1975年のパリ。当時子育て中で家から離れられなかった監督が、自宅からつないだ電源ケーブルが届く範囲内で撮影したドキュメント。
すごくよかった…。映し出されるのは、近所で商店を営む人々の生活者として>>続きを読む
「合理的な魂」
255分の言葉の洪水、心地良い疲労感でいっぱい。。第一部の奇跡のような長回しから、さらなる密度で言葉と想像力に託した第二部。現代における手紙は伝えられなかった思いの表象なのかな。
不安や恐怖が周囲に理解されないときの身の置き場のなさ、を「軽さ」で表現しているようですごい…軽やかというか軽い(褒めてる)
奥歯を噛み締めながら見た。懇切丁寧に積み上げられた脚本(ゆえに、とてもおぞましくしんどい描写が多いので注意)の最後、決闘を見つめる目にすべてが詰まっていたな…
生きとし生けるものとともに生きることの希望と絶望。赦しのない救い。全編に漂う不気味さは「他者」のそれで、圧倒的なリアリティを感じた。完全に前のめりになって見てしまったので引きでもう一度見返したい。
幼くして性別違和に気づいたサシャとその家族のドキュメンタリー、なんだけど、こんな撮り方していいのかな?って不安な気持ちになる瞬間が何度もあった。実在の人物をドキュメンタリーの被写体にしたときの、カメラ>>続きを読む
濱口竜介作品、何気に初鑑賞だったんだけど、すごく好きな温度感。喫茶店での会話が良すぎた。町を割くように流れる川が印象的。
直接的な性暴力のフラッシュバックを娯楽ホラーの要素にするのどうなん
赤いスカーフをテーブルランプにふわりとかけて部屋が赤で満たされるシーン、美しくて刺さった(上映環境のせいか実際には赤ではなくピンクに見えたけれど…)。太陽に追われるように爆走するのも好き。
魂の作品。修行のような映画体験。ラストカットからのエンドロール、今まで出会った中でトップクラスに美しかったな。
西部劇の形をした男らしさを解体する物語…なんだけど、すごく多層的で丁寧。嫌なこと言われたらその言葉で速攻曲つくるの、心当たりありすぎる。居心地の悪い空間を艶っぽく演出するのがとても好み。
とある場面を境にこれまでの見え方が崩れ、まさに湯気のように物語の細部が立ち上がる。ヨラテンゴが流れる中でのウィル・オールダムの語りは歌のようだったな。
赤点とったり失恋したり 悲しいことがある度に十字架立てて本気の葬式してるの良い
あらゆる造形、美術、振動の全身浴…こんなに魔術的だなんて知らなかった
ウィッチと対を成してる感じ。殺し合いのようでラブシーンのようにもみえる会話劇がすさまじい。
当時地上では日本政府の対応の拙さばかりが話題だったように思うけど、ここに映っている船内の格差が一番ぞっとする。あとOPNっぽい音楽だと思ったら本当にそうだった。
このレビューはネタバレを含みます
まあ男子の物語ですよね〜!って感じだったけど全員で歌う恋INGは良かったし、わたし自身もまんまと「あの頃。」のタイムカプセルを開けられてしまったわよ…
エンディングで亀井絵里さんの歌声を久しぶりに聴>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
自分の中の倫理観をオフにして楽しむつもりだったがスクリーンに映るそれがアフガニスタンの現状と完全にリンクしていてグロい。アメリカ……。あとお金かけた「悪趣味」は本当にグロテスクだ。
冒頭10分のキャ>>続きを読む
全ての画がキマりすぎてる。特にいぶし銀の久蔵が花々咲き乱れる中で潜んでいるショット、優勝。白黒なのにとても鮮やか。
訳あって15年ぶりに見たけど、2000年代後半にギリギリ成立してた価値観やあの時代の気分が詰まっていてしみじみとしてしまった