言わずと知れたヒット作『テッド』の続編。一作目を偶然にもクリスマスの日に見た私にとっては『テッド』は一生忘れられない作品になっていた。その続編、果たしてその期待に答えられたかどうか。
今作は前作と比>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
遅ればせながらやっとこさ劇場に足を運んだ次第です。これだけは劇場のでっかいスクリーンで見なくては一生悔いが残るであろうと思ったので。
率直に言うと非常に楽しめた。エンターテイメント性に富み、前三部作>>続きを読む
塚本晋也監督の作品を見るのはこれが初めて。しかし『鉄男』などの異色な作風であるというのはあらかじめ聞いていた。そんな監督が長い構想を経て大岡昇平の『野火』を撮る。しかも戦後70年のこの時期に。見ない手>>続きを読む
一番気になっていた作品をやっと見ることができた。『アクト・オブ・キリング』で衝撃を残してくれたオッペンハイマー監督の続編。加害者の視点から今作は一転して被害者へと目を向ける。その用意周到さに監督の上手>>続きを読む
後期ブニュエル作品。ブルジョアジーの生活を面白おかしく、皮肉たっぷりに描いている。コメディ要素が強く、少しもシリアスな要素がないが、夢と現実の近藤によって非常に重層的な作風となっている。
上層階級と>>続きを読む
『惑星ソラリス』に次いでタルコフスキー2作品目。ソラリスで勝手にタルコフスキー作品は「絵画のような芸術作品」として鑑賞するものだと決めつけていたが、今作はその予想を大きく上回った。タルコフスキーは絵画>>続きを読む
2014年、最も酸いも甘いも経験し、多くの涙を流したのは沖縄辺野古新基地反対運動に参加した人たちだろう。もちろん涙は悔し涙もあれば、うれし涙もある。政治情勢に翻弄されながらも力強く闘っている彼らに私た>>続きを読む
アンジェリーナ・ジョリー初監督作品。直感的にだが、この人の作品は嫌いじゃない。最近だと『アンブロークン』で反日だと非難を浴びていたけどそれは表面的にしか物事を見ずに、歴史を顧みない人たちの世迷言である>>続きを読む
『2001年』よりも幻想的でメタフォリカル。レムの原作を自分色にちゃっかり染め上げてしまっている。SFではあるが、低予算の中仕上げたためディティールの突っ込みどころはあるがそんなの関係なしに一つの哲学>>続きを読む
「こんなアメリカに誰がした?」こんなアメリカとは銃大国としてのアメリカである。自由な国アメリカの暗部を暴きだすドキュメンタリー。アメリカは陽気で娯楽を提供してくれるだけの国ではない。
ムーアがこの作>>続きを読む
キリスト教的死生観を一つの寓話として作り上げた至極の作品。死と生、神と悪魔の存在を問う。
時代は中世、ペストの流行により魔女狩りや疑心暗鬼が世にはびこっている時代。市民は常に死と隣り合わせの生活を送>>続きを読む
日本人は「台湾は親日」と盲目的に信じているが、果たしてそうだろうか。台湾人が歩んできた歴史的背景と潜在的意識に迫るドキュメンタリー。
まず驚かされるのは年配の台湾人が流暢に日本語を話すことである。も>>続きを読む
マイケルムーア監督作品を鑑賞するのは初めて。鑑賞して初めて気づくことは真摯にアメリカの社会問題に向き合っているということ。「これはダメ、あれもダメ」となんでも否定する馬鹿な社会運動家ではないというのが>>続きを読む
ここにきて細田監督は王道の冒険活劇に回帰した。傑作の『時かけ』から今作までの流れで確実に細田監督の方向性は見えてくる。彼がアニメに何を求め、何を作りたいのか。
人間界に居場所を失った少年があるときバ>>続きを読む
待ちに待ったアベンジャーズ・シリーズ二作目。一作目の時の少年心を呼び戻し、駆け足で劇場へと向かった。
一作目の時の感動はまさに「全く新しいアクション映画が生まれた」というものだった。せわしなく動き続>>続きを読む
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田舎ではやっとこさ公開したところも珍しくない。もうすでに公開から何か月も経ち、話題は完全に『マッドマックス』『アベンジャーズ』が独占しているようだが、お構いなしにこの作品の話をしたくなるほど素晴らしい>>続きを読む
後半にかけてサスペンス的展開だが、ストーリーの根幹にあるのは写真(映画)の本質に迫るものである。
天才カメラマンが写真に写り込んだ殺人現場に気づき、ミステリーに巻き込まれていくという古典的サスペンス>>続きを読む
ネオレアリズモの代表的作品。自転車の盗難を巡る一連の流れを単純に記述する中にリアリズムを見出す。
戦後間もないイタリアでは敗戦国として膨大な数の貧困層が街にあふれ、職を求めて職業安定所に押し寄せてい>>続きを読む
