monaminamiさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

5.0

本土ではIRAが頑張っているその対岸の忘れられたような島で起こる二人の戦争。
残り少ない人生を己のゲージツのために静かに暮らしたい人と、突然の拒絶が理解できずに突っ込んで行く人。どっちもどっちっだけど
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

5.0

世界の片隅で、マッチ工場で働く孤独な少女と大陸の反対側で起きる中国の革命、仄かに灯るマッチで点けるタバコの火。
敵に回したが最後、少女の復讐は恐ろしや。またしてもかかるチャイコフスキーの悲愴から、ラジ
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兵隊やくざ(1965年製作の映画)

5.0

出てきた瞬間からヤンチャな勝新が可愛い。ヤンチャを制す柔な田村高廣とのカプでもう色々捗っちゃう!丸メガネな田村高廣最高すぎる〜♡勝新が着るとツンツルテンな感じの軍服や、ケンカシーンでプラーんとする帽子>>続きを読む

狼は天使の匂い(1972年製作の映画)

5.0

冒頭のルイス・キャロルの引用からわくわく。ビー玉の落ちる階段、パリからNY、モントリオールに逃げるトランティにゃん子が行き着いた島での悪い出会いの運命と女たち。シュガーの焼くバラのタルトとか、ロースト>>続きを読む

ドリラー・キラー(1979年製作の映画)

5.0

爆音で観ること!って始まりから痺れる。
小汚いNYの売れない画家がポータブルバッテリーに出会ったら、シリアルキラーの出来上がりで、大家さんの素敵なウサギギフトあたりが加速してゆくスピードも、終わり方ま
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最後の誘惑(1988年製作の映画)

4.3

ジーザスも辛いよ。てな感じのウィレム・デフォー・ジーザスの人間臭いジーザス記。ユダがハーヴェイ・カイテルに、パウロがハリー・ディーン・スタントン、ボウイにジョン・ルーリーにと、豪華役者陣総出で日本人的>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

5.0

前半の幸せいっぱい、これから感たっぷり漂い"Can't Take My Eyes Off You"のシーンの素晴らしさ!からの、悪夢のベトナム戦争でボロボロになる仲間たち。クリストファー・ウォーケンの>>続きを読む

ハレルヤ レナード・コーエン 人生の旅路と歌(2021年製作の映画)

5.0

音楽は愛聴していたけど、動くレナード・コーエンを堪能できただけでも幸せ。
ナチュラルボーン天才肌アーティストで、まさに音楽か詩の神様に呼ばれきた人のよう。ストイック過ぎる求道精神。ジュディ・コリンズに
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夕なぎ(1972年製作の映画)

5.0

冒頭の音楽から素敵なはじまり。元カレと現恋人との間をどっちつかずでふわふわするロミー・シュナイダーに、嫉妬に怒り狂うイヴ・モンタンのヤバいおじさん感に震えながら、どっしり構える元カレ、サミー・フレー強>>続きを読む

ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

4.2

ベルイマン島を舞台にした観光を楽しみつつ(あんまり楽しめていない)倦怠期な二人の完全にミア・ハンセン=ラブのごく私的世界を覗かされているようで中年女性的な感性ピリピリでざわつく。
にしても"ベルイマン
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ルキノ・ヴィスコンティの世界(2008年製作の映画)

4.2

大好きなヴィスコンティのドキュメンタリーというんで。かなりざっくり、駆け足だけどそれなりに楽しんだ。
マンとのエピソードは素敵だなぁ。
テネシー ・ウィリアムズの舞台はタイムスリップして観てみたい!

