sadieさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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グレート・ビューティー/追憶のローマ(2013年製作の映画)

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この喧騒に包まれた、わけのわからない感じは、まさに『8 1/2』が現代に蘇ったような印象を与えている。

芸能界に太いパイプを持ち、夜はパーティに足を運び、女と酒を手にして日々をやり過ごすジェップ。そ
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

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なんか思ってたのと違うぞ。

随分昔に見てるから記憶もおぼろげだけど、なんだか『シティオブゴッド』みたい。そこまでは全然危なっかしくはないけど。

舞台となるアメリカの下層社会には明らかにDVやドラッ
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十年(2015年製作の映画)

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各作品15分前後の5本立て短編アンソロジー。

香港を舞台にしているだけあり、いずれの作品も政治的な匂いを強く漂わせている。

しかしそういったことはさておき、どの作品もなかなか見応えがあり、良作とい
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それから(2017年製作の映画)

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なにこの話。

4角関係のろくでもない男女の諍いがあり、こりゃだめだと、思いながら見てたけど、最後はどうにかなるんだ。

過去のホン・サンスが撮ってきたやんわり淡い感じの作品とは違い、今作はかなり込み
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夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

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韓国映画界の異端児の作品。

社会性や暴力性、セクシャリティを一切排除し、極限られた人間との関わりの中で何かを表現する。

その表現されるものも非常に曖昧で掴みどころがない。

小津安二郎やソフィア・
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ローマに消えた男(2013年製作の映画)

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ちょうど総裁選だからいろいろと考えさせられるなと思う。

べつに日本の政治化が海外の政治家と比べて劣ってるわけではないし、そもそも何を基準に良い政治家であるなんて考えることは野暮ですな。

まぁしかし
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恐怖の報酬(1953年製作の映画)

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異色のロードムービー。

といっても序盤はベネズエラの不況と雇用の少なさにより困窮する人々の生活を題材とするドラマから始まり、どこかネオリアリズモ的な趣きがある。

しかしニトログリセリンを積んだトラ
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

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韓国産自己啓発書の『死にたいけどトッポギ食べたい』って言葉がなんだかフィットする映画。

トラフィック/ぼくの伯父さんの交通大戦争(1971年製作の映画)

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この映画もまたポップコーンシネマの最高峰であることは間違いない。

勝手にポップコーンシネマと呼んでいるが、その理由は以下の3点から述べることができる。

まず71年のフランスに撮られた映画であること
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

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想像力と集中力の増強のため常時血中アルコール濃度を一定に保ち続けるという崇高な目標を掲げ、高校生相手に教鞭をとる主人公マーティンと仲間3人の物語。

中年になり感じつつある思考の衰えや先行きの不安を酒
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知らなすぎた男(1998年製作の映画)

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たぶんこの作品が上映されてから随分とロンドンの景色も変わったのだろう。

昔はパンク、シャーロックホームズとかそういうイメージ。

今ロンドンで生活したり、精通している人たちはこの街をそんな風には表現
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完璧な他人(2018年製作の映画)

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まぁこんなもんだ。

この映画からはなんの教訓も得られない。

いつだってみんな混迷の世界に生きている。

プレイタイム(1967年製作の映画)

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ジャック・タチの映画を見ると、観衆は街の傍観者であり住人になったような気持ちになる。

前回鑑賞したレトロフレンチタウンとモダナイズされた住宅が入り混じるパリが舞台の『ぼくの伯父さん』とは打って変わっ
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ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

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笑いは人と人の関わりから生まれ、そこに経済格差は無いのだなと改めて思わされる。
クスっすとじゃなくて爆笑もののギャグもけっこうあって笑えちゃうんだなぁ。

設備の機械化とその不便さで笑いをとり、中産階
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ジョーカー(2019年製作の映画)

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ハリウッドの大作ということで、わりと無難な感じにまとまった印象。

想像ではホアキン・フェニックスが狂気の演技を見せると思ってたけど、どちらかといったら運動量の多さを見せつけてきた。

ある程度セリフ
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

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2回目の鑑賞。

この映画、小津安二郎の影響下にあるなと思うのは私だけでしょうか?