トリュフォー作品の中では一番成功したと言われる今作。ドイツ占領下のフランスで娯楽を提供し続けてきた演劇界の裏側を描く。
ナチスの占領に屈してしまったフランス国内では夜間外出禁止令によって終電車に乗り>>続きを読む
久しぶりに脳汁がほとばしるような映画体験をした。一夜漬けでハードロックミュージシャンのライブに行った後みたいな疲労感と満足感に襲われる。一夜経った今でも少しふらつく。
旧三部作とは全くの別物だと考え>>続きを読む
日常が突然ぶっ壊れる。淡々と描いてきた日常を丁寧に破壊していく。特に劇的な演出がないのに恐怖と強烈な後味を残す、ここ最近では一番心にズシンと来た。
米史上でも語りつがれるほどの銃乱射大量虐殺事件。犯>>続きを読む
サスペンスの王道を行くスタイルだが、現代でも色あせることなく面白い古典的クラシック。
戦後まもなくのウィーンでは占領軍が街を横行し、市民も静かに闇市に手を染めながらしたたかに生きていた。白黒の画面が>>続きを読む
まぎれもなく素晴らしい反戦映画ではあると思うんだが、それ以上にこの作品に込められている意味は深い。
激しい空襲から両親を殺されながらもなんとか逃げ延びた少女ポレットは郊外のある田舎に移り住む。そこで>>続きを読む
原作ファンとしてはこれほど待ち望んだ作品はない。キャスト発表があって広瀬すずがキャスティングされた時は「見事!」と合掌するほどの喜びであった。
あの三姉妹のキャスティングに関して、当初綾瀬はるかは長女>>続きを読む
ティナ・ターナーという強力(?)な助っ人を引き連れてマックスが帰ってきた。
1.2のあの世界観からは想像もつかないほど今作はファンタジー要素を強めている。マックスもどことなく笑みを浮かべるシーンが多>>続きを読む
「狼が人間の女性と結ばれ、そのハーフが生まれる」といういかにも寓話的なストーリーは確かにリアルとはかけ離れている。
しかし、これをリアルとして見るか寓話として見るかでかなり楽しみ方が違ってくる。『時か>>続きを読む
完成度高し!前作の荒削り感が根こそぎ無くなって世界観が固まったような印象である。スケールも拡大、費やす燃料も増量、爆発!爆発!爆発!最高に環境に悪い映画の出来上がりである。
OPで丁寧にも世界観の説>>続きを読む
これを外国が作ったということに嫉妬してしまうほどハイクオリティ。だが日本が特撮技術を駆使してこの領域まで作り上げることは不可能だっただろう。
画面にくぎ付けになり、幼心を刺激され自然と作品に「ドリフ>>続きを読む
ネオレアリズモの創世となる代表作。1945年制作とあってリアリティがあるのはもちろんだが、やはりこの時代の作家自身リアルを追及しようと躍起になっていたところがあると思う。
「無防備都市」とは戦時中ナ>>続きを読む
初の大林宣彦監督作品。細田守監督版『時かけ』を見て育った世代だからどうしても比較しちゃうのは仕方ない。
大林監督自身が広島尾道市出身とあって、その街並みの撮り方にはどこかノスタルジックを感じてしまう>>続きを読む
最新作公開で世の中が浮き足立っているのでつられて鑑賞。噂は常々聞いていた「マッド」な世界観に足を踏み入れてみた。
70、80年代のチープでぶっ飛んだ世界観はかなり好きなのだが、今作もそれは全開。大量>>続きを読む
ナチス占領下のフランスで強く生きた少年たちの瞳は世界の矛盾を余すことなく見ようとしているように力強くまっすぐである。戦時下でたくましく生きる子供たちの生きざまを通して当時の残酷さを知る。
ナチスの占>>続きを読む
「地獄」「煉獄」「天国」の三つのパートに分かれるストーリー。晩年のゴダールの死と戦争への鋭い洞察が本作を構成する。
「地獄」古今東西の戦争・紛争描写や爆弾、暴動、暴力のモンタージュのみが優しいピアノ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
無音。無数の車の描写からストーリーが始まる。主人公と思われる男に注がれる冷たい視線。隣の車の紳士から、夫人からの奇異の目。タバコの煙でいっぱいになる車内。飛び出す男。
そして次の瞬間、空を浮遊する男。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ミヒャエル・ハネケがどういう監督かも知らずに適当に見たわけだが、この突き放されようはすごい。観客をどん底に叩き落とすような残酷さである。
非常に静かに物語が進んでいく。音楽も無駄な描写も一切ない。た>>続きを読む
日本に住む我々にとっては想像もつかない。国が違えば、倫理感も全く違う。決して見ていて面白い作品ではないが、評価するべき作品である。
ヴォルテールの詩の一節を引用してこの作品は始まる。殺人は罪深いこ>>続きを読む