Makikoさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

断崖(1941年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ジョーン・フォンテイン演じるヒロインが、冒頭で読んでいたのは心理学の本であった。乗馬を嗜む箱入り娘。名家の令嬢としての矜持が高く、最初は自分を弄ぶような振る舞いをするプレイボーイなケーリー・グラントを>>続きを読む

生活の設計(1933年製作の映画)

3.3

「これは3人の紳士協定よ。セックスはなし」
ヘイズ・コードの前ってここまで奔放な設定でもアリだったんですね。
男2人に女1人、三角関係のラブコメディだけど、それも全員の矢印が全員に向いているタイプの厄
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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

4.0

どのようにして入隊したか、前線にいない時は何をしていたか、仲間がどんな姿で死んでいったか、敵のドイツ兵に何をしたか、終戦後はどうやって過ごしたか。
記録映像と証言者のインタビュー録音だけでも当時の様子
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巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

3.3

MGMミュージカルらしい派手でカラフルなクライマックス

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.7

この映画を観た人は決して「女って怖いね」で終わらせてはならない。自分も含めて無意識的・意識的問わずやってしまっている「大人の対応」について考えを改めさせられるほどの衝撃。

いわゆる「(男性による)女
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.8

ミツバチの巣と窓ガラスと姉妹。映画が好きな人は必ずと言っていいほど本作を評価しているので、多少難しそうなことを覚悟して観たら、なんとも綺麗で儚げで夢見心地になってしまい、気がついたら終わっていた。
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美女ありき(1940年製作の映画)

3.3

ネルソン提督、トラファルガーの海戦……世界史で習ったような。
1940年、ロンドン大空襲の年に、イギリス史の英雄とその愛人を題材に当時の二大スター、ローレンス・オリヴィエとヴィヴィアン・リーを主演とし
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カルメン(1948年製作の映画)

3.4

変にラストを改変とかしてなくて良かった(アメリカ映画に期待するハードルが低すぎる)。
半分スペイン人、ミドルネームが「カルメン」、当時ファム・ファタール役で一世を風靡していたリタ・ヘイワースの起用には
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とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー(2021年製作の映画)

3.5

とびださない!ならせない!椅子はめちゃくちゃ動く PUI PUI モルカー

カラーパープル(1985年製作の映画)

3.5

今作ったらこうはならないだろう、監督が黒人ならこうはならないだろう、と色々考えながら観ていた。スピルバーグらしさみたいなものはあると思う。
劇伴も大袈裟なものが多いし、娯楽映画の域からは出ない。なんか
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特急二十世紀(1934年製作の映画)

3.4

この映画、出演者があまりにもしゃべりすぎてて劇伴がないのね。

キャロル・ロンバードの顔芸とオーバーアクトを見に。と思ったらさすがのジョン・バリモアも仰々しい舞台演劇的な演技がすごかった。

今宵よ永遠に(1945年製作の映画)

3.4

舞台ロンドンは無理があるだろ、とツッコミながら中盤まで普通のミュージカルだと思って観ていたら、終盤でそれまで添え物だと思っていた要素が伏線であったことが判明する展開だった。表題曲“Tonight An>>続きを読む

キング・ソロモン(1950年製作の映画)

3.3

前半特に何も起こらず。アフリカどうぶつ記録映画じゃん、と思って後半に期待していたけれど、後半はいかに部族の蛮行を切り抜けられるかが見せ所のアクションのないピンチ場面が多く全体的に話が地味な印象。

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ロバと王女(1970年製作の映画)

3.4

予算があまりなかったんだろうか、セットがしょぼいし狭いので学芸会みたいな感じがした。
ドゥミの作品らしく色遣いはカラフルだが、『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』のような淡い色ではなく
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ファニー・ガール(1968年製作の映画)

3.3

『スター誕生』を思い出した。顔面disりにサクセスストーリー、もはやバーブラ・ストライサンドの物語と言っていいのでは?というほど本人とファニーというキャラクターの境目が曖昧(いい意味で)だった。後半、>>続きを読む

男と女 II(1986年製作の映画)

3.4

『男と女』の物語が作中人物その人たちによってメタ化されるのだから、前作に思い入れがあるほど観ていてギャーとなる続編でした。

本作では先にグイグイアプローチをかけるのがアンヌ、他の女と寝ていてもアンヌ
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金色の眼の女(1961年製作の映画)

3.0

苦手なタイプのフランス映画だった。フランソワーズ・ドルレアックはチョイ役。

終電車(1980年製作の映画)

3.3

若干長いが中断しないで観られた。トリュフォーはそこまで苦手じゃないようだ。DVDの仕様でフィルムの色合いやざらつきがそのまま画面に反映されており、少しくすんで赤みがかった映像にレトロ感を覚え、1980>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.4

いつもそこにいると思って安心していた人々が自分からどんどん離れていって、自分だけがずっと変わらないまま取り残される恐怖。大人になるということに明確な定義はないと思うから、私はイーニドがずっとあのままで>>続きを読む

アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.3

自分はゴダールを理解できないからカットが斬新とか色遣いがポップとかそういう点で作品を観たことを意味付けないといけないんだけど、この映画はモノクロだし撮り方に特徴も見出せず、ただぼーっと観ていただけにな>>続きを読む

モンパルナスの灯(1958年製作の映画)

3.7

昼食の用意をしながらバタバタと流し見してしまったのでディテールなど追えなかった。
ジェラール・フィリップとアヌーク・エーメの顔が。顔が良すぎる。劇中の絵より絵になる。

〈再見〉2021.06.28
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ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K 完全無修正版(1975年製作の映画)

3.4

高校時代に謎の野菜のクリーム煮(?)とアオカンのシーンだけを観て「これは大変な映画だ」と思っていたので、今回の初見でスッと受け入れられたのが個人的に驚きだった。自分も時代も変わったんだなーという指標に>>続きを読む

甘い生活(1959年製作の映画)

3.4

上流社会の話なので眼福ではあるけど、やっぱり難しい。そして長い。エンディング付近、音楽に乗りながら人々が屋敷から退場していく様子を遠巻きに撮っているのは舞台のようで趣があった。

ラビリンス/魔王の迷宮(1986年製作の映画)

3.3

思ったよりも子ども向けだった。『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』『オズの魔法使い』を全部混ぜて、スチームパンクと80年代アドベンチャー映画とセサミストリートの風味を足したような映画。製作総指揮は>>続きを読む

めぐり逢えたら(1993年製作の映画)

3.6

『めぐり逢い』ファンとして観ておかなければと。劇中では女性にしか理解できない映画として扱われていた。そうなの?(ロマンチック脳)

1992-3年が舞台とはいえ、住所氏名電話番号など個人情報のセキュリ
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10億ドルの頭脳(1967年製作の映画)

3.4

機械(人工知能)に振り回される人間たち×スパイ。機械を司る人間が結局は機械によって追い込まれるのを描く映画は(少なくともハリウッドでは)1950年代から作られているけれど、やっぱりこの時代の「紙がビ〜>>続きを読む