『東京物語』というよりは、『晩秋』や『お茶漬の味』の方。

もちろん小津安二郎の多くの映画のキーワードは家族関係な
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

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久しぶりに見た。

5年ぶりくらいだろうか。

この時代の昼間のニューヨークの街角や歩いている人たちを見たら、そりゃ本当にヒップで、スクリーンを眺めていた世界中の人々の心はわしづかみにされたと想像する
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

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久々にこりゃとんでもないものを見てしまった、と実感できた映画です。

そんな感覚を得られるのは劇場で爆音で聞いた人だけでしょう。

私が保証します。音楽が好きなら見たほうがいい。

そしてこの映画は音
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

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訓練という名の洗脳によって、軍隊や戦争でしか見ることの得ない精神世界を知ることとなる。

アメリカで何よりも優先させられる功利主義。
絶対多数の絶対幸福。3割の人々が苦しんで死のうとも、7割の生き残っ
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ボルベール <帰郷>(2006年製作の映画)

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スペインの街や家、服装がカラフルなように、人々の人生もまた多彩でみんな異なっている。

それぞれ人生の中に秘密を抱え、どれだけ親しい人々との間でも、それを打ち明けることができない。

日本で秘密を題材
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シャイニング(1980年製作の映画)

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こりゃ撮り方を間違えたホームドラマだな。

この映画、家庭の不和を撮ろう思ったけど、それを拡大解釈しすぎたらこうなっちゃったよって話じゃないですか。

親父は仕事に明け暮れ、稼ぎのことばかり考えて、生
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日々と雲行き(2007年製作の映画)

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これは現代に甦ったネオリアリズモだ。

芸術、建築、食事、音楽、ワイン、ファッションと様々な美的感覚を養わさせてくれるイタリアにあって、この作品はとことん現実との向き合い方について考えさせる映画だ。
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8 1/2(1963年製作の映画)

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鑑賞者に考える時間を与えないような忙しくて内容が錯綜している印象の映画。

世界の映画史に燦然ときらめく作品なのに、なんだこの内容はと正直ビビッてしまった。

フェリーニは『道』しか見てないし、ネオリ
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

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さすがのトム・フォード。

前作『シングルマン』は3、4回程見た作品で、今作もなかなかの良作だと思う。

相変わらず審美眼を試すような映像や作中の独特の間合いに酔いしれながらも、一方でストーリーはとて
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プラン9・フロム・アウター・スペース(1959年製作の映画)

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ちゃんと映画である。

いちおうストーリーもある。

なぜUFO✕ドラキュラ✕妖怪ベムのお母さんなんかよく分からんが恐怖映画なのである。

しかしちっとも怖くないのだ。

UFOを見た飛行機のパイロッ
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

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北欧映画らしく少ない台詞と奇妙な脚本、映像の美しさで魅せる作品です。

控えめにいって今までに見たことのないタイプの映画であると感じました。

悪の匂いを嗅ぎ取る特殊な能力を持つ女性の話かと思ったら、
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0.5ミリ(2014年製作の映画)

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終活を迎えた男たちの陰と陽にスポットライトを当てた映画。

ある事情で住む場所を失ったサワは、街で落ちぶれている老齢の男に何かしらのいいがかりをつけて居候し、その男たちの生き方をまじまじと目のあたりに
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L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

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いやぁドタバタすぎて笑えた。

内容は二転三転するのだけど、なんとも役者の性格やら行動が愚直すぎて、どうかしてますよ。

90年代のハードボイルド・クライムといえば『パルプ・フィクション』、『セブン』
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復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

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こりゃ1回見ただけじゃよくわからんな。

全くもってただのエログロサスペンスとは言えないのはたしか。

捻れ曲がった愛情、信仰、複雑な人間関係なんかが混ざり合って、犯罪映画史上のひとつの到達点になって
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ヒッチ・ハイカー(1953年製作の映画)

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なかなかの良作。

クライム・ロードムービーといえるが、内容はシンプル。
殺人ヒッチハイカーを載せた男たち2人は、ひたすらその犯罪者の言うことを聞き、カリフォルニアの荒野を巡る。

そのヒッチハイカー
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

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この映画、変わってますね。

何がって、色彩ですよ。画面の中の色使い。

びっくりするくらいにカラフル。非常にバランスに欠けた色使い。

真っ赤な夕陽が画面を包んだと思ったら、次のカットでいきなり晴天
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みかんの丘(2013年製作の映画)

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まぁこうやって世界中のあらゆる地域や国々で今も人種や信仰の争いという名のもと、悲惨な現実を人々は目のあたりにしている。

どっちが先に手を出したとか、どちらの考えが正しいだとかという合理性を示す態度は
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ゲット・デュークト !(2019年製作の映画)

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おもろすぎ。

エドガーライトが好きな方は必見です。

相変わらずのUK産のコメディでもシリアスな映画でもありがちな、ジェネレーションギャップ、ドラッグ、階級差、地域文化なんかに焦点をあてた作品という
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ダーク・スター(1974年製作の映画)

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誰がどう見ても宇宙飛行士には向いてない風貌のもっさい男達が主人公として登場するカルト的というかインディSF映画です。

宇宙船の中での生活や、AIとの交流や諍いを主題にした映画というと、誰でもやはり『
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