れんさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

れん

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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.9

突然変異したウィルスにより剥き出しになる人々の欲望。スクリーンが血でまみれるほどの過激でエクストリームな突き抜けた残酷描写のつるべ打ち。漆黒の目、強烈なビジュアルは脳にこびりつくインパクト。電車の中で>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

プロットはシンプルで王道、かつジョーダン・ピール監督作の中ではかなりストレートな作品で良い意味で裏切られる。ストレートな面白さの中にも不思議さ不気味さ歪さ意味不明さ、何かしらの引っ掛かりも内包し、しっ>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

祈りの先には絶望しかなかった。タイの祈祷師に迫るモキュメンタリー。モキュメンタリーにしては突然のカットバックがあったり劇映画っぽさが強い。クオリティの高い映像の質感、ジメッとした湿度の高いロケーション>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.6

見返りを求める男と恩を仇で返す女。人間の負の感情をビンビンに描き、炙り出す吉田恵輔監督。人間の滑稽さ、儚さ、切なさ、うざくてずるくてかっこ悪い生き方しかできない人だらけでもとても人間らしく温かみを帯び>>続きを読む

13人の命(2022年製作の映画)

4.0

2018年にタイで起きたタムルアン洞窟遭難事故を題材にした作品。ニュースでも取り上げられ記憶にも新しい事故の結末は奇跡的に全員無事で救出された。とてつもなく過酷な救出劇を救出する側を主として救出される>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.7

冒頭から嫌な緊張感が続く脅威の90分ワンショット。客からのクレーム、プライベート、人間関係のいざこざ、様々な度重なるトラブルの応酬にあれよあれよと徐々に充満していく負の香り。精神的に疲労し追い詰められ>>続きを読む

ニューオーダー(2020年製作の映画)

4.1

全編に渡り暴力性、おぞましさ、恐怖に満ち満ちた地獄が映し出される。突如として日常から非日常へと叩き落とされる恐ろしさ。直接的には見せないグロテスクな暴力描写が恐怖心を煽る。映画が必ずしもフィクションで>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.8

様々な種類の信仰心、良くも悪くも人間の信じる力の底知れなさ、可能性を強く感じる。宇野祥平の最高で最低な気持ち悪さ、北村優衣の溢れ出る艶っぽさ美しさ、磯村勇斗の攻めたカオスな演技。孤島のプログラムで解放>>続きを読む

プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)

4.4

狩るか狩られるか。丁寧に積み上げられていくアクションや所作が美しくかっこいい。今作は筋肉隆々とした1作目とは雰囲気を変え、大自然の中で生きているコマンチ族の生活を映し、シャープで詩的な雰囲気を持たせて>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

5.0

生き辛さを抱えながら悩み、自分自身の居場所、アイデンティティを見つけ、確立していく。本当の自分を隠し、自分のことを家族や他人に話す恐ろしさ。想像を絶する過酷な状況でも生き続ける。もう自分に嘘をつきたく>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

5.0

言語化するのが難しいくらいに素晴らしい。世界に話しかけるあみ子の純粋無垢な対話、問いかけ。スクリーンから否が応でも溢れ出る強い生命力。大人になった私たちが失くしてしまった感覚をあみ子は敏感に素直な感覚>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

5.0

多くの可能性の中で定まらないながらも選択し、確立していく人生。悩みながらも奔放なままに生きる、素直で正直な人達で溢れていた。残酷な人生の有限性に気づいているからこそ、何者にもなりきれない歯がゆさが焦り>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

映画館で味わう大迫力の恐竜たち。ジュラシックシリーズの完結編とあって旧シリーズとの合流やオマージュが至るところに見られた。前作のラストから文字通りジュラシックワールドとなった世界。シリーズ通して今作で>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

4.0

ライアン・ゴズリング×クリス・エヴァンスが街を半壊させるほどド派手に暴れまくるめちゃくちゃな景気の良さ。ルッソ兄弟が監督ということで硬派なアクション映画ではあるけど、トリッキーな疾走感溢れるドローンシ>>続きを読む

ミニオンズ フィーバー(2022年製作の映画)

3.8

ミニオンズ版カンフーハッスル。相変わらずの突き抜けた悪趣味的な部分も顔を見せるスラップスティックコメディで楽しい。可愛いミニオンたちの愛くるしいコミュニケーション表現に笑顔になり癒される。そして幼きグ>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.8

2人が、青春が、映画が走り出す最高の爽やかな高揚感。個人的な出来事が普遍的に語られながら特別な日常としても溢れ、繰り返し続いていく。なんとも愛おしく滑稽で繊細で大胆で素敵な日常の羅列がこれでもかと詰め>>続きを読む

キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

3.4

とても丁寧に分かりやすく描かれた娯楽大作。迫力のあるアクションシーンが全編に渡って繰り広げられ、かなりスケールアップして見応えがある。役者陣の役作りもなかなかの熱量。特にやはり清野菜名の佇まいと声が素>>続きを読む

呪詛(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

参加を促してくる参加型ホラー。映画内から我々外側へと波及するだいぶタチの悪い構成。禁忌を犯し呪われる。どうしようもなく太刀打ちできない呪いの恐怖はあらゆる方向に向けられる。非常に悪趣味な仕掛けに良い意>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

