チッコーネさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

チッコーネ

チッコーネ

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頑張れ!グムスン(2002年製作の映画)

3.2

2000年代前半の韓国映画で、ドタバタコメディ。
同時代のKホラーと違い、よそゆき顔なところは一切なくて、等身大のコリアンライフが戯画化されている。
加えてペ・ドゥナは夫に媚びず隷属もしないヒロイン像
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英雄都市(2018年製作の映画)

4.0

『犯罪都市』のカン・ユンソン監督作。
選挙を犯罪劇に仕立てる不謹慎なエンタメだが、サービス精神もたっぷりに練り上げられた脚本なので、憎めない。
主人公は暴力を自らに禁じた元ヤクザ、ゆえにアクション場面
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ディアスキン 鹿革の殺人鬼(2019年製作の映画)

3.5

真面目な役を演じていたらかなりダンディな主演のジャン・デュジャルダンのお陰で、意外に楽しく観進められる。
脚本はシュールで荒唐無稽、暴走する主人公の数日間を追う。
深読みする気も起きないが、無能なクセ
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グロリアの青春(2013年製作の映画)

3.5

熟年女性をヒロインに据えた映画ゆえ、さまざまな設定が味わい深く、新鮮に観える。
たくさんのカットが積み重ねられており、チリの政情からライフスタイルに至るまでの豊富な情報も伝わってきた。
情熱のこもった
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香港人肉厨房(1992年製作の映画)

3.5

恐らく日本国内でのソフト化が前後したせいで、『人肉饅頭』を彷彿とさせる邦題が付いたのだろうが、原題は『ドクター・ラム』。
前年に『Silence of Lamb』が公開されているので無理矢理なパクリな
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バニシング:未解決事件(2022年製作の映画)

3.0

韓国とフランスのコラボ作品で、監督とヒロインはフランス人、ロケ地は韓国。
脚本内に中国系マフィアの暗躍も絡んだ、臓器売買をめぐる刺激的なサスペンス。
ランニングタイムが短いので、編集もスピーディだった
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君といつまでも(1995年製作の映画)

2.7

ミレニアム前後のクラブで「薬を混入させた酒を飲ませ、女をかどわす」という事件は、少なからずあった(当時の私の知人は、同様の被害に遭っている)。
しかし本作、ハードなサスペンスというわけではない。
ひと
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カサンドロ リング上のドラァグクイーン(2023年製作の映画)

3.0

ルチャリブレのゲイレスラーについて殆ど知らなかったのだが、80年代末にデビューしUWAで活躍、人気者となりチャンピオンベルトさえ巻いた偉大な『カサンドロ』の、伝記映画(本人は現在休業中だが、まだ50代>>続きを読む

スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班(2017年製作の映画)

3.2

「お~、近年作でもこのテの韓国サスペンスはまだまだ健在なのだな」と嬉しくなった。
常軌を逸した所業を権力でもみ消そうとする悪 VS 正義(内部に裏切りあり)という脚本で、「苦い着地からもうひと山」とい
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スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火(1989年製作の映画)

3.0

「人体発火」という突飛な題材に、核や兵器開発への批判が振りかけられたSFホラー。
冒頭シークエンスに登場するカップルのスタイリングは、思い切り50's。
善良そうだが頭が悪そうでもある2人が惨劇に遭う
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事件記者(1959年製作の映画)

2.7

東映に『警視庁物語』シリーズがあれば日活には『事件記者』シリーズあり(ほかに『機動捜査班』シリーズも)。
もともとNHKのテレビドラマだった企画を受け継いだようで、ランニングタイムが短い。
しかし内容
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スキン・コレクター(2017年製作の映画)

3.7

ドイツ×カナダの珍しいコラボ作。
さほど期待せず観始めたのだが、ルッキズムの呪縛から逃れられない女の業がずっしり盛り込まれた、幻想的な語り口の医療ホラーで、『絶体の愛』や『ヘルター・スケルター』とは似
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公共の敵(2002年製作の映画)

3.7

後年に繋がる韓国サスペンスのエポック・メイキング作品は『殺人の追憶』かなぁと思っていたのだが、その1年前に本作があったことに驚かされる。
監督作は史実ベースの『シルミド』しか観ておらず、イム・グウォン
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警視庁物語 聞き込み(1960年製作の映画)

2.7

ランニングタイムは短いが、冒頭の警視庁本部庁舎入口を捉えたロングショット、転じて床→天井に設えたカメラで内部を見せる撮影は映画らしく重厚。
また山村總からこまどり姉妹までをチョイ役で贅沢に使っているほ
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リアル・フィクション(2000年製作の映画)

2.7

監督の初期作、「社会的弱者の現実逃避的な白日夢」といった態で作り込みも緩く、思いつきで撮ったような内容だが、実際の撮影も半日程度で終わらせたらしい。
しかし全体を振り返ると、何となく「復讐もの」の態で
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顔のない悪魔(1958年製作の映画)

3.5

「マーシャル・トンプソンの出ている映画、ないかしらん」という単純な理由で行き当たったが、彼がイギリスに招かれて撮った作品で、舞台はカナダという設定。
英ホラークラシックであり、ハマーの向こうを張ったア
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悪魔の追跡(1975年製作の映画)

2.7

ロケ中心のロードムービー。
アメリカン・ニューシネマの趣は強く、カルトの絡むサスペンスを演出するには、どうも画面が地味。
そもそも儀式の行われる場所が整然と開けすぎていて、どう見ても人の手が入っている
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スイッチ 人生最高の贈り物(2023年製作の映画)

