グラビティボルトさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

グラビティボルト

グラビティボルト

映画(1461)
ドラマ(0)
アニメ(19)

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)

3.9


モダンなイメージの連なりだった。
必ず足のステップから始まったり王道のミュージカルでありながら、ディズニーアニメと実写が同居する絵の中のシーンを筆頭にひたすらドラッキー。
乳母面接をしようとするシー
>>続きを読む

囚われた国家(2019年製作の映画)

4.1

格好良い映画だ。もう今年はこれで充分だと感じてしまう位には。
謎の宇宙人に支配されたアメリカの貧民が革命の為にテロを仕掛けるんだけど、実行犯の面子が揃う一連が素晴らしい。
人物を補完する台詞はほぼ抜き
>>続きを読む

続・荒野の用心棒(1966年製作の映画)

3.8

異様な映画だったな。
沼地を歩くオープニングから一貫して主人公が人間で、イーストウッドのような「幽霊」になれない映画。
例えば、「荒野のストレンジャー」のイーストウッドなら「男が街に来る」一連で男に対
>>続きを読む

暗戦 デッドエンド(1999年製作の映画)

3.9

ジョニー・トー、この映画では主演二人の人物描写をトニスコ的なモンタージュで処理していてらしからぬチャラさに若干戸惑ったりしたがひたすら痛快な鑑賞感覚に舌を巻いた。
アンディ・ラウが強盗したビルから脱出
>>続きを読む

若者のすべて(1960年製作の映画)

4.5

家族全員で都会に移住したアラン・ドロンは常に「此処ではない何処か」を見詰めるんだけどこの映画のロングショットは寒々しく、果てしない「此処」しか撮さない。
一瞬の絶頂と堕落を捉えた劇薬映画。寒い日に観る
>>続きを読む

魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.0

人生初鑑賞。
滅茶苦茶面白かったわ。
列車の屋根から箒で飛び上がる場面は、
ゆったり風に乗って凧みたいに浮いてくような描写になっていて終盤の暴力的な空中アクションと対比になっている。
終始アクションで
>>続きを読む

復讐鬼(1950年製作の映画)

3.7

傑作「幽霊と未亡人」とはまた違ったマンキウィッツ監督作品。
勉強熱心な黒人医師の担当した白人ギャング兄弟の片割れが死んだことを発端に事態が人種差別闘争から私的な復讐へ様々な形に変貌していく。
肌色の違
>>続きを読む

ジャッカルの日(1973年製作の映画)

3.5

ド・ゴール暗殺計画までの流れを冒頭3分ほどで語り、45分間は殺し屋の計画、
45分〜90分で追跡者側の人員と動向、
以降は両者をクロスさせてスリルを煽る。
とてもタイムラインが正解で映画自体が「企み」
>>続きを読む

パラダイス・アレイ(1978年製作の映画)

4.0

やっぱりスタローンは、一過性の絶頂と墜落の予感を体現して映画にする名手だ。
成り上がろうとしないと見えないもの、
負けないと見えないものをもうキャリアの初期で見据えていたように感じる。
OPで集合住宅
>>続きを読む

パッション(2012年製作の映画)

3.8

映画は夢なので、夢から覚める様をラストショットにすれば良いでしょうという発想から逆算されたような乱暴さ。
目元のクローズアップ、分割画面、
夢オチによって一瞬観てる者がアリバイ作りに付き合わされる映像
>>続きを読む

初恋(2020年製作の映画)

3.3

大前提として窪田正孝は最高だった。
美青年なのによく見るとちゃんとフィジカルの強い「雄」としての側面が見えるとても良い役者だと思う。顔がエロい。
直線的なプロットを撮るにあたって、三池映画の手癖がマイ
>>続きを読む

劇場版 SHIROBAKO(2020年製作の映画)

3.5

同窓会映画としては完璧。
TV本編からの年数経過を感じさせるキャラの台詞回しや動きが絶品。
ペダルを踏むだけで進むが一定のスピードを出さないと事故ってしまう車や自転車では思考がまとまらないのに対して、
>>続きを読む

オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(2013年製作の映画)

3.9


未来の乱射事件を幽霊によって予知したアントン・イェルチンが奔走する滅茶苦茶軽快なドクター・スリープという印象。
霊能者でナイーブな面を持ちながら、暴力に対応出来るフィジカルを持ち素敵な彼女もいるとい
>>続きを読む

ベテラン(2015年製作の映画)

3.5

「ベテラン」レンタル鑑賞。
前半のジャッキー・チェン風小道具アクションから悪役の下劣ぶりを提示する中盤、狭い空間での包丁アクション、パルクール、ラストの形振り構わないチェイスまで終始バタバタしていて楽
>>続きを読む

スケアリーストーリーズ 怖い本(2019年製作の映画)

4.0

決着が物凄く当たり障りのない、のど越し良いものになってるのは好みからズレる。
しかし、「目線の向こうに化け物がいる」ショットを魅せるシチュエーションが玉蜀黍畑の案山子、病院の化け物、終盤主人公に襲いか
>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

1.6

高々飛び降り自殺を見せるのに30分掛かるトロさには呆れるしかない。
女の嗚咽や踊りの為の円陣周回運動が反復されるけど全くの不発で尺ばかりが延びていく。
上下真っ逆さまな画面やシャローフォーカス、ドラッ
>>続きを読む

影裏(2020年製作の映画)