老いることへの恐怖、性欲と暴力の密接な関係、夢を追いかけることと夢が無惨にも打ち砕かれる絶望。最高齢の殺人鬼夫婦のエクストリームな惨殺描写が目を引きながらも、人間の根源的、生への執着を生々しくも儚いニ>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

愛に癒され、愛で打ち勝つ。ソー・オーディンソンの心の傷や喪失を癒す旅。ギャグシーン多めでポップさを強め、カラフルに彩られた世界観表現。今作のヴィラン、ゴアを演じるクリスチャン・ベールの造形も不気味で冒>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

哀しく呼応し合う孤独な魂を救い合う熱き成長物語。ホラーながら美しくある友情と兄妹愛に感動させられる良作ジュブナイル。冒頭クレジットのモンタージュから禍々しさ、ブラムハウス作品らしさを感じられるゾワゾワ>>続きを読む

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

失敗から見えてくる自分自身に秘められた無限の可能性。無限の彼方へと飛び立つ志。王道SF映画のツボを押えた展開や演出、豊かな表情や画のクオリティも素晴らしい。前半から食い気味な編集感で非常にテンポの良い>>続きを読む

真・事故物件 本当に怖い住民たち(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

呼応し合う悲劇的な運命を辿った者たちの哀しき魂の反撃が最高に気持ちいい。RaMuちゃんの演技が素晴らしく最高のカタルシスを与えてくれ、完全に良いところを持っていく。力技で押し切る強引さも可愛げがあり、>>続きを読む

N号棟(2021年製作の映画)

3.3

団地という異質感さえある空間に不穏で不気味な空気が漂う。生きること、死ぬこと、価値観が揺さぶられていく。萩原みのりの良い意味での嫌味さが狂気的に大暴走し、筒井真理子の不気味な微笑みがより怖さを引き立て>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.5

とてつもなく心がほのぼのと温かくなる可愛らしい作品。好きなもの、好きなこと、好きを共有できる喜び。そういう場所、空間があることで自分の心のモチベーションが上がったり、支えとなってくれる。でもそれと同時>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.5

目が離せないほどに引き込まれる海外作品のような雰囲気や感覚を持ち合わせた映像美や構成、映像的、映画的語り口の巧さ、物語、テーマ性の強度。あえての背景を見せない省略で余白を残し、想像させ、あなたならどう>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.5

生まれてくれありがとう、と自分自身の存在意義、人生を肯定してくれる言葉に救われる。歪ながらも彼らが共に過ごし、時間を重ね、関係性を築いていくロードムービー、擬似家族的視点で描かれ、登場人物たちの背景を>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

4.2

愛と性の在り方を生々しく瑞々しく描いた青春映画。直接的な体の関係からなる繋がり、離れていても、SNS等で関係性を築いていける精神的な繋がり、様々な繋がりを現代的視点から落とし込む。絡み合う多様な感情た>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

4.8

この作品そのものが恋や好きという気持ちを体現し、キラキラと光り輝く。色んな角度から恋に、好きという気持ちに向き合い、議論し、考察し、分かるけど、分からないを繰り返しながら自分の気持ちの解像度、彩度を高>>続きを読む

きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.9

映画館で見るからこそ味わえる他者との一体感や感情の共有、楽しさを最大限に感じさせてくれるホラーゲーム、ホラーアトラクション的面白さに溢れた怪作。画力こそ乏しく安っぽく見えるものではあるけれど、練られた>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.5

目を背けてはいけない、目を逸らさずに向き合わなければならない現実がある。フィクションと、地続きにある現実をバランスよく配しながら同居させ、映画ならではの手法で真摯に伝える。自分の無知さと無関心さ、難民>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

4.8

おどろおどろしいドラッギーな映像表現。自分が他人に溶け込んでいく、混ざっていく。訳の分からないクラクラする感覚に陥っていく。身体を支配する、支配される、攻防、せめぎ合い、容赦のない暴力、スリリングでサ>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

4.8

物語を伝えていく、物語をすくっていく。抜群のストーリーテリングと圧倒的なアニメーション表現で魅せる天才。超絶に湯浅政明を感じれる。何にも縛られない自由な発想、自由な世界、現代との地続き性も感じとること>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

まだまだ映画には人々の心を豊かにする力があると信じる。映画そのものを体現し、探求し、不可能を可能にし続けるトム・クルーズの素晴らしい熱に、この作品にかける本気の思いに感動。トム・クルーズ自身をこの作品>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.2

好きを貫く苦さと気持ち良さ。地を踏みしめ、静かなる情熱がたぎっていく、伝わっていく。熱い魂同士のぶつかり合い、寄り添い合い。創造する者たちの泥臭くも輝かしい摩擦から生まれていく素敵な想像力。己の想像力>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.5

モノクロで映し出される優しい視座を持った未来へのまなざしたち。大人の視点、子供の視点、それぞれ様々な立場から見えてくる人間の本質。対話をする、耳を傾ける、他者に興味を示すことにより、自分自身とも向き合>>続きを読む