小僧さんの映画レビュー・感想・評価

小僧

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さがす(2022年製作の映画)

4.5

「さがす」

新年一発目からすごい映画を観てしまった…。

「早くも2022年邦画ベスト」「激重」「要注意」「佐藤二朗の怪演」など各所で目にしたので予告観たら、確かにヤバそうだし、「岬の兄妹」の片山慎
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ペット・セメタリー(2019年製作の映画)

2.5

'89年版とはまた違った後味の悪さでしたが、残念ながらこちらは好みでなかったです。心理的に厭な感じでもなく、かと言って突き抜けて笑えるでもなく、ぬるーい苦笑い…って感じ。

『蘇ったモノ』が徐々に正体
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アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.0

ハワードの清々しいほどのクズっぷりと、ハイテンションでニューヨークのストリートを暴走する様にグイグイ引き込まれた。

とにかくアダム・サンドラーの求心力がすごい。普通なら不快にしかならないキャラクター
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

2021年1本目。

完璧。濃密。スクリーンから匂い立つ色香。やられました。

どこを切り取っても溜息が漏れるほど上品で美しいシーンの数々。

特に焚火のシーンが白眉。異界に連れ去られそうな呪術的な唄
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.5

少年は光を求めて、光を打ち砕く。

4時間近くとかなり長尺な映画。
構えてたよりは長く感じなかった。

柔らかい雨が降り注ぐ水面を眺めてるよう。ぼーっと見てられるんだけど、なぜか心がざわつくような。
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

4.0

互いを信じ必要としたとき、紛い物が本物になる。

友人からすすめられた一本。

恥ずかしながらタイトルすら存じ上げず。

「名作」「モノクロ」って一歩引いちゃうんです。観る前にパッケージから漂う風格に
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ブライトバーン/恐怖の拡散者(2019年製作の映画)

2.5

串串串串串串串串串串……。

スーパーマンが思春期と中二病こじらせたらこうなるのかな。

ブランドン君の暴走にいまいちノレず。

クラスのアホどもからイジメられてるとか、カースト上位の女子からクリーピ
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.5

『神の授かりものなんて言い訳はクソくらえ』

"僕を産んだ罪"で両親を告発する衝撃的な場面から物語は過去に遡り語られる。

生々しい。あまりにも重く苛烈な人生。

ゼインの鋭く哀しい瞳。フィクションで
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.0

『ドライバーあんたかよ』

C・ベールはクセはあるけど凄腕メカニック。M・デイモンがトラウマを抱えながらも克服してゆくドライバー。というストーリーだとなぜか勘違い…。

唸る轟音。軋む車体。
死へ半歩
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

2020年初めの一本でもう来ちゃいました、年間ベスト級。

『吠える犬は噛まない』から『母なる証明』までの、どのジャンルにも属さない"ポン・ジュノ印"としか形容し難いあの独特な味が帰ってきました。大傑
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.5

やられた!もうボコボコだよ!汗と涙と血と愛に塗れた人間ドラマ!最高だった!

寄らば切る、と言わんばかりに敵を捻じ伏せる。俺が幸せならお前らも幸せだ!というとんでもないエゴ。でも宮本の命がけの覚悟は本
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

ああ…なんでこんな元気出ないんだろう…。体力をごっそり持っていかれました。鬱とか胸糞とかそういうんじゃないんです。形容し難いドス黒い塊が胃の底にズシン、と残る映画でした。

ヴィランカッコいい!映画じ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.5

当時のL.A.、ハリウッドのムード、シャロン・テート事件をしっかり予習して臨みました。これらを知らずに観るのは勿体ないです。知っていた方が数百倍この映画の世界にのめり込めます。

エンドロールが始まっ
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.0

3人は夜に生きる。遊び、酒を飲み、踊り、笑い合う。

永遠に続くようなクラブシーン。いつまでも続けばいい。強く握りしめると壊れてしまう美しい時間。きっと誰にでも存在していた瞬間。

ラストシーンに撃ち
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サスペリア(2018年製作の映画)

3.0

うーん。。
難しすぎて(そして僕の勉強不足で)わかるようでわかりませんでした。オリジナルも未観なのでこちら単体の評価となります。

まずストーリーは前述した通り。魔女崇拝、ナチス、キリスト教…この辺り
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

5.0

大大大っ好きな映画!唸る轟音!汗と血とエロスが迸る馬鹿映画!痺れる!何度観ても面白い!

