ミミックさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

堀切さん、風邪をひく(2011年製作の映画)

3.2

定点長回しで見せる会話の間の面白さ。

実際初対面同士であの場で立ち話の展開にはなりづらい気がするが、途中で入ってくる松井大悟の佇まいがこういう奴いるかもなと思わせる。

突然美女に告白されたい監督の
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エリカ38(2018年製作の映画)

3.4

人を蹴落としてまで上に上ろうとする人間の何と強欲なことか。

人を引き付けたりカリスマと呼ばれる持つ人特有のギラギラさ。

画面がスタンダードサイズなのは昭和の時代の表現?けどスマホ使ってたし。

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処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ(2014年製作の映画)

3.9

冒頭に前作のあらすじありの親切設計。

片腕を失った主人公がゾンビスクワッドを仲間にしたり、ソビエトゾンビを召喚したりして再びナチスゾンビと戦うRPG風味なので見易い。

ゾンビ映画でこれ程までのカジ
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(2018年製作の映画)

3.6

痴呆が始まりそうな祖父と就活を控える美大生の孫の一年。

四つの季節を描いてるのに短編とは思えないほど充足感があった。

家庭環境的にお金と両親の事が気になるがそこは省いていた。

主演の古川琴音の表
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なぎさ(2017年製作の映画)

3.5

アオハルかよ。

プールサイドの白が眩しい。

印象に残る彼女の角度と耳に残る声。

なぎさって発したときの音が良い。

生きている(2020年製作の映画)

3.5

設定や内容は『37セカンズ』とダブる。

なんか障害のあるなしに関わらず、自己肯定感の低い主人公が何かしらの過程を経て成長する作品が最近のトレンドであるような気がしてきた。

マッチングアプリにはまだ
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Colors of Life/ カラーズオブライフ(2014年製作の映画)

3.8

伝統の染物職人のドキュメンタリー。

植物の数だけ、もっと言うといのちの数だけ色がある。そしてわずかな色彩の違いを日本古来の八百万の精神が根付いている我々だけが敏感に感じ取れることが誇らしく思える。
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ロイドの神出鬼没(1920年製作の映画)

3.6

芝居の本番に間に合わせるため自慢の愛車を走らせる劇団員のロイド。

丸メガネにカンカン帽のお馴染みのスタイル。

走る車から飛び降り走って追いかけて飛び乗る危険なシーンをカットを割らないで見せるからノ
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チェン兄弟(2019年製作の映画)

3.4

脳の障害で四肢が動かしづらいだけで、人並みの欲求は持ってるし、時には嘘だってつく。

障害の程度は人それぞれだから、彼らだって性欲はあるはずとむやみに決めつける事はしたくないけど、偏見や知識不足なとこ
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ライフ・イットセルフ 未来に続く物語(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ひとつの事故に偶然居合わせた人たちからなる全5章の愛の軌跡。

最後のチャプターのまとめ方が素晴らしくて、それまでバラバラな物語が一つに集約していくカタルシスを得られた。

実人生においてもこの瞬間の
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RETURN(2019年製作の映画)

3.1

ハナコのコントでこんな設定あったな。

このサービスは何分コースなんだろ。

ファッションヘルスのキッチンタイマーとこれのブザーはどちらが虚しいのか。

Sore Eyes for Infinity(原題)(2016年製作の映画)

3.5

女店主がいる眼鏡屋にやって来るのは変わった客ばかり。

世界をクリアに見ようとすると目だけでなく心も疲れる。

目が悪い人の裸眼時のようにぼんやり世界をとらえて受け流す位でちょうど良い。

視界がぼや
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授業の後で(2018年製作の映画)

3.2

娘を学校に行かせるために盗みを働いてしまった母親が報いる運命。

貧困から来る格差をまざまざと。

よその国の事だからと他人事にはできないくらい世界のあちこちで分断は起こってる。

子供にお金の心配を
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娘/ Daughter(2019年製作の映画)

3.7

一回目は人形アニメでカメラを揺らす撮影がどうやってるのか気になって話が入ってこなかったから、二回続けてみたら一匹の小鳥をきっかけに父娘のすれ違った過去の思い出が後悔と共によみがえる切ないストーリーテリ>>続きを読む

頭のない男(2003年製作の映画)

3.3

頭のない男がデートに行くため新しい頭を探しに行く。

男が気に入った顔を鏡で見つめて喜びを爆発するシーンを見て、自分の顔をもっと好きになれば今よりも前向きに生きれるのかもと思ったり。

世界観がどこと
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West End Girls(2020年製作の映画)

3.6

家出配信者のサリがカンボジアから働きに来ているカンニャと新宿の街で出会う。

都会には確かに存在すると実感する彼女達の息吹が新宿の路地裏に感じる素晴らしいロケーション。

収入の少ない生活は犯罪に遭う
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ザ レイン/ The rain(2019年製作の映画)

3.5

一度見ただけだとシュールなギャグアニメに見えるが、集団心理を考える上でなかなか興味深いアニメ。

落ちる人、ビルのなかで見下ろす人、地上から見上げる人、助ける人、それぞれの立場での時間の経過から取る行
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多日想果(2019年製作の映画)

3.3

日本人と台湾人の交流。

手紙のもってる温度ってある。

同じ雑多さでも台湾と渋谷の対比が面白い。

一年前の渋谷の喧騒がコロナのせいもあってとても遠い過去のように写って物悲しくなった。

ミスター メア/ Mr. Mare(2019年製作の映画)

