pluviaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

流浪の月(2022年製作の映画)

4.4

当事者性のない人が当事者になりかわって語ることのむごさ、それが善意からくるものであっても違和感ある微妙な違いは時に暴力性がある。
「わたし可哀想な子じゃないよ」広瀬すずさんの内側にある芯の強さのような
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さかなのこ(2022年製作の映画)

-

好きなことに一直線。好きなことを楽しそうに話す人からは、聞き手も楽しくなって周囲に幸せが拡張する。

どこまでがノンフィクションかは不明ですが、
ミー坊が醤油(大豆)をつまらないと言ったときに、魚が好
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

間違いなく良すぎるキャスト陣!
役柄、出演者のよかったところを、鑑賞後に喋るのが楽しいと思う映画です。

予告編を見て楽しみにしていました。時代設定が意外と古く感じたのと、付随してミステリー部分も少し
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最後の誘惑(1988年製作の映画)

4.4

すごい。それってありなの…。

ギリシャの作家、ニコス・カザンザキスの小説が原作。
マーティン・スコセッシ監督。

キリスト教繋がりで『ある少年の告白』に続いて見る謎のセッティングをしたら図らずとも、
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ある少年の告白(2018年製作の映画)

4.1

フォロイーさんのレビューで「今もどこかで誰かが自分はおかしいんだと教え込まれ」という文を読み、しっくりきました。

「普通なら〜だよ」みたいな冷笑と叱責で他者を変えようとする光景と似通っています。
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預言者(2014年製作の映画)

5.0

まさか映画になっていたとは! 素晴らしすぎる。魂の美の傑作。

レバノンの詩人・哲学者・画家であるカリール・ジブランの『預言者』。

上皇后美智子様が皇太子妃時代、レバノン大統領から贈られて愛読され
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パグ・アクチュアリー ダメな私のワンダフル・ライフ(2018年製作の映画)

4.7

大好き、イヌ映画
ひたすら楽しく Happy

パグの表情が豊かで、めちゃめちゃ可愛かったです。
主人公は初めバグっていましたけど笑。

犬が彼女を支えてくれる。
姉の器用さに押されてパッとしない子に
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タイムマシン(2019年製作の映画)

-

袴田くるみ監督の短編3本鑑賞。
3本ともすごくて、会話は英語で字幕付きアニメーションなので話重めの割には見やすいです。

14分間の本作は、性暴力をテーマにしています。アニメ画で異国感があるので辛いス
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陳腐な男(2018年製作の映画)

4.0

https://youtu.be/5eCcGRXyDlI?feature=shared
(YouTubeで公式に公開されている短編映画)

袴田くるみ監督の短編3本鑑賞。
3本ともすごくて、会話は英語
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White Fireworks(2016年製作の映画)

4.0

大量の中のひとつの手榴弾に、命が宿ってしまう。自分は誰かを傷つけるための道具なのだと知ったとき、ウルウルとなる瞳…。

「君を作ってすまない。時代が時代だから…」と言う職人も、切ない。

短編。

揺れるとき(2021年製作の映画)

-

(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022 から転記)
カンヌ映画祭批評家週間でプレミアされた本作は、多感で敏感な少年の成長や恋の目覚めを主題としているが、ヤングケアラーやLGBTQの子どもの問題とい
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笑の大学(2004年製作の映画)

-

Filmarks平均☆3.5。☆4以上はつけたいです。☆5の方もいらっしゃいますね。

三谷幸喜作品、役所広司さんと稲垣吾郎さんのほぼワンシチュエーション2人芝居。

コメディと戦争の親和性は、なぜこ
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MAHOROBA(2021年製作の映画)

4.0

下北沢映画祭グランプリをはじめ国内の映画祭で多数上映・受賞を果たした、とのことです。

13分の短編。
ブラック社会風刺。現実が混乱していくような絶妙ずらしセンスとスピード。

カランコエの花(2016年製作の映画)

4.3

素晴らしかったです、短編なのも良かった。

こういう先生いるなぁという嫌さと、こういう男子いるなぁの面倒臭さがかなりのウェイトを占めたのですが、
終盤からエンドロールは清々しくて、素敵な作品だと思いま
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運命は踊る(2017年製作の映画)

-

不条理×アート映画
「人は、運命を避けようとしてとった道で、しばしば運命に出会う」ジャケットの言葉。

第74回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞。
イスラエルの名匠サミュエル・マ
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ハニー・シガー 甘い香り(2020年製作の映画)

3.1

MyFFF2022
(あらすじ、Amazonより)
1993年、パリ。ベルベル人のブルジョワ家庭で育った17才のセルマ。魅力的な青年ジュリアンと出会い、強く惹かれていく中で、家父長的な家族制度による束
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

