黒旗さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

黒旗

黒旗

映画(1953)
ドラマ(224)
アニメ(0)

マダム・イン・ニューヨーク(2012年製作の映画)

3.7

英国領だった歴史背景もあり二つの公用語があるインド。ヒンドゥー語で教育を受け、家族に尽くしてきたおかーさんが英語を話せないのも無理からぬこと。彼女のようにポンと英語圏に放り込まれてしまうのが習得には最>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.6

ピーター・セラーズさんが素晴らし過ぎる。狂気に走った司令官に困惑して諌めようとする英国大佐役がお気に入りだが、電話で旧ソ連首相を腫れ物のように扱う大統領役も込み上げてくる笑いを止められない。人類滅亡を>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.3

言われないと判らないファレルさんを追ってのカーチェイスが印象に残った。タイヤの動きを写す側面のショットは好きだ。クルマのデザインは…うーん…。ゴードン警部と共闘してミステリーのように捜査する流れは新鮮>>続きを読む

七人の侍(1954年製作の映画)

4.5

映画以上を見せられた気がする。自分の目で追っているような長回しは神業。戦いの中で泥濘に足をとられ転ぶ様など、かっこ良さよりルアルさこそ伝えんとする撮影の姿勢は作り物ということを忘れさせる。助けを求めた>>続きを読む

離愁(1973年製作の映画)

3.4

フランスへのナチス侵攻が民間人の視点で描かれる。包囲網から人々を脱出させるために運行された列車内の人間模様と、そこで出会った既婚者同士のロマンス。悲劇的な結末を言葉無く観る者に伝えるシュナイダーさんの>>続きを読む

ミッドナイト・マーダー・ライブ(2022年製作の映画)

3.1

深夜ラジオのお悩み相談。過激な口調で知られるDJ。思い出したのは「フィッシャー・キング」だったが、いい話にはなっていかなかった。結果がすぐ出る心理戦の積み重ねで緊張を維持するスリラー。賛否が割れるのは>>続きを読む

エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(1993年製作の映画)

3.6

メイ最強伝説。退屈になりそうだが彼女視点でも作品化できそう。父親に捧げてもいるが、監督作としては珍しい部類。この国で西欧にモロ感化された設定は、まあ興味を惹かれるものがあった。ファイファーさんの輝きが>>続きを読む

オンマ/呪縛(2022年製作の映画)

2.4

83分かー。尺はこれ以上延ばしようがないっていうか作品にするのに内容がしょぼ過ぎる。音と顔芸だけではもたない。俳優は良い演技だし撮影も悪くないと思うが、ライターの想像力が圧倒的に足りない。マローニーさ>>続きを読む

フィラデルフィア(1993年製作の映画)

3.5

無知と恐怖が差別を生み、ゲイ蔑視の壁も在った。その領域に踏み込むことが無ければ一生理解できない、そんなこともある。難しい。撮影は共感を誘うためか、演者の目線が多用されていた。音楽は少しやり過ぎに感じた>>続きを読む

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

3.5

キャストが豪華過ぎてあたまおかしくなりそう。ノーラン監督だからか、立場が逆転すると言われた言葉を相手に返す台詞まわし含め伏線回収祭り。「タンブラー」はプラモかなんか欲しい。ラジコンなら最高か。誕生秘話>>続きを読む

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

3.8

黒澤作品に関しては、やはりカメラワークで邦画特有のジレンマを感じることがない。本作は初のワイド画面で大量のエキストラや主演自身のアクションも際立ち、この時代のものなのにスクリーンで観たいと思わせる。シ>>続きを読む

プレイス・イン・ザ・ハート(1984年製作の映画)

3.2

綿花収穫の成功と助力したグローヴァーさんのエピソードに絞って描いても良かった気がする。ハリスさんの不倫騒動は、本筋に絡むわけでもない。過酷な状況でも、その土地で暮らし続けようとする人々の感動噺なら自分>>続きを読む

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

3.4

ビョークさんのCDは1枚持っている。録画ライブを観たときに、創り出した自分の世界に入り込み訴えかけるタイプと思った。それはパフォーマーとして最強の在り方なので、ノミネートされる程の演技力にも不思議は無>>続きを読む

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)

3.0

物理無視ワイヤーがどうにも…修練所?などの得物を使ったアクションは、他国には真似できないものがあると思う。冗長になってしまっているが悲恋を盛り込んだストーリーは悪くなかった

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.4

控え目でソフトなリメイク。ビル・ナイさんの印象がやや薄い気がしたが、歌心あるナチュラルなThe Rowan Tree だった。話の差し替え、アレンジ等も概ね良かった。原作が世界中で愛されるといい。また>>続きを読む

長い灰色の線(1954年製作の映画)

3.4

これは陸軍士官学校の「チップス先生」だ。笑いも多く、重苦しさはほとんどない。生涯を捧げたというより家族のように寄り添って生きた、という描き方か。灰色の制服で整然と隊列を組み、行進する様は正に灰色の線。>>続きを読む

兄貴の嫁取物語(2014年製作の映画)

3.0

いやいやいや。そうはならんだろ…から、いつの間にか何かがマヒするかのように、洗脳されるかのように入ってしまういつものタミル語作品だった。ラブコメ+アクション。ダンスの振り付けはおとなしめ。ヒロインの従>>続きを読む

8月の家族たち(2013年製作の映画)

3.5

他所の家族・痴話喧嘩には、どうしてこんなに惹かれるものがあるのだろう。身内の葬儀に普段は疎遠な者も集う。良い時も悪い時も共にした相手との言葉の応酬。厭な事情もほじくり出され、距離を置くのが最善とは毎度>>続きを読む

すべてが変わった日(2020年製作の映画)

