ミミックさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)

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岩井俊二の役は言うまでもなく庵野監督自身であり、ほぼ私小説な自分語りと自問自答がひたすら続く。

アニメに疲れてと言っていたので時期的にエヴァ旧劇場版の後か。

電話の声だけでも大竹しのぶの凄みはある
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ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

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見た目とは裏腹な素朴な青年像に親近感。

悪ふざけが加速する終盤のドライブ感が好き。

綺麗なアーチを描いたゲロでございました。

ゴーストマスター(2018年製作の映画)

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特殊メイクバリバリのエクストリームな壁ドン、バックハグ、頭ポンポン攻撃には笑った。

三浦貴大演じる助監督の想いにいまいち腑に落ちないまま終盤を迎える。彼の差す映画愛とはなんだろ。

設定ガバガバ、肝
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ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

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12万の貴金属を手に入れるためうぶな女子高生が援交に手を染めていく…。

今見ると古臭く感じるあたり、当時の空気感や風俗を上手く取り入れていたんだろな。1999年頃は世紀末もあって何となく終末感という
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

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そうかこれがキューブリックの遺作だったか、そう考えるとラストの台詞にそれを持ってくるのもアナーキーさがある。

疑心暗鬼と後ろめたさと背徳感を官能世界でくるんで上品に見せてしまう。

キューブリックの
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悪魔の発明(1957年製作の映画)

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映像処理をせずに実物だけを使ってどれだけ現実世界から飛躍できるか、作り手の野心的なチャレンジに胸踊る。

シナリオはそっちのけで撮影技法ばかり気になっていた、メイキング見たい。

制約があった方が面白
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ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

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じっくり時間を使って会話の間を楽しみ、追う側の警察&追われる側の強盗らの人物像をじっくり深掘りする贅沢な時間の使い方。

ヴィンス・ボーンはコメディ役者だけあって、メル・ギブソンのぶっきらおとぼけ演技
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前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

子供の頃、空想科学読本を読んでた内容をビジュアル化していて懐かしくも胸熱。

プロジェクトを進めるにあたって原作への絶大なる信頼が面白い。

それまででうしろ向きだったチームメンバーが次第に本気になっ
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サウダーヂ(2011年製作の映画)

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中央から見た田舎クソ映画よりも地元で生活してる人が描く方が切実さやリアリティが真に迫ってくる。

日本を外から見る視線が混在すると日本の現状がより多角的に見えてくる。そしてそれは2010年頃よりも今の
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サイレント・ソルジャー(2019年製作の映画)

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痛手を追った状態からどう奪回するかの出だしは良かったものの、その後の追いかけっこ展開で二時間を埋めるのはキツい。

アイパッチ姿の女性スナイパーはキャラが立つクソっぷりだった。

在りし日の歌(2019年製作の映画)

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30年の時の流れによる両家の関係性や政策の捉え方の変化を描きたいなら尚更、時系列順に日々を追った方が良いのになぜバラバラにしたのか最後まで意図が分からずストレスを感じた。でもそれほど運命に振り回された>>続きを読む

劇場版 SHIROBAKO(2020年製作の映画)

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テレビアニメでもだが、きちんと疲れた大人が出てくるのが良い。

見慣れないテレビアニメの制作裏側だから目新しかったのに劇場版だとそれを劇場アニメの制作にトレースしていて、それだとそれこそスタジオジブリ
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のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

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夢中になれるものを持っている人は輝いて見えるし、反対にそれを笑う者はとてもダサく映る。

日本ってアニメでも実写でもありとあらゆるスポーツを取りあげてる印象。その分野では多様性がある。

制服のままボ
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

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趣向を凝らしたカメラワークが40年近くも前の作品とは思えないほど今っぽい。

中身は殺人鬼本人がナレーションの『プロフェッショナル 仕事の流儀』みたい、といっても実際は行き当たりばったりのグダグダなの
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君が世界のはじまり(2020年製作の映画)

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・真夜中でもがく若者に光が射す瞬間の美しさ
・屋内の明かりが全体的に暗いと家庭がうまくいってない説
・イオンモールが近所にあったら間違いなく放課後入り浸ってたろうな
・今の10代にも響くなんてブルーハ
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.4

構図の美しさに酔いしれてて、メインの年の差がある二人の会話は耳から耳へと流れていた。

モダニズム建築がある街で暮らすと感性が豊かになったりするのかな。

言われれば人物の立ち位置とか確かに小津っぽさ
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その手に触れるまで(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

未熟な少年はひとのぬくもりや思いやりが伝わったのだろうか。

自分を省みることなく狂信的な振る舞いを止めない姿はホラー映画よりも恐怖を感じる。

キスした相手もたぶらかされたとねじ曲げる始末。最後あん
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ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん(2015年製作の映画)

3.7

お嬢様の少女サーシャの祖父を探す航路。

輪郭のないアニメーションは濃淡をつけることで色彩を際立たせる不思議な感覚がある。

父親から反発する娘、男社会の航海士、流氷やホワイトアウトなど氷の世界の厳し
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クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

