「ママが僕を愛していなくても僕は愛し続ける」「たとえあなたの愛が誰かに向いても私はあなたを愛し続ける」
カナダの新鋭、グザヴィエ・ドランの最新作は前作『マイマザー』での命題に答えを出すかのように、母と>>続きを読む
ゴダールの商業映画復帰後の第二作目。政治的映画に専念してきた70年代の甲斐あってかさらなる高みに向かっているという印象を強く受ける。政治と芸術の融合。
「映画には掟などない」というのはゴダールが一貫>>続きを読む
ゴダールが商業映画から身を引くことを表明した最後の作品。「おとぎ話の終わり、映画の終わり」彼なりの商業映画からの決別を表した集大成。
この作品以降、政治的に示唆的な作品制作へと転向していくのだが、そ>>続きを読む
前編を見たので後編も見逃すことができず劇場に足を運んだわけだが、特に大きな波乱もなく無難にまとまっているという印象。無難すぎる。原作が傑作なだけに無難に見えざるを得ないのかもしれない。
原作からの大>>続きを読む
伝記映画としての体裁を帯びながら、しっかりカタルシスを配置し、劇映画としての性質を担わせた見事な脚色。アカデミー脚色賞も納得の出来である。
時代に翻弄されながらも、エニグマ解読・コンピューターの基盤>>続きを読む
ケイト・ハドソンの麗しさたるや。少年の成長には美しい大人の女性の存在が欠かせない。
ビートルズだってツェッペリンだって不仲やメンバーの問題は見えないところで起こっていて、華やかな歴史の裏にはファンに>>続きを読む
ゴダールが政治的作風へと転向していった時の作品。
直前に起こったベトナム戦争を受けて資本主義・帝国主義への疑念が強くなっていった監督が作成した今作は直後に起こったパリ五月革命を予言したかのようでもある>>続きを読む
恋愛映画としてもトランスジェンダーを扱った作品としても高水準にあると思う。グザヴィエ・ドラン、やはりその豊かな表現力と才能に嫉妬すら覚える。
社会のマイノリティとして生きる人間が最もつらいものは他人>>続きを読む
レイ・ブラッドベリの原作小説をSF嫌いのトリュフォーがいたく気に入って制作した本作。だからか普通の娯楽SF作品とは一線を画するような作風である。
明確な時代設定はない。この時代には厳しい言論統制が行>>続きを読む
「『軽蔑』はこの世界の物語である」
ブリジット・バルドーの美しき肢体が強烈な印象を与える本作品だが、恋愛映画として、またゴダールの映画観を強く反映した作品として特筆すベきである。
恋愛感情は時に激し>>続きを読む
これは我慢して劇場で見れて良かった。大画面で大音響の中でフォーシーズンズの曲を聞けて良かった。クリント・イーストウッドはこういう作品のほうが上手いのでは?
ビートルズよりも先にアメリカPOP界に鮮烈>>続きを読む
意外にも高評価を得ていてかなり期待して見よう見ようと思って早半年以上経っていた。見ないまま放置しなくて良かった。すごく素晴らしい作品。
細かい設定にとやかく言う人はこの作品をSFとして見ているんだろ>>続きを読む
よく言われるセリフとして「音楽は音を楽しむと書く」ていうのがある。ベタな言い方で、聞き飽きたような言葉だけどこの言葉が音楽の核心をついていると思う。
冒頭からグレタ(キーラ・ナイトレイ)の透き通るよ>>続きを読む
映画を見終わった後でここまで解釈不能だったのもかなり久しぶり。愛すべき消化不良映画。
この作品以降のリンチ作品がより難解さに病的なまでに磨きがかかっていった。『イレイザーヘッド』のような先鋭的な作品>>続きを読む
ゴダールが描くSFディストピア。パリの街並みをそのまま使い、見事に未来感を出してしまうその卓越した技術はさることながら、美しくまた難解な詩が無骨なハードボイルド作風の良い緩衝材となっている。
α都市>>続きを読む
絶好の批評映画。映画・演劇業界を題材にした作品はこれまで数多く出てきたけれど、その中でも抜群に深くまで掘り下げ、ウィットに富んでいる。
全編を通して業界に対する辛辣なディスりが込められているのだが、>>続きを読む
やはり最高。一作目のスケールには劣るが、これは名作といって過言はないと思う。
ペンギンの生い立ちから始まる今作のOP。そして下水道を流されるシーンに合わせて奏でられるダニー・エルフマンによるバットマ>>続きを読む
ドタバタに次ぐドタバタ。ドタバタで始まり、ドタバタで終わる。『死刑台のエレベーター』で鮮烈なデビューを果たしたルイ・マル監督が全く作風の異なるコメディを描く。
叔父の元に預けられた少女ザジは地下鉄に>>続きを読む
