mnsさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

恐怖の館(1945年製作の映画)

3.0

授業で字幕作った。13文字×2行制約のキツさを痛感した。

ジャングルのけもの(2023年製作の映画)

2.5

「朝」の圧倒的な普遍性から身を振り剥がし、ひたすらにla choseを探し求めて、「夜」にしがみつき続けた者の末路。その執念は、時代が流れ社会が変わるなか、フロアに取り残される痛々しい化石のものとして>>続きを読む

都会の哀愁(1928年製作の映画)

4.0

土1にて。周りにどれだけ人とモノが溢れていても、投げた視線を受け止めて、自分にだけ返してくれる存在がいないと孤独を感じるというのは、どの国どの時代でも同じだった。遊園地の群衆の映像がダイナミックで見入>>続きを読む

4匹の蝿(1971年製作の映画)

3.5

歓声、悲鳴と足音、電話の音が消えると、コテコテ彩度の映像が一気に不気味なものとなる。女2人の殺害シーンなど有音と無音のショットを交互に繋いで、ネチっこくサスペンスを高めていく。動機はガバガバで終わって>>続きを読む

無防備都市(1945年製作の映画)

4.0

結局のところ映画は技巧の芸術であるので、そこから作り手の意識に及ぶ恣意性、「現実」のどの部分を取るか残すかの選択(=「現実の濾過」)は避けられない。が、ロッセリーニの場合、その選択されたイメージが現実>>続きを読む

キングダム(1994年製作の映画)

4.0

手持ちカメラのおかげか多少のドキュメンタリー感が演出されているが、出てくる人間のほとんどが多かれ少なかれ怪奇!なので「変な奴が変な奴なりに大真面目」というシュール映像が流れ続ける。

セピア色がかった
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絶好調(1965年製作の映画)

4.0

キャンプが大衆化を極めた結果、プチ社会ができあがり、結局縛りキツめの日常を場所変えて送るだけというシニカルお笑い。もちろんそのなかには安定の原始的ギャグも散りばめられている。ジャケットのシーンでニッコ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

迷いなくこなされるルーティンワークに、小さな発見、ときめき、木漏れ日の揺れのような微かな変化がもたらされ、日々が煌めいてゆく。平山の「豊かな暮らし」は、穏やかで美しく尊い。彼の日常を眺めていたいと思う>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.5

『花束〜』のパズドラの一節を味しなくなるまで2人で延々としがんでたのがウケた。こういうしょうもないことするやつっているしかわいいよね〜〜アクションは変わらずめちゃくちゃ気持ち良い

Boro in the Box(原題)(2011年製作の映画)

3.5

比喩の極北イメージ。お得意の露悪的美術が初恋、両親の秘密、カメラ・映画撮影への執心…をえらく極端な形で表現する。映画に通奏的に漂う獣性と、動植物へ特殊な役回りを与えるフェティシズムは唯一無二

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

4.0

パリで渋滞に巻き込まれた住民同士が一瞬交差することで生じたアクシデント=お笑いが連鎖し続ける。その滑らかさたるや…!食器を割り尽くし、スーツケースを破壊して、ひまわりを引きちぎっちゃうゴリパワー系ギャ>>続きを読む

破局(1961年製作の映画)

3.0

自然な不器用仕草に笑った。気づかなかった下敷きに染みた墨汁と、予期せぬ場所にくっついて剥がせなくなった両面テープ、小学生のときのオオーーン!体験がよぎった。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

マリオ元々人間界にいた人とは知らなかった…

ローラ殺人事件(1944年製作の映画)

3.5

全員ちょっとずつ怪しい。パトロンパパも婚約者も刑事もみんなきしょいやっちゃで。影の使い方が巧みだし、犯人を示してからの、ラスト数分のサスペンスの高め方が良い。『バニー・レークは行方不明』の監督と知り納>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

子どものときの夏休みみたいな、あれ何だったんだろうみたいな読(観)後感。眞人が姿を消した数時間(数日?)に対して、そこで経験した出来事の密度の大きさが図抜けているのと、外出たら真っ暗という久々の映画館>>続きを読む

パラダイス 希望(2012年製作の映画)

3.5

「希望」というだけあり、多少救いのある幕引きなのが三部作の中で少しテイストが違うところ。この救いとは、ギリセーフ・ほぼアウトな中年医師なりの、せめてもの誠意に触れたことでしょう。

母同様、離れた土地
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トルブナヤの家(1928年製作の映画)

3.5

土1こと変態時限にて、映像の強烈さに眠気も消えた。アパートの断面図から始まる冒頭(すぐウェスアンダーソンとか言っちゃう)、逆再生を用いた大胆な語り直し、群衆の手拍子足踏みの画のこの国・この時代固有の力>>続きを読む

リドル・オブ・ファイヤー(原題)(2023年製作の映画)

3.5

ゲームに始まりゲームに終わる、あまりにも小学生な動機に笑った。16mmフィルムで捉えられたワイオミングの激強大自然を背景に、ちょこまかと奮闘するガキんちょの画は、どこを切り取ってもキッチュでノスタルジ>>続きを読む

パラダイス 神(2012年製作の映画)

