けんいちさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

けんいち

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オオカミの家(2018年製作の映画)

5.0

凄かった…異常な傑作。言葉では絶対に伝えられない魔術のような映像表現の痙攣的な作品です。

一瞬も留まることなく不断に変容するルックが猛烈に不気味で最高に気持ち良い😆

観る者の視覚に挑戦し、目眩と痺
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

米ソ冷戦と原子爆弾に対する牧歌的な感覚を背景に1950年代アメリカ白人社会への憧憬をテーマにした作品。

だが、お洒落なカフェのショーケースに並べられたカラフルなスイーツのような映画。
突拍子もない物
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.3

う〜ん、坦々とした映画でした。
あとネタの割り方が雑すぎる。

それまで面白味は無いが丁寧にじっくり撮ってる印象だったのに、ネタを割るシーンがめっちゃ適当な感じでびっくりした!サスペンスを盛り上げる気
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エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

3.7

ウイリアム・フリードキンへのささやかな哀悼の想いで午前十時の映画祭にて鑑賞。

何度観ても引き込まれてしまうパワフルな作品です。
ホラーというより西部劇みたいな映画だなと観るたびに思います。「決闘の物
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ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

3.7

淡く繊細なタッチで描かれた王道のボーイミーツガール物語

これが長編第一作の女性監督作品という情報を知ってて書くのもあれですが、デビュー作っぽいなあという印象のとても初々しく瑞々しい作品です。

ある
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.6

「新しい臓器があれば次のショーで摘出できる」みたいなイカれた台詞が頻出する静かに狂った映画でした。

今年80歳のクローネンバーグ監督はもう頭部が破裂したり手足が千切れたり内臓が噴き出したりする派手な
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ブギーマン(2023年製作の映画)

3.7

評価が低いんで舐めてましたが、怖かったぁ👻😰
幼い女の子とその姉が主人公なんですが、ほのぼのしたところがほとんど無くて最初から最後までシリアスな雰囲気なのも私好みです。
デヴィッド・ダストマルチャンが
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

5.0

ファーストショットから傑作を確信し、その確信は映画が終わる瞬間まで揺らぐことはなかった。
力強い人間讃歌であり、痺れるほどロマンチックであり、死神に猶予を与えられ生き延びてしまった人々の悲痛なメロドラ
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バービー(2023年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ面白いコメディです💘
笑って泣いて良い気持ちで映画館を後にしました🙂

グレタ・ガーウィグがバービーを映画化するならメタ構造の作品になることは最初から分かりきっているので、問題はメタ的視点
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ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版(2013年製作の映画)

4.0

私にとって今年最大の衝撃作「ニンフォマニアック」ディレクターズカット完全版2部作

Vol.2を先に観てしまいその途方もなさに度肝を抜かれたのですが、やっと観ることが出来たVol.1は色情狂青春編とで
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.7

派手さは無いが緊迫感のあるジュブナイルSFスリラーで面白かった。
ただ大友克洋の「童夢」を読んでなかったらもっと物語を楽しめたと思います😅
クライマックスとか、あーこれがやりたかったのかーっていうファ
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裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

4.0

〈GAGAアカデミー賞受賞作品特集上映〉にて鑑賞。
今やIMAXカメラを持たせたら世界一と呼ばれる男ホイテ・ヴァン・ホイテマが撮影監督として国際的に評価されるきっかけともなった作品です。
彼のカメラが
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DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

3.7

8月に日本公開される「ブギーマン」の監督の過去作ということで観たんですが、期待を斜め上に越えるパワフルでお下劣な面白ホラーでした😆

半分やけくそみたいな天然の猥雑さがなんとも魅力的な作品ですが、技術
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.5

面白かった❗
これもうハリウッド版風雲!たけし城だろ!

たけし軍団がやってたようなことを膨大な制作費を懸け、世界中をロケして還暦過ぎのトム・クルーズがやるのである。正に体を張った芸です。感動しないわ
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ニンフォマニアック Vol.2 ディレクターズカット完全版(2013年製作の映画)

5.0

〈ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ〉にて鑑賞。
凄かった!歴史的怪作!

これはシャルロット・ゲンズブールの身体を借りたラース・フォン・トリアー監督の作家宣言であり、タブーなど無い!想像力
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.7

金髪の美少年が上目遣いに私を?見つめてくるポスターのビジュアルにテンプテーションされて観てきました。

丁寧に撮影された切なく美しい映画です。
是枝裕和監督の「怪物」との親和性が一部で話題になったみた
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

マイッた。これはダメだ。

死の匂い充ちた前半の空気感は惹きつけられたし、随所で見せるDIY精神は正に宮崎アニメで楽しかったです。
しかし後半はもうホントどうでもいいやって気分にさせられましたね。
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.3

ずっと気になってた作品ですが、なんだか面倒くさそうで後回しにしてました。すいません、反省します。ものすごく面白かった!

