小嶋貴之さんの映画レビュー・感想・評価

小嶋貴之

小嶋貴之

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ふたつのシルエット(2020年製作の映画)

3.5

誰にでもあるあの感覚。
音楽と終始悪い天気が何かを思い出させてくれて良かった。

雪の轍(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画、長い。
が、凄い。
貧富の中で人の尊厳はどうやって保たれるのか、それを想像することが出来るのか。
グダグダ話す内容もずっと興味深かったけど、奥さんの尊厳を支える寄付の話が、ゾッとした。

ケス(1969年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

本当辛辣で無駄がない。
大人はわがままなやつばかりで、力無いものは下に見てて、社会を皮肉った様なキャラクターばかり。
子供、力なきものは生きにくい世界で、その子供も下級生に責任なすりつけたり、どこまで
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.7

周りの人たちがあまり感情的にならないで優しく見つめてるので、自由に泳ぐのんが堪能出来る。
しかし、ちゃんと薄ら苦味を聞かせていることで、ただの,ファンタジーにしないのはさすが。
ある意味沖田監督のパタ
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シュシュシュの娘(2021年製作の映画)

3.5

飽きずに見れたし、尖った演出が楽しかったんだけど、本がいろいろな意味で弱くて勿体なかった。自主映画なのにまとまりすぎてて。

あんのこと(2023年製作の映画)

4.1

とても良かった。
もちろん役者は凄まじく良いのだけど、演出が凄く良い。
手紙やLINEを見る所があって,それが原因でことが起こるんだけど、その内容は一度も画面に映さなくても全て伝わるのは、それまでに積
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先生の白い嘘(2024年製作の映画)

-

皆さんの意見はとてもわかる。が、監督、俳優の両者でどんな話をされたのか第三者にはわからないのに、SNSという公的な場所で個人攻撃をするのは感情論すぎやしないかと思う。
ただただこの文章通りだったら否定
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リスト(2011年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

噂に違わぬ切れ味の良さ。
リストとはそう言う事か。
全てそこにプロット記されてたんだな。

幕が下りたら会いましょう(2021年製作の映画)

3.6

ここでは評判が悪い様ですが、悪くなかったですよ。
気持ちがわからない、と言う人が多いけど、それは松井玲奈を主役にしたからついてくるお客さんを想定してなかったからなのかも。

台詞がたまに説明出来だった
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WALK UP(2022年製作の映画)

3.7

相変わらず映画の実験を続けるホン・サンス。
しかしそのベースのダラダラとした会話は健在。微妙に価値観が対立する瞬間のリアルさ、なかなか映画で見ないあの時間がちゃんと存在しているのはいつ見ても新鮮だ。

スウェットショップ・ガール(2023年製作の映画)

3.8

SSFFの日本の作品と違って桁違いに良い。
ラストの展開も恐ろしさをビジュアルで訴える手腕が見事。

AIしてる(2023年製作の映画)

3.2

狙いは面白いけど,もっと無茶苦茶でいいんじゃないのかな?
ほぼオチは読めるし。

夏菜子、帰る(2023年製作の映画)

3.1

うーん、ありきたりな話なのは気にしないとして、ありきたりな芝居、キャラクター、演出がちょっと物足りなかった。
せめて芝居に一癖あれば、何か広がったかもしれないのにな。
あとセリフも上手く無い。それ風な
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ドコニモイケナイ(2011年製作の映画)

3.8

あの当時の空気がとても伝わって来た。
みんな何かの隙間を埋めようとして都会に集まって来ただけなんだよな,初めは。
ただ彼女から音楽が好きだと言う気持ちが感じられなかった。
成功失敗を分けたポイントの一
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隣の女(1981年製作の映画)

3.6

最後の一言に尽きる映画。
ただ現代で見るには演出が大仰だし、話もとても素直。
この頃だと不倫自体がセンセーショナルだったのかも。
あと、テンポが良すぎて間があまりないので、思考の深みを感じなかったのが
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NIMIC/ニミック(2019年製作の映画)

3.3

どんな形になっても、映像の嗜好は変わらないんだなと思った。
違う事やってみないんだ。

リコーダーのテスト(2011年製作の映画)

3.8

非常に的確。無駄のない映画。
主人公の気持ちがストレートに伝わる演出と芝居はとてもわかりやすくて良かった。

ヴェラの祈り(2007年製作の映画)