3.0

普段は絶対観ない類のファンタジック・コメディで、しかも家族愛推し(しかしパニックやホラーに付加されたお涙頂戴ではないため、意外にサラッと流せる)。
ハリウッドだかどこだか知らんが、元ネタもわからないた
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曖昧な週末(1999年製作の映画)

3.0

アラン・マックの初期作で、ウォン・カーウァイ以降の香港ネオ青春映画な趣漂う。
とは言え撮影/脚本/演出ともに、伝統的な香港映画から地続く庶民感覚を多分に残し、馬鹿馬鹿しくも直截なユーモアを交えつつ、眠
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香港怪奇物語 歪んだ三つの空間(2021年製作の映画)

2.5

企画全体に独自の魅力があるかしらと勝手に期待したのだが、さにあらず。
世界中で量産されている、単なるオムニバス・ホラー。
しかし香港(中国)ではすでにシリーズ化され、人気を博しているらしい。

■『暗
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1942奇談(2007年製作の映画)

3.7

それほど期待していなかったのだが、意外な見応えあり。
大戦中の病院内で発生する不可解な現象を、群像劇で見せる展開はバラエティに富み、編集もトリッキー。
ゆったりとしたリズムも独特だ。
日本統治下の時代
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インターセプション 盗聴戦(2014年製作の映画)

3.2

とにかくキャストが豪華で、お正月に観れば良かったと思うほど。
盗聴シリーズに出演済みのラウ・チンワン、ルイス・クー、ダニエル・ウーをはじめ、アレックス・フォンにラム・カートン、大陸からジョウ・シュンと
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クリムゾン・リバー(2000年製作の映画)

3.2

仏産、猟奇の香り漂う大作サスペンス。
アクション場面もあるがどこかコメディ調で、メインキャラが暴力的というわけではない。
ジャンレノ/カッセルの描写は丁寧、二陣営の繋がる過程が面白い。

人里離れた雪
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トラブル・ウィズ・ユー(2018年製作の映画)

3.5

全体的に軽くシュールなコメディ調だが、メインキャラのシリアスでシビアな関係だけは最後までキープ。
特筆すべきはメロドラマに流れない脚本で、雑多ながら腰の座った演出力がユニークだった。
母から息子への寝
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ポイントブランク 標的にされた男(2014年製作の映画)

3.0

冒頭に『Gaumont』と出てきたから、フランスが出資しているのかと思いきや、フランス作品のリメイク。
アクション多めの巻き込まれ型のサスペンスで、序盤から手足を駆使した戦闘能力を行使するリュ・スンリ
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殺意の誓約(2016年製作の映画)

3.5

メロドラマティックで性質の悪い不良娘が、ファム・ファタールとして機能しているサスペンス。
ユーモアはなく、ひたすら暗い緊迫に満ちた展開。
正義を振りかざさぬエンディングが良かった。

眼鏡に映る手術モ
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偽証(1947年製作の映画)

3.5

ノワールを得意とした監督の作品。
居室セットに在る役者をバストアップで、一台のカメラで捉えた場面などはちょっと安っぽいのだが、性格異常を嵩じさせる悪役を暗がりで撮る際は、まるで「尾の生えた悪魔のような
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湿地(2006年製作の映画)

3.5

配信時代を迎え、アイスランドの作品を気軽に観れるようになったのがうれしい。
私が個人的に長らく観たいと思っているビクトリア・アブリル主演の『101 Reykjavik』は、本作監督のデビュー作だったと
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スウィンダラーズ(2017年製作の映画)

3.5

2010年代後半の作品ながら、過去10年の韓国サスペンスの流れを汲む作品。
ヒョンビンとユ・ジテのふたりを主軸に、人気役者たちが脇を固めているが、類似作品に見られる「軽いコメディ演出」は控え目。
復讐
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

3.5

大陸の生んだ世界的大女優、コン・リーと、中国共産党に目を付けられながらもコンスタントに映画を撮り続けてきたロウ・イエの、胸ときめくコラボ。
現場では常時5~6台のカメラが動いていたというだけあり、非常
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ディメンシャ13(1963年製作の映画)

3.0

ランニングタイムは短いが、鑑賞後に反芻したくなる重層脚本。
疑惑渦巻く人物が、バトンリレーを展開。
モノクロ画面は特に夜の屋外撮影で冴え渡り、古城を舞台にしたノワールか、ヒッチコックのサイコホラーのよ
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怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

4.0

クリチャー系ホラーなのだが、それ以上に全編に貫かれた「弱者を玩具に、食い物にする社会」への皮肉・批判が印象的。
演出は終始ハードボイルド、いじめ描写は陰惨で忖度なし。
初志貫徹のバッドエンドも潔かった
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感染家族(2018年製作の映画)

1.5

『新感染シリーズ』のゾンビホラー、『コクソン』などの片田舎ホラーを掛け合わせたようなシチュエーション。
演出はコメディだが、確信犯の二番煎じなら、もっともっと皮肉が欲しい。
しかも大作並みに大衆に媚び
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墓地裏の家(1981年製作の映画)

2.5

凡百ホラー映画の中でも、鮮血/グロ描写に一歩踏み込んだこだわりを感じるのは確か、特に本作では、個性が無駄なく表出している。
ご自慢はかなり自然に血糊が噴出する、首元の薄い特殊メイクだろう。
ただ個人的
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.0

1930年代が舞台とあって、監督印の明るく静謐で美しい画面は後退、ややくすんだフィルム調が印象的。
継父の職場では、アールデコな美術も登場。
リッチになったヒロインたちの出で立ち、そしてコクーンコート
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