etceteraさんの映画レビュー・感想・評価

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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

3.7

「ランサム非公式作戦」の時代からソウル五輪を経て、アフリカの地で国連加盟を画策する韓国そして北朝鮮。思いがけず内戦に巻き込まれた両国の大使館員たちとその家族の、実際に起こった「モガディシュ 脱出までの>>続きを読む

ランサム 非公式作戦(2023年製作の映画)

3.5

1980年代後半、韓国国内で民主化の機運が高まりを見せるのと同じ頃にレバノンで実際に拉致された外交官の救出作戦!

ド派手なカーチェイスに緊迫の銃撃戦、モノホンのケーセッキとの死闘に武力勢力の厳しい検
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アシュラ(2016年製作の映画)

3.4

こりゃすごい。血みどろの地獄絵図の巻物みたい。物語の骨子はいたってシンプルだけど、登場人物たちの関係性だけを酒のアテにして呑んでる感覚だった。バイオレンスに終始するけどつまんなくなる直前に次のバイオレ>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

1時間過ぎたあたりで観ている私が非常宣言。一応最後までがんばって観たけど、このキャストと2時間半の長尺でこうなるのは逆にすごい。ソンガンホの自己犠牲は一旦置いておくにしても、着陸しない選択を乗客の総意>>続きを読む

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

3.3

本当に「奈落」すぎて!笑 ありえなさを誇張してちょいちょい笑わせてくるのに、相次ぐ地盤沈下や加熱する不動産投資といった韓国社会への風刺もきいてて、同じディザスタームービーでも「コンクリートユートピア」>>続きを読む

ベルリンファイル(2013年製作の映画)

3.1

北朝鮮、韓国、CIA、イスラエル、中東、ドイツの思惑が入り乱れたところに家族愛もぶっこんできて、最後まで私の理解が追いつかずでしたが、でもさすがリュスンワン監督のデビュー作、アクションシーンは壮観でし>>続きを読む

サイバー地獄 n番部屋 ネット犯罪を暴く(2022年製作の映画)

-

テレグラムを経由したデジタル性犯罪がまた問題になっているとのことで「サイバー地獄:n番部屋 ネット犯罪を暴く」鑑賞。当時、独自に事件を追った女子大生「n番部屋を燃やし尽くせ」の2人も登場し主犯逮捕まで>>続きを読む

サムジンカンパニー1995(2020年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

お茶汲み、コピー、ファックス送信。「高卒」というその一点において評価され、大企業での雑用係を押し付けられる女性たちが、会社の不正に立ち向かうお話。

ストーリーとしては面白く、最後も大団円という感じで
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ザ・キング(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

権力への陶酔、全能感。1980年代以降の韓国現代史をさらいながら、政治、暴力団、マスコミと癒着し腐敗した「検察」のクズっぷりがポップに描かれる2時間。権力を愛し、権力に裏切られたスレギが政治の力学の基>>続きを読む

シルミド/SILMIDO(2003年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

朴正煕の命令により、当時のKCIA部長金炯旭の指示で仁川近くの無人島「実尾島」に寄せ集められ、金日成の首を取るため徹底的に痛みつけられ、士気を煽られ、あげくにポイ捨てされた実在の特殊部隊(684部隊)>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.9

ロサンゼルス、ニューヨーク、ローマ、パリ、ヘルシンキ、1日1都市ずつ鑑賞したらジナローランズの訃報。マッティ・ペロンパーが出てきたと思ったら酔いどれ男の名前がアキで笑った。運転手はミカだし。

母なる証明(2009年製作の映画)

4.8

「オンマの気持ちが重々の映画ね、了解」と思って、テーマ的にはあまり気乗りはしないけど観てみるかーって軽い気持ちで観始めたんですよ。そしたら最後、気づけばフィジカルではない部分が思いっきり複雑骨折してた>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

キラキラとまばゆい前半の青春時代がいつまでも続けばいいなと思いながら観た。ダンレボで踊るミソとハウンと、ハングルのピアスと、済州の風景が良かったし、切なくも苦しくもあったけど「家」に縛られない彼女たち>>続きを読む

JSA(2000年製作の映画)

4.1

すごかった…パクチャヌク…。イヨンエもイビョンホンもソンガンホもシンハギュンも最後の写真のシーンまですごかった…やられました(語彙力)

劇中に出てきたキムグァンソク歌手は実在の人物だったのね…!「宝
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母とわたしの3日間(2023年製作の映画)

3.4

母娘版リトルフォレストのようでお腹がすいちゃったな。「サムシクおじさん」でも思ったけど、哀しいときも怒れるときもとりあえず食をすすめる、韓国の「まずは食べな、話はそれからだ」精神が好きすぎる。(登場人>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

4.1

1分、1秒たりとも息つく暇もない、手に汗握る140分。結末はもうわかってはいるのに、最後まで諦めない主人公たちをどうしたって信じずにはいられなかった。

脚色やフィクションの部分もある程度あるとのこと
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サニー 永遠の仲間たち(2011年製作の映画)

4.3

ポリタスの韓国映画35本で学ぶ朝鮮半島現代史だったかでメモっていたのをやっと視聴。

貧困、そして家父長制。2011年⇆1986年を交互に描きながら、台詞の端々には軍事政権から民主化、IMF危機を経て
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.3

これは!劇場の!暗闇で!観るべきだったやつ!!でも面白かった!