チャイナ・ガール(1987年製作の映画)

4.0

アベル・フェラーラ版ウエストサイドストーリーってことで、とてもB級テイストでこれはこれで楽しめたけど、深夜のテレ東で見たいやつ。

斬る(1968年製作の映画)

5.0

一瞬の隙もない格好良さ!仲代達矢はもちろんのこと、岸田森サマがいい男すぎて痺れる〜!高橋悦史のコミカルさも素晴らしい。ここまで詰め込んでまとめ上げる技は流石でございます。
おにぎり食べたくなる🍙

隣の家の少女(2007年製作の映画)

4.5

実話ベースのジャック・ケッチャムの小説が元のかなりエグすぎるやつ。よくもまぁ、と思うけど多分原作よりはマイルド。どうしたらこんな人間になるのか、というホラー。
そしてオフシーズンが実写化するのを密かに
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宋家の三姉妹(1997年製作の映画)

4.0

孫文と蒋介石の妻たちが姉妹だったのを初めて知る。激動の革命時代を支えていた妻視線というのは新鮮だったけど、今ひとつ盛り上がらないまま台湾へ...
長女役のミシェル・ヨーがアカデミー賞取った(あの映画は
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すぎ去りし日の…(1970年製作の映画)

5.0

スローモーションで遡ってゆくOPにフィリップ・サルドの音楽でのっけから最高に掴まれる。不安定なピコリ、結婚式に走馬灯のシーンが素晴らしすぎた。
ロミー・シュナイダーのクレージュのお衣装も可愛い。

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

5.0

車売りつけるジャームッシュよりさらにオフビートなのに、そのとんがり頭と、靴のようにピリッとしたブラックさが絶妙で流石なカウリスマキさん。ツンドラからニューヨーク、さらにはメキシコへと南へ進みまくるバン>>続きを読む

ストリーマーズ/若き兵士たちの物語(1983年製作の映画)

5.0

フルメタル・ジャケット以前のマシュー・モディーン。同じくベトナム戦争に行く前の若い兵士だけどこちらは派手さの全くない兵舎内だけの会話劇で、蝕まれていく心をお得意な群像で描いてて、観ているあいだ中胃が痛>>続きを読む

アニマル・ファクトリー(2000年製作の映画)

4.5

まだギリギリ美形なエドワード・ファーロングがプリズンに放たれればそりゃあねぇ。ブシェミが監督で、スキンヘッドなウィレム・デフォーやミッキー・ロークのオネェにジョン・ルーリーの音楽で雰囲気抜群。最初のム>>続きを読む

マルチプル・マニアックス(1970年製作の映画)

5.0

その昔、高校生の頃みたピンクフラミンゴはたまらなく衝撃だったけど、それ以前のディヴァインの映画を今観られる幸せ。
どこまでも悪趣味でお馬鹿なんだけど、まさかのロブストールで泣いた。ホルスト"火星"とと
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ラ・ファミリア(1987年製作の映画)

4.8

ローマのファミリアの歴史。同じお家の使い方も人々も徐々に移ろいゆき、増殖するファミリアたち。子供の時点でその子なりの個性が出ていて、大人になり、また老いるにつれて出てくる性格の描き方や、廊下や階段使い>>続きを読む

彼岸花(1958年製作の映画)

4.8

親子の世代交代はいつの世も。だけどこの頃の親たちの方が何枚も大人ー!
頑固親父な佐分利信の渋々親父たちをやり込める娘たちと、笑顔できちーんと纏めてくれる田中絹代母が最高。
家族で最後の旅行から、ラスト
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グレート・ビューティー/追憶のローマ(2013年製作の映画)

5.0

全部は観ていないけど、観た中ではこれがダントツで好き。OPシーンから美しすぎる。空虚なパーティ暮らしで埋める止まらない列車遊び。死をより近くに感じ、若き日の思い出と幻想からの目覚め。聖女様のシーンも強>>続きを読む

美女と野獣(1946年製作の映画)

5.0

ディズニー以前にコクトーによるこの素晴らしき世界。
迷い込むお城の手の燭台や顔ハメ、オルフェでもそうだったけど鏡や瞬間移動の表現も流石にうっとり。モノクロで、人力でここまでやれちゃうアーティスト魂よ。
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

