このレビューはネタバレを含みます
着想は悪くないし、俳優の配置や演技の質も良い。例えば、仲野太賀と木竜麻生が初めて会う場面や太賀と鳴海唯がジムニーの窓越しに携帯で話すシーン、そしてラストの車中での見つめ合いからのハンドブレーキで閉じる>>続きを読む
この作品には間違いなく、作り手の「誠実な態度」が向けられているのだろうとは思う。
その点についての疑いはなく、スタッフと俳優の頑張りは認められなければならない。
だが、本作は映画の構造そのものによって>>続きを読む
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「物語に銃が登場したら、それは撃たれなければならない」
確かチェーホフがそんな言葉を残していたと思うが、この作品においても同様のことが起こる(なお、他に言及している方はいらっしゃらないようだが、この作>>続きを読む
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多くの人にとっては自分の意思や身体が自分のものであることは自明である。
だが、100人に1人の割合でその自明性が崩れ落ちてしまう人がいる。
この映画は統合失調症に「関する」映画である。
「関する」と>>続きを読む
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この物語をこの長さにまとめるという凄さ。
ハンガリーの観客は、この映画の一段飛ばしの編集についていけるのだろうか?
クララがどんどん女性になるにともない、疑似家族としてのアルドとの関係に危うさが潜ん>>続きを読む
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友人に勧められて鑑賞。
元々の原作が未見なのだが、この映画は原作のポテンシャルを充分に発揮できているのか疑問が残る。
夏帆が働きだしてから、それまで抑圧的だった「家」が全然抑圧を発揮してこない。>>続きを読む
この映画は何度でも味わえるし、この作品に触れずに生活している人は騙されたと思って、観た方が良いと思う。埋もれている作品だが、非常に切実で質が高い。
「正常」という枠組みからははみ出してしまう者同士のラブストーリー
ドラン自身がインタビューで語るように、これまでの同性愛をモチーフとした作品群の中でも本作は最も「同性愛映画」らしくない作品となってい>>続きを読む