しゅーげさんの映画レビュー・感想・評価

しゅーげ

しゅーげ

メモとして、主に過去に観た映画ノートから書き起こし整理用。辛口御容赦。
A+ 4.5~
A− 4.0~
B+ 3.5~
B− 3.1~
C+ ~3.0
C− 1.0~

https://twitter.com/kowalskitravis

映画(905)
ドラマ(0)

密偵(2016年製作の映画)

4.4

スパイ同士の攻防戦の中、ソン・ガンホの二重三重の苦悩が全編を通して緊張感を保っている。引き裂かれた自己を行動によって取り戻すソン・ガンホの演技が素晴らしい。特に鉄道の中での殺人シーンは見事。上海と京城>>続きを読む

コンフィデンシャル/共助(2017年製作の映画)

3.8

アクション映画として良質であり、ユ・ヘジンの好演が印象的なバディー映画。シナリオ的な疑問点は残るものの、「南北合意」など大きな動きを見せる南北朝鮮事情を韓国国民がどのように受け止めているのかがわかる点>>続きを読む

あゝ同期の桜(1967年製作の映画)

3.7

つまりこれは戦争映画ではなく、「アメリカ組」という悪玉に「日本組」が決死の殴り込みをかけるという「任侠映画」の変形バージョンである。あらかじめ死を定められた殴り込みである特攻。東映任侠スター勢揃いぶり>>続きを読む

黒の超特急(1964年製作の映画)

4.8

ギラギラする田宮二郎と、田宮ホンモノの奥さん藤由紀子のハッとする美しさ。西武グループ堤氏(加東大介)と運輸大臣工藤(佐藤栄作)の実録物として素晴らしい映画。(詳しくは→ http://hamarepo>>続きを読む

白い巨塔(1966年製作の映画)

4.7

医大内の権力闘争と人体内の権力闘争である癌が並行モンタージュされて、最後に裁判という大きな社会闘争に止揚される。圧巻の橋本忍脚本と、田宮二郎・田村高廣・加藤嘉・東野英治郎ら男優の表情、山本薩夫監督のフ>>続きを読む

靖国 YASUKUNI(2007年製作の映画)

4.4

これを記録できただけでも素晴らしいと感じる。問題を問題として発生せしめるためにはあらゆるベクトルの力が動き、初めて問題となるのだと現象的に理解できる。

名もなきアフリカの地で(2001年製作の映画)

3.1

美しきアフリカという主題であろうが、そこにオリエンタリズム的なものを感じさせてしまうのはなぜだろうか。郷愁と背景の美しさだけで冗長といった印象。

奇跡の2000マイル(2013年製作の映画)

3.7

砂漠の中に過去との対話のために入っていった女性探検家の実話を元にしたロードムービー。自殺した母・安楽死させられた愛犬……彼女はそれに砂漠で向き合う。内面の砂漠がラストシーンのように美しい海に満たされた>>続きを読む

もしも君に恋したら。(2013年製作の映画)

1.0

観た私が悪かった。頭痛が悪化した。おまけに観た後、下痢をした。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

3.8

なるほど、初めてスターウォーズが公開された時に時代を変えてしまった理由がわかった。時代を反映しているのだ。この宇宙を巻き込んだ家庭内喧嘩はより内的になり時代精神を切り取っている。特にアダム・ドライバー>>続きを読む

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.5

言葉による暴力か、暴力自体か。どちらの方が罪があるのだろうか。普遍的な物語であるとともに見逃されがちなレバノンという国の現状をも知ることができる。顔のクローズアップで緊張感に満ちた2時間を届ける。

花の億土へ(2013年製作の映画)

4.2

『苦海浄土』はもちろん傑作だ。とてつもない日本文学の金字塔だ。だが、石牟礼文学はそれだけではない。いや、それから石牟礼道子の曼荼羅が宇宙的に広がっていく。「石牟礼道子そのものがシャーマニズムだ」と語っ>>続きを読む

不知火海(1975年製作の映画)

4.8

【土本典昭特集@ポレポレ東中野】
水俣病という病自体からこの国のかたち、そして有機水銀で汚染された海とともに暮らさずを得ない人たちの生活を浮き彫りにする。廃棄される魚の魂と共に、絶望しても生きて行かね
>>続きを読む

水俣病・その20年(1976年製作の映画)

4.5

水俣病の問題の核心のわかるドキュメンタリー。チッソがかつて朝鮮・満州で財を成したこと、水俣の街はチッソによって栄えてきたこと、チッソ社員も水俣病に罹患していたこと、自分が水俣病患者になるかもしれないに>>続きを読む

水俣 患者さんとその世界(1971年製作の映画)

4.8

【土本典昭特集@ポレポレ東中野】
160分ある完全版を奇跡的に鑑賞。水俣病に苦しむ人々を通じて、破壊された水俣の風土自体を立ち上らせる手法は小川紳介の三里塚シリーズと同一であるが、「企業に殺される人間
>>続きを読む

憂国(1966年製作の映画)

4.2

三島にとって切腹という極めて形式的な「死」の儀式は、バタイユの「エロティシズム」を引くまでもなく「生」の充溢感を与えるものであった。生を支える「絶対」的な存在がなくなった戦後日本において彼は、それを求>>続きを読む

炎上(1958年製作の映画)

