れんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro(2023年製作の映画)

4.3

あまりスピッツに触れてこなかった人生だったけれど、タイトル通り、滲み出るあまりの優しさにナチュラルさに粒ぞろいの楽曲たちに感動する。スピッツの人柄の良さや温かさを覗き見るようにぎゅっと閉じ込めた青春模>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

4.5

純真無垢で悪意のまなざし。子どもが感じる世界の瑞々しさと残酷さが生々しく、恐ろしく描かれる。忙しく変動する感情の揺らぎの中で世界の曖昧さ、不条理さを感じ取りながら渡り歩いていく。好奇心旺盛に模索し、素>>続きを読む

裸足になって(2022年製作の映画)

4.2

絶望からの再生物語。バレエダンサーを夢見るフーリアに降かかる辛すぎる悲劇。アルジェリアの情勢の過酷さ、その中で生き抜こうとする怖さや残酷さ、大きく影を落とす闇が背景として横たわる。彼女のひたむきで前向>>続きを読む

ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.9

伝播していく音の恐怖。GENERATIONSが本人役で出演するという現実とフィクションが混ぜ合わさる曖昧さが地続きな恐怖をより引き立てる。突如として怪異に巻き込まれ、恐怖の謎を解明していくシンプルなプ>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

5.0

ポップでコミカルな世界観と共に切実で痛烈な想いが詰め込まれる。バービーというアイコンに敬意を払い命を吹き込み、現代への皮肉を織り交ぜ最高のエンターテインメントに昇華させて見せたグレタ・ガーウィグ監督、>>続きを読む

トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.7

金属生命体たちが繰り広げる大味で大迫力のバトルに否が応でも興奮する。マイケル・ベイ監督版のやりすぎ感のある混沌としたアクションから物足りなさがありつつも非常に整理された見やすいアクションに仕上げられて>>続きを読む

死霊のはらわた ライジング(2023年製作の映画)

4.2

冒頭から死霊のはらわたシリーズが始まったと実感させてくれるカメラワーク、エグ味のあるショッキングなシーンも加え、正にライジングなタイトルバックのかっこよさ、抜けの良さにぶち上がる。よせばいいのにという>>続きを読む

アシスタント(2019年製作の映画)

4.8

静かなる叫びと怒り。淡々とした作劇、不穏で無機質な画作り、まるで存在していないかのように冷ややかな目線に晒され扱われる。誰もが気づき、誰もが目を背ける組織の仕組み。そうならざるを得ない空気感、それを生>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.0

相容れない関係性から成る王道ラブストーリー。もしもな世界、火・水・土・風の元素を特徴化、擬人化させてみる流石ピクサーなアイデアとイマジネーション。その世界観、キャラクターたちに命を吹き込み創造する圧巻>>続きを読む

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

4.0

初の3DCGで縦横無尽に躍動するクレヨンしんちゃんワールド。3DCGで描かれるしんのすけの丸みのある質感、ビジュアルが素晴らしく可愛い。要所要所で見せるしんのすけの純粋な正義感ある表情にグッとくる。空>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.6

これからの未来について、これからの私たちについての力強い物語。目先のことももちろん重要で大切なものだけれど、前へと進むために遠くを見つめることで視野が自然と広がる。それぞれ立場の違う人、考え方の違いが>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.2

癒しと勇気の小さな優しい物語。体長2.5cmという小さな命ながら大きな世界に対して賢く工夫を凝らし生きていく、そんなマルセルの健気な姿が愛おしい。マルセルの好奇心旺盛さが純粋にこちらに伝わってくるよう>>続きを読む

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

4.8

優しく手を差し伸べ寄り添い続けること。レスリーを捉え続けるカメラの暖かな視線。息子への深い愛情がありながらもお酒に溺れどうしようもなく立ち直れない状態での痛々しい振る舞いの数々。ふとした瞬間にストレー>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.6

スクリーンに映し出されるエネルギーの強さが半端ではない。心から楽しい作品を作り上げようとしている作り手の本気度には抗えない、作品の娯楽としての強度が高すぎる。見せ場のアクションのつるべ打ちに脳が歓喜す>>続きを読む

ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

4.2

得体の知れない何かに触れさせてくれる独特な体験はデヴィッド・クローネンバーグ監督の世界観でしか味わえない。肌が息をしている感覚と性の生々しさ、肉体変容の想像を絶するグロテスクさと恐ろしさ、常に生身を感>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.9

実在したエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父。アモルト神父の活躍をエンターテインメント性をふんだんに盛り込み楽しく描くエクソシズムバトル映画。ラッセル・クロウ演じるアモルト神父の登場シークエンスか>>続きを読む

クモとサルの家族(2022年製作の映画)

3.0

なかなかに癖が強すぎる時代劇。作品の世界観やルール、構造に違和感を抱き困惑し面食らう。遊びの効いた自主映画で愛着の湧く温かな手作り感を醸し出す。宇野祥平とどぶろっくの江口直人、似すぎている2人の共演が>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

色彩豊かでテクニカラーな画作りに往年のクラシカルな映画を見ているような新鮮度。ホラーというジャンルの奥深さや柔軟性にまだまだ可能性を感じる。『X エックス』の前日譚でありパールの内面が、欲望が切実に映>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

