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パッセージのmnsのレビュー・感想・評価

パッセージ(2023年製作の映画)
4.0
Passagesという題の通り、精神的/物理的な「移行」が何遍も繰り返される。俳優の移動の仕草に注文をつけた主人公は、恐ろしく無責任なやり方で2人の間を行き来した結果、もはや誰も待っていない場所へと自転車を漕ぎ進めることになる。当然の報い乙

思い返せば旦那さんと彼女さんは働いている様子も、家庭を運営する様子も映るが、主人公は誰かと寝てるか駄々こねてるだけ、じゃないかもしれないけど他の印象がなさすぎる。幼稚な大人はけっこう見苦しいかもしれない。ある側面から見たら魅力的な彼の奔放さに向けられた2人の眼差しから、情が完全に消え去るまで、それが「傲慢な映画監督」をゼロ地点とする観客の眼差しと近接するまでの90分。ありがちな筋を、大仰すぎず、でもとても人間臭い演技で魅せた役者3人が良かったです。
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