けんいちさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

けんいち

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食人族4Kリマスター無修正完全版(1980年製作の映画)

3.5

食人族がもっと大暴れして、聖域に土足で踏み込んでくる白人共を八つ裂きにしまくってむしゃむしゃ食べちゃう映画かと思ったら、期待したほど非道くなくて少し残念です。

ただ完全無修正なのは素晴らしいですね。
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はなればなれに(1964年製作の映画)

3.8

〈追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭〉にて鑑賞。
アンナ・カリーナが可愛いだけの映画。だがそれで充分じゃないか❗

ノンシャランな青年二人とちょっとおかしな女の子が企む犯罪計画(無計画?)は行き当
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.0

う〜ん、これは良くない藤井道人。
サスペンスもメロドラマもポリティカルもすべて焦点が定まらず中途半端な印象です。

これでは単に悪い奴と運が悪かった人の話になってしまい、悪いと分かっていても、市井の人
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.5

幕末も近い安政から文久年間。
江戸の貧乏長屋を舞台にした恋模様人情噺。
本当にもうびっくりするくらいただそれだけの話。だがそれが好い。
季節の移ろいと人の世の移ろいを静かに丁寧に描き出す作品です。
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中森明菜イースト・ライヴ インデックス 23 劇場用 4K デジタルリマスター版(2023年製作の映画)

4.0

花の82年組では小泉今日子の完成された美貌に惹かれて中森明菜は歌唱力に痺れつつも2番手という推し順位でした。

石川秀美の溌剌とした明るさも大好きだったし、数年前に音楽フェス夏の魔物に出演した早見優の
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ゴダールのマリア(1984年製作の映画)

4.5

〈追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭〉にて鑑賞
とにかく女優がみんなキレイでこんなに美人ばっかり出てくる映画は初めて観た❗(ホントは初めてじゃないかもしれないがそんな気分)
聖母マリアの処女懐胎を
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.6

娼婦と娼婦を標的にする殺人鬼と事件を追う女性ジャーナリスト。
夜の眠りを忘れた者たちが聖地でありイラン第2の大都市でもあるマシュハドで繰り広げる暗闘の物語。
夜間撮影の生々しい質感がたまらなくノワール
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.8

カワイイものは人を救う。
静かで好い映画です。

しかしカワイイもの自体は何によって救われるのか?とか観ている間ずっと一人で答えの無い議論をしてしまう映画でもありました。

時折ぬいぐるみ視点のカット
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スマイル(2022年製作の映画)

3.8

ホラー好きの間でウワサになってた作品らしいですが、いや~怖かったし面白かったー!
とにかく掴みの上手さが抜群であっという間に物語の中へ引き摺り込まれます。

邪悪な何かが連鎖していく恐怖を描く展開は「
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ダークグラス(2021年製作の映画)

3.3

これはもう古今亭志ん生師匠みたいなホラー映画です。
高座で寝てしまい、前座が起こそうとしたら客が「いいから寝かしといてやんな」と言ったという志ん生師匠の有名な逸話のように、私たちも鷹揚に構えてこのジャ
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.6

なかなか評判の悪い作品ですが😅私は割と好きです。

とにかく観ている間は退屈しなかった!この一点で私はこの映画を評価します(評価のハードル低うぅと我ながら思うけど😂)

猛烈に引きの強い展開で最後まで
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

とてもメランコリックな気持ちになる映画で、何故わざわざお金を払ってこんな悲しい気分にならなきゃいけないのかと考えながらも、スクリーンから目を逸らすことが出来なかった。
中年男の悲惨と救済をダーレン・ア
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

今更ですが観ました。なんだこれ!傑作にも程があるだろ!
井上雄彦の才能が鋼鉄の塊になって顔面をぶん殴ってくるような途方もない衝撃作でした。

今日は休日のファーストデイだったので、この後に2本映画を観
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.4

頑張ってはいるが微妙な出来の映画。
しかし頑張りは伝わって来るので嫌いになれない作品です。

撮影当時23歳のイザベル・ファーマンが10歳の女の子を演じる仕掛けについては、色んな工夫をしてはいるが必要
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

3.4

地球に落ちてきた男であり世界を売った男でもあるデヴィッド・ボウイはポップカルチャーそのものになろうとした人でもあります。

この映画の作り手は自在にジャンルを横断するボウイのレンジを捉えきれなかった印
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コンペティション(2021年製作の映画)

3.9

映画と映画制作を巡る秀作が相次いで日本公開されているが、また一つ映画制作の裏側を主題に面白映画が公開された!

