「パラサイト」オスカー受賞記念に。ディストピア系SF×B級感は悪くなかったけど設定にあまり乗り切れず。
これは重厚な作品。前提知識が結構要る気がする。「盛者必衰の理」「孤独」「信仰と救済」このあたりがキーワードか。
これは全く文句のつけようがない。好きなカットが本当に多くて、文字通り色々な余韻に浸っている。前半/後半切替のドライブ感と、上下垂直で対比する分断の描写が見事。
否定的レビューにあるような細かい点はそこまで気にならなかった。サーガの系譜を眺めながら、ダース・ベイダーと対になるカイロ・レンの足取りが今っぽくて良いと思った。
一緒に居た二人が離れる話なので観ていてしんどくなるシーンが当然ありつつも、ここで描かれているのは愛そのものだった。アダム・ドライバーとスカヨハの名演が刺さる。
これは極めて個人的な物語だけれど、それでいて同時に普遍的でもある。最後、ユリイカのように色合いを復元していくのかと思っていたら違った。いくつかの水のメタファーと水平横移動の長回しが素晴らしい。
「こころが泣くこと」を丁寧に映画にしたらこうなる、という感じがした。各シーンがとにかくとても繊細で、風景は美しくも寂しい。寒い冬に観て良かった。
観てから二日経ってもなお、この映画は何と形容したら良いか分からない。ただ、誰もがジョーカーになり得るんだ、という風にはあまり思わなくて、どちらかと言うとジョーカーそのものは人々にとっての「箱」になるの>>続きを読む
「愛がなんだ」に比べたらポップで軽め。あたたかい言葉をなぞるように観るのが良い。
高校生ぶりに。この緊迫感!構図が綺麗すぎるからこそある種の冷たさを感じる。頭の片隅に残り続ける作品の一つ。
映画の力を信じたタランティーノによる寓話。本作のブラピはファイトクラブのそれとは違う円熟の境地か。リックの不器用さやクリフの佇まい、そしてその二人に関わる人々との描写がとても眩しい。宇多丸氏が言ってい>>続きを読む
信頼している深田晃司ワークスの新作。映画の構成自体は難解ではなく、むしろ分かりやすい位。個人的には基子視点であまり観ていなかったせいか、終わってからじわりじわりと来るその感情の横顔を眺めたりした。映画>>続きを読む
監督らしいセカイ系だった。瑞々しく美しい背景の隅に、現代のある種の貧しさと世界の狂いが映っている。前作が名刺代わりの一作なら、今作は諸々を篩に掛ける一作になるだろうか。
少しずつビターになっていくのはここ最近のディズニーのモードか。周りがどうあれ、無限の彼方が何処か、なんてことはウッディのように自分で決めることだとは思う。
歌は良いね。劇中、思い浮かんでたのは「明日ダメでも 明後日ダメダメでも 私を許して」っていう、チャットモンチーのフレーズだった。
やがて来る朝の虚無感について。本当の自分というのは恐らくどちらでもあると思うけれど。
「弱さ」と「さびしさ」の描写がとても素晴らしい。そしていつか幸せになれたのなら、こんな映画のことなんて忘れたっていい。観ながら、頼むから終わらないでくれ、と久しぶりに願った。おれも葉子ちゃんが好きだぞ>>続きを読む
絶望も絶望で、ひたすら地を這うような画が続くのだけれど、不思議と前を向けるような活力がある。この映画の前で社会保障が云々、というのはナンセンスだと思う。和田光沙の演技、素晴らしかった。
黒川芽以が本当に好きなのでそれだけで好意的に観てしまう。「勝手にふるえてろ」メソッドを本作にも用いつつ、監督の作家性であるエモーショナルな部分をきっちり発露させていると思った。前作に引き続き、女の子の>>続きを読む
まさしく円熟の境地。作家性というか、イーストウッドの今のモードなんだろうな、と。積み重ねてきた長い過去について顧みる時に滲む後悔についての話。まだまだ作品撮ってほしいな。
Love Actually is all around.
それで良いよね。
「チワワちゃん」元ネタの一つとして。色彩感覚以外の大きなテーマは見出せず。
これは凄いなあー!楽しい!とてもクリエイティヴな2時間でした。
レペゼン埼玉を自負しているのでこれは観に行く以外の選択肢なし。終始めちゃくちゃくだらないのだが、多様性を認めるしっかりとした着地に満足。満員の映画館で観たら最高だと思う。
もはやSFクラシックのひとつ。カメラワークとビジュアルデザインが好き。今観ても普通に楽しめる。
人の心に潜む罪と罰について。観終わった後、タイトルはもはやこれしかあり得ないという程しっくり来る。登場するしないに関わらず、八坂=浅野忠信に支配されるひりひりとした画が続く。前半部の蜘蛛と猿型/猫型の>>続きを読む