奥さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

奥

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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

”蛾から蝶への変化”

過去のトラウマを克服しようともがく者、トラウマに呑み込まれた者、全てを凌駕したサイコキラーの姿を描いた作品。

心臓が徐々にドキドキして、まるでホラー映画を観ている感覚に陥りま
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あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

3.5

体温の上がる映画。

全く興味がないボクシングの映画、という認識でしたが、それぞれの人が抱える孤独や、家族の記憶、それがボクシングを通じて人との繋がりを生んでいく作品。

生々しくてみんな荒野で蠢きま
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.8

過ちは繰り返される。

戦艦 大和の建造をめぐる実話を基にした作品。

天才数学者が大和建造を阻止すべく、建造費を2週間足らずで算出するも、結局造られてしまう。

未来の日本と引き換えに戦艦大和を希望
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架空OL日記(2020年製作の映画)

3.8

インスタグラム映え。

バカリズムがバカリズムのまま女性役を演じるというコンセプトの作品。

女性ものの服は着ている、でもメイクはほとんしていない、「〜よね」みたいな女言葉も使わない。

最初はシュー
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.0

華やかな世界での始まりと終わり。

女という生き様。

どうせ抱かれるなら、金に。

実話があるので、どうレビューしても本当の動機は彼女たちにしか解らない。

それを承知で言えば、女はいつだって逞しく
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無垢なる証人(2019年製作の映画)

3.8

目撃者は自閉症。

15歳のアスペルガー症候群の少女の目撃情報のみで立件された殺人事件で、自殺か殺人かを争点に、証言の信憑性を問う為に、少女を証言台に立たせ様とする弁護士と少女の話。

この映画は、ジ
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映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ(2022年製作の映画)

3.8

押し入れに隠していたもの。

サスペンスアニメでもありながら非常にリズムの良い会話劇を楽しめる映画。

好きな言葉は『身の丈以上の友達を持ったから何もいらないよ』主人公オドカワの見栄っ張りなどうしよう
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

喪失と再生の物語。

傷ついた人が新しく生きるための映画です。
今まで向き合うことを避けていた記憶がある方には、癒しの映画となります。美しい瀬戸内海を疾走する赤いサーブ。

お二人が海辺でタバコを吸う
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余命10年(2022年製作の映画)

3.5

季節は着実に春から冬へ。

余命10年という、運命を生き抜いた女性の物語。
余命10年という時間は瞬く間に過ぎてしまいますが、その時間を精一杯生き、前向きに立ち向かう主人公の姿が印象的でした。
そして
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きみに読む物語(2004年製作の映画)

4.0

どうすればこんなに素晴らしい物語が作れるのか ものすごくいい話でした。
とにかく、とても素敵で、でも悲しい、素晴らしい物語でした。

自分のことが、自分の大切な人のことが、記憶からこぼれ落ちてしまっ
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るろうに剣心(2012年製作の映画)

3.5

現実感と非現実感のバランス。

人間離れした動きでありながらも非現実的になりすぎないような絶妙なバランスの殺陣がとにかく見事でアクションを観ているだけで楽しい作品でした。

火口のふたり(2019年製作の映画)

3.5

出演者は二人だけのシンプルなストーリー。

レバニラ炒め。

生と性をリアルに描いている。

セックスと食べるという行為はイコールである。
と、私は思う。
なので、この作品に出てくるご飯はどれも美味し
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.5

全てが計算され尽くした映画。

足を進める度に心臓を握られている様な、皮膚がヒリヒリする緊張感がありました。

いつ狙われて撃たれるかもわからない。

カットを入れずカメラを長回しする事で、驚く程のリ
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アス(2019年製作の映画)

3.0

変化していく対比構成とラストのどんでん返しの妙な作品。

アメリカ社会における白人と黒人という人種差別や富裕層と貧困層という格差などを地上の人間と彼らの負の側面だけ与えられた地下のクローン人間の対比で
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.5

非常に繊細なタッチの作品。

前半部分の、体を女性にしたいという気持ちを徐々に出していく様が、言葉ではなく雰囲気で出していく、この技術には驚かされました。
演技のみならず、カメラワーク・構図も美しかっ
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

5.0

カンニングの皮を被った社会派青春もの。

まるでアクション映画のようなテンポの良さとハラハラ感。

ワイルドスピードやオーシャンズシリーズを思い起こさせる。

リンラダーが『友人』からの悪意なき悪意の
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.0

影の消滅と26年の記憶。

エヴァンゲリオンという一つのシリーズがようやく終わりを迎えられました。

今回は物語としてしっかり終わらせただけでなく、色んな人をエヴァの呪縛から開放させた気がします。
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(2017年製作の映画)

3.5

声が描くもの。

全編を通して人の視界を意識して撮影されており、目の見えない人の感覚はもちろん、これほどまでに周りが見えてないのかやその人の世界観を伝え、人の表情をより繊細に映す映像手法でした。

