スベンさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

スベン

スベン

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女神の継承(2021年製作の映画)

3.5

タイのある山村で崇められる女神バヤンを継承した女と拒んだ女。その娘。じわじわと蝕まれていたものは満を持して一気にやってくる。
ミンに取り憑いた「何か」。変容していく様は凄まじく、怖さ以上に生理的にくる
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.4

カオスな世界での張り詰めた雰囲気。ふとした時に出るアントマンらしさにほっとするし救われる。(特にサーティワンの制服)
スコットがキャシーをピーナッツと呼ぶのもやっぱり好き。親子で頑張ってた。
カーン王
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ダークレイン(2015年製作の映画)

3.3

1960年代のメキシコ。雨が降り続くバスターミナルで身動きが取れなくなった人たち。夜が深まるにつれ、少しずつ起こり始める異変。
外の情報は途切れ途切れのラジオと電話のみという密室劇。モノクロの画面にク
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3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)

4.0

久々に再鑑賞。
強盗団のボスであるラッセル・クロウを護送することになったクリスチャン・ベール演じる主人公。
冒頭から散々見せられてきた主人公の不遇さ…吐露する心情が切ない。だからこそ、終盤の選択は納得
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

4.5

字幕版にて。
やっぱり面白かった!!猫飼い、猫好き、動物好きには刺さりまくる。アクションアドベンチャーとしてもしっかり楽しめ、シュレックのあの「お伽噺の世界」というファンタジーも生きている。

始まっ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.5

観賞前は151分…?と気が遠くなったけど、意外と長さは気にならず。映画の中の映画までしっかり楽しめる。
映画と共に歩んでいく少年と家族の決して甘くはない成長譚だった。

映画や芸術の素晴らしさだけでは
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.6

悲しいけれどとても優しい作品だった。
病を患い余命僅かのシングルファーザーのジョンととまだ4歳の息子マイケル。
歩幅を合わせて横断歩道を歩いてみたり、お父さんのタトゥーを真似して腕に落書きしてみたり。
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

秒で変わり通り過ぎていく世界は時にはちゃめちゃで、不穏で、滑稽で…と目まぐるしい。ハイテンションな映像は音楽とも相俟っておしゃれでスタイリッシュ。(ちょっとおしゃれなMVっぽい場面も)
でもふとした時
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サラマンダー(2002年製作の映画)

3.5

ドラゴンが蔓延る荒廃した世界。自分を鼓舞しながら直向きに仲間を守るクリスチャン・ベール演じる主人公。対ドラゴンの砦を親友のジェラルド・バトラーと切り盛りしつつ、耐え抜くのかそれとも戦うのか?と現実は容>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.7

オープニングからすぐに引き込まれる。(音楽やあの色合いからしていい)列車の停泊地で、主人公たちが雪道を車で行くシーンで好きな映画確定だった。
眉間に皺を寄せた主人公ラウラの居心地の悪さ、居た堪れなさ、
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

3.6

とても難しいテーマなのに、お父さんや主人公の性格もあって重さや悲壮感はあまりなく、且つ美化しているわけでもない。
尊厳死協会の存在やスイスで安楽死を認める基準、手続きなど初めて知ることもあり、意外と冷
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

思っていた以上に不穏な話だった。喧嘩というには些細なことのようで、深刻という。
完全に八の字眉なコリン・ファレル…と思って観ていたら、どんどんこじれていくおじさん二人の関係。コルムの感じる絶望と頑固さ
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.9

クリスマスの時期特有のあのなんだか楽しくてハッピーな雰囲気。その中にあるR15らしい題名の通りしっかりめなバイオレンス。
サンタさんのパンチがこんなに重いなんて知らなかった!(最高でした)

ホームド
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母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

3.9

突然誘拐された娘。身代金を支払っても、帰ってくるどころか行方さえも分からない。
微笑ましい母娘から始まった物語はあっという間に地獄な展開へ。まさに南米の闇。犯罪があまりにも日常に蔓延し過ぎている様は終
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クライム・ゲーム(2021年製作の映画)

3.0

簡単な依頼のはずが予想外の出来事続きで思いがけない展開に。本当の黒幕とは?
マフィアに大手自動車メーカにと、騙し騙され翻弄される登場人物たち。人間関係が結構複雑で誰?と思う間もなく、退場し登場する面々
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ミッシング 〜50年前の記憶〜(2009年製作の映画)

3.6

8年前に行方不明になった息子の事件を追い続ける主人公の刑事。そして50年前の事件。時を越えた二つの事件は意外な繋がりを見せていく。

それぞれの失踪事件を中心に、父親が主人公の現代編、過去編と交互に進
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荒野の誓い(2017年製作の映画)

4.5

インディアン戦争を経ての入植者と先住民との関係、その後の処遇といい、とても重たいテーマ。それでも広大な荒野は厳しくも美しい。喪失と再生の物語に最後まで引き込まれた。

仇敵のアパッチ族の首長を護衛する
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

5.0

冷たく広大なアイスランドの大地を舞台に繰り広げられる復讐劇は限りなく血生臭く、泥臭く。そして壮絶だった。
北欧神話や土着信仰の異色さ、ヴァイキングの力強さと荒々しさ。魔術や呪術が共存する世界は禍々しく
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泣いたり笑ったり(2019年製作の映画)