私たちの周囲は見えない壁で仕切られた階層で形成されていて、階層は主に経済格差と
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エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

3.3

〈ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ〉にて鑑賞
ユーロスペースのレイトショーで観て以来、約40年ぶりの再鑑賞でした。

かつて鈴木清順が監督したブレードランナーなどと評された作品ですが、今観
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.6

これはホラー映画なのだろうか?
少なくともスラッシャーを期待した人は困惑するのでは。
本作はウィリアム・フォークナーなどの南部ゴシックの系譜に近い作品だと思います。

つまりジャンルの要請でグロテスク
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.7

なんという大盤振舞い!
我等がインディアナ・ジョーンズ博士の最後の冒険を見届けるために集まった観客を絶対に退屈させないぞ❗という気迫に満ちた作品です。

実際、アイディアの限りを尽くした大活劇が全編に
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.8

人を選ぶ映画ですが、私は好き。
先週観た「探偵マーロウ」の何が良くなかったのか本作を観ると分かる気がします。

「探偵マーロウ」のフィリップ・マーロウがなぜ私立探偵をしているのかは分からないが本作のビ
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探偵マーロウ(2022年製作の映画)

3.6

監督ニール・ジョーダン、主演リーアム・ニーソンといえばヴェネチア国際映画祭金獅子賞の傑作「マイケル・コリンズ」のコンビですからと勝手に期待を高めていた作品です。期待以上では無かったもののまあまあ面白か>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.2

いや〜これはアッセンブル❗
めっちゃ面白かった!終映後に拍手も湧き起こって好い雰囲気でした🙂

「ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット」がやたら深刻で重苦しい雰囲気だったんで覚悟して観たんで
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.7

「アクロス・ザ・スパイダーバース」を観た者は来年絶対に「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」を観る呪いにかけられるだろう。

前後編の前編として完璧な作品!あまりに惹きの強いエンディングに呆然!何があろう
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ザ・コミットメンツ(1991年製作の映画)

4.5

[アイルランド映画祭]にて鑑賞。客席が9割近く埋まっていて嬉しかったなあ😆

私はアラン・パーカーが大好き!社会派のテーマを流麗な映像で描き出す優れた映画監督でした。
しかしこの映画はいつもの審美的で
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.4

ミーガンを女の子向けのオモチャから軍用兵器に転用したら適材適所でみんな幸せになれたかもしれませんね😂

両親を喪った孤独な少女にプレゼントされたAI人形はやがて…という導入から観客が予想する展開通りに
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.0

なんだこのざっくりした話は。雑すぎるだろ!悪い意味で昔話みたいです(←私の喩えもざっくりしてますが😅)

集団的な性的虐待を受けた女性たちが今後の身の振り方を話し合う重く今日的なテーマの作品なのに、ま
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怪物(2023年製作の映画)

3.7

力作なのに惜しい!

映画の後半に田中裕子が言う台詞に納得できない、それは違うんじゃないかと思ったが、だから嘆くなと彼女は言いたかったのかと今は思う。

安藤サクラと永山瑛太は相変わらずの上手さだが、
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.4

残念ながらこれは良くない。
強いヤツに対してより強いヤツ、さらにより強いヤツをぶつけていくという少年ジャンプ的な「強さ」のインフレ現象が二作目で早くも起こりかけています。

また「強さ」の方向性がみん
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.5

いろいろ評判の悪さを目にしていたおかげ(?で割りと楽しむ事が出来ました。

子供が足を引っ張る展開にイライラしたり、アレはどうなったの?っていう設定のユルさやギャグが滑って笑えないシーンや脚本の雑な感
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ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

4.0

〈ロバート・アルトマン傑作選〉にて鑑賞
女性の性的強迫観念をテーマにしたニューロティックなサスペンスと見せかけた不条理劇で、アルトマン監督やりたい放題の展開が面白かったです。

心理的スリラー作品にあ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.9

子供の頃は想像も出来なかったことだが、父親がどれほど孤独だったのか今なら私にも少しだけ分かる。

格安ツアーでトルコの鄙びたリゾート地にやって来た父娘。
家族での観光旅行で感じる楽しいような楽しくない
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ゴダールの決別(1993年製作の映画)

3.6

〈追悼 ジャン・リュック・ゴダール映画祭〉にて鑑賞。

相変わらず女性が魅力的でゴダールは美人を撮る天才だな。
しかしこれまで以上に抽象度の高い要するにより一層何が何だかさっぱり分からない作品でもある
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なぎさ(2021年製作の映画)

3.2

予告編を観て気になっていた作品。
初期岩井俊二作品みたいのを予想してたが少し違った。
死者の記憶に取り憑かれてしまった青年の話です。
意図的に時系列を解体して観客を混乱させる作りになっているが、それが
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.5

呆然とする衝撃作(良くも悪くも!)
映画は後半、誰も付いて来れないような展開を見せて、そして終わる😳

まずリディア・ターは男装の麗人として私たちの前に現れる。
まるで第一次世界大戦前のヨーロッパの帝
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