3.3

半分実話?実話めいたフィクション?この国と背景ならあってもおかしくない話。まずレインさんコスナーさんの熟年夫婦ぶりが素晴らしい!前半のままずっと見ていたかった。ドノヴァンさんホントは胡散臭い役向きなの>>続きを読む

王になろうとした男(1975年製作の映画)

3.4

辺境の国で王になろうと目指した地。死をも覚悟する道行きだったが、そうなっても本望と明るく受け入れようとする二人。その友情物語こそが本流であったかも知れない。宗教・慣習の違いが人を隔ててしまうのは皮肉で>>続きを読む

ティル・デス(2021年製作の映画)

3.3

これも真夏に観たほうがいい作品。ミーガン・フォックスさんを見直した。作品が彼女の個性をうまく引き出していた気がする。反対に夫役マッケンさんは「ナイトシフト」で好きだったのにB級臭出ちゃって…。二人組登>>続きを読む

コルドラへの道(1959年製作の映画)

2.9

冒頭、農園に奇襲をかける騎兵隊と迎え撃つメキシコ人の戦闘は映像センスに優れ迫力もある。名誉勲章候補を引き連れての展開は、後半に向かうに連れ辞退を願う側と主人公のドラマに無理があるように感じられ微妙。美>>続きを読む

ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.4

謙虚さ高潔さまで学ばせていたのは恐れ入る。常識を打ち破るような夢を叶える人は、一般人には理解不能な独特の個性を持っているだろう。彼がいかに娘たちを大切にしてきたかが伝わる。根底は同じ想いの夫婦の対話、>>続きを読む

サン・スーシの女(1982年製作の映画)

3.3

人物描写は「痒いところに手が届かない」感。被告として法廷に立つ男の動機を表すにしては、続く少年期の描写では足りない気がしてしまう。夫人に熱を上げたナチス協力者も、もっと下衆に描いてやっていいのにと思う>>続きを読む

プライベート・レッスン(1981年製作の映画)

2.9

ハリウッド映画として色分けされることなく公開された時代の大らかさを感じる。若いメイドが少年に発する色香はストーリー的にうまく紐付けされ彼女の好感度も上げている。羨ましさしかないw 格上の演技を見せる運>>続きを読む

リーサル・バレット(2022年製作の映画)

2.0

プロデューサーは俳優も入れて47人もいる。かなり資金繰りに苦労したか、映画バカ集団による制作かと思った。同じ監督による2009年「ゲーマー」はB級ながらそれなりに面白かった。歴史上の事件を反芻させるき>>続きを読む

ロスト・シティZ 失われた黄金都市(2016年製作の映画)

2.6

映像にする部分をもっと吟味するべきだったと思う。長男ホランドさんは、ゲーム中プレイヤーに決まった言葉だけ言うNPCのように感じた。作られたキャラに言葉を与えてるみたいな。ラベルなどクラシック音楽の使い>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.0

よし。これならエルたんがシャラメさんのファンに嫉妬されることもあんまりないだろう。土台は古典だが、監督は現代の若者の特徴をよくとらえて作品に落とし込んでると思う。世代を超えて彼等にも精通した脚本を書け>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

3.8

通夜に参列した者たちの会話で故人の功績が明らかになっていく描き方が秀逸。またその通夜シーンのシナリオが格段に良くできている。役者たちのアドリブもあるか知れないが、生々しい喋り方や言葉の濁し方、言うに言>>続きを読む

エンドレス・ラブ(1981年製作の映画)

2.7

シールズさんの魅力でそこそこ当っただろう。イタい実話を弄ったようなシナリオ。が、作品は映画ならではのまとめで、壊れた関係が起点となった負の連鎖にはもっと悲惨な例もある。亡くなる父親の反応は至極まともに>>続きを読む

ディンゴ(1991年製作の映画)

3.2

ンまぁ…自分的には妄想全開映画だった。ふらりと寄った土地で夢のきっかけを与えた少年が、時を経て海を越え自分を訪ねてくる。そのレジェンドな役を引き受けたマイルス・デイヴィス氏の人柄を感じる。ファンなら観>>続きを読む

マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

3.5

メロメロになったケイジさん同様、こちらもアンジェラにすっかり騙されていた。演じたローマンさんも巧い。染まりきってはいないからこそ、娘に道を踏み外させたくない。受け入れ、受け入れられたい。詐欺師の中年男>>続きを読む

太陽が知っている(1968年製作の映画)

3.0

見下す態度でも友人は正論を説いていたように思える。娘との外出が省かれているため、彼女に頼まれた犯行なのかとも考えてしまった。衝動的だったのか。重い十字架を共に背負うことになったマリアンヌがかわいそうだ>>続きを読む

椿三十郎(1962年製作の映画)

3.7

礼節や忠義にがんじがらめの侍たちを横目に自分のスタイルを押し通す三十郎だが、唯一苦手と思われる夫人の言葉で己の性分を気づき、見つめ直したのかも知れない。「抜き身の刀」は後年の作品でパクられてたりもする>>続きを読む

ピースメーカー(1997年製作の映画)

2.9

ウソ臭さ満載のシナリオ。いきなり国家の責任を負わされてしまうキッドマンさんはみずみずしい美しさ。リスク恐れず正義を遂行したがるクルーニーさんは…たぶんどっかのERドクターも同じ行動しそう。他がどうでも>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイ・ワイフ(2021年製作の映画)

3.2

導入と船長のお仕事パートが良く、主人公の人となりがわかる。結婚後も少しは謎めいてる相手のほうが魅力的であり続けるかも知れない。そのスタイルにこだわったのだろうが、セドゥさん側の内面描写が皆無なのでラス>>続きを読む