にゃもすさんの映画レビュー・感想・評価

にゃもす

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花のようなエレ(1971年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

耳が聞こえず、知的障害のあるエレを村の男たちは慰みものにしていた。女神と言いながら蔑み笑う場面はおぞましいが、現代でも形を変えながらこのような状態はあると思う。

本来守るべき存在であるエレが蔑ま
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ジャン・ルノワールのトニ(1935年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

マリーはトニのどこに強く惹かれているのか、トニはジョゼファのどこに魅力を感じて心移りしたのか分からないが、愛は理屈ではなく他人には理解出来ないものだと思う。
でもついつい、そんな男のどこがいいの
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

孤独の中を生きている所、ちょっとダサくてつまらないけど頼りになる男が現れて助けてくれたら、良いだろうな。
ごみ収集の仕事をしている主人公がかっこよすぎる。犯罪行為をした時に説教をしないで、俺が何と
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桜桃の味(1997年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

はじめて会った人に車の中で、穴の中に入っている私に土をかけてくれとお願いするというのは、なかなかの変態ではと思った。

何故関係性がない人に、自分の死と関わって貰いたいと思うのだろう。孤独だから、
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大菩薩峠 竜神の巻(1960年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

歌舞伎的な話しだなと思って観ていたけれど、1930年には歌舞伎座で演じられていたらしい。文化庁デジタルライブラリーでブロマイドが観られる。どの机竜之助もかっこよい
。今だったら團十郎に演じて欲しいな
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バーバレラ(1967年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

お気楽に観れる不思議SF映画で、最高に面白いです。バーバレラが敵に捕まって拷問を受けそうになるが、それが全く深刻ではなくてハラハラしません。血を流すんですが、次のシーンでは治ってるんですね。

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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

男二人で大自然の中を馬で並走する描写が美しい。近頃ではこの描写が出てくると、同性愛的表現に感じてしまう。いつからそうなったのだろう。定番のシーンになりつつあると感じるので、最初に乗馬シーンを同性愛的>>続きを読む

野のユリ(1963年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

尼さんが出てる映画を見つけると、何となく観ちゃう。それぞれの信じる心が描かれているから、どれも面白いんだよな〜

主人公のホーマーが車での放浪で、水を貰う為に修道女の住む小屋に立ち寄る。
偶然に訪
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

天使のようでもあり悪魔のようでもある青年。家族全員に好かれてほぼ全員と関係を持つ。その設定が異様で面白い。
青年とのセックスは抑圧からの解放のように思える。
家族の反応はそれぞれだが、自由を求め彷
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彼女とTGV(2016年製作の映画)

4.0

ジェーンバーキンが出ているし、いつかパリからTGVに乗ってみたいと思っているからなんとなく観た。
誰に当てるでもなく、決まった時間に通る列車に手を振っていると返事が来るなんてロマンチック。
とても
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アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アニエスヴァルダの自作の技法についてや自身について語る映画。
自分語りがテーマの作品だが、嫌味にならず楽しめて、もっと聞きたいと思わせるのは、アニエスヴァルダが可愛らしいから、そして自分と周囲のもの
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オリヴァ・ツイスト(1947年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一度盗賊団に入ってしまうと抜け出すには困難で、命がけの展開になってしまう。かわいい少年が出ているからと言って気楽さは無く、いつ人が死ぬか分からない緊張感が常にある作品だった。
どこまでも悲惨に描け
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戦場にかける橋(1957年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

全てのポーズが美しい。男二人で窓から新しい捕虜を眺めるシーン、麗しい。
先に「戦場のメリークリスマス」を観ていたので、中盤までどうしても対比して観てしまった。この映画だったらミスターロレンスは誰?た
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ドクトル・ジバゴ(1965年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

オマーシャリフが演じるユーリジバゴは、ロシア革命に翻弄されるが、映画の主人公的に印象に残るような行動は自らしない。
革命に巻き込まれるが逃れて、自由に恋愛をしている。
見終わった後も、何となくジバゴ
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ナスターシャ 〜ドストエフスキー「白痴」より(1994年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

玉三郎さんが出ている映画なので観た。玉さまの美しさを楽しむ映画だと思う。
頬杖をつく玉さま、ショールを羽織るだけで女形になる玉さま、ナイフを咥えさせられる玉さま。
どれも美しいんですね〜!!!