3.8

相変わらずゆっくりとしたペースで物語るズビャギンツェフ。

ゆっくりと、しかしドラマチックな救われない物語を、絵画を模した美しい画と幾分サスペンスな仕掛けで魅せていくのがツボ。

一番思うのは子供が可
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蛇の道(2024年製作の映画)

3.7

普通に面白かったんだけど、どうしてもオリジナルと比べてしまって、変な癖が無くなって、綺麗な感じになってしまっていたところが、嫌いじゃ無いけど、物足りなくもあった。

エレナの惑い(2011年製作の映画)

3.7

淡々と酷いだけの話だけど、こういう映画好きなんだよなぁ。
映像も落ち着いてて綺麗で見やすくて。
そして淡々と状況をひたすら見せてくれるので、場の空気感を感じるのも、映画として心地よい。

受取人不明(2001年製作の映画)

3.5

とてもわかりやすくテンポよく進む話は飽きないけど、グッとくるところを掴めなくて、ただただ展開する話を見ただけの気分。
話が少し寓話的に見えたのも原因だろうか。

脚本的には、たまたま会う、という描写が
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愛のまなざしを(2020年製作の映画)

3.7

ストーリーと設定は面白い。
が芝居、演出、音楽、セリフが過剰に説明してしまうので、メロドラマに見えたのが残念。
もっともっと引いて作ってくれたら、面白くなると思うのに。

あとラストがボヤッとしてる。

関心領域(2023年製作の映画)

3.8

非常に理詰めで作られた実験映画。
まず、このスケールで実験映画を作ることの出来る、芸術に対する理解度に感服。
日本だったらありえない。

そして、これこそ無関心とか言われそうだが、とことん人の手を感じ
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枝葉のこと(2017年製作の映画)

3.8

やっと見れた〜。
二ノ宮隆太郎だからこそ出来た映画。
ずっと爆破手前の主人公に、何も起こらないのに目が離せない。
多分全くスタジオなどを使わず、手持ちでひたすら追うワンシーンワンカットのその場の空気を
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にびさびの巣(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

この映画は家という集る場所を失い新たな場所を作る物語である。

失った者たちは、自ら能動的に新たな場所を作らなければならない。そこに気付く迄の物語。
主人公の弟はその事に自覚的になれない男。結婚にも踏
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若武者(2024年製作の映画)

3.7

二ノ宮隆太郎、怒ってるなあ、いつも。
一度はやりたくなるような、王道の真反対の様な映画。
お嬢ちゃんの様な作りなんだけど、萩原みのりほどの物語を持たないイデオロギー映画と言うか,そこが物足りなかった。
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審判(1999年製作の映画)

3.6

白黒での画の切り取りは、増村の映画の様で美しい。

もの自体もとても好みなブラックコメディだけど、意外性がそれ程なく物足りず。

ミッシング(2024年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

石原さとみ劇場でした。
全く笑顔無く、ずっと壊れる一歩手前。
仕舞いにはショック過ぎて失禁…。
本当演じるの疲れただろうなあ。達成感は凄そうだけど。

また周りのキャラクターみんなの苦しみもしっかり描
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ニンゲン合格(1999年製作の映画)

3.7

20年ぶりに見た。
20年前は、自分にとっては黒沢清はこれだった。
今見るとcureの色褪せない先駆性に比べて、こちらは時代を感じるけど、これはこれで好き。
突き放した暴力性をコメディに落とし込んでい
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大いなる幻影 Barren Illusion(1999年製作の映画)

3.6

この抽象度、次代の香りはするけど、少し憧れる。
今はとても具体を求められる時代なので、こういう映画はとても浮いてしまうけど、この時は最先端だった気がする。

物語は言い訳程度で、感情より行動で示され、
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.8

とても好きなタイプの映画だっただけに期待し過ぎたかな。
事前に読んでたログラインから大きくは離れず、そのままだったのが物足りなかったけど、演出や撮影のソリッドさは、見てて気持ちよかった。

と言うか絶
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浜辺の女(2006年製作の映画)

3.7

恋愛劇という軸と散文的に繋がる出来事。
繋がりのない出来事が、恣意的な意味があるかないかわからない出来事が、夢で見る様に無規則に繋がるのは、まるでリアルタイプのデヴィッド・リンチ。
ホン・サンスのやり
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移動する記憶装置展(2023年製作の映画)

3.6

アート作品を見ている時の思考に巡らせてるような気分だった。

多分実際のインタビューとフィクションをシームレスに繋いだような作品で、芝居がとても自然で良かった。
人物のバックグラウンドとか描かなくても
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