otomさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

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ブランカニエベス(2013年製作の映画)

4.0

サイレントと闘牛と白雪姫の必要性があるのかと一瞬考えてしまうのだけれども、それでも結構盛り上がる(見世物小屋的に)。モノクロを通して描き出されたセビリアの熱気は監督の手腕か単に気候によるモンかは分から>>続きを読む

スティング(1973年製作の映画)

5.0

25年振りくらい。ジョージ・ロイ・ヒル的トランジションの嵐。小気味良いテンポと云うクライム系の最重要なところが抜かりない感じ。この作品を強烈に印象付ける洒落たチャプター絵とジ・エンターテイナーとイケて>>続きを読む

とうもろこしの島(2014年製作の映画)

4.7

とうもろこしの為に家から構築とハイレベル過ぎて尊敬する。紛争地帯における境遇とただの厭世っ気とは意味合いが違うとは思うけれど、潮流に流されずに社会と程々の距離感を保っていたいと常々思っているので、この>>続きを読む

紅夢(1991年製作の映画)

5.0

ワタシんとこ以外で鳴ってるコリコリがムカつくわ〜...いぢわるしたろって云う怖い女性たち。封建的慣習で自由を剥奪された女たちの無念のはけ口が歪な形でもって静かに飛び交う恐ろしさ、悲しさ。昼メロっぽい題>>続きを読む

ナッシュビル(1975年製作の映画)

5.0

ロバート・アルトマンの悪ふざけ感満載の超USA。あらゆる不安材料と暴力装置を同時にはらんでいるキケンな国ってのは他にもありそうなんだけど、内に秘めたる黒さに蓋をして嘘っぽい正義と美徳で押し通し、ミッシ>>続きを読む

カレ・ブラン(2011年製作の映画)

4.2

とってもアーバン。途上国踏み台どころか結構ゴリゴリな二極化の昨今で弱者の惨状は映画の中だけと言えない雰囲気ではある。とんち耐性がないと家畜堕ちな世界ってのはキビシイな、速攻で落とされる自信がある。北極>>続きを読む

シアター・プノンペン(2014年製作の映画)

3.7

先日、ポル・ポトの所業をお勉強したばっかでタイムリー。クメール・ルージュがプノンペン陥落直後あたりにスポットを当てているので、後の少年兵、少年医師的怖さはあんまりない。ものの、知識人階級粛正がもたらし>>続きを読む

エスケイプ・フロム・トゥモロー(2013年製作の映画)

4.0

なんでも叶える大人の夢の国。気持ちは分かる。猫インフルの毛玉ゴバゥァで我が家のニャンコが凄い顔してた。

喜劇 女は度胸(1969年製作の映画)

5.0

2022年3月13日
調停も破壊も再生も全ては清川虹子の掌の上って事でまさに女は度胸。戦争を経験してきた世代が描く平和と生活の賛美の如き洗濯物のパンツのラストでこれまたまさに新世界よりって感じ。笑いと
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アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

4.2

志村、後ろー!ってドリフのアレ的なやつが見られる結構なホラー。撮られる方が魂持ってかれるってのは良く聞くけど、これはまた稀有なケースな気がする。あらゆる騒音に包まれた現世の闇の中を照らす光が異なる次元>>続きを読む

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

4.4

滅び行くものと台頭するもの、尊厳と金、聖なるロバであり疫病神なロバとで様々な角度から異なる二面性で構築されている。闇堕ちするヴィアゼムスキーや悪がまかり通り金が支配する世の中。の、神の不在感を結構冷や>>続きを読む

ターシャ・テューダー 静かな水の物語(2017年製作の映画)

4.8

まさに極楽浄土のようだな。ソローやヘンリー・ジェイムズ、アインシュタインと知己って文化レベルの高い家柄からのこの暮らしぶり。日本で云うところのベニシアさんの超上位互換。身の回りに必要なものは全てあると>>続きを読む

ヒズ・ガール・フライデー(1940年製作の映画)

5.0

あのヤバめな奇声はケイリー・グラントにしか出来ない気がするな。間を排除した上でこれだけ密度の高いもんを詰め込まれたら面白いに決まってる。ブン屋もクズなら政治家もクズで善人がどこまでも足蹴にされているん>>続きを読む

喜劇 女は男のふるさとヨ(1971年製作の映画)

5.0

2022年5月5日
久々。NHKが映らないTVを売ってる2022年から見る『NHKしかうつりません』からの画面にはストリップ古屋、流れるのは君が代で泣く。中村メイ子の警察署での訴えと共に国家への憂いと
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コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

4.8

スタニスワフ・レム原作ってのに惹かれて。予備知識ゼロで観てアリ・フォルマンって誰だっけかと思ったら『戦場でワルツを』の監督って事でヌレヌルなアニメーションも超納得。結構な壮大さなSF(サイファイ)で、>>続きを読む

アルフィー(1966年製作の映画)

4.2

ジェーン・アッシャーを愛でたくて軽い気持ちで観始めたら結構重かった。マイケル・ケインの女性への対応がオラオラ過ぎてドン引きする。悪気はないけど人を傷つけてるやっかいなタイプな人間の哀しい末路。そんな人>>続きを読む

銀河鉄道999(1979年製作の映画)

5.0

アニメより9割増しくらいにイケメンな鉄郎。メーテルは永遠の存在として異論は全くないけれども、クレアことクリスタル子萌えが捗る。いささかダイジェスト版っぽい忙しさはあるものの、圧倒的な想像力、世界観、演>>続きを読む

みかんの丘(2013年製作の映画)

5.0

相手の名前を認識してしまった時、敵は自分となんにも変わらない人間へと変化する。ノー・マンズ・ランド的な渦中の心理変化映画で最後はみんなでみかんを摘んでハラショーってな画を想像するもチェチェン紛争ばりに>>続きを読む