5.0

炭鉱閉山から父の自殺、遺品のデカ車の幌が開かない...からの全てを無くしてゆく展開、差し入れの誕生日でない寄ってるケーキ、それぞれの人々との出会いからのテンポ、ラジオから流れる"悲壮"にラストの"Sa>>続きを読む

神田川(1974年製作の映画)

4.3

大ヒット曲に乗っかった青春昭和映画。デモ隊はやめても、今にも浅間山荘に行きそうな人たちのやる人形劇団に木賃アパートでの若い二人の恋愛模様。関根恵子サマの濡れたシャツから透ける乳首!イケメン過ぎてもうこ>>続きを読む

チャイナタウン(1974年製作の映画)

5.0

ドラマ「ジ・オファー」みて観直さなきゃ!と思っていたこちら。地味な感じもする水利権にからむサスペンス。濃厚な雰囲気とジェリー・ゴールドスミスの音楽でアダルティな世界に迷い込む。出た瞬間からタダものなら>>続きを読む

赤い殺意(1964年製作の映画)

5.0

とうほぐ地方の鬱屈とした家父長バリバリの世界に妾の子として囲われる春川ますみ劇場。"すなねばー"と、ごろごろ寝ながらみかん食べたり、妙な色気振りまくりまくる。こたつでずこーってコケるのとかどこまで演技>>続きを読む

地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)

4.7

モダンなうえにふしぎな穴がある物件にお引越しのご夫婦。フランスっぽいユーモアとアイロニーにみちた変な映画〜!
奥さんは若返りの穴に、夫の上司で友人の男は電子タバコに電子棒に...(まさかの怪しい日本製
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PIG ピッグ(2021年製作の映画)

5.0

前情報全くなしで、タイトルとニコラスと"俺のブタを返せ"に惹かれて。
予想を良い意味で裏切ってくれて、美味しいの満載と、それぞれの再生とでちょー良い映画でした。ニコラスの吐く台詞もいちいち面白いし、地
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

5.0

久しぶりなカウリスマキさん。ホッとする〜!ごみ収集の仕事というとジュン君思いだしちゃうけど、もっともっと不器用で萌えるダサ中年とスーパーの女。街の片隅で営まれる、ささやかなささやかな愛の物語。ジャガイ>>続きを読む

DAU. 退行(2020年製作の映画)

5.0

社会主義再現プロジェクトの続編はダンテ地獄編に因んだ9章でまさに地獄に堕ちてゆく「退行」
西側文化が入ってきて浮かれていたり、チェコの家具でお洒落になった食堂や所長室もつかのま、ゴゴゴ...と入れ替わ
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DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

5.0

観たかった恐ロシア、ようやく挑戦!
全体主義社会を完全に再現して2年も暮らさせるっていう狂ったプロジェクト。全てが本当の生活として撮っているそうで狂ってる。
全体に流れる抑圧とその中の人間の生々しさが
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十代 恵子の場合(1979年製作の映画)

4.2

女子校のお嬢がどんどん転落してトルコにヤク中にまで堕ちるのをアンニュイにただ流されてる森下愛子。
風間杜夫がそんななか、ソーダ水のように爽やかな風吹かせていいところに現れるんだもんねー!
70年代末の
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脱獄の掟(1948年製作の映画)

4.7

脱獄ものかと思いきや、男女の心理の揺れ動きのストーリーが絶妙で、最後までハラハラ。聖女のようなおんなと悪女のようなおんなの色々の入れ替わりが一筋縄じゃいかなくて、罪な男やー。

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.4

逆行する世界と前進する世界が観ながら脳内もバグって理解が追いつかなかったけど、激しめ音響と麗しきロバート・パティンソン様とで一応楽しめました〜
イエローハットみたいなED曲とか伏線甘々なのとか色々ダサ
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