「バビロン」や「フェイブルマンズ」に無くて本作「コンペティション」にあるのは悪意だと思い
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.3

結局のところ庵野秀明はエヴァンゲリオンさえ観ておけばいいんじゃない?って気持ちになってしまう映画です。

これからファンの皆さんが本作と過去の庵野作品やオリジナルライダーとの関連について考察する言葉が
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.8

青春というのはズルい。
どれほどささやかで何気なくて平凡で当たり前のものでも、それが青春というだけで貴重でまぶしいモノに思えてしまう。あるいは何気なく平凡で当たり前だから貴重でまぶしく感じるのかもしれ
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バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

3.5

まるで北野武が監督した「ワイルド・スピード」みたいなカルトでchillなカーアクションムービー。

静かにヒリつく空気感、アンチクライマックスな物語構成、主人公の前に現れては去っていく優しくて虚無的な
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

死ぬほど面白かった😇トンデモナイものを観せられてしまった!
全てのルールを書き換えるゲームチェンジャー級の傑作です❗

57歳のオッサンである私の厨二病魂を熱く燃え上がらせる怒涛の遊び心とウソ科学とナ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.6

映画に魅せられ、映画作りに魅入られた少年の青春物語。
少年を映画作りに導き、インスピレーションの源となった母親との関係を中心に家族の交流を描く作品です。

スピルバーグの自伝的作品という触れ込みさえ無
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.8

一言で言えばオリヴィア・コールマン劇場❗

海岸線が延びるイギリスの穏やかで美しい地方都市。そこに佇む映画館エンパイア劇場を舞台に展開するシックで大人の映画です。

柔らかな陽光と夜の深い闇。趣きのあ
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

いや~面白かった😆
毒気の強いブラックコメディの傑作です。

今年は「バビロン」とか本作とか白人女性がゲロ吐く映画がキテますね😅
ゲロとウ○チが理由で「バビロン」がダメだった方はこの作品はまったく受け
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呪餐 悪魔の奴隷(2022年製作の映画)

3.4

ほどほどに怖かったです🙂

去年話題になった所謂アジアンホラーの作品と較べると本作はアメリカ映画の影響を隠してないというか、A24ホラーやジェームズワン作品ぽいのをウチらもやってみた感が強いと思います
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.2

ポール·ヴァーホーヴェン監督の剛腕が冴え渡るエログロ宗教劇。
神の奇跡を徹底的に愚弄しながら映画の奇跡を信じさせてくれる快作です!

黒死病が猖獗を極める17世紀イタリアに現れた、キリストと交感し聖痕
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.8

遠い宇宙や深海の底がそうであるように、他者の心の奥もまた未踏の領域です。

愛してしまった人の胸の内を知りたくて必死に目を凝らしても、深い謎だけを残して人は去っていく。
罪を共有してしまった(或いは共
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雪之丞変化(1963年製作の映画)

4.0

〈大映4K映画祭〉にて鑑賞
何度観ても面白い変調娯楽時代劇!
古色蒼然とした復讐譚を軽妙洒脱な語り口でブラッシュアップした快作です。

オフビートな演出は時に前衛の領域にまで踏み込んでますが、豪華な役
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バビロン(2021年製作の映画)

4.5

デイミアン・チャゼル監督が遂に傑作をものにした。
特に前半の疾走感は素晴らしくてワクワクが止まらなかった🤩
後半も失速することなく188分を駆け抜ける。確かに長尺ですが私には時間的な長さより作品に込め
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ブレーキ・ダウン(1997年製作の映画)

4.0

1997年制作のアメリカの田舎は怖い系アクションスリラー。
もうめちゃくちゃ面白かった❗

乱暴者だらけのヒッチコック作品というか、スピルバーグの「激突!」に人間臭さをいろいろ加えたような作品で中盤以
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.5

全篇に散りばめられた象徴的な意匠のおかげで退屈することなく興味深く観ることが出来たのですが、面白いかと聞かれると「分からない」としか言いようがない。

二人の男が不毛な諍いを延々と続ける話で、二人はそ
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しとやかな獣(1962年製作の映画)

3.7

〈大映4K映画祭〉にて鑑賞
ポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」を観たとき、これ川島雄三じゃないかと思ったんですが本作なんかまさにそうですね。

人の金を掠り取って生活する4人家族の生態を微細
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.3

う〜んめっちゃ好き ❤️
幻視する映画監督ロバート・エガースによるとんでもない厨二病映画(だがそれがいい!😍)

叔父に父王を殺され母を奪われた王子アムレートが艱難辛苦の果てに憎き仇敵の元へ向かうとい
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

アメリカ映画を観たなあ!という気持ちに浸れる、とても好い映画です。

例え社会がどれほど複雑化して正義の意味が曖昧になっても、個人の欲望を満たすために自らの大きな権力を私的に流用する者が正義であるはず
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怪談雪女郎(1968年製作の映画)

3.4

〈Road to the Masterpieces 〉にて鑑賞

雪女伝説を題材にした怪談映画で、雪の舞い散る幻想的な雪原の景色や凍り付く室内などのセット美術の完成度は流石に見事ですし藤村志保の硬質な
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離ればなれになっても(2020年製作の映画)

4.0

年末にポスターを見かけて気になっていた作品。
瑞々しくて可笑しくてほろ苦い人間ドラマの好編です。面白かった!

1982年、3人の少年と一人の少女が出会い親友になる。彼らは16歳で私と完全に同世代です
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恋のいばら(2023年製作の映画)

4.0

これは面白かった❗
捻ったシスターフッドのコメディ風にちょいサスペンス入りで軽いタッチの復讐劇と見せかけて実は…という作品。

リアルリカちゃん人形のような玉城ティナと生活感あふれる松本穂香を見比べて
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