3.5

己への鞭打ちの画が強すぎてヒエッとなった。狂信具合に顔引き攣っちゃうけど、主人公の「信仰拗らせ」ゆえに引き起こされた、大人の本気の舌戦や手が出るタイプの喧嘩なんかはだいぶ見応えがある。ここまで空回り続>>続きを読む

ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.5

「カルト堕ちした理由もわからなくはない」という共感を排除し「もうなにやってもどうにもならん」だけを重ね続けた、ある意味での力技感が、この映画を『ミッドサマー』よりカルト然とさせている要因だと思う。あと>>続きを読む

キリクと魔女(1998年製作の映画)

3.5

D’abord je pensais que cette animation est un peu trop stéréotypée par le réalisateur français parce>>続きを読む

パラダイス 愛(2012年製作の映画)

3.0

両方向から伸びる搾取の矢印。寂しさを埋めるために人を買う醜さ、虚しさ、滑稽さがケニアの美しいリゾート地を舞台に淡々と描かれる。とはいえ貧しさにつけ込む白人サイドと寂しさにつけ込む黒人サイド、企ての異な>>続きを読む

リプライズ(2006年製作の映画)

4.0

後の『わたしは最悪』を彷彿とさせる軽快なナレーションと、大胆なフラッシュバックを挟みながら物語が展開していく。ポップさがありながらも、根底にあるのは絶対だと思っていた関係が変わっていく寂しさ切なさ。>>続きを読む

ノー・ディスタンス・レフト・トゥ・ラン 〜ア・フィルム・アバウト・ブラー~(2010年製作の映画)

3.5

音楽に明るくないので、入り口は今夏というか全夏、むしろオールシーズンオールタイムでベストな『aftersun』で流れたTenderでした。そのすぐ後に出たアルバムThe Ballad of Darre>>続きを読む

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)

2.5

離脱と転生パートがあるから体感鬼長いんだな〜ギャスパーノエは90分ぐらいでサクッと終わってくれ。この人の映像を眼球に当てていい1日の限界時間も多分そんくらい。

ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

3.5

これまでのロマコメで散々擦られまくった、軽い、下らない、でも切実な題材をカースト最下位のヲタクレズビアンを主役に置き直して描く。しかも、多分あまたのB級ロマコメに勝るとも劣らない(?)かなりイカれたプ>>続きを読む

ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「善」の皮を被った悪意が生まれる一因には、明らかにあの特異な地理的・経済的環境がある、という風に描かれていた気がするので、撮る映画全て胸糞だと言われようとフォントリアーはやはり性善説の人だと思う。>>続きを読む

Women Reply(英題)(1975年製作の映画)

3.5

有名なféministe joyeux 発言の"mais en fait j’étais très en colère"の部分の映画。それが様々な女性の身体・言葉を通して明言されている。さすが

イディオッツ(1998年製作の映画)

3.0

帰るべき場所を持つ者の「愚かさ」は、あくまで「ファッション」でしかない本当にしょーもないものだったわけだが、帰るべき場所を失った者の内側には、この「愚かさ」に縋ることでしか報われない思いが沈んでいたの>>続きを読む

奇跡の海(1996年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

黄金の心3部作のなかで、時期的に最も早いこの作品でわかりやすい「救い」を与えてくれたので、ラース・フォン・トリアー多分根っこは性善説の人なのではと思ってる。

Life on Mars確かに最終章に合
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おかしなおかしな訪問者(1992年製作の映画)

3.0

Dans la vitesse de défilement et de changement de plans, j’ai trouvé la différence entre les films d>>続きを読む

ヨーロッパ(1991年製作の映画)

4.0

電車を横から撮ったり上から撮ったり、バックスクリーンを使ってみたり、急にカラーにしてみたり『エレメント・オブ・クライム』ぶりに(そしてそれ以上に)映像が楽しい。3部作の中で一番みやすいし一番面白い、ハ>>続きを読む

エピデミック〜伝染病(1987年製作の映画)

2.0

映画内映画がめっちゃおもんない、映画についての映画。ゆえに中心紋構造が孕む、映画内「現実」に虚構が侵食するサスペンスが減退していた。筋と関係ない歯磨き粉のタテジマの秘密がへぇであった。

エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

3.5

ソフト帽がHGキャップ、トレンチがヨレヨレテーラードで、何より全編セピア色がかっているが、一生土砂降りなので紛うことなきフィルムノワール。催眠状態の語り手の記憶らしく、全体的にボヤッとした印象の画が続>>続きを読む

パッセージ(2023年製作の映画)

4.0

Passagesという題の通り、精神的/物理的な「移行」が何遍も繰り返される。俳優の移動の仕草に注文をつけた主人公は、恐ろしく無責任なやり方で2人の間を行き来した結果、もはや誰も待っていない場所へと自>>続きを読む

いぬ(1963年製作の映画)

3.5

やはり発砲直前の切り返しと一瞬の静寂には痺れる。ただ静動の緩急は全体的に『サムライ』より鈍い。「種明かし」を丁寧にセリフでやってくれるのだけど、そもそも他の場面でもよう人が喋るからかなーー