちらは深く広く展開しているのだろうなと推察される。読もうかな。>>続きを読む
ジム・ジャームッシュのメッセージを、あれこれ考えず、ただ真っ直ぐ受け止める作品。一編の詩としての完成形で、そのうえ明快で心地よい。終盤キーパーソンとして登場する永瀬正敏が発する「私は詩を呼吸してます」>>続きを読む
朝井リョウ直木賞作の映画化作品を遅まきながら録画アーカイブから選んで鑑賞。市川南、川村元気コンビ製作ということで敬遠していたものの、仕上がりの良さにビックリ。原作の持ち味を損なわず、今をときめく若手の>>続きを読む
是枝色の横溢した佳品。演者いずれも熱演。裁判制度への批判意識も盛り込み、オリジナル脚本、タイトル秀逸。それだけに企図した緊迫感に生じた弛緩が残念。監督自身の編集だからこそ、尺をつめるなり、カット割りを>>続きを読む
クリストファー・ノーラン監督代表作となること保証付の会心作で、名コンビ、ハンス・ジマーの音楽も文句なし。106分の上映時間、途切れることのない緊張感に、映画らしい感動が溢れている。極力CGにたよらず、>>続きを読む
2時間強、緩みなく展開するもののミステリーとしては禁じ手の結末で残念。原作未読、どんな読後感なのだろう。終盤の吉高がひどく凡庸なのも惜しまれる。佐津川愛美の健闘が光った。
#ユリゴコロ
統一後のベトナム農村部を美しく切り取り、貧しくも健気に生きる兄弟と周辺の人々を、静かに凝視した佳品。物語の結構に注文をつけたくなるが、既成の枠組みで評するのは野暮。全編に流れる風を感じつつ、苦難大き現>>続きを読む
重苦しく、気鬱になるばかりなのに、2時間、目を離すことのできない深刻な一本。映画関係者の一部できわめて高い評価を得ていたことは承知ながら、敬遠していた作品を録画保存の個人的アーカイブから意を決して鑑賞>>続きを読む
子どもたちに、こんな体験を強いた戦禍の不条理と虚しさに、あらためて深く思い入る佳品。子どもたちひとりひとりが活き活きと描かれ、また越え行く自然の美しさで、不思議と悲惨さはない。重いテーマを心地よく観せ>>続きを読む
素晴らしいラヴストーリー。全編音楽に満ち溢れ、快活。疾走感みなぎって、青年らしい逡巡と決意が好ましく、結末も心地よく納得。今夏の個人的最高点。楽しい一本です。
#ベイビー・ドライバー
黒沢清監督が恋愛映画を撮るとこうなる、ということでしょ。好き嫌いが分かれる仕上がり。長谷川博己が、シン・ゴジラにつづいて狂言回しで、同じくリアル演技の長澤まさみとともに真剣な風がコミカル感を醸し出して>>続きを読む
満島ひかりの気合いを体感する一本。演技賞候補確実。
昨年の大収穫、梯久美子さんの「狂うひと―「死の棘」の妻・島尾ミホ―」で描かれたミホさんと島尾敏雄の、もっと切迫した関係や、もし出発が訪れていれば浜で>>続きを読む
静謐感に満ち、知的な舞台劇のような佳品。何回か印象的に用いられた真っ直ぐ上から俯瞰するショットに象徴される全体の佇まいが、エミリ・ディキンスンの研ぎ澄まされた詩の世界をよく具現化している。崇高さを極め>>続きを読む
見応え十分!司馬遼太郎の描いた「関ヶ原」にとどまることなく司馬史観、司馬文学としての「関ヶ原」を具現化した原田眞人監督らしいスタイルに感服。しかも今をときめく有村架純のおまけつき。史実としての分水嶺の>>続きを読む
映画人は、何故こうも湊かなえが好きなのか。次々作品が映画化され、いずれも暗く、学校関係ものばかりで、受け取る側としてはやや困惑。貫地谷しほりも大東俊介も堅実だし、木村多江も緒形直人も納得のキャスティン>>続きを読む
脚本家遊川和彦の初メガフォン作品を遅まきながらDVD鑑賞。役者を揃えたのは脚本家としての経験値に拠るところ大という事なんでしょうね。しかしながら中身は阿部寛の独り舞台。もっとコメディ色を色濃くしてもよ>>続きを読む
言わずと知れた岩井俊二の傑作テレビドラマのアニメ化。企画川村元気に納得の内容。「君の名は。」テイストで尺を延ばした分、冗漫になって、個人的には期待はずれ。しかしながら広瀬すず、大健闘。奥菜恵が演じて岩>>続きを読む
イザベル・ユペールに尽きる一本。監督ポール・バーホーベンの持ち味よろしく不安げで蠱惑的なたたずまいのなか、「彼女」を筆頭に、とりまくすべての登場人物全員倒錯臭にみち、展開への興味で2時間を超える上映時>>続きを読む
リアリズムの極み。荒井晴彦脚本の重いテーマを説得力豊かに映像化してます。何度も客席から笑い声があがるあたりが実相を描けていることの証。子役が3人とも素晴らしく、三島有紀子監督の演技指導に感服。浅野忠信>>続きを読む
タップダンスシーンは、圧倒感あり。ドラマ部分の冗長さが惜しまれる。一人一人にエピソードを振る作劇作法は理解できるものの、もっと刈り込んで欲しかった。
#TAP
評判通りの佳品。115分間、終始静謐感に満ち修道女たちの讃美歌が粛然と通底するにも関わらず、語られる史実に基づく内実は峻烈苛酷。形而上の信仰と、決して受け入れることのできない屈辱的なリアルとの隘路で、>>続きを読む
遅まきながら話題のドイツ映画。160分の長尺ながら、飽きさせない。ほとんどドキュメンタリーを観ているような、リアル感。作品として個人的にどう位置付け、評価すればいいのか、戸惑う独特な印象の一本。主題そ>>続きを読む
邦題、もうひと工夫すべき。ハイセンスなコメディ、しかも癒し系。佳品です。音楽が素晴らしい。サントラをすぐにダウンロード。邦画じゃ、こうはならないんだよなぁ、と嘆息しつつ楽しみました。友情にかかるメッセ>>続きを読む