このレビューはネタバレを含みます
ウルヴァリンの出生の秘密はシリーズ1作目から謎とされ、その謎は結局、一区切りとなった3作目までに明かされず、もやもやしたものが残っていたのだが、3作目が終わって3年後に作られた本作を観て、遅まきなが>>続きを読む
この劇場公開1作目の本作はアニメシリーズ1作目のワイルドなルパン達を基調としており、それぞれのキャラクターの個性が十分に描かれている(銭形だけは中途半端だが)。
しかし、楽しめたのはただ単にノス>>続きを読む
成瀬の最も油が乗っていた時期の映画。どこにも欠点はない映画なのだが、といって、史上に残る映画という印象も受けない。
11年前に見たことがあるのだが、その見たことがあるということさえ、ラストの銀杏並>>続きを読む
宮崎駿は好きだが,ちょっと難しすぎたかな。崇高になりすぎたかな。
彼の作品は,時代,場所を特定しないことで,夢のような話でももしかしたら"あるかも",と思わせるところがあったが,この内容はちょっと>>続きを読む
自堕落な男に,しっかり者の女が惚れ抜くという「浮雲」に似た内容だが,こちらは喜劇調の作品である。
話の展開に特に変哲はないが,柳吉役の森繁と蝶子役の淡島の演技が素晴らしい。
いかにも放蕩に育てら>>続きを読む
割引チケットの期限が迫っていて、使わないと損なため、ポリシー(観る必要がないものは観ない)を曲げて、子供たちと一緒に見に行った次第。評価を書くかどうか迷ったが、一応映画であり、不覚にも寝ずに見られた>>続きを読む
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なんといっても時代を鮮明に切り取ったセリフ群が素晴らしい。戦争で亡くした夫の変わりに11歳も年下の義弟と付き合うことの当時としての世評の厳しさが痛いほどわかる。
また、高峰秀子も同じ成瀬との作品「>>続きを読む
良くありがちなスポコンものの典型的な展開と、真ストレートな台詞の数々は、見ているうちに厭味を感じさせる危険をはらむものだが、本作品はぎりぎりのところでその瀬戸際の綱渡りを成功させた。
その要因は>>続きを読む
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まず、キムタク。元々侍らしくない現代的な顔つきで違和感あるが、盲目になってからは頑張っている。
それより、これは演出上の問題だが、盲目前の新之丞がやる気のない男で、盲目でありながら一流の侍に果し合>>続きを読む
普通に映画としてよくできている。地震発生から始まり、事故の第一弾の収束までを描いて、まったく中だるみするところがない。
また、現場の状況は良く再現されているし(ちょっとバルブが簡単に回りすぎ)、放>>続きを読む
「みんなのシネマレビュー」の評論の中では”ストーリーが支離滅裂”、”ソフィーが老婆になったり元に戻ったりどういうこと?”という内容がかなり目に付き、宮崎駿の一人よがり映画なのかなと思いつつ鑑賞に入っ>>続きを読む
当時の日本映画にはなかった,スピーディーな展開の犯罪映画。今となってはあまり目新しいことはないが,当時,黒澤の眼はすでに世界を向いていた。
しかし,この頃の日本映画はどうもセリフが聞き取りづらく>>続きを読む
今となってはどこの若者がこの時代のことをまじめに考えるのだろうか、という内容の映画だが、確かにこの時代はあったのだ。
国のためといって、戦う相手もなく、降伏しようとしても撃ち殺され(実際は恐怖にお>>続きを読む
脇役級の知った俳優の出てくること出てくること。あまりにいくつもの話が同時進行していたので、どうまとめるんだろうと思ってみていたが、無難にさらっと終わらせた。
決してお涙頂戴のような芝居がかったラス>>続きを読む
とにかく、物語の軸がはっきりしない。
色々なことを、史実にできるだけ忠実に幅広く描いた結果、天皇に関しては、戦争の痛みを感じさせない宮内庁での平和的な生活ぶりなどから、戦況をどの程度理解し、苦しん>>続きを読む
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平坦なストーリー展開でありながら、もの凄く集中して観ていられたくらい、衝撃的な作品だった。
事件はバス転落事故で妻が死ぬことだけであり、あとはストーリーに起伏がそんなにあるわけではない。
しかし>>続きを読む
なんと言っても、この時代の日本映画はセリフが聞き取りづらい。3割ぐらいは聞き取れないといっても過言ではなく、それで評価を0.5落としている。
話の展開としては木下の代表作「喜びも悲しみも幾歳月」>>続きを読む
江戸末期の場末の棟割長屋に暮らす約10人とその大家夫婦の、まさに「どん底」の救われない生活ぶりを描いた作品。実際、話らしい話はなく、そこに住む人々の絶望や過去へのすがりつき、人生への諦めなどを様々な>>続きを読む