3.3


撮影芦澤明子&照明永田英則らベテランによるものか、特に前半から中盤に掛けて場面毎の充実度が高かったように見えた。
青春、恋愛、震災映画の3ジャンルを行き来する構成も挑戦的で、綾野剛と松田龍平の精神的
>>続きを読む

フランティック(1988年製作の映画)

4.0

「テナント」より好きだな。
奥さんが画面から消失してしまう場面のズームの簡潔さが格好良い。
屋根から落下するエマニェル・セニエを慌ててハリソン・フォードが掴む場面が後のナイトクラブの若干官能的な長回し
>>続きを読む

乙女の星(1945年製作の映画)

4.3

職場の先輩に貸してもらった。
「幽霊と未亡人」的な映画かと思いきやこちらはジャック・タチ演じる無言の幽霊がひたすらチャーミングで面白い。
父親が娘を喜ばせようと生身の男数名に幽霊を演じさせる事で同一人
>>続きを読む

犬鳴村(2020年製作の映画)

3.4

電話しながら落下してくる女性は「回路」のアップデートだし電話ボックスの陰惨さは他にはないものだけどやっぱり清水崇監督はお化けとの距離が近すぎるというかタメが足りないというか。
いくつかギャグスレスレに
>>続きを読む

ドミノ 復讐の咆哮(2019年製作の映画)

3.6

正直、プロットから思い浮かべる追跡劇として真っ当な面白さがあるのは
エリック・エブアニー演じるタルジという殺人者をワルドー演じる刑事が発見し、相棒が刺されて、屋根まで追跡〜落下!までの一連の数分間のみ
>>続きを読む

フューリー(1978年製作の映画)

3.4

今ならリーアム・ニーソンでリメイクされそうな「サイキックの息子奪還劇」のハズなのにそこに「キャリー」的なサイキック少女復讐映画を混ぜるから異様になる。

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.0

「見知らぬ乗客」レンタル鑑賞。
すげぇ楽しかったな。
ロバート・ウォーカー演じるマザコンの異常者に交換殺人を持ち掛けられる訳だけれど、彼がテニスプレーヤーの浮気妻を始末した後もずっと彼女の付けてた眼
>>続きを読む

暴力団/ビッグ・コンボ(1955年製作の映画)

4.5

全ショット無敵だった。
光と影は勿論だけど、ギャングの親玉が手下を脅す切り返しで前者に寄った時背景が一切映らない闇が素晴らしい。
だからこそラストで彼が照らされる展開にカタルシスがあるけど、主人公が霧
>>続きを読む

AI崩壊(2020年製作の映画)

3.3

画面内画面、モンタージュのリズム感からしてトニー・スコットの「エネミーオブアメリカ」「デジャヴ」を連想させるし冒頭ビーチで走る大沢たかおを撮った一連のショットは「ボーン・スプレマシー」のランニングシー>>続きを読む

レイジング・ケイン(1992年製作の映画)

3.6

明らかにヒッチコックの模倣なんだけども、短い尺での展開&ショッカー演出の足し算ぶりが気持ち良い。

デス・レース(2008年製作の映画)

3.5

常に路面が湿気を持っているから、低予算でも映えるというか。
特に最後のレースの夜は黒が滅茶苦茶格好良い。

緑の光線(1986年製作の映画)

3.7

肉食べない、団体行動が苦手で、ナンパもいや。旅行したいけどすぐ涙が出て帰りたくなるという盛り上がりを意図的に殺ぐヒロインをラストで光線に導く。
作り手の一見何もない時間を拡張する手腕に脱帽。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.8

監督ライアン・ジョンソン&撮影イェドリンによる「ゲロが勢いよく飛び出る映画は傑作」の法則を更新するミステリ。
昨今のトレンドである格差社会も盛り込みつつ、事情聴取をスリリングに前後させたり、コイントス
>>続きを読む

風の電話(2020年製作の映画)

3.3

正直、室内の会話は「長回しが長話になってしまう」パターンに陥っていてこのテーマ(震災)を映画にする事の難しさを改めて感じたりした。
ただ、ドキュメンタリー調なのに屋外シーンの精度が高い
主人公が叔母の
>>続きを読む

フレンジー(1972年製作の映画)

4.1

流石に面白い。
中盤に用意された殺人鬼視点の死体遺棄シーンがトラブル続きで最早コメディの領域に踏み出してるのに対して、彼が被害者の美女の背後(マウント)を取る場面の無音〜階段を下降するカメラの不穏さは
>>続きを読む

his(2020年製作の映画)

4.2

凄く好きな映画だった。
己を偽って結婚、子供を育てていた同性愛者の元恋人が主人公の家を子連れで訪ねてきた。
どうやら離婚調停中で暫く住まわせてくれと頼まれて・・・ってあらすじで、
元恋人との関係の移り
>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.5

思っていたより遥かに楽しかった。
ナチに憧れを抱く坊やが家の壁の中に匿われたユダヤのお姉さんと出会うことで始まる。
彼女と主人公は目線も違うし内面も違う。
壁の中で彼女を見付ける場面以降、
彼ら二人は
>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

2.7

ぶっちゃけ、問題になっている女性描写が一番面白く感じた。
ジュエルが容疑者になっていると色仕掛けで知ったオリヴィア・ワイルドが編集室で記事を通そうとする場面、ブラインドの影が彼女の顔に重なるんだけどそ
>>続きを読む