柚子さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

柚子

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アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)

3.6

不老不死って人類にとって永遠のテーマであるように思えるけど、実際にそれを手に入れた者にとってはこの上ない孤独なんだろうなあと思った。
ひたすら仲間や愛する者の死を見届けるばかりで。
それと同時に、愛す
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.4

全体的に大きな起伏はなくて、大どんでん返しもないけどそれが良い!
日常の中に音楽が流れるのがとても心地よくて、作中で彼らが歌うたびに一緒に口ずさんで踊りたくなった。
グレタの歌声が本当に綺麗で、すっか
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

3.7

すごくリアル。切ない。

2人の関係が冷え切ってしまったのに決定的な理由なんか無くて、ボタンのかけ違いのようにもどかしく、それでいてほつれていくニットのように後戻りできないような空気感がとても現実的だ
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

4.2

ベルリンの壁崩壊・社会主義体制の終焉を、長い昏睡より目覚めた母に隠し通すというストーリー。
想像をはるかに超える良作だったと私は思う。

この作品自体がコメディということで、主人公のアレックスを中心に
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コーヒーをめぐる冒険(2012年製作の映画)

3.6

いや全然コーヒー飲まないじゃん笑
てっきりコーヒーを求めて世界各地をめぐる青年の話かと思った。
看板に偽りありならぬ、邦題に偽りあり。

とことんついてない主人公の1日が切なくもあり、おかしくもあり。
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エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)

4.5

胸がスカッとして、とても爽快な映画だった!

いつものごとく事前情報無しに鑑賞し、パッケージからして、「仕事に遊びにオシャレに恋に、頑張っちゃうよ、私!」みたいな物語と勝手に決めつけてかかったんだけど
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キャロル(2015年製作の映画)

4.0

冬景色と2人の息遣いが調和して、美しい映画だった!
女性同士の愛を描いた作品というのは、覗いてはいけないものを覗いているような気分になり妙な背徳感が味わえる(笑)

美しくて気品があり、かっこよさも兼
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すれ違いのダイアリーズ(2014年製作の映画)

3.6

ストーリー展開は正直予想通りだったけど、その素直で変にひねくれたりしてないところがむしろ良かった!
コメディ要素もあって見事なまでにすれ違う2人の恋を応援したくなった。

水上学校での生活はあまりにも
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危険なプロット(2012年製作の映画)

3.8

ジェルマンのように、他人の家を覗き見することは悪いこととは分かっていながらも、続きを待ち望んでいる自分がいた。

どこまでが本当で、どこからが嘘なのか
これは写実なのか、創作なのか
背徳感を抱きながら
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パレードへようこそ(2014年製作の映画)

3.7

タイトルは原題の『プライド』のほうが内容の趣旨にも合っていて『パレードへようこそ』よりも良い気が。

主人公は結局誰なのかいまいちよく分からなかった。
だけどこの映画においてはそれがきっと正解なのだろ
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

3.6

なんと皮肉の効いた映画なのでしょう!
公開当初、タイトルだけ見てアメリカが舞台の綺麗なお話だと思って衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。

色使いが効果的で、いっそう不気味さをかき立てられてぞく
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マダム・イン・ニューヨーク(2012年製作の映画)

4.1

チャイを飲みながら鑑賞。
とっても良い映画だった!

何事も新しく始めるのに遅いということはないし、今の境遇が嫌になったらまずは自分を愛せばいいし、夫婦円満の秘訣は平等であること、など
シャシから学ぶ
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ディス/コネクト(2012年製作の映画)

3.5

こうならないでほしい、と思うことが次々起こってじわじわ深刻度を増していく過程が怖かった…!

ただ、いじめっ子の2人組に対する制裁が足りないように感じた。
あれは安易にネット上の話し相手を信用して、自
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.9

観終わった後、これって本当に白黒映画だっけ?と思ったくらい、フランシスを取り巻く世界は目まぐるしく移ろい、彩り豊かな映画でした!

27歳、まだまだ自分は若者のつもりでいたいけれど、なんだかもうそんな
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ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)

3.3


疾走感がすごく良い!
ローラの燃えるような赤い髪が印象的ですね。
撮影中ずっと走ってばかりで大変だったろうな。

誰しもが一度は願ったことのある、「あの時こうしていたら…」が、体現されたような映画。
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

3.7

複雑な事情を抱えた子供と接するのは、とてつもなく難しく、一筋縄ではいかない。
なぜなら彼らはまだ成長途中で、ちょっとした発言や一挙手一投足も彼らにとっては大きな影響力を持つから。
一筋縄ではいかない彼
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.2

じっくり食い入るように観る映画、というよりコーヒーでも飲みながら、時折煙草を嗜みつつ、のんびり鑑賞するのに適した映画かな。

タイトル通り、登場人物がコーヒー(時に紅茶だったり)と煙草を口にしながら、
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胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

3.7

奇妙な三角関係が面白くて切なかった!