5.0

セレブなトニと漁師のカルロ。壮年に近い男性二人の結婚はそれぞれの家族の話でもあり。
対照的な二人は家族も正反対。父親の結婚を巡って、時に本音でぶつかり合う。悪意があるわけではないけど、受け入れられない
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ノベンバー(2017年製作の映画)

3.5

エストニアのある寒村。死者の日。現世と常世の境界線がどこか曖昧で、死者は蘇り疫病が跋扈する。村人たちは神に祈る代わりに、悪魔と取引して使い魔クラットを得る。
主人公の少女が恋した青年は、男爵の娘に心を
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しあわせな人生の選択(2015年製作の映画)

3.9

覚悟する方の辛さと、見守り、見送る側の辛さ。静かながらも確実に近づいてくる別れの時間。
旅立ちに際しての問題を現実的に、しかし悲壮感漂うこともなく、じっくりと見せてくれる作品はなかなかないと思う。とて
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ダンサー そして私たちは踊った(2019年製作の映画)

3.6

ジョージアの国立舞踊団でプロの舞踊家を目指す練習生の主人公。
今作で初めて知ったジョージア舞踊。その根幹には男らしく、力強く。ジョージアという国そのものなんだ、とコーチが説く場面があり、まさにこの作品
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ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

3.9

フィンランドののどかな田舎で、トナカイに囲まれながらメタルバンドを続ける主人公たち。
意外と本格的なのに、オリジナル曲もなく(バンド結成12年)人前で歌うのも苦手。メタルでロックな外見で、微妙に馴染め
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ザ・タウン(2010年製作の映画)

3.9

ボストンのチャールズタウン。この街では強盗が家業のように親から子へ引き継がれていく。
冒頭の言葉に度肝を抜かれるものの、物語が進むにつれ納得してしまう。
バーで騒ぎ、仲間と談笑しているような普通の若者
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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.0

パリ郊外のモンフェルメイユに移動になった警官の悪夢のような初日。
人種や宗教が混じり合う地区と団地は雑然としていて、ドキュメンタリーのように生々しい。エッフェル塔が映らなくても、違う世界を見ているよう
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こころに剣士を(2015年製作の映画)

4.3

戦禍や政治体制のせいもあって、村は静かで子供たちも控えめ。そんなエストニアの片田舎に逃れてきた主人公は小学校でひっそりとフェンシングを教え始める。

荒涼とした寒そうなエストニアの大地は時に寂しくも美
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ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

4.0

陸軍士官学校で起こった猟奇殺人。事件を追うのは元刑事と若きエドガー・アラン・ポーという異色さ。
ミステリーにオカルト。その根底にあるドラマ。雪深い世界が凄惨さと哀しさを際立たせる。
特に終盤は苦しくな
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未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

3.9

強烈な世界観だった。
ショーンコネリー演じる主人公の衣装や、喋る空飛ぶ巨大な石像と奇抜さばかりに目がいくけど、二分された社会の有り様は実は深い。気付けばこの奇妙な未来の世界、そして行く末に引き込まれて
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ディヴィジョン(2020年製作の映画)

3.5

1997年のブラジル、リオデジャネイロ。多発する誘拐事件がビジネスとして流行していた時代。
まさにブラジルの闇。治安の悪さ、頻発する犯罪。なによりも多岐にわたる汚職に賄賂。どこまでが事実かは分からない
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ニア・ダーク/月夜の出来事(1987年製作の映画)

3.3

一目惚れをした女性がヴァンパイアで、噛まれてヴァンパイアになってしまった主人公の長い旅。

ロードムービーのような雰囲気の中、美学や決まり事を持つ以上に本能のままに生きるヴァンパイア一族の姿は自由で、
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バスターズ(2012年製作の映画)

4.0

暴動や不法滞在者の強制退去という危険に対峙するイタリア国家警察機動隊の日常と葛藤。

面白くて最後まで引き込まれた。
現場に向かう機動隊の背景で流れるThe White Stripes の「Seven
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.9

記憶喪失の奇病が蔓延する世界。全ての記憶をなくした主人公は毎日林檎を食べながら、「新しい自分」として生きていくための課題をこなし、ポラロイドにその様子を収める。

すごく良かった。
いきなり発症するこ
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.7

「奇妙」の一言ではとても片付けられない。映像が綺麗な分、悪夢のような気味の悪さが際立つ。
カントリーハウスや森の自然は美しい。しかし、主人公が森の中へ踏み入る度にどんどん不穏な雰囲気になっていく。
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.7

曲者揃いの客に気を取られていたら、「イエス!シェフ!!」の掛け声に度肝を抜かれる。そして繰り広げられる究極のメニュー。それは料理だけではない斬新な?ものの数々。

紳士的な雰囲気のレイフ・ファインズだ
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復讐者たち(2020年製作の映画)

3.5

戦時中に見て見ぬふりをした民間人もナチスと同罪。そう考えるユダヤ人組織「ナカム」(ヘブライ語で復讐者を意味する)
彼らが計画したドイツ全土を巻き込む復讐計画。
実話ベースというこの計画は本作で初めて知
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バーバリアン(2022年製作の映画)

3.0

序盤からなんとなく展開が予想できるんだけど、それがどっち?!という曖昧さやミスリードもあって、いい意味で裏切られる。
主人公もあれだけ用心深そうなのに、もっと宿泊地は選んだ方がよかったのでは…。朝にな
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