タランティーノの男汁が滴るほどの映画への愛情(と変態的フェティシズム)が過剰なほど伝わってきます。作り手の楽し
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.5

『ミツバチのささやき』に続き『エル・スール』も観ました。

少女が大人へと成長するに合わせ、今まで優しく穏やかで憧れの存在であった父親が、実は抱えていた苦悩や葛藤を少女の目を通して描かれています。神秘
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カポーティ(2005年製作の映画)

3.0

フィリップ・シーモア・ホフマン目当てでの観賞。
トルーマン・カポーティ の「冷血」も名前しか知らなかったです。現代では頻繁に映画化もされるジャンルでもあるノンフィクション、実録犯罪ものの先駆的作品との
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

画面から溢れ出す詩的な美しさ…。どのシーンを取ってもさり気ない絵画のように美しいです。

ミツバチのシルエット、ハニカム模様の窓ガラス、そこから部屋に差し込むとろりとした蜂蜜色の光。幻想的でまばゆい映
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シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

4.0

とんでもないエネルギーを放つ映画。

ブラジルのスラム『神の街』の血塗られた抗争を、スラムを牛耳るギャングのボスと、暴力を嫌いカメラマンを目指す主人公、二人の少年を中心に描く仁義なきクロニクル。

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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.0

オスカーを争った『ノーカントリー』と比べハッキリ言ってあちらはエンタメ。どちらも怪物を描いた作品だけど、シガーの超然としたある種憧れを抱けるキャラクターとは違って、この作品のプレインビューは欲望と憎悪>>続きを読む

母なる証明(2009年製作の映画)

4.5

『パラサイト』パルム・ドール受賞記念!

『殺人の追憶』にぶっ飛ばされその他過去作に完膚なきまで打ちのめされ行き着いたこの映画。

息子の無実を信じる母親が犯人を捜すというわかりやすい筋を、どうしたら
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女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.0

正しさとは。

愛する妻と息子のために正しく生きようとする夫、自分の思想が正しいと凶行に及ぶ夫婦、法に則った正しさ、全てを奪われ母が二度目に決断する「正しさ」。行き場をなくした魂の行き着く先。正しい答
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.0

演技、脚本、撮影、衣装、セット、音楽などあらゆる要素が完璧!とため息しか出ないような、ただひたすらに美しく優雅な映画でした。

禁断の恋愛、など前評判からもっと狂った恋愛映画と思いきや(相当狂っていて
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.5

フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ近くに、その日暮らしで安モーテルに住む貧困層の人びとを描いた作品。

シングルマザーのヘイリーと娘のムーニー。母娘が明るく暮らす、(特に子どもの視点で描かれる)パス
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.0

母と子。そうなんだよなあ、母と子って、こういうことってあるよなあ…と心をほんのり温めてくれる映画でした。

主人公は自ら"レディバード"と名乗るちょっぴりイタい女の子。お母さんと口喧嘩になったら車から
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.5

実際に起きたモントリオール理工科大学虐殺事件を基に、架空の登場人物で描かれた社会派作品です。
女生徒を次々とライフルで射殺する…凄惨な事件を扱っているのですがスプラッターのような過激さはなく、むしろ
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ザ・フライ(1986年製作の映画)

4.0

これは恋愛映画です。

ビデオドローム、クラッシュ…クローネンバーグの映画は全部好きですが、ここでも「何かとの融合と歪んだ愛」が描かれています。

ラストは涙が止まりませんでした。人間は何かに夢中な人
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

5.0

芸術作品。

昔テレビでビートたけしが「怖い映画」というテーマでこの映画のあるシーンを挙げていました。逃げ惑う女性が異形の大男に捕えられ、フックに吊るされるシーン。当時まだ幼かった私の脳裏に、このシー
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

3.5

ジェイク・ギレンホールの怪演が光る、ダーク・サクセスストーリー!

主人公のルイス(ギレンホール)は終始クズなゲス野郎だ。
冒頭からフェンスは盗むは警備員は殴るは時計は奪うはのやりたい放題。
偶然自動
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ラースと、その彼女(2007年製作の映画)

3.5

アメリカの田舎に住むラースは心優しい好青年だけど極度のシャイで人と接するのが苦手。親の遺した家に兄夫婦が住んでいるが、ラースは隣の小屋に住んでいる。恋人もつくらず仕事と家を往復する彼を兄夫婦は心配だ。>>続きを読む

アリス(1988年製作の映画)

4.5

チェコスロバキアのシュルレアリスト、アニメーション・造形・映像作家ヤン・シュヴァンクマイエル、初の長編作品。
ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」を基にした実写とストップモーションアニメを組み合わせ
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

4.0

田舎からロスにやってきた16歳の少女ジェシー(エル・ファニング)。その美貌と才能を買われた彼女は煌びやかなファッション業界の渦へ呑み込まれてゆく…。

ジェシーが放つイノセントな「美」。これは単に容姿
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絶対の愛(2006年製作の映画)

3.0

彼の愛を失うことを恐れた女は整形する。整形した女は新しい顔で彼の前に現れる。
彼の心を掴みかける。しかし、彼の心には「過去の」彼女が巣食っている。「過去の」彼女に嫉妬する「現在(いま)の」自分。
彼女
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

4.0

出産間近の妻に養われている冴えない大学非常勤講師と、ドジで平凡なマンション管理事務所で働く女の子が、マンション内で起こる犬の失踪事件をきっかけに交わるドタバタ劇…なんてあらすじ開始早々ぶっ飛ばされる社>>続きを読む

新しき世界(2013年製作の映画)

3.5

すごい映画だ!ファン・ジョンミンがすごい!彼がすべての役者を食っている!

韓国映画十八番のハードな暴力描写はそのままに、洗練された作りでエンタメとして面白い!
メイン・ウェポンが銃器ではなく鈍器・刃
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