ニールス・シュナイダー演じるニコラの目つきや仕草がセクシーかつ、茶目っ気もあって、だけどどこか掴めないところがあってああ、これは振り回されるわ…って感じるくらい
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

3.0

もともと原作を読んでいて、見事な叙述トリックに魅了されていたので、それが映画となるとどうなってしまうのだろう…?とこわごわ観た。
けど、その課題が見事にクリアされていたように思う。
原作未読の人だった
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モーターサイクル・ダイアリーズ(2004年製作の映画)

4.0

かの有名な革命家、チェ・ゲバラ氏の学生時代、彼の人生観を変えた南米放浪の旅模様を描いた映画。

お恥ずかしながら不勉強なもので彼の偉業について何となくは知っていても、彼の生い立ちについて詳しくは知りま
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フランス組曲(2015年製作の映画)

4.8

至高の恋愛映画であり、至高の反戦映画だった。
決して結ばれるべきでない、敵国間の禁断の愛が妖艶で美しかった。

原作者のイレーヌ・ネミロフスキーはユダヤ人で、アウシュヴィッツで亡くなる前に書かれたのだ
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.8


神父による虐待、そしてその隠蔽という信じがたい事件をすっぱ抜いて記事にするために記者たちは奔走するが、その道のりは決して平坦ではなくて鑑賞中何度も胸糞悪い気分になった。
もちろん諸悪の根源は虐待をし
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Mommy/マミー(2014年製作の映画)

3.9

なぜアスペクト比が1:1なのかしらと疑問に思いながら鑑賞していて、やはり映画は通常の16:9に限るなと改めて思うほど閉塞感を感じていたけど、初めに画面がひらけてアスペクト比の謎が解けたときは本当に世界>>続きを読む

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)

3.5

コメディ時代劇かと思いきや、伝承に基づいた、人の善意に満ちた心温まる良いお話でござる。

こんなにも滅私・利他溢れる行動をできるものなのかと感心せざるを得なかった。
さらに、彼らの軌跡が現在に通じてい
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パターソン(2016年製作の映画)

3.9

何の変哲も無い日常をどうしてこんな鮮やかに描くことができるのだろうか?

毎日同じ時間に寝起きして仕事へ行く日々にも僅かながらに違いがあって、そのちょっとした変化によって我々の人生は彩られているのだと
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.7

レズビアンの人たちの映画を初めて観た。
一目見て姿が忘れられなくて、恋に落ちて、愛し合って、だけどちょっとしたことから糸がほつれてしまうように関係が変わっていって…、そして失恋のつらさ。
描かれている
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

3.9

甘くて美味しいお菓子の名前がタイトルではありますが、作中にチョコレートドーナツはほぼ出て来ず、現実はそう甘くないのだと感じさせられました。

良い意味で後味が悪く、鑑賞後ずっと考えさせられる映画です。
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パリ、ジュテーム(2006年製作の映画)

3.8

オムニバス形式で、パリのあらゆる場所からさまざまな愛の形が語られます。
異性が出会って交際し結婚するだけが愛なのではないと、強く実感でき、明日からまた私なりの愛を見つけに行こうと前向きな気持ちになれま
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パフューム ある人殺しの物語(2006年製作の映画)

3.0

香りって、他の知覚(味、音、視覚etc...)の中で一番鮮明に過去の記憶を想起させるものであると同時に、それでいて一番上手く記憶できないものだと思っている。
それまでは忘れていても、ふと懐かしい香りが
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冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

3.0

ボデーを透明にする映画。
グロいのが苦手なので思わず目を瞑ってしまったシーンは数あれど、グロ映画好きにはたまらないんだろうな。
克服したいとは特に思わないけど、ちょっと羨ましい。

何の変哲もない日常
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THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)

4.0

授業の一環で独裁を学ぶために、実際に独裁国家に見立てた実験をやってみたら、徐々に生徒たちがその虜になってゆき、事態はエスカレートし収拾がつかなくなる…
という、実話に基づく物語。
どうやら実際は196
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