西木寸さんの映画レビュー・感想・評価

西木寸

西木寸

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ホワイトバード はじまりのワンダー(2024年製作の映画)

4.4

傑作!!ベスト級。
ワンダーが優しさの空間的伝搬だとしたら、本作は時間的伝搬。
ナチス支配下の極限状態で、内面に"光"を持ち続けた人の強さが、今を生きる人々の"光"となり繋がっていく。どんな状況でも優
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ぼくとパパ、約束の週末(2023年製作の映画)

4.3

傑作!"俺の"映画
自閉症の息子の拘りから始まるスタジアム巡り。
親として近い立場の自分としては、子供の言動、親の視点、周囲の目線に共感の嵐。
理解し寄り添おうとする事が、信頼を深め、心を育てる、成長
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.0

傑作。ローマ帝国の中枢と命を賭けたコロシアムの現場を舞台に、20年前から繋がる相関関係が複数の目線でじわじわ見えてくる事で、複雑でやり切れない感情が渦巻く。
ただ物語が一気に転がり出してからの雑さが、
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レッド・ワン(2024年製作の映画)

3.9

面白い!!!サンタが攫われた?もし「唯一無二のサンタがいるのなら」こんな感じじゃなきゃ成り立たない。そんなぶっ飛んだ世界観を大真面目かつふざけて作っていて、その手触りが新鮮で大好き。
本筋ストーリーは
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.3

傑作!擬人化された動物とロボットの出会いと別れを、言葉を使わず描くアニメーション。
言葉がないからこそ、二人の関係構築により心躍り、離れ離れな中での妄想&夢描写にダイレクトに心揺れる。
極め付けは切な
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.8

面白し。人格の綱引き映画。
アーサーとジョーカー、二つの人格の扱いをめぐって、自己認知、群衆とハーレークイーン、そして法廷による綱引き合戦。
前作へのアンサーになる着地点が見え出してからは凄く魅力的な
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.2

傑作!!素晴らしい。
戦争が起こった中で、狂ってない空間など存在し得ない。
ジャーナリストの視点から内戦に放り込まれる事で、見えてくる世界全てが凄まじい熱を持って狂ってる様に見えてくる。
さらに、中立
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ツイスターズ(2024年製作の映画)

4.1

傑作!「若気の至りで無茶して自業自得を食らう」って話かと思いきや...
そんなトラウマ&偏見からの解放という2つの切り口を巧みに交わらせながら、見事に「人助け映画」であり「ヒーロー映画」へと変貌させる
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.1

傑作!
出会いは、人生における情熱の対象に影響を与える。出会いが持つ「尊さ」に対し、対極だが確実に存在し得る「残酷さの極致」を示し、利用する事で、最終的に出会いの「尊さ」が際立つ58分。
原作タッチの
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ULTRAMAN: RISING(2024年製作の映画)

3.9

面白い!赤ちゃん怪獣を育てる中、壊れた親子関係に焦点を当てるアメリカ的な着想も、ケレン味ある見せ方からウルトラマンへの愛と理解を感じる。
悩めるウルトラマンが子育てを通して「与える者としての調和」と「
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

4.3

衝撃的すぎて...
ミューズ(テニスボール)に翻弄されながら奪い合う(競い合う)話でありながら、同時に熱狂的な奪い合い(競い合い)を求め3者が昇天する話になっていく。時系列を前後させながら、見え方が歪
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ライド・オン(2023年製作の映画)

4.2

途轍もなく好きだ、、
ジャッキー演じるのは、馬と暮らす第一線から落ちたスタントマン。
娘↔︎馬との関係が対となり、スタントマンの本能に抗いながら、不器用に贖罪と失敗を繰り返す様子に寄り添いうと同時に、
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貴公子(2023年製作の映画)

3.6

うむ。貴公子の不気味で魅力的なキャラクターと、それを活かしたラストの捲り方は抜群。
面白い部分は感じつつ、中盤の鈍重かつ安っぽい展開に乗れず。悪役側のキャラクターとバイオレンスも、表面上だけ誇張された
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.6

うーむ。マシュー•ヴォーン最新作。
エッジの効いた世界観...の範疇を超えた捻り過ぎた設定。特に前半はその設定を咀嚼する為の描写の連続に見えて、快楽性に欠け非常に残念。
紐解けていく後半にかけて面白く
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.6

傑作!!ベスト級。
夫(父)が死んだ。法廷を通して見えてくる「断片的な景色」。グレーに保ったまま「推測」を誘発変化させる展開と、夫婦間の「断片的な景色」が元に起こる関係性に居心地の悪さを感じつつ、
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

面白い!滅茶苦茶だ!
母へのしがらみから精神不安定な中年男が、帰省する中での災難&災難を3時間堪能。
やべぇ奴らや、不可解な出来事ばかりだが、なにせ信頼ならぬ主観が物語のベースだから、どこまでが現実で
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.8

面白い。
強気に安売り主導するヘッジファンドvs価値を信じ株を買う個人投資家達。
今売れば一人逃げできるが...snsで繋がった個々が団結したからこそ起こった、システムに対するカウンターパンチ。スリル
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.2

傑作!
不十分な愛情、居場所のない日常。そんな日々しか知らぬ少女が戸惑いながら、叔父母の愛に触れ、初めて居場所を見出していく。
訳あり叔父母が、同情と幻影の愛から、真のソレを見出してくる様子も重なり、
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.9

面白い!!!
僅かに台詞に白々しさはあるが、このレベルで実写に落とし込まれると文句のつけようがない。
映像的見応えを加筆しながら、一連の流れで、血生臭さとオフビートを、リアリティラインを崩さず見せ切る
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アイズ・オン・ユー(2023年製作の映画)

3.7


70年代連続殺人の実話を元にしたnetflixスリラー。

女性から見て表面化してる男性性の気持ち悪さ、恐怖を画面越しに追体験させられる中、表面化してない仮面の奥に真の狂気があったりもするから尚更厄
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