たった4館からスタートし、口コミで全米233館まで拡大公開となり話題を呼んだ映画。愛すべき不器用なニューヨーカーのリアルをスタイリッシュに描く。

…映画のキャラに優しい視線をおくる世界は、現実でも優
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

-

とても良かったので、また観る機会をつくりたいと思います。

みなさまの解説や考察を、読んだり聞いたりも楽しめます。

エリジウム(2013年製作の映画)

3.7

『21世紀の資本』トマ・ピケティやイアン・ブレマーのインタビューも入っているドキュメンタリー映画にて、挿入されていたSFディストピア映画です。

映画としては、映像がきれいで世界観に程よくリアリティも
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シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!(2018年製作の映画)

4.5

19世紀末パリ、ベル•エポック時代。優れた芸術が続々と生まれ、アーティストたちがパリに集まっていた時代。

傑作「シラノ・ド・ベルジュラック」執筆ストーリーと、劇団員たちのドタバタ、劇稽古が並行して展
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「こういう人ってどんなデートするの?」「普通だよ、映画見に行ったり食事したり」

普通が一番難しい。登場人物の誰もがそれぞれの"普通"を生きていて、異なる普通を描くバランスがすごく良かったです。

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ミアとホワイトライオン 奇跡の1300⽇(2018年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

クライマックスの場面で、あと数秒あれば、そこに入ってしまえば!と思ったとき、私ならそうすると思ったことを直後にお父さんがやってくれてホッとしました。
実際にその場面に遭遇したとして身体が動くか凍りつか
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.8

予告編等で、自分の好みではなさそうとチェックしていなかった『ミナリ』。
『ドライブ・マイ・カー』の前年のゴールデングローブ賞(外国語映画賞)を受賞していたので、『ドライブ・マイ・カー』が素晴らしかった
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.7

既存の価値、選んでいると思わされているもの。
家族の崩壊と再生を、一旦壊した再構築によって問う。高いテーマ性の作品だと思いました。

ティーンエージャーの兄(第1部)と妹(第2部)の、2部構成作品です
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間諜最後の日(1936年製作の映画)

3.6

実際にMI6の諜報員だったサマセット・モームの小説が原作、スパイ映画。
ヒッチコック監督。

小説家でスパイ、第一次世界大戦中にスイスで活動する、という主人公の設定がモーム自身と一致しています。

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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

原作が有名らしく過去にも映画化されていますが、初デューンでした。

『風の谷のナウシカ』に似ていて。ナウシカがデューン原作に影響を受けたとのこと。

『スターゲイト』ドラマシリーズとも非常に似ているの
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ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

3.9

評価のよさを聞いて鑑賞しました。

パンクもロックもFワード炸裂も、私向きではないけれど、社会の弱い立場で生きている人々に、適応しづらかったり変わった子と呼ばれる人々に、パンクに寄り添うストーリーが予
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

4.3

近年の劇場版コナンでは個人的にベストです。

脚本の構成、キャラクターが持つ個性と過去の思い出といったエピソードのアンサンブルで事件解決の糸口を見つけていく。

少年探偵団と警察学校同期(安室透たち)
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ブラッド・オレンジ(2021年製作の映画)

3.8

オムニバスのような物語が、徐々にまとまっていく。

16歳の女の子が、彼氏とはじめての性交をしそうなのを前に不安があり婦人科に行っているシーンは、他の作品では見たことがなく、映画のリベラル度を見せられ
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生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

3.6

1942年製作のアメリカ映画。
ナチス風刺のコメディ。
エルンスト・ルビッチ監督の名作と呼ばれているとのことです。

(あらすじ、Amazonより)
第二次世界大戦直前のワルシャワ。「ハムレット」上演
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二十日鼠と人間(1992年製作の映画)

4.2

主演はジョン・マルコヴィッチ。原作は『エデンの東』『怒りの葡萄』で有名な、ジョン・スタインベック。

彼のノーベル文学賞の受賞理由が、本作『二十日鼠と人間』の感想とぴったり重なるように感じた作品でした
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エル・ノルテ/約束の地(1983年製作の映画)

4.0

本作はグアテマラ内戦期(1960-1996)に制作され、翌1984年のモントリオール国際映画祭で最優秀作品賞を受賞しています。
「死ぬまでに観たい映画1001本」にも掲載されているようです。

日本で
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修道士は沈黙する(2016年製作の映画)

4.0

ロベルト•アンド監督は『ローマに消えた男』のときに好みがあうと思った監督です。修道士を演じたトニ・セルヴィッロも安定感ある良さでした。
『ローマに消えた男』に遠く及ばずとも、今作もやはり大人イタリア映
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