3.5

中華系アメリカ人のレイチェルとアジアの大富豪の御曹司のニックは、人種や家族の問題を乗り越えて無事ゴールインできるのか。

ディズニーのシンデレラをアジア人キャストでシンガポールを舞台にしてやってみまし
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東京の恋人(2019年製作の映画)

3.4

思い出のフィルムは確かにエモくて'あの頃の彼女'がうまく閉じ込められてたなと感じたが、全体としてはあくまで男性目線のノスタルジックかなと。

川上奈々美の芝居がナチュラルで良かった。けどさすがプロ女優
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インポート、エクスポート(2007年製作の映画)

3.5

この世に誕生してから命が尽きるまで、
国から出ていく人と入ってくる人、
人体の入口と出口、
終わらな閉鎖した日常からの脱出…、
様々なインポートとエクスポートがあった。

想田和弘の観察映画の如く日常
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

未熟な兄の未熟な姿を見せられる前半より、加害者家族になってしまった妹の境遇が描かれる後半の方に気持ちが入り込んだ。

登場人物の世界の見え方を画角で表してるのが面白い。

子供がまだ10代なのに全体的
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

映像が絵画のように美しくてついつい見とれてしまうけど、視線が交わるアップのカメラワークとか人の肌にふれるなどの表現は触感に訴えるほど生々しい。

主な登場人物三人の関係を時間経過と共に変化していく表情
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

主人公のみつ子を体現するキャストに能年ちゃんをツモった時点で作品はほぼ成功してる。

おひとりさまの葛藤とか、異性との距離感のぎこちなさとか、日本と違う環境に身をおく親友との邂逅とか、女性視点の生きづ
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.7

17歳から18歳という年齢の切り取りが見事。

特に後半の進学のため親元を離れる時の親と子双方の心模様の描写にグッと来た。

主人公が関わる男友達の一人にティモシー・シャラメ。若いのにセクシーで存在感
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.6

同じ町に居ながらも環境が三者ともそれぞれな中どうやって自分を獲得していくか。

過去の言葉を引用し今を見つめ、そこから生まれるものが未来を照らす。

学生時代に感じてた窮屈さは、自分だけでなく世界でも
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

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DNAのように螺旋を描き少しずつ変えながらもぐるぐると逡巡する。エヴァのイメージはこんなとこ。

補完計画については全体主義に向かう人の思想的な危うさの部分と、監督の作品を永遠のものにしたいエゴの部分
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失くした体(2019年製作の映画)

3.5

失ったものが記憶を頼りに宿主のもとへ旅をする。

そうか、思い出される想い出はどれも手に絡めたエピソードなのね。

主人公の生い立ちを描いたドラマ部分より、手が旅をするアドベンチャー部分の方が躍動感が
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劇場版 殺意の道程(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

日常をズームアップしてそこ描く?っていう細かい所をつくのがバカリズムらしい。

本筋から脱線する会話劇がメインなので劇場版だとどうしても2時間にまとめたダイジェストみたいになってしまう。やはり30分7
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マイリトルゴート(2018年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

これは凄い。

愛らしい表情のキャラで社会派のダークファンタジー。

設定を明らかにしてないので子羊たちもそれぞれ虐待を受けて保護された他人の子供同士として見ることも出来る。

そしてそんな施設の母こ
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Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密(2014年製作の映画)

3.8

アメリカ畜産業界がそれほど力を持ってるとは知らなかった。

一方的で極端な見方ではあるがそれでも知っているだけで幾分か世界がクリアになる。

度々挿入される家畜がいかに環境に悪いかを示すグラフやCGが
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さらば!2020年(2020年製作の映画)

3.5

主にアメリカで起こった2020年に起こったコロナ、BLM、大統領選を豪華俳優達が振り返る時事コント。

撮影形態一つとっても特殊な年だったのが分かるし、コロナで俳優に時間が出来たからこそ作られた感じも
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殺人狂時代(1967年製作の映画)

3.7

冴えない大学教授が見に覚えがないのに次々と現れる殺し屋から命を狙われる。

色々な殺しのテクニックがあったり、囚われたヒロインを救うために敵と戦ったりルパン型アクションエンタメの雛型みたいな作品。
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The Turtle's Head(原題)(2014年製作の映画)

3.4

アリ・アスターの視点のずらし方はやっぱり凄い。

身体の一部が縮んでしまうのは当人にとっては恐怖でしかないだろう。場所が場所だけにたまたまそれが今回はコメディだっただけのこと。

福島の汚染水が話に出
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TDF Really Works(原題)(2011年製作の映画)

3.5

友人との会話中、肝心のオチの手前でおならをしてしまって場がしらけてしまった。そんなときはこの商品。

アリ・アスター監督による悪ふざけショートコメディ。

優秀なコメディ作家は良いホラー映画も作れると
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mellow(2020年製作の映画)

3.5

登場人物が声を荒げたり激昂したりしない、携帯を使わない、笑いにどや感がない、など今の主流の日本映画の逆を行く監督の作品は常に気にしてる。

どの告白シーンを切り取っても'好意を伝える'ということをとて
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