親切なクムジャさん(2005年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

なんぞこれパクチャヌクテバ…。とりあえず冒頭でクムジャさんがムショから出たときの白く四角い豆腐は、最期の白いケーキと呼応してるのよねこれ……というか豆腐そのものだもんな。これを貪り食うことで、ようやく>>続きを読む

WALK UP(2022年製作の映画)

4.2

ホンサンス作品なのに(?)観やすいし、ホンサンス作品のなかでも1番好きかも。この「観やすさ」はたぶん、ホンサンス作品には珍しくズームイン/ズームアウトが一切なかったのが大きい。あれがないと随分と洗練さ>>続きを読む

密輸 1970(2023年製作の映画)

3.8

かつてこんな戦い方をした映画があっただろうか(いや、ない)!ある地方(監督はこの表現を使ってたけど済州島?)の海女さんが密輸に関わっていた史実を基に、リュスンワン監督の手により展開される怒涛の2時間。>>続きを読む

提報者 ES細胞捏造事件(2014年製作の映画)

4.0

これ、まさかの実話とな。登場人物たちの言葉と放送局の社是に痺れっぱなしだった。AD役の俳優さんかわいいなと思って観てたら、まさか私の夫と結婚してのスミンとは思わなんだな。

以下、引用メモ

パクヘイ
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リトル・フォレスト 春夏秋冬(2018年製作の映画)

4.0

上京しても田舎に出戻っても居心地の悪さは否めない。それでも心にぽっかりとあいた穴はいつだって美味しいものがみたしてくれる。あまりにまぶしそうでマイリストに入れっぱなしだったリトルフォレストは他ならぬ私>>続きを読む

スリープ(2022年製作の映画)

3.4

寝ている間に異常行動を繰り返す夫と戦慄する妻。夫婦で乗り越えようと試行錯誤するが、後半は思いもよらぬ方向へ。

いやー怖い。めちゃくちゃ怖い。でも笑えない状況なのについ笑っちゃうシーンも。

本作で初
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その時の人達~有故、大統領~/ユゴ 大統領有故(2005年製作の映画)

3.4

アマプラでの配信終了とのことで「ソウルの春」の予習に滑り込み鑑賞。KCIA南山の部長たちではキム部長中心だったけど、本作は原題の通り朴正煕暗殺に居合わせた人々とその後の動揺までが描かれ、同じ事件でもト>>続きを読む

教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)

3.5

イ・ソンギュン、チョン・ユミ、ムン・ソングンの三角関係。オッキの「人生は何度も反復し差異を生み出します」の言葉通りの展開で、ホン・サンス作品にしてはナムジャが悪くない。むしろダメ男なイ・ソンギュンがめ>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.7

白人が評価する「黒人」像のステレオタイプをなぞれば売れる皮肉な出版業界。いわゆる「黒人文学」を評価する白人に迎合した作品を出すとまさかの大ベストセラーとなり…。予定調和、安心感。「差別される黒人の哀し>>続きを読む

審判(1999年製作の映画)

3.7

実際にあった百貨店崩落事故をモチーフにした26分の短編映画すごかった……。ビールのシーンは不覚にも笑ってしまった。「審判」でも「別れる決心」でも、やっぱり気になるパクチャヌクの重なる視線と水のポタポタ>>続きを読む

ポエトリー アグネスの詩 4K レストア(2010年製作の映画)

4.7

イチャンドンの描く、現実世界をぐっとのぞきこんで両手で掬い取ったような物語は言葉にできるようなものではなく、胸がどこかつかえたように苦しくなるけれど、それ以上にハルモニの、詩の、言葉の、現実の、自然の>>続きを読む

シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

4.2

イ・チャンドン、ずーんときた。信仰心を持ち合わせない身でも、神に救われたと歓び歌う人々の表情にはちょっとグッとくるものがあり、宗教のすべてを否定はできないなと思いながらも、その綻んだ糸を引き始めるとそ>>続きを読む

明日へ(2014年製作の映画)

4.0

「透明人間扱いしないで/私たちの願いを/私たちを人として扱ってほしいんです/人として扱って/人として扱ってほしいそれだけなんです」

突然スーパーを解雇された非正規従業員たちの、実際にあった闘争を元に
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悪いやつら(2012年製作の映画)

3.8

アイゴーアイゴー
なんだろうこの憎めない
愛すべき極道たち…サラインネ!

血だの姓だのを生真面目に重んじるヤクザの頭ハ・ジョンウと、その儒教思想を逆手に取り裏社会を暗躍するチェ・ミンシクがまあ可笑し
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無名(2023年製作の映画)

3.2

ダウンライトに照らされ暗闇にぼんやりと浮かび上がる肌、1930-40年代上海のクラシックな色彩。とにかく画の作り込みが凝っていて毎シーンが美しい。

前知識を入れずに行ったがために前半8割はポカーン(
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宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.8

たった1本の境界線とたった1枚の紙切れに大の大人たちがこんなにも翻弄され、1本の映画を作れるのか…!

私の夫と結婚してでのスレギぶりが記憶に新しいイ・イギョン俳優のとあるシーンで、お腹がよじれるほど
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.2

初恋というより、
言葉と、距離と、アイデンティティと
そしてなによりイニョン(縁)について。

少し眠たくなったのは、遅い時間だったからか、A24とセリーヌ・ソンに期待しすぎていたからか。

ほぼほぼ
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