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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.8

友情や、若き日の個としての葛藤とかが違和感なく、自然に描かれていて良かったです。

『人間』が詰まった作品。

青春という限られた時間にしか味わえない惨めさや残酷さ、そして美しさをこれでもかというくら
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Diner ダイナー(2019年製作の映画)

3.0

息をのむような映像の美しさ。

自分は誰にも必要とされていない、っていう誰しもが抱えたことのある思いを、殺し屋という現実離れした舞台の中で、否定をしてくれる。

最初の入り方だけ、少し残念でした。

タロウのバカ(2019年製作の映画)

3.0

愛も恐れも悲しみも知らない、そんなタロウを通して、自分たちの弱さとかズルさを垣間見て若干気分が悪くなりました。

愛が無いと壊れてしまう。

ピザが食べたくなる作品でした。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.5

アニメーション、演出、音楽は言うまでもなく、美しかったです。

人間味があった父親も冷酷に命令するのみという
今まで以上に主人公が精神的に追い詰められ、
疑心暗鬼になる描写。

アスカにガキと言われて
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

3.5

前作より、シンジと同じ目線の操縦者が出てきて物語が広がったような気がしました。

学園ものっぽさがあって好みです。

登場人物の良いところも、悪いところも、強いところも、弱いところも描かれていて、どの
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.8

この作品で初めてエヴァンゲリオンに触れました。

ストーリーを忠実に違和感なくコンパクトにまとめた一作。

ストーリーに新鮮さはないが、エヴァってこういう世界ですよと、入り口のような作品でした。

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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.5

花束のような作品。

若い2人のリアルな恋愛模様を描写。

近代においては、なかなかな、"あるある"映画。

なんていうか、思い出したくもない以前の恋人との黒歴史を思い出すような、胸の奥にしまっておき
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

3.0

アクションとコメディが絶妙のバランスで面白い作品でした。

柳楽優弥の独特の気持ち悪さとチャラさ、サイコパス感が最高でした。

岡田准一の身の軽さもすごくて、動きが本物っぽくて、あまり表情がないのにジ
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記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.0

難しい政治をコミカルに三谷幸喜作品らしい映画でした。

自らの不倫、妻と秘書の不倫、問題を起こす息子、自らの不正や暴言、官房長官の不正、外交問題…などを普通に描けばドロドロしてしまうものをコミカルにサ
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いちごの唄(2019年製作の映画)

3.0

ちくわのおでん。熱い。うまい。辛い。

純情と克服。偶然が際立つ出会いと事故と跳躍。

主人公のちょっと跳ねた感じが最初気になったけど、そのうちその人の個性なのかな。
でも。それが後で生きてくる。
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.5

不気味だけど、美しい描写。

淡々と進む物語のようで、全てが情報。

劇中の風景の美しさや、身に付けている衣装の綺麗さと、カルト的な人々の言動の不気味さが合わさって不思議な世界観でした。

映画を観た
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.8

人間への深い愛がある、そんな作品。

困窮する生活、自閉症の妹に売春させる兄、売春の相手も社会の「底辺」にいるような人がほとんどだと思う。

でも、臭いものに蓋をすべきではない。現実にこういうことは存
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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

3.5

斜行エレベーターが下降するように物語が静かに重くなっていく。

大人の都合に理解したフリをするのと
大人の都合を理解できないフリをするのはどちらも正しい家族のあり方なんだろうと思いました。

子供なが
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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.0

独特な世界観の作品。

平坦な展開のようで、身につまされ、いろいろと深く考えさせられるエピソードやセリフの数々です。

基本はラブストーリーだと思うんですが、壊れる女と壊す男。

居酒屋で、笑えるのは
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14の夜(2016年製作の映画)

3.0

ちょいエロな和製「スタンド・バイ・ミー」。

さえない青春を微熱で活写。ダメ親父な光石研が最低で最高でした。

まだ何でもない自分、何にもなれていない自分に思い悩んだりもするのだが、将来おっぱい揉める
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PとJK(2017年製作の映画)

2.0

JKの親父に全く魅力がなく、ウダウダしてパンチもなくとても残念な気持ちになりました。

不自然なシーンが多く、結婚生活そのもの場面も不足。不良の話多め、あとは下ネタという概念のない世界。

Pが刺され
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今日も嫌がらせ弁当(2018年製作の映画)

3.5

実話を元にした、母と娘の感動作品。

浮き沈みの激しい作品ではないので、ハラハラするハリウッド映画好きにはおすすめしないですが、ほっこりするヒューマンドラマ好きは、一度観てみても決して後悔しない作品だ
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カリガリ博士(1920年製作の映画)

3.5

視覚と感覚。

画像が悪いので、歪んでいたり、傾いているのかと思ったが、それは恐怖心を煽る視覚効果だということに気がついた。

あの不気味は木は本物か?絵なのか?

歪んだ家や傾いたドア、化粧や表情も
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