光光太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 26ページ目

人狼村 史上最悪の田舎(2011年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

狼男モノとしては微妙だけど、小指の件だけでこの映画を観る価値はある。

マンハント(2018年製作の映画)

5.0

「マンハント」を観た。
70年代東映のフィーリングに全てが支配されてしまったファンタジージャポンオオサカを舞台に、カッコつけないと生きていけない人々が織り成すアクションドラマが堪らなく楽しい。クソダサ
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犬猿(2017年製作の映画)

3.5

コンプレックスを抱えた兄弟姉妹がどう折り合い付けるのか?という話。なんだけども、この映画を観る大体の人はこれくらいしてるし分かってるんじゃないかな?高校生や大学生でやるべき内容な気がする。

あと、パ
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幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)

4.0

完全に舐めていた。結末は分かりきっているのに、高倉健と倍賞千恵子の愛の成就を願わずにはいられない。このクライマックスを描くためのロードムービーであり、武田鉄矢と桃井かおりという愛を失った若者二人組が必>>続きを読む

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

4.6

伏線と語りと不謹慎さで真面目に笑かすギャグ、笑いの元で描かれるエグい現実、練りに練られた無駄のない脚本、キレのいい終わり方……武さんの映画でこんなにも「普通に楽しめる」とは思わなかった。娯楽映画として>>続きを読む

君よ憤怒の河を渉れ(1976年製作の映画)

4.0

日本版「北北西に進路をとれ」と言える豪華絢爛さであり、かつ砂埃と汗臭さが漂うド根性日本映画でもある。不撓不屈の男高倉健、どうみてもヤクザな刑事原田芳雄、強すぎる意思と行動力を持つド根性令嬢中野良子……>>続きを読む

78/52(2017年製作の映画)

4.5

「サイコ」やヒッチコック監督、そしてシャワーシーンがどれだけ革新的だったのかを懇切丁寧に示してくれる。技術的にも、文化史的にも、映画史的にも。しかも語り手にはデル・トロやイーライ・ロス、イライジャ・ウ>>続きを読む

スペクトル(2016年製作の映画)

3.5

現代の紛争地帯でSFをやるという「世界侵略:ロサンゼルス決戦」みたいな映画かな?と思いきや、泥臭さはあまりなく渋みとエッジの効いた画が面白い。そして科学者が畳み掛ける「理屈ある希望」「勇気を呼ぶ論理」>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

4.5

黒人暴動の発端と1件の酷い事件とを扱っているけれど、これは背景から開戦、戦後裁判までを扱った戦争映画だと思う。

二極化された思想によって拡大されていく「戦いの空気」が、差別主義者でない者達を飲み込ん
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.0

完全に舐めていた。「この世界の片隅に」に匹敵する一般人映画であり、戦闘を描かず戦争を描く映画だった。戦争、時代、親…自分の行動とは関係ない所で運命を左右されていく子供達に対して、主役の大石先生はただた>>続きを読む

新釈四谷怪談(1949年製作の映画)

4.5

Huluで観た。
戦後すぐに作られた超絶傑作。スロースターターではあるものの「和製ノワール」「狂人変化モノ」「歪んだラブストーリー」という3つの軸が段々と絡まっていくのがとてつもなく面白い。前後編合わ
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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

3.8

ヒーロー誕生譚としての面白さもさることながら、超絶激アツな「ヒーローソングリスペクト」が炸裂してた。ヒーローソングに希望を見いだした女、それを託された男。

エンドクレジットで流れるイタリア版ジーグの
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LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)

3.6

悪を滅ぼすことは正義なのか?充実ある生とは?といったテーマをちょいちょい描き、伏線もちょいちょい回収するものの、今一つボルテージが上がらない。が、風景の鮮やかさと人物の粗雑さとの対比が美しく、それだけ>>続きを読む

グレートウォール(2016年製作の映画)

3.8

流石ハリウッド×中国というべきか、とんでもなくリッチな映画。衣装セット小道具全てに至るまで荘厳華麗。いい塩梅で嘘も入っていてカッコいい。

お話はあってないようなもんで終盤尻すぼみするけど、娯楽大作と
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劇場版 マジンガーZ / INFINITY(2017年製作の映画)

4.0

くそつまんねぇ説明シーン&スパロボと派生作品に毒され過ぎな脚本

VS

あまりにも分かりすぎな戦闘シーン&日常へ帰着するキャラクター達のドラマ&「Z」

の素晴らしい名勝負の結果、両者痛み分けの引き
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パディントン 2(2017年製作の映画)

4.0

前作でもギリギリだった「ちょっとおかしな世界」が閾値越えてたり洒落た映像が目減りしてたりは、する。
でも、もう一度、家無き子が家を見つけるお話を語り直した価値は十二分にある。終盤の怒濤のハッピーエンド
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80日間世界一周(1956年製作の映画)

3.3

物語はタイトル通りの単純明快さで、世界各地での騒動や多彩な乗り物を観ることを楽しむ、正に「観光映画」だった。あまりにも豪華な金の使い方に酔いしれる、超ゴージャスでゆるゆるな娯楽映画。

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.0

続編リメイクユニバース、そしてそれらを楽しむ観客を徹底的に馬鹿にする。最早面白いかどうかを話し合うことすら、作り手は嫌っているかもしれない。

マシュー・ヴォーンには是非今後も監督して貰って、キングス
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.5

コミュニケーション映画の超絶大傑作。孤独欲しさと寂しさとエゴと自己卑下とでごちゃ混ぜ矛盾になった心の描き方が超絶に上手いし、分かりやすいし、真に迫ってる。

観賞後世界への接し方が変わる作品。名前を呼
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悪魔のような女(1955年製作の映画)

3.5

ヒッチコックを嫉妬させた名作。

妻と愛人による結託殺人➡消えた死体のサスペンスと面白みが変遷し、罪と闇への恐怖からくるホラーへと積み重ねが結実する。心臓が弱い設定をこれでもかと活かした展開と演技は今
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.8

今年一番の、吐き気をもよおす邪悪を観た。設定自体はよくあるし展開も読めてしまうけど、アメリカ社会に強く根付いたコンプレックスを凝縮した「やつら」と、それをトコトン不気味に魅せる演出にやられた。ファッシ>>続きを読む

狩人の夜(1955年製作の映画)

3.8

1955年にして最凶のサイコパスが爆誕していた。ロバート・ミッチャム演じる伝道師がとにかく怖い。神秘的であり下世話であり人間味もある。圧倒的な怪物がしかける外道へ立ち向かう子供達が不憫でならない。

仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー(2017年製作の映画)

4.0

お話はゴチャゴチャ、滅茶苦茶な演出も多い。ぶつ切り感も非常に強い。

それでも、面白いつまらないを越えて、リアルタイムで楽しむ最高の仮面ライダー映画を観れたと思う。俺達が熱狂し続けた平成ライダーの集大
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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

4.0

完全一人称視点で狂おしくも美しい表現の世界を描くってのがバッチリハマった完成度の高い映画。
程度の差こそあれ、何かを作る経験をしたり創作者の間近にいた人は、これを他人事とは取れないだろう。

いや、も
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