愛する人を手放しで愛することのできない女の哀しき性を描く。監督は『アンダルシアの犬』で有名なルイス・ブニュエル。『アンダルシア』で放たれていた異様な表現力とシュールさは抑え目でこういった正統派も作れる>>続きを読む
言わずと知れたカルト人気SF映画。とにかく見ていて何が何だか分からなくなっていく。観客のみならず製作側も作っていて袋小路に追いやられていってるのが伝わってくるほどである。
タイトルの「ブラジル」から>>続きを読む
悲劇と喜劇は紙一重というのはよく言ったもので今作で扱われている題材はまぎれもなく悲劇に値する(戦争の形をそっくり変えてしまった核爆弾についての問題は今なお人類の大きな課題である)。
しかし、間の抜けた>>続きを読む
最高。今回もリンチの悪夢の中に誘われていきました。リンチの作品に浸るとき、確かに不気味な世界観なのに不思議と俗世を忘れることができ、また彼の作品を欲してしまうのはなぜだろう。
リンチ監督がオールタイ>>続きを読む
この映画を見たときに口を揃えて「意味が分からない」と言われるのはこの作品自体の難解さというよりも作品に込められた情報量の多さにあると思う。
アクションならアクションの、ラブストーリーならラブストーリー>>続きを読む
パッケージの可愛さと評判の高さから前々から見たいと持っていた作品。期待以上の作品で心温まるロードムービー。
まず驚くのは主演の二人が実際に親子であるということ。途中までそうとは知らずに見ていて、やた>>続きを読む
ガープの一生を見ていく、ただそれだけのストーリーなのにこれだけ心動かされるのはなぜだろう。こういう風に登場人物の人生を切り取る映画を見て感動したのは『6才の僕』以来である。個人的にこういう作品はツボ。>>続きを読む
いつから教育は教科書の言葉を丸暗記させるような退屈なものになったのか?いつから学校は進学させるための単なるエリート製造所となったのか?そういった素朴な疑問を想起させる作品。そしてそんな現代の退廃した教>>続きを読む
はまりにはまって「オリジナル版」「特別篇」「ファイナルカット」すべて見比べてしまった。もっと早く見ておくべきだった。童心を忘れない大人たちの背中を押してくれるような作品。
昨今のSF映画を見てみると>>続きを読む
初のグサヴィエ・ドラン作品鑑賞。かなり評判が高くて前々から気にはなっていたのだが中々手が出せずにいた。しかし、期待以上の出来とその才能に嫉妬心を抱くほどである。
自らの人生を作品に投影する演出方法、>>続きを読む
前2作の監督ジョン・ファブローが製作指揮にまわり、新たにシェーン・ブラックを監督に迎える形で製作されたシリーズの(一応の)完結編。
MARVELシリーズの前作『アベンジャーズ』の続きというストーリー>>続きを読む
孤独で寡黙で生真面目。主人公ジョン・メイは役所の民生係に所属し、原題が示す通り本当に変わり映えのない「静かな暮らし」を送っている。
役人然とした風貌のジョンは毎日自宅と会社の往復を繰り返し、淡々と仕事>>続きを読む
シリーズ第三弾にして完結編。ロビン・ウィリアムズの他界とともに遺作としての評価も期待される中、シリーズファンの自分にとっても寂しい気持ちと期待感を抱えつつ劇場に足を運んだ。
博物館の展示物が夜な夜な>>続きを読む
黒澤明はこういう社会派ドラマを撮っても最高の出来である。観客を飽きさせないスピード感と無駄のない演出に脱帽。
三船敏郎演じる権藤は他人の息子の命と自らの保身を天秤にかけ、葛藤する。ただの身代事件に終>>続きを読む
リンチが描く過激バイオレンス・ラブストーリー。リンチにしては割と正統派恋愛ものに仕上がってて、毒気はない。物足りなさを否めない。
冒頭、厳かなパーティーの途中、暴漢を撲殺する主人公セイラー(ニコラス>>続きを読む
全編ミュージカル仕様で普通にしゃべるセリフなしという何とも挑戦的な作品。普通のミュージカル映画とはまた違ったジャンル。
主演はカトリーヌ・ドヌーブ。当時20歳ほどだった彼女が16歳という設定で可憐な>>続きを読む
「もっとよく見て…」のキャッチコピーの通り、アメリカの中産階級の家庭(古き良きアメリカの家族)の内面を抉り出した作品。
外面ばかり美しく見せようとする家族の恥部を見せつけられ、行き場を失くした家族が何>>続きを読む
前作のアイアンマン誕生から今度はスーツの圧倒的な力への社会の恐れと羨望にスタークが悩まされるというセオリー通りの展開。死にかけて悩んでいるぐらいがスタークはちょうどいいのかもしれない(笑)
前作でも>>続きを読む