3.8

『その時、金閣が現れた』
自身の中の「絶対」である金閣を燃やすという行為は自殺に等しい。若しくは自身を支配するそれへの復讐なのかもしれない。死への欲望に支配された虚無感が漂う。ダーティーな仲代達矢も素
>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

2.4

パンフレットにネタバレ防止用シールが貼ってあった印象にあるがそれ以外はほとんど記憶にない。ここでエヴァンゲリオンに対する熱は一気に冷めた。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

2.3

新劇場版ということで大いに期待して
観に行ったのは高校生の時。また物語を広げて、一体どう回収するのかということばかり考えていた。

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

2.6

考察しようとすればするほど袋小路にはまって行くのは、監督が言いたいことを並べただけであるからにすぎない。あなたと私のみの世界=セカイ系アニメの金字塔ではある。

ユンボギの日記(1965年製作の映画)

3.7

李承晩政権が倒れた後、第二共和国〜朴正煕による国家再建国際会議〜第三共和国と朝鮮戦争後の激動を底辺で生きた少年の記録。記録自体で貴重なのだが、ゴダールの『たたえられよ、サラエヴォ』のように写真とナレー>>続きを読む

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

4.3

1つの謎のような映画である。明らかなのはそのカトリシズムであり、東方の三賢人の1人の名前をつけられたロバ、パルタザールとマグダラのマリアのようなアンヌ・ヴィアゼムスキーの受難の物語であることだ。ロバの>>続きを読む

殺人の告白(2012年製作の映画)

3.9

よく作り込まれた劇映画。鏡の表象に気をつけてみると「班長」の真相が明らかになるし、突然の暗闇は真犯人が誰かわからない状況を表す。犯人に被害者がオーバーラップし、また何度も映る時計は「時効」というものを>>続きを読む

死の棘(1990年製作の映画)

4.5

島尾敏雄は『出発は遂に訪れず』などが好きだが『死の棘』はあまりに私小説的過ぎて好きでなかった。小説の内容すらあまり覚えていないほどだが、小栗監督の卓越したフレームワークと夫婦が会話しているようで、その>>続きを読む

ギターを持った渡り鳥(1959年製作の映画)

3.6

アキラカッコいい!という言葉しか浮かばない。そしてやはり『仁義なき〜』での山守(金子信雄)と武田(小林旭)、大友(宍戸錠)メンツが光る。日本映画黄金期の楽しいプログラムピクチャー第1作目。主題歌が最高>>続きを読む

泥の河(1981年製作の映画)

4.9

大阪の底辺に生きる廓を営む水上生活者とうどん屋の子どもの哀しいまでの交流。子どもはなんでもお見通しであり、一般に言われているほど純粋ではない、いや、純粋すぎるからこそ心が痛む。その痛みを卓越した構図と>>続きを読む

シルミド/SILMIDO(2003年製作の映画)

3.6

大韓民国の国是・反共の元に集められた犯罪者達が金日成暗殺のための特殊部隊として『男塾』ばりの訓練を受ける。史実である実尾島事件を題材にした実録映画であるが、東映が配給しただけあり男たちのアツい映画とな>>続きを読む

光州5・18(2007年製作の映画)

4.0

全斗煥政権による光州事件=光州一般市民「虐殺」とそれを受け銃を持って戦った一部の市民を実話ベースで描く。銃を持てば「暴徒」なのだろうか。誰が彼らを「反乱軍」にしたのか。笑いと涙とでごちゃ混ぜになるよう>>続きを読む

スウィンダラーズ(2017年製作の映画)

3.8

このテンポ、この伏線回収サスペンスはすごい!まんまと騙される快感さに加えて単なる勧善懲悪でないところがミソ。パク・ソンウンがいい味!

ライフ・イズ・ミラクル(2004年製作の映画)

3.8

初めてのクストリッツァ体験がこの映画であった。戦争の中で、人は動物になり動物はより人らしくなる。その流れに任せるあり方を監督は優しくけたたましく語る。

母なる証明(2009年製作の映画)

4.1

息子を殺そうとした母は自らが母であることを証明する為、殺しを行わなければならない。重く堆積したアジア独特の「苦しむ母」の物語。母であること、女であること全てから解放された曠野で彼女は踊り続ける。語りの>>続きを読む

殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.3

華城という田舎町で起きた実際に起きた連続殺人事件がテーマの本作で特筆すべきなのはクローズアップされる「顔」である。刑事たちは「顔を見ればわかる」というがその実、全て被疑者は無罪であった。「顔」は真実を>>続きを読む

弁護人(2013年製作の映画)

4.6

『歴史は現在と過去の対話である』(「歴史とは何か」E.H.カー)

光州事件を扱った名画『タクシー運転手』と公開予定の『1987、ある闘いの真実』(6月民主抗争)の間にあった「釜林事件」の実録映画。モ
>>続きを読む

生き残るための3つの取引(2010年製作の映画)

2.9

ファン・ジョンミンとマ・ドンソクの演技で救われているが、検察×警察×暴力団の対立ラインを意図的に明確にしない描写は観るものを混乱させる未完成さがある。内容以前にストレスフルな作品。

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

4.9

言葉を失うほどこの上なく感動的な一大叙事詩。朝鮮戦争から大韓民国出稼ぎ時代、ベトナム戦争……全ての韓国現代史を背負うファン・ジョンミンの姿は、『フォレスト・ガンプ』のような安易さではなく、歴史の渦に巻>>続きを読む

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