まず『凍える太陽』という邦題がすばらしい。終盤あるシーンでこのタイトルが腑に落ちた。
この映画の本質はパニック映画ではない。キリスト教的価値観で神の沈黙を問うて『ポセイドン・アドベンチャー』を想起させ>>続きを読む
重苦しく凍てつく空気の中、読めない展開にじわじわと高まっていく緊張感、天地開闢の如く唐突に射し込む真実の光、それに照らされてはじめて輪郭を顕にするあまりにも昏い翳。
抑制的な展開はすべてこの結末のため>>続きを読む
作品紹介では一人っ子政策に言及されており、たしかにそういう背景下での抑圧を描いた作品だけれど、それよりも前景の個人の物語を丁寧に描いている。抑圧される人々の連帯と、解放の瞬間の美しさ。
彼女は選択した>>続きを読む
まず、ウルトラマンという作品の核、ウルトラマンの思想というか、魂が生きていた点が嬉しかった。それを伝える言葉の選び方も美しいと感じた。台詞や用語、演技の方向性も円山プロのウルトラマンをとても意識してい>>続きを読む
本作のピノッキオは「人間の子どもになりたい」わけではなく、ただ人に愛されたいと願っている孤独な少年で、だから誘惑に負けて躓くのではなく、人から好かれたくて間違った方法を選んでしまう。
けれど本当に自分>>続きを読む
現代アートハウス入門 ネオクラシックをめぐる七夜 Vol.2 にて
想田和弘監督の解説でますます面白さが理解できた。
偶然にそこで出会う人たちと、それぞれに様々な人間関係を結びながら繋がっていく。気軽に挨拶して仲良くなって、時には失敗もするし、大人気ない態度をとっては謝って、許しあって。軽やかでほろ苦くて開放的で、何>>続きを読む
派手派手ワイヤーアクションもテンポ良いしお約束演出もあるし踊り狂うし、インド映画の楽しさと様式美が詰まったザ・インド映画。何より、落とし所どうすんの!?どうすんのこの二人!?って中盤以降めちゃくちゃ両>>続きを読む
いくらモキュメンタリーとはいえ、そしてあまりにも非日常の部分が織り込まれるので全編通してでないとはいえ、ここまでの脱力感とリアリティで日常を「演じ」られるのは純粋に上手いと感じた。