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不幸が重なりあい、堕ちるところまで落ちてしまった人間の末路がおどろおどろしく描かれている。
江戸川乱歩の原作に忠実に、不気味さが前面に出ている。誰ひとり幸せになれない「やるせなさ」があたり構わず漂う「>>続きを読む
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成瀬らしくないと言えばそうだし、これが成瀬であると言えばそうだとも言える。誰(自分自身)も愛することのできなかった司葉子が悲しい。あらためて思ったが、この監督は役者の内面を表情だけで切り取ってしまうの>>続きを読む
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ここで描かれているのは「わからない」という感情であり、真実であるのだろう。死者との対話は何も思い出話を語ろうとして希望しているのではなく、人生を進めていくために何より必要であるために、霊能者の助けを借>>続きを読む
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傑作。
2時間25分が全く長くない。
編集の妙なのだろうか、てんこ盛りでありながら収斂していく手際の良さ。
ピーターという名のつく俳優には注意が必要であることをあらためて思い出させてくれた。
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邦題はとりあえず横に置いておこう。
奇妙な清潔感と高揚を喚起する良作。
ラストの三姉妹の歌声に心洗われない者はいないはず。
ドロドロの手前で回収する演出はやはり才能。
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「ノマドランド」よりもピンときました。
アメリカの現実が理解できたとは簡単には言えませんが、同時代としての「アメリカ」には触れた気がします。
図らずも明らかになった真実は誰も救わないのか否かの疑問は、>>続きを読む
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この手の役割を担わせれば、レッドフォードの右に出るものはいないという程のはまり役であり、役者ぶり。
規律が誇りの前で崩れ落ちる様を存分に見届けることができる作品。
コンプライアンスは糞食らえとは言わな>>続きを読む
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真実は人間には決してわからない。
そのことがある連続殺人事件を通して描かれています。
人間の知り得ることは、たかだか些細なことにすぎない。
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「戦争映画」にある種の「重さ」を求めること自体がフィルムを直視していることにならないことをこの映画は控えめに語っている。
配役が合うとか合わないとかの評論が散見されるが、見当違いの意見と言っていいだろ>>続きを読む
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2022年は始まったばかりだが、今年の一番かもしれない。
押し付けがましくないのに、心に火が灯る映画は稀有だ、現代において。
女が叫び、男が血を流すフィルムばかりで食傷気味のあなたにとってのオアシスに>>続きを読む
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ここにあるのは、選択肢のある幸福である。
多くの場合、選択は宙吊りにされるか、一本道のいずれでしかない。
それにしても、演出はビジュアル化がことの他お好きなようだ。
プロフェッサーフーコーもいれば、>>続きを読む
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この物語の主題は「地獄の黙示録」と同様に「王位の継承」である。
その意味において、牧場主の兄は「自殺」したのだ。
ラビット(臆病であり慎重)の心を持つ虎(男性中心主義者)である男が不用意に他人が用意し>>続きを読む
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生きずらさの映画。
人の生は何百年も前から何も変わっていない。
ただファッション(流行)が違うだけ。
彼(主人公)は決して幽霊ではない。もうしもそうであるのならば、そこにある「覚悟」は無意味と帰するか>>続きを読む
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原節子の異常な美しさ。
華の権化である。
「人でなし」という言葉が森雅之ほど似合う役者は存在しない。
ビスコンティの作品に出てほしかった。
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最善を尽くすということがいかに困難であるのかがこの作品を見れば嫌というほどわかる。
「嫌というほど」という形容詞が最もお似合いなのが「現実」というワードである。「現実」をおちょくるのがハリウッドは本当>>続きを読む
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衝撃のラスト。
これしかないという結末のつけかたである。
邪魔な音楽が一切流れていないのが素晴らしい。
かつてあった日本。
貧困は今でもあると人は言うが、地這うような、血吐くような「貧しさ」はどこにも>>続きを読む
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おそらく映画にはこの程度の「尺」が不可欠であり、不可避なのであろう。
長いとか短とかではなく、ある程度の時間の流れが鑑賞者には必要なのである。ウエスタンホラーというジャンルがあるかどうかは知らないが、>>続きを読む
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冒頭近くの故郷を後にして家族と別れる少女のシーンはこれでもかとユーモアがダダ漏れる。牛の表情の素晴らしさはどうだ。
それにしても乙羽信子のキュートさは今更ながらに目をさらう。
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主役級がハマれば、その作品は成功をほぼ約束される。
弟子が師匠から受け取るもの、それは生き様。
リスペクトが根底にある物語は人の心の底に火を灯す。
演出のキレが素晴らしい。
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ここで描かれているのは紛れもなく現代史である。
何かを実現するためには、生命はいとも簡単に投げ出されなければならない。そこでは、もはや善悪は容易にそして決して素顔を晒すことはないのだろう。
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頭を空っぽにし、フィルムの流れに身を任すことのできる娯楽作品。
字幕でも吹き替えでも両方いける。
妙などんでん返しもなく、血の報復も皆無。
ストレスフルな毎日において、見終わって「ああ面白かった」は本>>続きを読む