ゆきむしさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ゆきむし

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幻滅(2021年製作の映画)

3.8

芸術とは何か、そして美とは。
そよ風のような言葉の囁きは、やがて正義の鎧を纏い、ついに剣をも打ち砕く暴力となる。その絶望の底のそこに、美は訪れるのか?闇の底からしか美は訪れないのか?
リュシアン役のバ
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.0

設定は一見特異だが、家族にも世間にも溶け込めないTeenagerの純愛!切なく苦しい弩直球のラブストーリーに胸が締め付けられる。「骨まで愛して」って昔の歌にもあったけどw、究極の愛の物語。

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.8

大草原も、広大な青い空も出てこないけれど、草原の風のように爽やかでポップなモンゴルの新しい青春映画。
アダルトショップでアルバイトする女子大生サロールの成長と自立の物語。サロール役のバヤルツェツェグ・
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.9

人は神の名のもとに、天使のように崇高にも、悪魔のように邪悪にも、そして悪魔のように崇高にすらなれる。
‘聖地浄化’のために娼婦を殺す男と事件を追う女性ジャーナリスト・ラヒミ。しかしこの映画の本当の主人
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死体の人(2022年製作の映画)

3.4

生きるのは、生きていくのは時に大変だけど、いつでもしっかり死ねるように。今日も明日も明後日も。

オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.9

ハチャメチャ×ドタバタの馬鹿馬鹿しさはいつの間にか戦争の狂気の影に飲み込まれ意味を無くし、意味のなさが極まったとき、無意味という意味のかくも崇高な行いに昇華される!
「愛さえあれば、ほかに何がいるって
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The Son/息子(2022年製作の映画)

3.3

正しさや強さという生き辛さに押し潰されるteenagerの息子の心の闇に、家族は、父親は何ができるのか?無力と後悔そしてあり得た未来は。
Father、The Sonと家族の心を描いた監督は、次に誰を
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オマージュ(2021年製作の映画)

3.4

現代の女性映画監督による、先人たちの、確かに存在してしかし不当にも消えていった同志たちへのオマージュ。
昨年の「映画はアリスから始まった」のように実在の女性、実在の作品をモデルにして描く、過去の女性た
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

3.6

静謐な時間。
何も起こらない、何も起こらないことが起こる。
互いに相手を想いながら、互いに相手の想いを知りながら、ただ時間を重ねることを選ぶ二人。
静謐な時間。
時間だけが与えてくれる、癒し。
(この
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戦争と女の顔(2019年製作の映画)

4.0

原作「戦争は女の顔をしていない」の膨大なインタビューを絞り込んで、戦場という地獄を経てきた女の戦後と、彼女らを拒むのは戦場に行かなかった当の女たちであることの生きづらさを描く。発作のようにブツブツと途>>続きを読む

郊外の鳥たち(2018年製作の映画)

3.4

映画は、地盤沈下を測量する男達と、その夢解きから始まる。
都市でも田園でもない郊外の廃墟の、男達と子ども達の夢とも現ともしれぬ物語。
それは時空を違えた夢か現か、だとしたらどちらが?どこまでが夢なのか
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別れる決心(2022年製作の映画)

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月が綺麗ですね。
現代の許されざる恋は、身分・家柄を刑事と被疑者に変換され、愛の言葉が溢れるこの現代に、決して「愛」を口にせずに濃密な愛を語る。王道・弩直球のメロドラマ。

ローマの休日(1953年製作の映画)

5.0

「午前10時の映画祭」
120点満点!点数をつけるのもおこがましい。
神話です。
きれいかね〜、きれいかぁ。
あの、あれ、ほんなこつ妖精やね〜♡
60年経っても色褪せない魅力♡♡

ノベンバー(2017年製作の映画)

4.0

生者と死者、人と動物と物、あらゆる魂が行き来する世界で、しかし人の魂・愛の成就の 困難さ。愛を成就した恋人は指輪を失い、愛を失った少女は金の花嫁飾りを得る。画面が飛ぶほどのハイキーな白と漆黒の画面が与>>続きを読む

宮松と山下(2022年製作の映画)

3.9

大部屋俳優として虚構の人生を演じ続ける宮松と、ただ自分以外、自分でない人生を選択する山下。そしてその山下も映画という虚構に過ぎないことを観客に投げ出す。いわば見事な「メタ映画」。
しっかり練られたシナ
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