3.6

色合いが独特で魅力的なハンガリーの短編アニメ。

小人のおっさんとの(一方的な)共同生活。

絵柄に慣れるとおっさんの仕草がいちいちかわいく見えてくる不思議。

大きなお尻のバックショットが何かと写っ
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ハロー、アゲイン(2014年製作の映画)

3.4

墓参りで偶然隣に居合わせた男女の勘違いから生まれる些細なやり取り。

マウラ役どっかで見た顔だなと思ったら実写版アラジンのナオミ・スコットじゃないか。

年を取るごとに家族の会話は少なくなる、まだ何も
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ジョナサン ふたつの顔の男(2018年製作の映画)

3.1

昼はジョナサン夜はジョン、二重人格の男の話。

本作で伝えたいテーマがいまいち掴めなかった。

もし自分の中にもう一人いたら、面倒なことを相手に押し付けたくなるだろうな。

知らないうちに怪我をしてる
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最初の晩餐(2019年製作の映画)

3.8

つい最近自分も親戚の通夜に参列して、家族とか血の繋がりについて見つめ直した時なのでタイムリーな内容。

食べ物で始まって食べ物で終わる。家族の歴史を刻んだものは人によっては食事だったり、はたまた写真だ
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わたしたち(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

両親が共働きのソン、親が離婚した転校生のジア、気分屋でクラスのリーダー的存在のボラ。

絶え間なく変化する子供同士の関係の機微が繊細かつ丁寧に描かれている。

子供の知識だとほんと些細なことですれ違い
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ザ・マッドネス 狂乱の森(2010年製作の映画)

3.3

その森に足を踏み入れた人が次々と狂っていく。

予算の都合なのか残虐シーンを映したり映さなかったり、あとやたら寄りのカットばかりだったのが気になったがルック的に余り見ない感じになってて逆に新鮮味があっ
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河内山宗俊(1936年製作の映画)

3.5

・スピーディで無駄のないストーリーテリングで、短い時間にエンタメがつまってる
・常に奥行きを意識させる引き画の構図
・千鳥大悟に似てる宗俊
・原節子と加藤大介は若いのに顔が完成され過ぎてる
・音声が聞
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ガーデンアパート(2018年製作の映画)

3.0

命を宿しても自覚を持てない女子と、大切な人を無くして自失してる中年女性の対比。

台詞が全体的に若いし、ラストの独白に言いたいことを込めるならストーリーにそこまで尺を使わなくても良いのでは。

ネオン
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スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

3.7

高校の卒業パーティの会場に酒を届けるため(&好きな子とワンチャンするため)奔走するボンクラ男子三人組。

家に車で迎え来るファーストカットやジョナ・ヒル繋がりでこの作品を『ブック・スマート』の下敷きに
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インプリント ぼっけえ、きょうてえ(2005年製作の映画)

3.4

女郎の生い立ちを話しているシーンは停滞感があったが、拷問を受けるシーンから後半の怒涛の展開にかけては三池監督らしさが溢れてた。

近親相姦やら見た目倫理的に際どいシーンがあったからあまり公には見られて
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WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

Perfumeが2014年に行った3回目のワールドツアーに密着したドキュメント。

海外のマーケットに合わせてローカライゼーションをせずに日本のフォーマットのままのパッケージを持っていくところに強いこ
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ドリーム・ホーム(2010年製作の映画)

3.5

香港映画ではあまり見ない気合いの入った暴力シーンが見どころ。

過激なゴア描写はシッチェス映画祭とかが好みそう。
死ぬ間際にギャグをかましてきたりするのが園子温っぽいなと思ってたらDVDの特典映像で対
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

過激なビデオを求め続けた果てに男自身がビデオになってしまう。

ストーリーは置いておいて相変わらずクローネンバーグ作品の特殊造形は絶品だな。人体爆破はお手のもの、隆起するテープやブラウン管など目に焼き
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ゴダールの決別(1993年製作の映画)

3.2

年に一度くらいふいにゴダールにチャレンジしてみたくなるが、今回も監督が語る真実に自分は辿り着けなかった。

夫婦を神になぞらえたりしてるけど良く解らん。

後からゴダールについて見聞きした時に、あの作
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

3.4

終盤で登場人物が台詞でも説明するので分かりやすいっちゃ分かりやすい、むしろあえて分かりにくくしてる感じ。

当の主人公の男すら解ってない混乱した状態を観客もリアル体験する。

極端に顔に寄った画や、謎
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見下ろすとそこに(2018年製作の映画)

3.5

独り暮らしだと余計に外で異変を感じても部屋から出ることはなかった。

これを非情とか現代の闇とかいうのとはちょっと違う気がする。

ごくありふれた光景ゆえに人ってこうだよなと思わせる。

画面に映って
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エコール(2004年製作の映画)

3.7

森の奥に幽閉された少女達を純粋培養して育てる。

まるで昆虫を剥製にするように箱庭に閉じ込められた世界を眺めてる。観察の対象となる少女達は足下しか映らないし、反対に部外者の大人を極力排除するため画角か
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魔人ドラキュラ(1931年製作の映画)

3.3

伯爵なのに吸血鬼、ドラキュラのキャラクターを確立した功績は大きい。

ベラ・ルゴシの目力は誰しもが指摘するところ。

伝奇映画だからといってCGに頼って変化をグロテスクに見せる最近の作品よりも余程雰囲
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