台湾の原作とはまた違った魅力、味わいで楽しめる日本リメイク版。1秒早い彼と1秒遅い彼女が織り成す不思議でファンタジックなラブストーリー。岡田将生のコミカルなキャラクターに幅の広さを感じ、清原果耶の静か>>続きを読む

Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)

4.2

ジュリアから溢れ漲ってくる、滾るような生命力に圧倒され続ける。何にも縛られることなく映画のフレームからも抜け出すように、バイクに跨り自分自身や世界を感じながらどこまでも自由に疾走していく。地響きと共に>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

インディアナ・ジョーンズ最新作にして最後の冒険。スクリーンで繰り広げられるインディの活躍を見れるだけで幸福。時代の流れには逆らえず年老いていくこと、それと共に幕を引かざるを得ない冒険。それでも過去から>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

記憶を辿りながら過去と繋がり、あの頃感じた思いに寄り添い理解する。柔らかな空気感に包まれる父との思い出たち。その中で不穏に響く切実な叫びやもがき、痛ましさ。父との思い出の輪郭を優しく触りながら、何度も>>続きを読む

君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

3.9

不眠症という共通点で繋がっていく2人の柔らかな眼差しとときめき。森七菜の等身大で純然たる素直さ、自然な振舞いの破壊力、底なし沼な魅力に圧倒される。奥平大兼の所作と声にも引き込まれる。王道的な青春映画の>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

2分間を何度もループする少し不思議で軽快な群像劇。限定された空間、限定された時間の中で慌ただしくもテンポ良く織り成されていく人間模様、面白いアイデアと緻密に練られた脚本、創意工夫に溢れたチャーミングさ>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

4.0

レア・セドゥに宿る美しく自然体な神秘的でさえある輝かしさ。様々な人と関わる中で見せる表情の変化と豊かさ。大切な人のかつての姿が失われていくのを目の当たりにしながら悲しみや強さを携えて逞しく生きていく。>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

恐ろしく革新的で多様なセンスたちが生み出す前作をも上回る驚異的に進化した映像表現に度肝を抜かれる。壮大なスパイダーバースをアクロスしていくロードムービーであり、様々なスパイダーマンに出会える作品として>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.2

エンターテインメントを体現するどことなく懐かしい楽しさや愉快さが縦横無尽に駆け巡るヒーロー映画。冒頭からユーモアが溢れ出し掴みのシークエンスとして最高に笑みがこぼれる面白さ。フラッシュとフラッシュのチ>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

4.2

ひとつひとつのパフォーマンスに圧倒される。ハリー・ベイリーのキュートさ、伸びやかで自由な歌声の美しさ。「パート・オブ・ユア・ワールド」のパフォーマンスシーンはここでは無いどこかを夢見るアリエルの心情を>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.2

ミーガンの魅力に取り込まれる。スマートで逞しくもある新たなホラーアイコンとしてのキャラクター造形が何より素晴らしい。AI技術の発達による脅威、旬な題材を巧みに扱い、しっかりと未来を見つめ、そして今の物>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.8

この世で最も黒い絵を巡り怪異と遭遇しながら謎を追う岸辺露伴の旅路。ふと思い出される岸辺露伴の青年時代を機として過去の出来事に襲われる不可解さ、この過去パートが漂わせる不気味さと青さと官能的でさえある雰>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

凄みが充満する物語構成の緻密さと全ての感情が持っていかれる吸引力。様々な視点から語られながらも余白を残し、移りゆく視点とともに劇映画的に、ドキュメンタリー的に幾重にも映画の感情が重なっていく。じりじり>>続きを読む

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.3

80年代のパリに流れる豊かで柔らかな匂いと時間。温かなザラつきやひんやりとしたノスタルジックな雰囲気。エリザベートやその子供たち、そしてタルラとの交流を経て繋がり、それぞれが様々な思いを抱えながら支え>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.4

ロバのイーオー視点から見えてくる人間の愛情、愚かさ残酷さ身勝手さ。イーオーが見せる愛しさと儚げな表情。険しい道を駆け巡りながらその瞳に映る世界の様相。イーオーはこの世界を見て何を感じたのか。暗闇の森の>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.8

忘れてしまいたい、断ち切りたい辛い過去との対峙。クリードシリーズ第3作目にしてマイケル・B・ジョーダン初監督作はエンタメ色が格段に上がり、無邪気な好きに溢れている。外連味たっぷり盛り込まれたファイトシ>>続きを読む

65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.5

全編にわたってスクリーンに映し出されるアダム・ドライバー。ボロボロになりながら少女を守り、恐竜と闘うアダム・ドライバー。アダム・ドライバーから醸し出される可笑しみやセクシーなかっこよさ、可愛さ、安心感>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

3.8

度を越した所では無い荒唐無稽で何でもありな展開に慣れつつ呆れつつもスクリーン上で起こっている訳の分からないその状況が何とも可笑しくて楽しい。MCUとDCアメコミ映画の豪華俳優大集結の乱れ打ちも非常に楽>>続きを読む