paraさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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蟻の王(2022年製作の映画)

3.9

蟻の生態系に理想を見ていた男。

1960年代末のイタリア。
教え子との同性愛の関係を教唆罪として裁かれたブラアバンティ事件をもとにした作品。
普通とは違うというだけで偏見に満ちた奇異な目で見られて
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.7

モノクローム、スタンダードサイズ。
しかも昔の邦画と同じ形式で縦書きでの配役、主だったスタッフ、監督の名前が流れて始まるため、
綺麗な画面だけど、どこか古い邦画を観ているような感覚。

青春もので描く
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ウイークエンド(1967年製作の映画)

4.2

精神的、肉体的な自由と暴力。
夢うつつな毒気を孕んだ不条理劇。

第三世界や文明社会、階級等に対するゴダールの主義主張もお腹いっぱいになる程浴びるし、とにかく映画の暴力が凄まじい。

他者の命をなんと
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はなればなれに(1964年製作の映画)

4.0

終わり方が捻りが効いていてゴダールだし、アンナ・カリーナがとにかく可愛い。
ミシェル・ルグランの音楽とダンスシーンは本当に素敵。
音楽のオンオフもゴダール。

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

4.0

終始画面から伝わるヒリヒリとした緊迫感と重苦しい空気、そしてオルガの怒りと痛み。

彼女が望んだ第二のオルガを生まないための決断に、悲しいかな今も繰り返される同様な事件に心が重たくなる。

実在したチ
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

3.8

現代の理想郷。

ニコラ・ファリベール監督舞台挨拶付き。

レビューとは言えない感想文のため、書き換えるかも。
パリ セーヌ川に浮かぶ精神疾患のある人々用のデイケアセンターを舞台とするドキュメンタリー
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

3.9

5月には一部劇場でもレトロスペクティブ企画が予定されているウェス・アンダーソン監督特別上映。

絵本の中から飛び出したような色彩、形。
オシャレな画面とやはり絵本の世界観の物語。

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

-

愛と日常を淡々と描くフランス映画。
原題の方がしっくりくる。

社会人経験ほぼなしなのに、夫が家を出てしまい(離婚)養育費も貰えずな中年シングルマザーと子供たちの成長譚。

ミッテラン大統領誕生に沸い
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独裁者たちのとき(2022年製作の映画)

-

AIやディープフェイクは使用せず、アーカイブ映像で作り上げたと冒頭に出る。

第二次世界大戦中の政治家(スターリン、ヒットラー、ムッソリーニ、チャーチル)が黄泉の世界で審判を待つ。(キリストもいる)
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ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

-

80年代MTVのような雰囲気のフレンチミュージカル。
フランスだけにもちろんテーマは愛、恋、愛。
カラフルでポップな作りで、アケルマン監督作品の中では異質な感じを受ける。
退屈はしないものの全体的に少
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.9

*NSYNCのBye,Bye,Byeが爆音で流れるオープニングが痺れる。
街角の看板にはMake America Great Againとトランプの選挙キャンペーンの言葉が踊る、アメリカ南部のホワイ
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

4.0

官能とは想像。
思わずそんなことを考えてしまうほど、
見せないに徹した至高のエロティシズム。
脚だけ、手だけのショットが実に艶めかしい。
また、人物の鏡越しがばっちりときまっていて溜息出てしまう。
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すべてが許される(2006年製作の映画)

4.0

家族との離別や繋がりの苦しみは時ぐすり
でしか癒されない…
父、母、娘、立場の違いから生まれるそれぞれの苦悩。

人生の苦さに触れて、持って行き場のない複雑な気持ちが宙に漂うような切なく儚い余韻。
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マリウポリ 7日間の記録(2022年製作の映画)

-

リトアニア人の監督がロシアによるウクライナ侵攻後の2022年3月マリウポリに入り市民の姿をとらえた記録映像。

監督が撮影中に親ロシア派に拘束・殺害されて、スタッフにより作品として完成したことを知った
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一晩中(1982年製作の映画)

-

様々なカップルが夜を生きる。

恋する人々 in Paris

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.9

実話に着想を得たというところが恐怖。
そして1番背筋が凍るのはラスト……

何が恐怖って聖地(世間)では浄化という魔の言葉より性別問わず正当化されるだけでなく英雄扱いされてしまうことで
第2、第3のサ
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幻滅(2021年製作の映画)

3.8

魑魅魍魎蠢く都会のパリ。
野心あり過ぎて虚栄に満ちた日々に己とまことを見失い、嘘と野望に魂を売り払った末に足元掬われ手痛いしっぺ返しを喰らう若き詩人。

若さゆえの性急さ、そこにつけ込む悪意ある罠と裏
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パリタクシー(2022年製作の映画)

4.0

世界ふれあい街歩きパリ編みたいな素敵な映像(夜のパリが特に美しい)を背景に
これまでの人生の道のりと、痛みを知るからこその寛容さに、観ているこちらまでもが肩の力が抜けて生きるのが楽になる、そんな人生の
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故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