あやつり糸の世界(1973年製作の映画)

5.0

バウハウスげなあれこれと仮想現実と鏡の組み合わせ、ウォルター・カルロスばりのシンセサウンドで雰囲気抜群。アイデアだけでこれだけ奥行きを出すってのは天才かよ。トリスタンとイゾルデからフリートウッド・マッ>>続きを読む

アシク・ケリブ(1988年製作の映画)

5.0

民族性と芸術を失う事は死にほかならないと他の民族の人に教え諭されている様。そのまんま観る絵本てな具合で視覚の美しさはさることながら、コーカサス、中央アジア的ドローンサウンドも大好物。最後には眉毛が馴染>>続きを読む

360(2011年製作の映画)

4.0

世間は狭いねぇって云う。豪華メンツで映像処理もお洒落な感じで全体的に上手いこと円環してる風...なんだけど、どうでもいいエピソードを無理矢理ねじ込んだ箇所があった気もしなくはない。面白かったけど。フェ>>続きを読む

スウィートホーム(1989年製作の映画)

3.6

色々と破綻してる上に絶望的にテンポが悪いんだけど、VFXだけは異常に力がはいってる。ラスボスと古舘一郎と古舘一郎がエグいの度が過ぎてる感じ。黒田福美のスコーンといくところもベタだけどヒエッとなる。ガソ>>続きを読む

戦艦バウンティ号の叛乱(1935年製作の映画)

4.6

どの作品でもそうだけど、身のこなしだけでクラーク・ゲーブルって分からせるってのは凄いな。こいつ絶対にぶっ殺すと悪辣なチャールズ・ロートンに向けての乗組員及び鑑賞者のフラストレーションの蓄積のさせ方が絶>>続きを読む

ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)

4.5

どっちがより面白かったかと問われたら、ミスター・ノー"ボ"ディの方が好みだけれども、こっちもなかなか。バタフライ効果を軸にいささか詰め込みまくっている感はあるものの、映像表現やら時間軸バラバラでのパラ>>続きを読む

ガウダ爺さんのお葬式(2015年製作の映画)

5.0

晩飯バターチキンカレーの後に鑑賞。で、早々にマトンカレーを渇望する。ヤバい奴だらけなインドで欲望が渦巻きまくるのに超平和な感じなのは羊たちのおかげか太陽のせいか。孤高の生き方と恥晒しな生き方を分かりや>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.8

日本二十六聖人殉教地に訪れた時と随分様子が違う上に英語(!!!)が堪能な人の多いインターナショナルな長崎。ほぼ原作に沿ってはいるとは思うものの、雑なCGと日本の役者の面々で何か冷める。イッセー尾形の残>>続きを読む

ローリング・サンダー・レヴュー マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説(2019年製作の映画)

5.0

言うまでもないけど、偉大過ぎて爪の垢を煎じて飲みたいレベル。これだけ気合いの入ったプロテストソングの数々なんてあまり見かけなくなった2019年に思うところは多々ある。目で殺されそうなディランとジョーン>>続きを読む

日本百年(1974年製作の映画)

3.7

日本百年と題しながらも、太平洋戦争末期がちと長め。大本営の愚かさが露呈されるも、その辺は明治の偉人以降は今も昔もそんな変わらん気もしなくはない。歴史にたらればはないのは分かっちゃいるけど、日露戦争あた>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972年製作の映画)

4.5

八千草薫と倍賞千恵子の強力2トップが見たくて。ヴィヴァルディに乗せて秋全開で進む。10作目にして各所のシーケンスパターンのテンプレ具合も磨きがかかってる印象。逃した魚がデカ過ぎて来世でも自害できるレベ>>続きを読む

残像(2016年製作の映画)

4.7

極彩色を飲み込む赤、赤、赤。当局と仲間たちの迫害レベルな同調圧力が恐ろし過ぎる。死ぬまでに何かを遺すって状況の過酷さの次元がちょっと違う。他人が受けている迫害は所詮はショーウィンドウーを通しているかの>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

3.9

割礼跡で見分けるユペール様。とっ散らかった末にメンタルが定まってくるのは分かるけど、やっぱなんかとっ散らかってる。雀をパクリと行くニャンコに本能のまま生きよと言われているよう。

残虐全裸女収容所(1972年製作の映画)

3.9

全裸ってよりはホットパンツ映画。女囚怒りの復讐はご褒美以外の何物でもない(男の娘には拷問)。大体の動機と展開がなんか適当な感じで、潜入する革命家の2人に至ってはあまりの無能さにア然とする。ものの、お洒>>続きを読む

はじまりへの旅(2016年製作の映画)

4.8

意識高い系では片付けられない。と云うかむしろ思いっきり憧れるサバイバルライフ。長男への手向けの言葉、『日々を人生最期の日と思って生きろ』や『高潔であれ』と露骨にスティーブ・ジョブズかヒッピー的思考なん>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.5

人にあだ名付けちゃう娘が名前で突き落とされるって良く出来てるな。気をつけよう。いやしかし可愛らしいねぇ、松岡茉優。

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.0

散々色んなヒーローやってきたクリント・イーストウッド。そんな彼が誰でもヒーローになれるんだゼとカッコいい感じで言ってる風。そこかしこに何やら適当なシーンがある気もするんだけど、全体的には他の監督作同様>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

4.0

懐古的シャイニング。あれから20年か。ほぼ同世代だけにそんだけ時が経てば色々と衰えるってのが身をもって分かるし、どうしたって当時を思い出すから余計に嫌だねぇ。映像含めて無理矢理鞭打ってやってる感じでい>>続きを読む