電車馬鹿の知能遅れの息子を持つ母子家庭、浮浪者の親子、訳ありで世捨て人のような生活を送る男、夫婦交換をする日雇い労働者の2組の夫婦等、8つの家庭を通して、人間の弱さ、人は生きるためにどれほど苦労して>>続きを読む
何度かテレビ化もされているので、オリジナルまたはテレビ版を見ている人にとっては、原田知世が演じた芳山和子が真琴の伯母さんとして登場したり、オリジナル版で重要な要素だったラベンダーが和子の仕事場にあっ>>続きを読む
正式に通して見るのが3回目の時点で記載。
宮崎駿の映画のなかで,一番好きな作品である。宮崎映画に共通するのは,「目にみえないものの中にこそ大切な物がある」,「信じる者だけに真実が見える」というこ>>続きを読む
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高倉、大竹の夫婦と親友の小林、田中の夫婦と、達者な役者を配し、感傷深い映画に仕上がっている。
特に高倉は鉄道に対しては頑固者でありながら、普段は普通のおやじを重厚にならないように演じており、さすが>>続きを読む
藤山直美と岸部一徳という個性ある実力者を主役夫婦に配し、初めのうちはそのやり取りが自然でユーモラスでいい感じなのだが、だんだんと舞台芝居のような演出になり、観客に舞台上から直接訴えかけるようなシーン>>続きを読む
公開当時、リストラにあえぐサラリーマンの悲哀に通じるものがあるという評論が多かったが、これを誤解してはいけない。
確かに自分を見失わず頑張れば必ず良い事があるというメッセージはあるのかもしれないが>>続きを読む
製作当時と比較し、裁判員制度の導入、取調べ中の映像公開等、環境が変化してきてはいるが、本作で指摘されている司法システムの問題点は根本的に是正されているわけではないだろう。
当時は裁判長一人のものの>>続きを読む
宮本輝の「草原の椅子」は、日本の小説の中で最も感銘を受けたものの一つで、精神の安定をもたらした素晴らしい作品である。
その映画版が公開されると知り、佐藤浩一、西村雅彦という個性的な俳優が配役されてい>>続きを読む
ナウシカ、ラピュタ、トトロの3作までは宮崎作品の大ファンの私だが、「魔女の宅急便」の普通になってしまった作風で「あれっ?」と思い、「紅の豚」は数えるほどしかない映画館で寝てしまった映画。「もののけ姫>>続きを読む
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美人でスポーツ万能、頭もいい完璧な女子高生亜紀がなぜ、何の変哲もない平凡な朔太郎を好きになったのか解せない部分はあるが、高校生の頃なんかそんなものか。
この回想部分はとてもよい。もどかしく進展しな>>続きを読む
黒澤明の監督デビュー作。が、当時の電力節約による80分以下規制により、20分ほどカットされており、若干正当な評価と言えないところもある。
どうしても気になってしまうのが格闘シーン。名人同士の柔道>>続きを読む
1954年の初代ゴジラの音楽を使い、ゴジラの造形もそれに倣うなど、世界的にも名高い第1作へのリスペクトが感じられる。
また、公開作品の半分以上が、イケメン俳優を揃えた、ありきたりでお涙頂戴的な恋愛>>続きを読む
個性的な二人を媒体とした女同士の友情を、伝説部分をどぎついアニメで描き、独特のユーモアを随所にちりばめ、非現実的でありながら、純粋に正面から描いた作品である。
特にユーモアの出し方がつぼを得ていて>>続きを読む
約3時間半という長編でありながら、前半の侍募集から村での周到な準備と訓練、後半での怒涛の合戦と、まったく飽くことのないエネルギッシュな展開と、ところどころに見せる芸術的撮影とカメラワークなど、エンタ>>続きを読む
フィクションということにはなっているが、明らかに1983年の日航機墜落事故を題材に、日本航空にて、70年代の労組運動に積極に関与した結果、会社から国外の僻地を転々とさせられた実在の人物を主人公に、日>>続きを読む
光の陰影の使い方や日本文化固有の独特の間の取り方、1シーン1シーンに持たせる意味の深さなどなど、芸術的に間違いなく秀でている作品であることはわかるのだが、物語自体はありふれたもので、セリフのやり取り>>続きを読む
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次作「おおかみこどもの~」で疑念を抱き、この作品で確信したのが、この監督は人間世界の演出が下手ということ。
確かに物語の目の付け所やビジュアル面は秀でているかもしれず、スピード感で突っ走るため観て>>続きを読む
話は非常に単純なので、いかに気持ちよく観せるかというのが重要なポイントとなるが、テンポはいいし、殺陣も見事だし、ユーモアもあり、音楽の使い方も、意外なダンスシーンも総てひっくるめて理屈じゃない楽しさ>>続きを読む