-

アケルマン監督がNYに住んでいた頃に、1970年代のNYの地下鉄車内、TIMES SQなどの駅ホーム、10番街などの通りを車で移動等による、NYという街を撮影した映像を背景に母親から送られた手紙の数々>>続きを読む

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

-

併映短編

荒削りな勢いに学生映画みたいだなと思ったら映画学校卒業制作で、アケルマン監督の処女作。

ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

-

ジョージアの御伽噺。
ジョージアタイムとも言うべきなのかとても不思議なまったりとした時間が流れる。
最初こそなんだこれ?な感じがするもの徐々に慣れてくるから凄い。
恐らく、地政学的リスクによる様々な過
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薔薇の名前(1986年製作の映画)

3.9

12ヶ月のシネマリレー
スタンプのために久々の鑑賞。
中世北イタリアの修道院が舞台のミステリー。

師弟コンビ組む、色気ダダ漏れカッコ良いショーン・コネリーと初々しいクリスチャン・スレーターが良き。
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東から(1993年製作の映画)

-

窓から差し込む明るい陽光、何処からか流れてくる♪風に吹かれての冒頭から想像もつかない東側の時間。
後半はロシア語が見え聞こえたのでロシア語圏の国で終わる。

ソビエト崩壊後にアケルマン監督が東側の時
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

人は誰かを救うことはできない。真実だと思う。
しかし、誰かを救うことが出来るのも真実。

家族間の容赦ない言葉の応酬も含め、真理を研ぎ澄ました剣で振り翳したような作品。

人生の最期に読みたい、聴きた
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AIR/エア(2023年製作の映画)

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いけいけドンドンU.S.A. な作品。
(エアジョーダン誕生物語)

1986年舞台で80'sヒットナンバー(タイトルや歌詞と場面がリンクするような曲)をガンガンに流す、ある意味音楽映画。
(Mone
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YMO PROPAGANDA(1984年製作の映画)

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レビューではなく、教授への追悼ファンレター。

教授監修のプレミアムシアター柿落とし楽しみにしています。

2022.12.11 ラストライブ
奇跡的にチケット取れて、
まさに魂の音、素晴らしかった
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GOLDFISH(2023年製作の映画)

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亜無亜危異をモチーフにした亜無亜危異ギタリスト監督作品。

シネマートSCREEN1 の爆音で音楽は最高に良かった!
セリフの音量調整がイマイチなのは新人監督ご愛嬌。


永瀬正敏も渋かったけど、なん
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.7

スタンダードサイズで始まり、昔の映画のようなオープニングクレジット。
古き良き英国の香りがプンプンに漂い、
最後はシネスコだったけれどしっかりTHE ENDで結ぶ格調高き作品。

生きること、とはなん
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

-

アフリカからベルギーへ、仲介業者というから密入国したロキタ。(トリは特殊な事情がありビザが下りている模様)

当然まともに働ける訳もなく、闇の仕事をするしかないのだが、、、
子どもゆえの無鉄砲さが危う
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青春弑恋/テロライザーズ(2021年製作の映画)

3.9

ノクターンと生活音の出し入れなどサウンドデザイン良かったし好みのアジアな世界観。

キラキラ青春ものかと思いきや、表からは見えない心の闇を抱えもがき生きる若者たちのサスペンスフル群像劇。
冒頭見た景色
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.8

This movie of the ニコケイ、by the ニコケイ, for the ニコケイ😆
ニコケイはニコケイの役なので、本当に
ニコケイによる、ニコケイのための、ニコケイのコメディ映画。
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歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)

3.9

忙しい、時間がないことが何かを成し遂げるに直結することがないある意味無為な忙しさ。

側から見てどう思うかよりも、本人が良ければそれでよし。
シュールな結末に唖然とするもの、それが人生。

トビリシ観
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コンペティション(2021年製作の映画)

3.8

軽妙洒脱。
可笑しさと皮肉がギュウギュウに詰まった中で
メイン3人の演技合戦が魅せる魅せる。特にアントニオ・バンデラスが素晴らしかった。

リハーサル場所のロケーション(建築物含め)が素晴らしく、音の
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赦し(2022年製作の映画)

-

テーマ、目の付け所は素晴らしいけれど、、、



学芸会レベルになってしまったのはもったいないなあ。
予算の関係だろうけれど、鑑賞中もその後も誰が演じたら適役かずっと考えてしまった。
ポスターからと前
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メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

3.6

ルコント監督による著名推理小説の映画化。
非常にオーソドックスなミステリーで、地味だけど良作。
テレビドラマ『名探偵ポワロ』シリーズ好きな人は気にいると思う。
派手な仕掛けやアクションなどもないためエ
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郊外の鳥たち(2018年製作の映画)

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安全性無視、環境破壊無視の結論ありきの強引な都市開発をめぐる話、ではなくそんな場所で人の想いが交差する話?

夜の帷が降りた中の大きな木の場面、など夜のシーンの映像の美しさは惹かれるも、、
恐らくホン
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