映画
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「オリーブの林をぬけて」、「友だちのうちはどこ?」「そして人生はつづく」の順で観た。地震後に1部に出た少年アハマッドを探す旅。
被災地の復興の為、皆で工事している場面にはたくましさを感じる。インタビュ
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「オリーブの林をぬけて」を観てからこの映画を観た。
アハマッド可愛すぎる。

お母さんがアハマッドの話をほとんど聞かず
、それだけ日々の生活に追われ余裕が無いのだろうと感じたが、外に出ても親切な人がほ
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オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

淀川長治さんの「男と男のいる映画」で、1994年のベストワンと書かれていたので観た。淀川さん、ホセインに見とれたそうです。

私は淀川さんとは男の趣味が違うようだ。
ホセイン、ちょっとサイコパスな所が
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シェーン(1953年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

シェーンはかっこいいので皆から好かれる。
ジョーの妻マリアンと恋仲になってしまうのではと思って観ていたが、むしろジョーの方がシェーンを想っている。

切り株を一緒に倒すシーン。しかもシェーンは半裸であ
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ゴッホ:天才の絵筆(2009年製作の映画)

3.5

ゴッホの絵画は色彩が明るいのに、孤独と狂気を感じるのは、ゴッホの生涯が有名でその情報に引っ張られているからだろうか。
一度得た印象はなかなか変わらない。この映像を観ても感じ方は同じだった。
語りと音楽
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永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.0

ゴッホと静物画展を観たので、ゴッホの映画を観てみようと思った。
まずはこの映画から。

ゴッホの視点で描かれていて、冒頭の枯れたひまわり畑を歩いている場面では、孤独を感じた。しかしザクザクと歩いて行く
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去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

映像が美しい。よく人物が静止しているので、写真のようでもある。
同じセリフ、行動を繰り返していてはじめは意味不明だと思って観ていたが、おそらく皆このホテルの地縛霊なのだろう。
何らかの形でここで死んで
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ブリキの太鼓 ディレクターズカット版(1979年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

大人になりたくない子供のファンタジックな話しだよと言われて観たら、確かにそうだけどちがーう!ってなった。

オスカルが全然かわいくない。顔の形は可愛いのだけど、中身が自身が汚いと思っていた大人とそう変
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

5.0

何度観ても透明のコートを着て、ショーウィンドウに突っ込むシーンがかっこよすぎる。確か5回ぐらい観たけど、毎回この場面が最高と言ってる。

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

現代のヒッピー的生活なんだろうなと思って見ていた。
定住しようとすると仕事は無いが、仕事のある所に移動すれば何かしら短期で働ける。
移動した先に知り合いが居て、ゆるいコミュニティがある。
老人たち
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市民ケーン(1941年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

何か起こりそうで、何も起こらない空虚さを感じる映画だと思い見ていたら、終盤にかけて急に面白くなる。
恋した女性の夢を叶えてあげようと、実力以上の舞台を用意してしまうケーン。評判までも金で買ってし
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第三の男(1949年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

オーソンウェルズの役、悪なのに憎めない顔をしている。どこか可愛らしさを感じる。
だからホリーとアンナの心が揺れたんだろうなあ。
登場人物が全員怪しくて、何か企んでいるんじゃないかと思わせるから、話
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マクベス(1948年製作の映画)

3.0

ひとつひとつのセリフが詩的で美しい。
暗殺を決行する前の夫人の顔が真っ黒で目が光っていた。そこが印象的。

オセロでもデスデモーナを殺害する前のオセロの顔は、影に照らされ黒く目だけが光っていた。
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オーソン・ウェルズの オセロ(1952年製作の映画)

4.0

さすがオーソンウェルズなので映像美。
同じ場面でも、様々な角度から撮っていて、そのカットがどれも美しいのだがすぐに切り替わるので忙しい印象もある。

上から見下ろすようなカットが多く、それが不思議
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裸足の伯爵夫人(1954年製作の映画)

2.5

雨の中ハンフリー・ボガートが佇むシーンが哀愁があり美しい。ただそれを楽しむ映画だった。

ナレーションで淡々と話が進んで行き、パーティーの場面ばかりで、マリアがどんな映画に出てスターになったのか全然
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946年製作の映画)

3.5

先にビスコンティ作品を観ていたのだが、こちらも違った面白さがあり二度楽しめた。
夫ニックが良い人に描かれているので、殺されるのはかわいそうだなあ。
ニックの音楽の趣味も違って、こちらは素朴な弾き語り
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椿姫(1937年製作の映画)

3.8

郵便配達は二度ベルを鳴らすで、椿姫を歌うシーンがある。
そこで椿姫に興味を持ちこの映画を観た。

パーティーの余興で帽子に足が届いた者に金をあげようと言うゲームが、なかなか下品で良いと思った。華やかに
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「郵便配達は二度ベルを鳴らす」
恐らくサスペンスなのだろうと感じさせる良い題名だと思う。観てみると郵便配達人は出てこない。

ジーノとジョヴァンナが駆け落ちをしようと広い道を二人で歩くシーンで、ジーノ
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田舎司祭の日記(1950年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画を観ていると、日記を書きたくなる。司祭がワインを飲んでいるので、私も酒を飲みながら観た。

司祭の顔が可愛いし、日記の内容も孤独で良いと思う。病弱なので貧血で汗を流しながら上を向いている所、と
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